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【ダイエー】「物流輸送ツール」を開発した体験談 3 取締役から社長へ

北海道全域に「オリコンとカゴ台車」の一括納入で、大幅なコストダウンになったことは、株式会社ダイエー本社の「ロジスティック課」の責任者の耳に入り、お店にいた私のところへ突然、やってきて、

「なぜ、こんなことをしたのか?」

と聞かれました。

忙しく仕事をしている私に、突然、誰かわからない人に文句を言われたのかと思い、ドヤ顔で私はこう答えました。

天無神人:私はしがないサラリーマンですが、毎日、朝から晩まで品出し、販売、後片付けをしくれるパートさんやアルバイトの姿を見ていて悲しくなったんです。

どこのスーパーも同じだと思いますが、「上の人間」はいつも現場を見ないで指示を出します。

たったひとつの指示や命令をやり遂げるのに、タイムカードを押してまで働くパートやアルバイトを見ていると、悲しくてたまらないのです。

毎日、とんでもない数のダンボールが納品されので、仕訳に半分、品出し半分、残りの時間は、「全てダンボールの後片付け」ですよ!

こんな現場の状況を知らないまま、本社の「ロジスティック」とかいう部署から、さらに、「20%の業務改善をしろ!」なんて、バカな命令を出す奴がいるので、毎日、必死に「業務改善」を考えていたので思いついたんです。

ホントに、「ロジスティック」のお偉いさんがいたら、俺、文句を言ってやりたいですよ!!!

目の前に立っていたオジサンは、直立不動で腰を折り、頭を下げて1分間、黙ったまま、その場に立っていました。

その人の後ろにいた店長と次長が顔を真っ赤にして、その人のお辞儀を止めようとしますが・・・

俺は、この人にいくら頭を下げても申し開きができない・・・。

さっき、言われた言葉は、そのままズバリ、今の会社の問題点を突いているし、彼は、俺たちにもできない「業務改善」をしてくれた人だ。

会社の社長の代わりに、俺が頭を下げるのは、当然だ!

俺は、あの、中内功社長に若い頃から、

 

今の現状に満足するな!

仕事は毎日、同じことをしていても、必ず、改善点が見つかるものだ!

お前も、そういう人間になれ!

 

と怒られ続けて、今の役職にまでなったのに、俺・・・一番、大事なことをこの人に教えられたんだ・・・。

 

すまん、すまん、本当に、すまん・・・許してくれ・・・。

目の前で頭を下げていた人が、土下座をしようとしたので、私が一言、こう言いました。

天無神人:私はあなたが誰か知りませんが、突然、やってきて、人の仕事に文句を言う前に、まず、名刺を出すか、自己紹介してから会話するもんじゃないですか!

 

そして、自分勝手にお詫びして、土下座なんてされたもんなら、俺の男がすたりますので、やめて下さい!!!

 

うしろで店長も次長も見ているので、あなたに土下座されると、きっと、あとから俺が怒られます。

 

あなたが誰か知りませんが、あんまり人をバカにした態度をしていると、そのうち、誰かに殺されますよ!

 

さあ、顔を上げて握手させて下さい。

私がしたことに興味を持ってくれたことだけはわかったので、あとは店長と次長を褒めてあげて下さい。

 

俺はいくらでも業務改善のアイデアはあるのに、いくら本社にFAXを入れても「梨のつぶて」だし、「もう、アイデアなんて出してやるか!」と思っていたところなんです。

 

あなたが誰か知りませんが、もし、社長に言葉を言える人なら、今の「会社の体質」を変えて下さい。

 

もっと、下からスムーズに意見が社長に届くように業務改善することができたら、この会社は大きな結果を出せると思います。

 

「大企業病」なのかどうかは知りませんが、私はまだこの会社に入って3年目ですが、こんな仕事をしていたら、いづれ、この会社は潰れると思います。

 

どうか、この機会に、本当の意味で「ロジスティクス」を実現して下さい。

僕の爺ちゃんは戦争に二度、行って片足を取られましたが、日本が戦争に負けた理由は、「アメリカのロディスティクスだ!」と言っていました。

 

戦争に負けたんじゃない!

「ロディスティクス」という戦術に負けたんだと泣いていました。

 

もともとは、「軍隊の戦術」だとわかった時、もっと、早く天皇様にお伝えすればよかったと、泣いて教えてくれました。

3年前の入社時に、この会社の資料を読んだ時、「ロジスティクス課」というのがあったので、感動しました。

スーパーも物流会社も全て調べましたが、「ロジスティクス課」があるのは、我が社だけだったので、それが入社を決めた理由です。

 

私の父も母も「武士の家系」なので、アメリカに負けっぱなしは、嫌なんです!

