命のローソク 13 人のご縁は巡る
私が通った「芦別高校 普通科」は、平均的な偏差値の田舎の学校ですが、時代が時代なので、多少の「荒くれ者」もいました。
私の従兄弟たちも芦別高校に通っていたので、高校1年生になった時、従兄弟のお兄さんが、ボロボロの黒い学生カバンと「白サヤのドス」を持ってきた話しは公開済です。
👉長ラン・リーゼントの学級委員長 2 高校入学祝いはドス(小刀)
私の高校時代は、1クラス30名で6クラスありましたが、なぜか不思議なくらい自分達のクラスだけはとても仲良しになり、自分が生まれ育った幼稚園からの同級生と同じように接することができたので、とても心が落ち着く時間でした。
1年間、楽しいクラスの時間を過ごしましたが、他のクラスにはツッパリも数名いますので、「斜め目」で睨み合うことも、しばしばありました。
高校2年生になった時、同じクラスになった仲良し男女は、お互いに協力し合って、クラスの問題を全て解決していました。
そんなある時、いつも優しい言葉で女生徒たちの問題をまとめていた「賢い女の子」が泣いていました。
どうしたのか聞いてみても、「あなたは男だからわからないから無理だわ」と言われてしまい、しばらく見守るしかない状況になりました。
そんなある時、朝1番から泣いている彼女をみかねて、幼稚園時代からの同級生と同じように家族の問題全てを支えてきた私なので、「良かったら話してみて?」と聞いてみました。
その時は、同じクラスの女生徒が、誰も対応できない問題だと、サジを投げたからです。
すると、「自分の父親」がお寺の住職で、檀家さんから集めたお金を女と酒に注ぎ込んでしまい、お母さんと子供たちの食べるものもない生活をしていることがわかりました。
西芦別町や頼城町にはほとんど農家はいないため、お布施は「お金だけ」なので、余計に住職が使い込みやすいのも仕方がありません。
母に聞いても、昔からあのお寺の住職は、女と酒にお金を注ぎ込むので、檀家さんたちが離れていくと教えてくれました。
さて、どうするかを考えた結果、まず、その日のお昼弁当を全員に半分づつ出してもらい、その女の子と弟の食べる分を、ちょっとずつ分け合よう全員に頼みました。
「今日はいいけど毎日は、困るなあ」という奴がいたので、「明日から彼女の食べ物は俺が持ってくるから、お前たちは心配するな!」と言って、その場は終わりました。
家に帰り、母に事情を説明し、二人分のタッパーにお弁当とおかずを詰めてもらい、毎日、その娘と弟の分を持って学校に行きました。
優しい同級生の女生徒たちは、
「お米はないけど、おかずなら私たちが交代で作って持って来れるので、あなたは、ご飯だけ山盛り持ってきてね」
と言われ、やっと、漬物しかない母のお弁当が華やかになりました。
ガッテン、招致の助!と毎日、大きなタッパーにご飯をたっぷり詰めて同級生の女の子に渡していると、
「私と弟はいいんだけど、お母さんが毎日、痩せていくのがわかるので、なんとかできなかなあ。」
と相談されたので、母にお願いして、お米と野菜を直接、そのお寺に持っていくよう頼みました。
母は、何も文句を言わず、
「お前が誰かを助けたいのなら、私は自分にできることをするだけさ。
相手がヤクザでもどんな極悪人でも、お前が助けたい人なら、私はすぐに行動するから、いつでも私に困ったことがあったら言いなさい。」
そんな優しい母に向かって、馬鹿野郎!を言ってしまう自分が悔しかったですが、「反抗期」は理由があって反抗するのでなく、「男の自立のため」に大好きな母親を否定しなければ生き残れない「男の本能」が葛藤して暴力言葉を使ってしまう時期の自分がとても辛かったです。
母は、もうとっくに、私の「反抗期の酷さ」に慣れたみたいで、いつ、何を言っても、全く知らんぷりするか、「ハイハイ」と言って聞き流してくれたので、本当に助かりました。
抑えきれない強い感情を自分でも持て余して悩んでいる年頃だからこそ、スポーツをしたり、体を動かしてエネルギーを発散しないと、「反抗期の男の子」は、ダメなのです。
たまに、反抗期がない子供もいますが、必ず、大人になってから親を否定し、親や嫁に暴力を振るうので、よく問題になりますのでご注意下さい。
※一見、優しそうに見える男女でも、自分の本音を言えない人間の「裏の心」はヒドイので、どうぞ、ご注意下さいませ!
