【ダイエー】「元公務員」を徹底的に再教育した体験
皆さんもご存知のように、公務員の「傲慢さと仕事のだらしなさ」は、昔よりは良くなったと言っても、「民間レベル」ではありません。
その理由は簡単で、「お客様に喜んでもらいながら利益を追求する仕事の仕方」を学んだことがないからです。
「コスト意識やお客様思考」という、民間なら当然の「仕事の考え方」を学んでいない人たちは、会社の人間関係や家族関係の問題解決も下手だし、「時間だけ過ぎれば、お金がもらえる発想」のまま、年を重ねているので、誰よりも高い年金をもらっていることを、「当然だ!」という顔をしている老人たちをたくさん見かけます。
そんな「公務員」たちが一気に考えを変えなければいけなくなったのが、「国鉄民営化」と「郵政民営化」でした。
1987年(28歳)に、初めてマネージャーになったお店の「ダ○エー苫小牧店」の時に、また、人事課長から連絡がありました。
君の腕を信じて、どうにも使い物にならない人を送り込むので再教育してくれ!
と、「郵政民営化」が決まったすぐあとに、「元公務員」がお店に送り込まれたのです。
北海道の札幌市内に「JR北海道のスーパー」ができることが決まり、「元国鉄職員」と「元郵便局の職員」が、「ダ○エー苫小牧店」と「ダ○エー札幌店」の私の売り場に続けて送り込まれてきたのです。
頭に来ましたが、信頼できる人間から頼まれると、イヤとは言えない性質なので、引き受けてしまいました。
最初に「ダ○エー苫小牧店」にやってきたのは、つい最近まで他の郵便局で働いていた「局長」レベルの人間と、その次の役職の人間ですが、まあ、口だけは達者ですが、やることなすこと「おざなりレベル」で、お客様に喜んでもらおうなんて発想は何もないので、頭に来たので、「人間として最低のこともできないのか!」と怒鳴りつけてボロクソに言ってやると、すぐに、「俺、会社辞めます!」と数名の人たちが一気に家に帰っていきました。
苫小牧生まれで、公務員になった人は、他の街の怖さも知らないし、自分を守ってくれる同級生がたくさんいるので、「まあ、死ぬことはないな」と思ったので、そのまま放置して人事課に報告しておきました。
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次にやってきたのは、「元国鉄職員」で、まあ、見た目はヤクザかと思うほど、目つきも悪いし、態度も悪いので、よくこれで国家公務員と呼ばれていたと驚いたほどです。
よくストをして電車を止めるくせのに、「それは当然の権利だ」と主張する国家公務員など、他にはいません。
そんな人たちでも人事課のお願いなので、最初に教えたのは「挨拶」だけですが、「人に頭を下げる角度」を教えているだけ、タメ口で文句を言ってくる人間がいました。
何度も我慢していましたが、あまりにお客様に失礼な態度を取るし、クレームにもなったのに、「その責任は自分にはない」と言い張るので、36歳の男をバックルームに連れて行き、話をしました。
あなたは私より年上なのに、どうして、「他人に喜ばれる笑顔の挨拶」ができないのですか?
私が教えた通りに頭を下げれば良いだけなのに、あんなドヤ顔で体をそららして、頭だけチョコンと下げても、あれは、「挨拶」ではありませんよ!
年下の男に言われたくないけど、言われたから仕方なく頭を下げてやっているのに、どうして、俺のやることにイチイチ文句を言うんだ!
お前は、どういう立ち位置で、俺に命令しているんだ!
あのう、すいませんが、聞いていませんか?
私はあなたの元の会社の国鉄から頼まれて、「従業員の再教育」をして欲しいと、我が社の人事課長からお願いされた「教育担当の責任者」ですよ。
それと同時に、もし、「人としてダメな人は、すぐに報告してくれ!」と言われています。
つまり、私の指導に不満がある人は、食品センターか、もっと酷いところに飛ばされて、二度と、出世コースには乗れないことが決まっているんですよ!
つまり、私はあなたたちの「人事権」を持っていると言うことです。
だから、言うことは聞いて下さい。
何を偉そうに言っているんだ、コイツは!
俺はお前と違って、二人の子供を抱えている父親だぞ!
その子供たちのために、仕方なく来てやっているのに、何をタメ口を叩いているんだ!殴るぞ!
どうぞ、どうぞ、殴りたければ、殴って下さい。
私、つまり、「上司に喧嘩を挑む」と言うことは、負けたら辞めるしかなくなりますが、それでも良いんですよね!
おう!上等だ!
さあ、かかってこい!
あなたがふっかけた喧嘩なので、どうぞ、お先に殴って下さい。
さあ、どうぞ!
突然、ダッシュしてきて頭から突っ込んできたので、足をかけて転ばせて、体の上に乗っかって肺を潰して、左手で首を絞めて、相手の両手を自分の両足で押さえつけて、右手で腹を思いっきり殴り続けました。
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しばらくすると、抵抗する力が尽きたのか、ダラんとなったので、殴るのをやめて、「立ちなさい!」と言いました。
起き上がってこないので、息をしてるか確かめてから、電話交換手に言って病院へ運ばせました。
翌日、その男が出勤してきて、包帯をぐるぐる巻きにしたドヤ顔で向かってきたので、今度は、巻いていた腕に包帯を外して、首と手をグルグル巻きにして、荷物を縛る紐で手と足を縛って放置しておきました。
「痛い!痛い!骨が折れる!」とうるさいので、タオルを口に巻いて放置していると、また静かになって失神してしまいました。
息をしているかを確かめると、「まだ、生きている」と確認できたので、カツを入れて目覚めさせてからタオルを緩めてこう言いました。
あのね、あなたの子供が、もし、この姿を見たら、泣くでしょ!
