農薬も化学肥料も無かった時代の農業
私が生まれた北海道の芦別市常磐町は、芦別市の始まりの土地ですが、150年前に本州から追われるように移住した人たちが、自分達で山林を切り拓き、田畑にした結果、現在の豊かな農業ができるようになりました。
現在では、「北海道の最高の米どころ」と呼ばれる空知地方の最も美味しいお米ができる地域と、日本全国でも有名になりました。
子供の頃に親の農作業のお手伝いしていると、毎年、田畑にいろんな虫がやってきて、畑の野菜の葉っぱを食べたり、お米の葉っぱに病気の虫がついて、大きく収穫を減らすことも多かったので、当時の農家は虫や病気と毎年、戦っていました。
その苦労や知恵が一切、無くなったのは、「除草剤」という化学薬品が出回り、ただ田畑に散布するだけで、田畑の全ての虫が死に、害虫被害が無くなったからです。
喜んでいられたのは、その年だけで、翌年には、散布した除草剤に負けない害虫が現れて、2年目の害虫被害が広がりました。
当然、2年目の害虫を殺すための「強い殺虫剤」が出来上がり、3年目はまた全ての虫がいなくなりましたが、4年目はまた、新しい除草剤に負けない新種の虫が広がりました。
イタチごっこのように、毎年、虫と殺虫剤の戦いを見ていましたが、父は一言、ボソッと、こう呟きました。
このまま毎年、除草剤を撒けば、田んぼや畑にいる全ての虫や菌だけでなく、全ての微生物が死滅して、何も育たない土地になってしまうなあ・・・。
3年目の収穫量が大きく減った結果、農家たちが北大の化学薬品の研究者に依頼して、科学的に野菜や果物やお米が育つ「化学肥料」を作ってくれと嘆願した結果、大量の農薬(殺虫剤)と大量の化学肥料を入れる農業が全国に広がりました。
しかし、父は最後まで、農薬を少なく使い、できるだけ昔の堆肥や藁を細かく砕いたものを撒きながら、何度も水田に入って一人で田んぼの中の微生物を増やす努力をしていました。
そっと、父の後ろで藁を運ぶお手伝いをしていると、父は一人でこんな言葉をつぶやいていました。
「すまんなあ、すまんなあ、微生物さんよ。本当に、すまんなあ。
俺たち農家は子供の為にお米をたくさん作らないといけないので、申し訳ないが少しだけ除草剤と化学肥料を入れるけど、我慢してくれなあ。」
僕は、父の後ろでこの声が聞こえて泣いてしまいました。
ここまでして、微生物に語りかける人間がいるだろうかと思いましたが、結果は、その年の稲刈りの収穫量に出ました。
その年の夏は、いつもの夏より気温が低く、ほとんどの町内の田んぼの収穫は、5割減だったので、借金をして除草剤と化学肥料を買った農家たちは大きく落胆しました。
でも、我が家の田んぼだけは、なぜか、収穫量が3割減で済んだのです。
その結果を見た周りの農家たちは、吉岡さんの田んぼは、何か秘密があるんだろうと、毎日、たくさんの農家たちが父を訪ねてきて、質問していました。
でも、父はいつもこう言いました。
「俺は何も特別なことはしていないさ。
お前たちと同じように除草剤と化学肥料は入れたぞ!