だから、日本一のスーパーに入って、本気で戦っているのに、内情がこんなザマなら、アメリカに勝てるわけはないでしょ!

 

あなたがもし、社長に会える時があるなら言って下さい。

中内功社長も、戦後の闇市から商売を始めた人だし、きっと、この気持ちはわかると思います。

私は忙しいので、詳しいことは店長か次長に聞いて下さい。

では、失礼します。

 

土下座しようとしたのを止めたのに、ここまで言い切ったあと、また、この男の人は、また土下座しました。

それも、首を下げた土下座だったので、振り返り・・・

天無神人:あなた!斬り殺しますよ!!!

その土下座だけは、やめて下さい!

「ごめんなさい」までならいいですが、その土下座は、「首を切ってくれ!」の土下座なので、僕はあなたを刃物で切り殺さないといけなくなります。

 

さ、すぐに土下座をやめて、店長室でお茶でも飲んでから帰って下さい!

俺はアルバイトたちに指示を出さないといけないので、仕事の邪魔をしないで下さい!!!

・・・・・・・・・・・・・

あとから「次長」に聞いた話ですが、あの男の人は、ダ○エー本社の「ロジスティクスの統括本部長」で、若い頃から中○功社長の右腕として働いていた人だから、「ロジスティクスの統括本部長」になったそうです。

アメリカに数年間、「ロジスティクス」の勉強をしに行って、有名な大学の授業も受けてきた鳴り物入りの「筆頭役員」だと教えてくれましたが、私には関係ありません。

「こんな私が嫌なら、いつでも会社をクビにしてくれ!」と、「次長」にはいつも、言っていました。

この男の人が帰ったあと、すぐに「社長命令」で、全店の従業員なら誰でも社長に直接、FAXで業務改善を提案できる電話番号が、従業員の廊下に大きく貼り出されました。

いつも、困っていたパートさんたちにも一人一人、問題点を書いてもらい、私が代わりにFAXをしてあげると、

「本当に、私たちの声を社長は聞く気があるのかい?

きっと、秘書か、誰かが選んで、都合が良いことだけ報告してるんじゃ無いのかい?」

と、当然の疑問が出たので、店長から名刺を借りて、「ロジスティクスの統括本部長」にそのまま、電話で伝えました。

1週間後、店長に呼ばれて一枚の賞状をもらいましたが、中○功社長の直筆のお礼状もついていたので、店長も驚いていました。

俺たちも、店長になった時に、社長から直筆っぽい賞状をもらうが、実は全てコピーとあとで聞いたが、これは、本当に全ての文字を社長が書いたと、秘書が教えてくれたものだぞ!

どうやら、全国の従業員から週に1万枚も送られてくるFAXを一枚づつ見て、社長は涙を流しながら指示を出しているらしいぞ!

そしてな、お前がタンカを切ったあの「ロジスティクスの統括本部長」の人からも個人的にお礼のお金が届いたが、どうする?

天無神人:まず、その賞状はこの店長室に貼っておいて、お偉いさんたちが来たら見せてあげて下さい。

 

そして、そのお金は、今度のクリスマスパーティの時に、店長からみんなに渡してあげて下さい。

 

その方が、きっと、アルバイトもパートさんも喜ぶと思います。

それとよ、あの「ロジスティクスの統括責任者」の人が、お前を東京の本社の自分の部署に引き抜いたいと言ってきたが、どうする?

天無神人:バカなことは言わないで下さいよ!

僕は、大学が岡山県だったので、本州の殺伐さが嫌で北海道に戻ってきたのに、たかが仕事で、「本州勤務」なんて、絶対に嫌です!

いくらお金を積まれても、俺は北海道が大好きなんです!

店長!そんなことより、北海道から全国を見返してやりましょうよ!

きっと、本州の奴らは、過去の歴史にしがみついて生きている人間ばかりなので、そうそう変われないと思いますが、北海道の人間は、みんな「本州の家族に見限られた人間」ばかりじゃないですか!!

ここで一発、やり返しましょうよ!!!

 

※ここで店長、一人で泣き出す・・・・

 

さ、仕事しよっと!!!

入社3年目の私の体験談でした。

つづく

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