命のローソク 3 冥道の光
お釈迦様に手を引かれて、永遠とも思える宇宙空間をしばらく移動していると、「ある星」に着きました。
お釈迦様がいろんな存在達に私のことを説明し、奥へ奥へと入ると、真っ黒な壁のような場所へ着きました。
お釈迦様は、「あワシは、ここで待つので、お前一人で中へ入って見てこい!」と言いました。
ただな、決して、見えているものに触れることはしては、ならんぞ!絶対だぞ!
お釈迦様も中に入れば、いいじゃないですか?ダメなんですか?
うむ、ワシは生きていた人間なので、この中へ入る資格がないんじゃ。
お前の魂は、人間として生まれる前から宇宙のいろんな場所で、いろんな役目をしているので入れるが、この中だけは生きていた人間は、入れないのじゃ。
さあ、行ってこい!ここで、待っているぞ!
みんなが拝んでいるお釈迦様を、外で待たせている自分を笑いそうになりましたが、ここはそうそう来れるところではないので、ソーと、ドアを開けて中に入りました。
最初は、白い霧に包まれていて、奥は見えませんでしたが、しばらく進むと、ぼんやり、明かりが見えました。
その明かりは、光の線になってこちらへ向かってきますので、これがもしかすると、僕が以前、見た「冥道(みょうどう)の光」なのかと頭の中で考えると、頭の中に声が聞こえました。
「そうである!
お前が見た「冥道(みょうどう)」は、この場所の光のことを言うのだ。
現世に戻ったら、馬鹿な坊主達に教えてやっておくれ。
お経を読んだ回数でも、徳を積んだと呼ばれる高僧でも、まず、ここの光を開いて見れる坊主はおらんと思うな。
お前が見た近所の坊主だけは、魂が違う!
奴の魂は、お前と同じ役目で生まれているが、あまりに現実が辛すぎたので、坊主になってしまったのだ。
本当は、坊主なんてならなくて良かったのに、誰かが、お経をあげれば魂が浄められ、お浄土へ行けると「嘘」をついたことで、仏教が世界に広まってしまったのだ。
人間がいくら努力しても、この「冥道」を開けることはできないと、覚えておきなさい。
お前と、お前の家の向かいの住職だけは魂が違うので、ここに入る許可を持っているのだ。
だから、釈迦でもここには入ってこれないのだ。
そう、覚えておきなさい。
いやあ、そう言われても、自分の過去の記憶を消されているので、明確には理解できないと思うと、さらにこう言われました。
これは、「地球だけのサービス」なのだ。
地球がこの宇宙にとって、どれほど大事かを知っているか?
もし、地球が崩壊すれば、この場所も、宇宙も全てが消し去られてしまうからこそ、「最後の願い」として地球を産み出し、地球に人類を生み出し、過去のカルマに引きづられないように「過去世の記憶」を消したのじゃ。
まだ、何か聞きたいことがあるか?
ワシも暇ではないので、ちょっと出かけてくるが、いつでもお前の思いは届くので、聞きたいことがあれば、心の中で思いなさい。
すぐに、答えを教えて差し上げる。
じゃあ、行ってくるぞ!
誰も居なくなった明かりの世界を奥へ奥へと進むと、そこには数を数えられないくらいの赤いローソクが並んでいました。
見える全ての世界が、「ローソクの炎の世界」です。
ここが、冥道(みょうどう)の最後の場所かあ・・・、すごく美しいなあ・・・。
でも、よく見ると、消えたローソクもあったり、長いローソクと短いローソクがバラバラに並んでいるので、消えたのを外して、新しいローソクをつけてあげたくなりました。
それは、ダメ!!決して、触ってはいけないの!
お願い!触らないで!私が怒られるから・・・!!
その声の主は、小僧のように見える丸坊主の少年でした。
君は、なぜ、ここにいるの?
僕の姿が見えるの???初めてだ、嬉しい!
どうして???
僕は実は、子供では無くて、過去にとんでもない罪を犯したので、体も消されて、記憶も消されて、ここにいるんだ。
何をすればいいのか上に聞いた時、「お前は、このローソクの番人だ!」と言われんたんです。
でも、自分でローソクを入れ変えてはいけないので、ここを管理している存在に声をかけて、「魂が消滅するまでここにいろ!」と言われたんです。
だから僕は、ここから一歩も出られないし、滅多にここに来る魂もいないので、とっても暇なんです。
これがもっとも厳しくて、優しい「罪のきせかた」だと、ここに居てわかりました。
だって、何をしてもしなくても、誰も評価してくれないし、ただ、「魂の消滅までそこにいろ!」ですよ、辛くてたまりませんよ。
それは、辛いですね。
代わってあげたいけど、僕はまだ「肉体」があるので、代わりにここにいることはできないので、ごめんなさいね。
本当に?あなたは、肉体を持っているの?
それで、ここまでやってきた魂は、過去にはいませんよ!
そうなの?その理由はよくわからないけど、昔々、僕の魂は、とても大きな仕事をこの宇宙でしていたみたいなので、今回は、特別にお釈迦様に連れてきてもらっただけなの。
ちょっと、見るだけの約束でね!
いいなあ、肉体を持っているんだ・・・。
僕なんか、一度も肉体を持ったこともないし、ただ、毎回、過去の記憶を持ちながら、いろんな星で経験することをやり続けているだけなんだよ!
肉体を持つのって、嬉しい?面白い?どうなの?
最低です・・・。
僕はハッキリ言って、肉体が無いほうがあちこち「意識」で行けるし、「死」で悲しんだり、「生」で喜んだりしなくてもいいから、いつでも肉体を終わらせて!ってお願いしているんだけど、なかなか死なせてくれないんだ!
へー・・・、他の星の人たちも、地球という星には、「肉体を持ちながら魂の意識もある」不思議な場所だと言われているよ!
滅多にないみたいだよ!肉体と魂の両方を持っている星は!
このことを地球の皆さんに教えてあげたいけど、自分の肉体年齢は幼稚園生だし、この時でも十分、周りの大人達から敬遠されていたので、本当のことはいつ話せるのか悩んだことだけは覚えています。
地球の皆さん、肉体と魂の両方を持っている意味に、早く気づいて、行動して下さいね!