母の教え:結婚したらまず、「お母さん、教えて下さい」と言うこと。
いろんなお嫁さんたちに、質問した経験があります。
最初に聞く質問は、「あなたのご家庭の料理の味は、誰が決めたのですか?」と聞きます。
1、自分で覚えた味で作っている人
2、自分の母親から教わった味で作っている人
3、旦那のお母さんから料理の味を教わり、ご主人に作っている人
はい、正解は、三番です。
何の正解かと言うと、夫婦円満になる秘訣なのです。
男は外で働いて、家に帰ってきた時に「料理」で癒されるのですが、その味が自分の母親の味の場合、とても良い仕事ができる男になるのです。
これは昔から賢い女性が嫁たちの前で講演した時のお話ですが、私はこの話を母に教えてもらいました。
母は、父と一緒に田んぼで働いているうえに、一緒に家に戻ってきてから料理を作るので、子供ながらに大変だなあと思っていました。
その母が、突然、父にお願いして本家へ行き、あの怖いお婆さんに料理を習いに行ったので、驚きました。
何度か料理を教わった母は、「手間が面倒だなあ。腹に入ったら一緒なのに・・・」と言いながらも、新しい味を必死に作って父に食べさせました。
私の父は、うまい、まずいを一切、言わない人なので、私も父の反応を見ていましたが、食べている時は何も言わないまま、食事が終わったのでガッカリしました。
あまりにもじれったいので、父に私が「今日のご飯の味はどうだったの?」と聞くと、「あー、うまかったよ。」と言いました。
「母が努力して美味しく作った料理なのに、なんとか言ってあげればいのに」と言うと、後ろを振り返ってこう言いました。
「今日のご飯は美味かったよ。実家の母の味を思い出したよ。」と言いました。
さすが父!実は、料理の味はわかっていたのに、何も言わないとは!?と思っていると、
「女はな、一度、甘い顔をすると、ずっと、同じ料理を作るから、俺はあまり褒めないんだ」と言いました。
そんなことはないと思っていましたが、父の実家で覚えた味で褒められたのが嬉しかったのか、大変なことが起きました。
秋のお米の収穫が終わると、父はすぐに「出稼ぎ」にいってしまい、正月まで帰ってきません。
母はせっかく覚えた料理を作るチャンスがないので、私に毎日、いろんな料理を食べさせてくれました。
その中で、「百合根のあんかけ」が美味かったので、母に美味しい!と言うと、それから毎日、一週間、大きな鍋に「百合根のあんかけ」が出てきたので、父の言葉は正しかったと思いました。
女性を褒めるのは私も苦手ですが、いやいや、母のまっすぐな性格がこんなところにも出るのかと、悲しいやら嬉しいやら、懐かしい思い出です。
母よ、今まで美味しい料理を作ってくれて、本当にありがとうございます。