中内㓛社長と松下幸之助社長に3発ビンタをしました!

1990年から毎週、札幌で行っていた「吉岡学の社長会」の休憩時間に、こんな話になったことがあります。(毎週1回2時間の社長会)
・・・15分休憩の会話・・・
吉岡)今まで全国の社長たちの話を聞いていると、「関東の大学」を出た人は、「自分の会社の利益」のことばかり口にするし、「関西の大学」を出た人は、「他の奴らに負けたくない」という思いが伝わってくるのですが、これは私の勘違いですかね?
日銀 三重野康総裁)吉岡さん、それは仕方がないと思いますよ!
だってね、私は「東の東大卒」ですが、それは大手の会社で偉くなるための方法として一番、てっとり早いから「東大」にしたのですが、関西は、もともと天皇様をお守りしていたので、その「天皇様を関東の奴らは奪った!」とか、「今はちょっと長い旅行をしているだけなので、いずれ京都にお戻りになられる」と言う関西の経営者ばかりなんで、仕方が無いと思います。
吉岡)マジですか?今でも、その思いは変わりません?
もしかして、関西の大学出の人は、「関東の人間」が嫌いなのですか?
関西大学卒社長)吉岡さん、そんなあからさまに「関東の人間が嫌いなんて、ヤボなことを言う関西人はいませんよ!
せいぜい、関東の人たちは、「いけすかない」くらいで止めておきますよ。
吉岡)「いけすかない」の活用方法がわからないので詳しく教えて下さい。
関西大学卒社長)まあ、関西人は喧嘩にならないように同じ意味の言葉でも、いくつも言葉を持っているので、「TPO」に会わせて使い分けます。
吉岡)じゃあ、この場が「関西人だけの社長会」なら、なんて表現するのですか?
関西大学卒社長)吉岡さんのお許しが出たので、言わせてもらいます。
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ほんま、関東のアホはドイツもコイツもアホばかりだし、イケズだし、会うだけで、ホンマしんどいわあ・・・ 以上。
吉岡)私も大学は岡山理科大学なので、関西以南の全ての県の方言を聞きながら5年間、育ったので、よくわかります。
しかし、そうとう、関西の皆さんは根っから「関東人」のことが嫌いなんですね・・・。
関東の大学出の社長)俺たちは、関西人を嫌いじゃないよ!というより、東京以外は全部、「田舎者」だと思っているので、どこの誰が何を言おうが、気にならないのが「関東人」さ。
吉岡さんもこんなテーマを社長会で話すと、話がよじれるので早くいつもの経営アドバイスに戻して下さいよ、お願いします。
吉岡)今、聞いて思ったんですが、日本経済をよじれさせているのは、この「関西人と関東人の人間性の違い」というか、大事にしているものが違うせいなんだと思いましたが、いかがでしょうか?
せっかく、日本全国の一部上場企業の社長たちが20名も毎週、集まっているので、この「東西の境界線」を超えることはできませんか?
関西社長全員)吉岡さん、それは、無理ってもんですよ。
もし、そんなことしたら、「本社を東京に移せ!」と絶対に言われるし、「税金も関東に落としなさい」と国から指導が入るので、僕ら関西人は、絶対に「関東の人間」には合わせません!
関東社長全員)そんなことを言われる筋合いはないな。
関西は京都を筆頭に歴史は古いかもしれないけど、こっち(関東)の企業の売上を見れば、「関東人の方が優秀」だとわかると思いますので、吉岡さんには珍しい愚問ですわ。は、は、は!
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もう、殴り合いの喧嘩になりそうでしたので、私が数名ビンタをしてやっと止めました。
・・・・・
こんな話をした週末に、東京の銀座の高級クラブで、中内功社長と松下幸之助社長に会ったので、同じ質問をしてみると、こう答えました。
※敬称を略します
松下)吉岡さん、それはわかるわ・・・。
俺も関西人だが、いくら関西だけで頑張っても、東京の売上が大きいので、東京を無視することはできないぞ!
