母の教え:訓示を垂れるから座りなさい
昔から我が家では、家長(父親)が食事の前に挨拶する時は、緊張したものでした。
お盆や正月、法事などで親族が集まった時は、ご先祖たちも一緒に聞いているので、「家長の言葉」は人としてだけでなく、先祖の思いを伝える役目だから、ちゃんと聞きなさい」と母が教えてくれました。
毎日、田んぼで泥だらけになっている父を見ているのに、「家長が挨拶する時は、ご先祖を代表として目上の人から言葉を承る意味で、正座で聞きなさい」と教わりました。
社会へ出て、この所作と思いを学んだおかげで、とても言葉では表せないほど、心ある先輩たちが大切にしている思いをさらに教わる機会がありました。
自分だけの思いをただダラダラ話す先輩とは違い、きちんとした場所で代表者として挨拶する機会があなたの子供たちも経験することを考えると、親はそのことを考えて、しつけの中で教えなくてはいけません。
正式な場か、そうではないフランクな場なのかをさっと気づくには、先輩たちの所作を見て、その場の「気」を読めるかどうかで決まります。
家の中で、家長が言葉を話す時には、お母さんが「ちゃんと聞きなさい」と正座して教えるからこそ、その場の意味を感じる人間になれるのです。
人間の価値は、社会的にちゃんとした場や優れた人に、どれくらい出会ったかで、「人の価値」は決まります。
会社の役職が偉いか偉くないかではなく、お金があるかないかでもなく、場の空気を読みとり、先輩の気持ちを組んで話ができる人間と所作を教えるのは、お母さんの役目ですので、小学生の頃から教えてあげて下さい。
こういうことを学んでいる男の子は、会社の中で目上の人に認められやすいですし、大切な場に呼んでもらえる人間として扱われます。
また、こういう所作や言葉使いを正しく知っている女性は、必ず、良い大人たちから縁談や仕事の話がやってきます。
「人生は、思いより所作」
あなたの周りの子供達にも、あなたが手本を示して教えてあげて下さい。