ただな、少しだけ堆肥と藁を砕いて撒いたので、違うことはそれくらいかなあ。」
しまいには、北大の化学肥料の研究者と微生物の研究者がやってきて、我が家の全ての田んぼにいる微生物を採取して帰りました。
あとで、芦別市の全ての農家に報告された調査結果は、こう報告されたそうです。
芦別市常磐町の吉岡さんの田んぼの微生物は、芦別市の全ての田んぼの微生物より、数も、種類も多いので、きっと、そのせいで冷害に強い稲が育ったのだと思います。
収穫した稲の中の微生物を調べましたが、他の田んぼにはいない新しい微生物が発見されましたので、これは今、微生物学会に報告しています。
本来の芦別市の土壌の中にはいない微生物が、芦別市常磐町の吉岡さんの家の田んぼにだけいるので、これから毎年、吉岡さんの家の田んぼの微生物を採取して、ご報告します。
しかし、翌年の天候が良かったせいで、冷害にあった田んぼの収穫量も上がり、微生物を完全に殺す除草剤と化学肥料で、これからの大量にお米を作る拡大農業が国の方針で決まったため、父に一生懸命に聞いていた農協職員は、
吉岡さんの農法ではこれ以上、収穫量が増えないと思うので、もう諦めて、皆さんと同じ普通の農業にして下さい。
それと、他の農家の人たちは微生物のことを理解できないので、変な農法をしてると噂が広がってますので、申し訳ありませんが、他の人と同じ農薬と化学肥料を使う農薬農法に切り替えて下さい。
でも本当は、私も残念でたまりません。
初めて、微生物を活性化させる技術を広められると北大の研究者たちも喜んでいましたが、実際に作るのは農家さんなので、私たちの意見は通せないのです。
本当に、申し訳ありません、と農協の人と北大の研究者が父に頭を下げました。
農協職員が帰ったあと、父は一人で田んぼに行って、「着いてくるな!」と一言だけ私に言いました。
きっと、何か特別なことがあると思って、そっと、父の後ろを付いていくと、父は自分の田んぼの微生物にお詫びをするために、塩とお水とお酒を持って、田んぼの横に正座しました。
塩、水、酒を田んぼのあぜ道に置いて土下座してから、「ごめん、ごめん、本当にごめんなさい」と涙を流しながら微生物たちにお詫びしていたのです。
私は遠くから見ていましたが、父の心の声がはっきり聞こえるので、父の背中を追っていくと、自分の家で作っている全ての田んぼの一枚一枚に土下座して周り、微生物たちに心からお詫びをしている父が見えました。
もう、見ているだけで涙が溢れて止まりませんでした。
すると、微生物たちの声が聞こえてきました。
「いですよ、吉岡のお父さん。
あなたは子供を育てるために堆肥を作ってわざわざ撒いてくれたので、もっと多くの微生物が必要だと思ったので、新しい微生物が生まれるようにみんなで力を合わせたのですが、あまり効果は出なかったのですね。
私たちの力が足りなくて、本当にすいません。
本当なら、天候が良い状態で、あと3年、待ってくれれば、新しい微生物がどんどん増えて、農薬にも負けないし、害虫も寄らないし、収穫量が1.5倍になるはずだったのですが、残念です。
でも、お子さんが中学生になれば、きっと、お米もたくさん食べるでしょうから、今の私たちの努力では間に合わないかもしれませんので、どうぞ、除草剤と化学肥料を入れて下さい。
私たち微生物は、土の奥深くに入って、いつか、除草剤と化学肥料で作ったお米を食べると、人間の体に不調が出ることを気づくまで、待つことにします。
その時は、深く田んぼを掘り起こして、太陽の光に当てて下さい。
また、その時に私たち微生物は頑張ります。
どうか、気を落とさず、新しい農業を進めて下さい。」
あとで、父にこの微生物のメッセージを伝えると、ボロボロ、大粒の涙を流しながら、
「そうか、そうかあ、微生物さんたちは許してくれたか、ありがとうな、ありがとうなあ。」と言いながら、初めて私の頭をなぜてくれました。
北海道の農家の面積は、本州の農家の10倍から100倍の広さですから、大きな機械を買わないと人手が足りないので、農薬と化学肥料を大量に入れて、一戸あたりの作付け面積も毎年、増えています。
無農薬で作った田畑と、そうでない畑や田んぼに行ってすぐわかるのは、
化学肥料で作った畑や田んぼには、土の香りがしない のです。
私たちが大自然の森の中に行った時、あの清々しい空気や森林の香りは、全て微生物の香りなので、化学肥料を入れた土には全くその香りがしないのです。
だから、みなさんがスーパーで買った野菜や果物にも、あの清々しい森林浴の香りはしないので、すぐに腐るのは当然なのです。