でもな、本社は関西に置いているので、きっちり税金は関西に落としているので、関西の奴らに文句を言われる筋合いはないんだぞ!
中内)珍しい質問をしたものだなあ、吉岡さん。
俺も珍しく「幸之助」の意見に賛成だわ。
だって、そうだろう、人口密度が違うし、関東は東京だけでなく、関東圏を合わせた商圏がでかいので無視することはできんぞ!
松下)いつも言うんだがな、コイツ(中内)は俺より28歳も年下のはずなのに、俺の下の名前を呼び捨てにする唯一の奴だが、吉岡さんから何とか言ってもらえんだろうか?
※松下幸之助1894年生まれ、中内功1922年生まれ
中内)だって、お前より、先に「山口組」に入ったのは俺だから、お前は俺の手下なんだぞ!
松下)馬鹿野郎!
俺はお前と同じ山口組の田岡組長の子分になったのに、お前の方が1週間、早いだけで、なんで、年上の俺を呼び捨てにするのよ!いい加減にしないと殴るぞ!
中内)お前より、俺の方が喧嘩は強かったことを忘れたのか?このボケ老人!
松下)お前は手を出すのが早いだけで、真剣勝負の時は俺と五分五分だったじゃないか!
よし、今からここで喧嘩をしよう!
吉岡さん、手を出すなよ!出したら、殺すぞ!
・・・・・・
吉岡)松下幸之助さん、今、言った言葉を撤回しないと、私はあなたを殺さないといけなくなります。
「私を殺す」と脅した人間で、生き残った人はいませんが、さあ、どうしますか?
さ、さあ、さあ、どうするんですか!!!!
松下)すまん、すまん、つい、出来心で調子に乗ってしまったわ・・・。
おい、中内!
お前の部下なんだから、お前にも責任があるので謝れ!
いや、俺と一緒に謝ってくれ!!
中内)頭をペコリと下げただけ・・・。
吉岡)中内社長、今日のこの場は「部下でも何でもない対等な場だから遠慮はいらん」と、さっき、私に言いましたよね?
だから、言わせてもらいますが、今の「頭ペコリ」はダメです。
命がかかった戦いを「頭ペコリ」じゃ、許されませんよ!
ちゃんと「筋を通す謝り方」をして下さい。
もしそうじゃないと、私はダイエーを辞めて、松下電気産業の社員になりますが、それでもいいんですか?
中内)吉岡くん、いや、吉岡さん、これは大変失礼した。
ワシの生涯でここまで本気で脅されたこともないので、きっちりケジメをつけた挨拶をしようじゃないか!
おい、幸之助!
そこの果物ナイフを取ってくれ!
俺は、指を落としてケジメをつけるぞ!
松下)おいおい、そこまで吉岡さんは言ってないだろ!
本当にお前は短気で頭の回転が悪いので、すぐに手は出すし、指を詰めたがるので、今まで何度も止めるのが大変だったんだぞ!
それなのに、吉岡さんの前で「指詰め」はいかんだろ!
せめて、「金」で解決しようじゃないか!
さあ、いくらだい?吉岡さん、言い値を言ってくれ!
いくらでもだすぞ!
1億円か?10億円か?100億円か?
吉岡)松下社長、もしかして、この前の競馬の有馬記念で当たったでしょ!
だから、強気なんですね。
でも、お金の勝負となれば、中内社長は現金がない会社なので、戦いになりません。
違う戦いにして下さい!
中内)吉岡くん、それは間違っているぞ!
会社のお金のやりくりは確かに足りないが、裏金もあるし、個人資産は山ほど隠してあるので100億円くらいはすぐに都合つけれるぞ!
・・・・・・
吉岡)お二人とも、みっともないですよ!
こんな会話をもし、会社の社員に聞かれたら、頭に来て会社を辞めるか、マルサに駆け込むか、労働組合の問題にして、徹底的に、お金を絞りとられますよ!
松下)誰も、聞いてないし、この部屋は「防音」のはずだぞ!
もし、盗聴している奴がいたなら殺すから、おい!中内!部屋を調べろ!