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この時の問題は、同級生のお父さん、つまり、「お寺の住職の問題」ですので、誰に相談したらいいのかわからず、いろんな大人たちに聞いてみました。
父に聞くと、お寺は地元の人たちで支える「決まり」があるので「よそ者」が余計なことをすると問題になる、と教えてくれました。
母の父親(祖父)に聞いても、町が違うと言えることはないが、もしかすると、「宗派の親分」に連絡したらいいかもと言って、自分であちこちの知り合いに電話してくれました。
何本か電話したあと、「この人たちが、あとは任せろ!」と言ったので、もう大丈夫だぞ!と言ってくれました。
「誰なんですか?その人?」と聞くと、「お前は知らん人だが、あの二人は力がある人だから安心しなさい」と祖父は言いました。
あとでわかったのですが、一人は問題のお寺の宗派の北海道のトップの人で、もう一人も、一緒に戦争に行った戦友だから、絶対に、あいつらは俺を裏切らないと祖父が教えてくれました。
お寺の住職が、妻や子供の食べ物とお金を使い果たすなんて、聞いたことがないと、祖父も、ものすごく怒っていました。
1週間後、いつもお弁当を渡していた女の子から、「明日からお弁当はいらないわ、今までありがとうね。」と言われました。
気遣いか?と思って詳しく聞くと、
昨日、お米と野菜がたっぷり送られてきて、そのあと、男の人が二人、家に入ってきて、お父さんと3人で話しをしたようなの。
そして、お父さんが今朝、「俺は、これから「修行」に行くので、しばらくは家に帰れない。
でも、食べ物とお米と生活費は、送られてくるので心配するな。」と言っただけで、家を出てってしまったの。
お父さん、どこへ行ったのかなあ?
わからないけど、修行だから、どこかのお寺だと思うんだけど、「場所は聞くな!」と言ってお母さんにも教えてくれなかったの。
だからもう、お昼ご飯も、家のご飯も大丈夫だよ。
毎日、本当にありがとうございます。と頭を下げました
「そして、私、今好きな人がいるので、吉岡君とは付き合えないから、ごめんね!」と付け加えました。
誰かが毎日、私がお弁当を持ってくるのを見て、きっと、好き勝手に、「二人は付き合っている」と噂が流れたみたいですが、この女の子は同級生として好きなだけだといくら言ってもわからないので、黙って、「いいよ」とだけ言いました。
また祖父の家に行った時に、お寺の住職はどこへ行ったのか聞くと、「それは教えられない」と言いました。
でも、すぐに「若い修行僧がやってきたはずなので、檀家さんや家族には心配はかけないはずだぞ!」と言うので、一度、その同級生のお寺を見たくて一緒に帰りについて行きました。
驚いたのは、そのお寺に入った若いお坊さんというのが、私と最後の禅問答対決をした、あの「賢い坊主」だったのです!
京都で修行を終えて、何をするか考えていた時、北海道の芦別市でお寺の「雇われ住職の求人」が出ていたので、自分から手を上げてやってきたそうです。
去年、私が高校1年生の時に「甘い!」と怒られたその坊主は、なぜか貫禄が出ていたので、「お経をひとつ、唱えてもらえますか?」と言って、お寺の境内の掃除をしている彼に、本堂でお経を聞かせてもらいました。
十分、通用する「魂力があるお経」だったので、一安心でした。
ここ芦別市にいれば、いつでもマナブ君に困った時は聞けるので、自分から来たことも教えてくれました。
「甘えないでくださいね!」とだけ言って、握手をして別れました。
人生の出会いは、離れたつもりでも、周り回って出会う人もいるし、どんなに会いたくても会えない人もいることを、ここまでの人生で学びました。
だから、「去る人を追わず、過去の思いを追わず、ただ、今、いる人たちと物事を成し遂げるしかないのだ」
と、大事な気づきをさせて頂きました。
ちなみに、私がお弁当渡し続けた同級生の女の子は、高校卒業後、すぐにそのお寺に入った若坊主と結婚したことをあとから聞いて驚きました。
あの時、「私とお付き合いできないわ」、と言った本当の意味がわかりました。
手の早い若坊主だと思い、ちゃんと修行したのか心配になりましたが、大学時代に「女の修行」もしたみたいなので、「まあ、彼の人生はこれでよし!」としておきました。
京都で学生時代から付き合って結婚した女性にも理解してもらい、きちんと別れてから北海道へ来たそうです。
あとから母に聞いたのですが、その「賢い坊主」がお寺の娘と結婚して、今、妊娠しているので、一度、離れた檀家さんたちも、お寺の家族を支えるために寄付が集まっていると教えてくれました。
心ある檀家さんは、自分が死ぬ時に、家族に迷惑をかけないよう必要以上にお布施や寄付を出している人も多いのですが、お布施の「お金の意味」が、「自分の子や孫たちの分も、どうぞ、よろしくお願いします」という思いがあることを子供たちは全く気づいていません。
現在、日本中のお寺や神社がどんどん、「空き寺、空き神社」になっていますが、これからもっと増えると言い切る理由は、親子でさえも、こういう「人のつながり」が薄れ、自分勝手に物事をとらえる人たちが増えた結果なのです。
「日本の神仏心」を弱体化させることも、当然、「アメリカ包囲網」の計画に入っていることですので、どうか、新しい形で「神仏心」を伝え残す方法を一緒に考えて下さい。
そうしないと本当に、「日本人の精神性は弱体化」しますので、御守護頂きますご先祖様の皆様、どうか、御子孫たちに大切な気づきを気づかせてあげて下さいませ。
心ある人たちに、この思いが届きますことを願ってお伝えしています。ありがとうございます。
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