「腐る」という意味は、腐る発酵菌が正常菌の数を上回った状態になると腐るのですが、「▶️抗酸化万能洗剤えみな」を田畑に撒くと、正常菌が発酵菌を抑え込み、田畑は正常な微生物が増え続けるのです。
だからこそ、今の田んぼや畑やベランダの土に、「抗酸化万能洗剤えみな」を少し混ぜ込んで下さいとお伝えしているのです。
微生物か元気かどうかは、「土の香り」でわかります。
私の父は土の匂いを嗅いだ後、必ず、土を少し食べますが、私も口に入れて食べてわかったのは、正常な微生物の土は美味しいのです。
どうぞ、ベランダのプランターの土の匂いを嗅いで、少し食べてみて下さい。
必ず、▶️「抗酸化万能洗剤えみな」を入れると美味しくなるのがわかります。
現在の日本の農業は、除草剤、殺虫剤、農薬、化学肥料を入れるのが、当然の農業なっていますが、知らない人のために、なぜ、そうなったのかを説明します。
生産現場から遠いところに住んでいる人たちや、自分で食べ物を作っていない人たちが、お金を出すからお前の食べ物をたくさん売ってくれ!という要望から商売が始まり、大きなスーパーができたことで、大量仕入、大量販売、大量廃棄が普通になってしまったのが、大きな原因です。
その時、同時に起きた問題は、真っ直ぐな形のキュウリしか買わない、大根も45cmのものしか買わない、人参も23cm前後のものしか買わないと、スーパーが勝手に輸送のコストダウンのためにルールを決めたせいで、農家で作った食べ物の一部は出荷しますが、規格外のものは全て廃棄する決まりになったのです。
サイズや形はバラバラでも、味は全く同じなのに、曲がったキュウリはスーパーに売っていないし、大根の葉っぱが付いたものも売っていません。
ニンジンを作る農家に聞きましたが、規格外で捨てる人参は、35%ほどあるというから驚きです。
もし、規格外品を全て販売できれば、売値は半額近くに下がりますし、農家の収入ももっと増えるはずです。
つまり、生産現場で35%の無駄が起きているうえに、集荷、梱包、輸送の全ての経費が上積みになり、市場の相場価格に影響を受けながら、スーパーの利益を乗せたものが、みなさんがスーパーで買う値段になっているのです。
3本128円のニンジンの生産コストは、10円もしないことを理解すれば、農家は大量に作って売らない限り、農業で暮らしてはいけないのです。
みなさんは、曲がったキュウリや太さや長さがバラバラな野菜がスーパーに積まれていたら、自分で選んで買いますか?
同じ値段を払う時に、自分の家族の人数や、調理に合わせて、細いニンジンが欲しい時もあるし、煮物にするのに太いにニンジンが欲しい時もあるでしょ。
しかし、曲がったきゅうりをスーパーで売るには、輸送コストが増えるので、全ての野菜を売るには、生産農家のすぐ近くで販売しない限り、無理なのです。
この形で売っているのは、田舎の「道の駅」ですが、最近の奥様たちは、生産現場を見たことがない人ばかりなので、どれが新鮮で、どうやって美味しいものを見分けるのかも、わからない人が増えているため、無駄な買い物をしている人もたくさんいます。
生産現場➡️市場➡️スーパーへ運ぶ輸送代金にお金をかけるなら、自分で直接、無農薬で作っているお店からネット購入して運んでもらって下さい。
🔴私のオススメは、「食べチョク」です。生産農家の知り合いが居れば、ぜひ、まとめて購入することをお勧めします。
そのほうが、生産者に残るお金も増えますし、無駄なところにお金を落とす必要もないのです。
現在の大きな流通システムには「市場」という日本独自のルールがありますし、「農協・ホクレン」という多くな買取団体があるおかげで、農家の収入は増えない仕組みが、完全に出来上がっています。
心がある消費者は生産者から直接、買うか、自分で畑や田んぼの生産現場に行って目で見て、土を触って、空気の匂いを嗅いで、健康な野菜やお米を買うようにして下さい。
なるべくまとめて大量に買えば輸送代金も安くなりますので、近所のお友達と分け合って購入すれば、無駄は無くなります。
昔から続いている「生活生協」の生産現場は最初の頃と違って、大量生産になったため農薬を使い出し、化学肥料も入れている田畑が増えていることは、あまり知らされていません。
だからこそ、食べ物を買う奥様たちが自分の目で判断できる情報や体験が必要なのです。
▶️「命を育てようプロジェクト」は、自分の手で食べ物を作ることで、たくさん素敵なことを学べますので、自分ができる範囲で食べ物を作り、周りの人にお裾分けして下さい。
「命を分け合う仲間」がいるかいないかが、これからの時代に大切なキーワードになりますよ!
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