お父さんは、喧嘩に負けたんじゃなくて、
「自分が他人に教えてもらうことができない人間」
だと分かったら、子供たちはあなたに夢も希望もなくなりますよ!
僕らスーパーで働く人間は、頭を下げたくない客も来るし、腹も立つ人間もいますが、どんなことがあっても、会社のためや、家族のために我慢する商売なんですよ!
あなたみたいに、時間だけ過ぎて、偉そうにしている人間は、きっと、ああなたの子供たちも同じだと思います。
子供たちがいつか社会に出た時に、どれくらい「理不尽な社会」なのかを痛感して自殺するかもしれないのに、あなたにはその覚悟がありません!
あなたは、お父さんとしても、人間としても失格です!!!
俺な、実はな、「離婚」したのよ。
その離婚した妻にも同じことを言われて離婚したけど、子供たちだけには会わせてくれるので、次の会社に働かないと養育費が払えないので、頑張ってここにきたのさ。
でもよ、スーパーって、本当に大変なんだあ。
お前みたいに、人を本気で殺しかねない人間が、まさか、物を売っているとは誰も思わんだろう!
でもよ、俺、お前を気に入ったから、俺、頑張るわ!
子供たちのためにも、この仕事を頑張るので、もう一度、俺に教育をしてくれんか!
ダメか?俺もう、食品センター送りか?
俺も、ミンチになるのか?
子供たちにも、もう会えないのか?
えーーーーん、えーーーーん、えーーーーん・・・
コイツ、本当に男かと思うほど大声で泣きましたが、泣き止むのを待って縄を解き、立たせてやりました。
もし、本気で私に教わりたいなら、そこで「直角のおじき」をしなさい。
そして、そのあと、「頭を下げない土下座」をしなさい!
誤って、頭を下げた土下座をしたので、思いっきり、足で胸を蹴り上げて、「やり直し!」と教えてました。
痛い胸を抑えながら、涙を飲んで土下座して、「よろしくお願いします!」と言ったので許すことにしました。
時折、歯向かってきた時は「子供が泣くよ!」と言って、「愛情ビンタ」を1発、プレゼントすると、すぐに笑顔になって売り場に戻って行きました。
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全ての教育が終わった三週間後、人事課長から連絡があり、私と喧嘩した男が最もやばい人間だったようで、「首にする寸前だった」と言っていたのに、最後には、全店で教育した人の中で誰よりも挨拶は素晴らしいし、お客様に対する態度も素晴らしいので、どんな教育をしたのかを聞かれました。
私の教育は、誰に対しても同じで、「目の前の相手を敬え!」としか、教えていません。
人間、誰しも、頭を下げたくないからこそ、そういう時こそ、「誰のために頭を下げるのか」を、戦争で足を無くした祖父に子供の頃に教わりました。
もっとも、人生で辛く苦しい経験を思い出しながら、涙も堪えて、ビンタされようが、殴られようが、蹴られようが、我慢するしかなかったと、祖父は戦争の時の体験を教えてくれました。
だから、私が人に教えれるのは、「生き残り教育」だけです。
吉岡さんの「生き残り教育」は、体罰も含んでいるのか?
だって、全員、あなたに殴られたり、ビンタされたと喜んでいるので、俺はおかしいと思うんだが、俺が間違っているのかなあ?
あのね、人事課長!
人間は、もっとも辛くて苦しい時に、「本気で向かってくる人間」を求めているものなんですよ!
それが、ビンタであっても、ゲンコツであっても、同じ「愛情」なんです!
だから、俺がやる殴る蹴るや、ビンタもゲンコツも、「愛情」だから、みんなには伝わっているはずです!
だって、みんな喜んでいたでしょ!
そうなのよ、それが変でよ!
「今度、吉岡さんのところに言って、「愛情ビンタ」されに行こうか?」なんて話しているので、俺にはわからんわ。
まあ、みんな最低基準はクリアしたから、もし、何かあった時は、また、よろしく頼むな!
あのね、人事課長!
あなたもいつも俺をタダで使うけど、たまに、美味しい酒くらい飲ませて下さいよ!
それくらいのお礼はしてもいいと思うので、今度、誘って下さいね!
おう、分かった分かった!
安い居酒屋なら奢ってやるぞ!
じゃあ、またな!
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このあと、私が一番、厳しく教えた男の人が、次の会社の人事教育担当になったと聞いて、笑いました。
私が教えた通り、「愛情ビンタ」だと殴ったのに、なぜ、相手が怒るかを電話で聞いてきたほど、バカな男ですが、誰よりも信頼を得ている人間になったと人事課長からほめてもらいました。
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入社当時からの腐れ縁とも言える人事課長は、なぜか、困ると私に連絡が来るし、上司と揉めたり、人間関係がトラブルと、私の知人の取締役のコネを使って「収めてくれ!」と言う関係でしたが、まっすぐでいい男なので、好きなタイプでした。
役職は上でも、年も上でも、やはり、こういう信頼関係は一度できると、「一生もの」なので、これが本当の「男と男の付き合い」だと私は思います。
連絡を取り合っていなくても、偶然、どこかで会っても、「同じ信頼関係」でいれるのが、男の単純さの良さであり、だからこそ、共に、国を守るために命を投げ出す覚悟ができるのです。
どうか、女性の皆様、ご主人や付き合っている男の、「最も信頼している人間」に合わせてもらって下さい。
その相手との信頼関係を見れば、「男の度量」がわかるものなのですよ(^^)