吉岡)ジャジャーン!
この「私のボイスレコーダー」で、今の全ての会話を録音したので、脅せるのは私だけです!
さあ、どうしようかな?
組合?マルサ?会社の全店FAXで社員に流す?????
・・・・・・
中内)いやあ、まいった、まいった、もうダメだ!
さすが、田岡組長に気に入られた人間だなあ。
俺たちの「カタギの兄弟盃」にはかなわんな!
おい松下、一緒に謝ろう!
この吉岡という人間は、怒らせたら絶対にやり切るまで辞めないので、会社の売上も利益も出してくれるが、敵に回ったら、かなう相手じゃないぞ!
さ、二人で謝ろう!
・・・・・
吉岡)えーーーと、すいません、ハッキリ言いますが、私より年上の先輩二人に頭を下げられたら、私が困ります。
もしかして今、土下座しようとしていたのなら、首を床につけた瞬間に、この果物ナイフでお二人とも殺しますよ!
それが「吉岡一門の武士の頭領としての責任」なので、辞めて下さいね!
だから、こうしましょ!
お二人に「私が3発だけビンタ」をします!
始まりの「3」であり、終わりの「3」、ここにいる三人の「3」でケジメにしましょう!
それで、チャラにしましょうよ!
ビンタが終わったら、このボイスレコーダーも消しますが、それでどうですか?
中内)君!今のは「ノーを言わせない論法」だから、わかったわかった、はい、どうぞ!
ビンタはどっちのほっぺたでもいいぞ!
松下)俺も敵わないわ!
やっぱり、お前は俺の会社に来るべきだと、トコトン、思うなあ!
この前に言った年俸100億円に加えて、生涯100億円を毎年、払うから今すぐダイエーを辞めてこっちにこい!!
・・・・
吉岡)決めました、松下幸之助社長には、痛いビンタを3発します。
中内功社長には、普通のビンタを3発します。
さあ、ご覚悟を!
目を瞑って歯を食いしばって我慢して下さい!!!
・・・・
松下)イテ!!イテテテテ!今のはビンタじゃないだろ?
吉岡)はい、今のは「爪楊枝」でほっぺたを刺しました。
だって、「私を買う」とか言うんですもの。
さあ、これからが本番!
さあさあ、本気で歯を食いしばって、お二人!!
行きますよ!!
松下)待て待て!今、歯の治療をしているので、左のほっぺにしてくれ!
中内)お前、また歯医者か、歳を取ると、歯医者か病院通いだもんなあ。
あー嫌だ、老人と付き合うのは・・・。
吉岡)中内社長、今の発言で「痛いビンタ」に変更します!
私の目の前で人を挑発するとは、いくらなんでも許せませんからね!
さあ、お二人とも行きますよ!!
・・・・・
二人同時に、「パン!パン!パン!」
・・・・・
松下)おい、なんだこのビンタは、痛くないし、涙がでるぞ!
俺、頭がおかしくなったのかなあ?
老人ボケか?
中内)俺は泣いてないぞ!泣いてない、泣いてない・・・・
えーーん・・・・お母ちゃん!
松下)お前、言ってはいけない言葉を言ったな!
じゃあ、俺も言うわ!!
お母ちゃん、ごめんなさいーーー!!!!
・・・・・・
・・・・・
・・・・・
このあとは、二人ともしばらく涙を流してから、いつもどおり楽しくお酒を飲みましたが、この事件のあとからさらに仲良くなったので、毎週のようにお二人からお酒の誘いのダイエー札幌店の売り場に電話が来るので、「私の呼び出し方」が笑えました。
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年寄りのお婆さんの声を真似て、売り場に電話する松下幸之助社長もいれば、タオルを電話機に巻いて、聞こえづらい小声で「酒を飲みに行こう!」という中内功社長・・・
もう、最高に面白い日本一の経営者のお二人でした!! 以上

この写真は、二人とも私が個人的に写した写真で、社員たちからも評判だったので、永久保存写真になったものです。