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【ダイエー】ビール会社3社にタダ酒をご馳走頂いた話 5

先に、結論を言っておきますが、「サッポロビールの営業マン」が気に入った女の子は、翌年、サッポロビールに入社し、その年すぐに、私があと押しした「営業マンの妻」になりました。

結婚が決まったその日に、二人でお店にやってきて、私にわざわざお礼の報告をしにきたので、私も驚いたほどです。

なぜ、そんなに早く結婚したのか聞くと、お腹に「赤ちゃん」がいると教えてくれました。

「これから二人で結婚指輪を一緒に買おうと思っているんです」と言ったので、店内の宝石屋の知り合いの女性に電話して、「私の紹介だから、特別に良いものを安く提供してね!」、とお願いして破格値で購入できたと、お礼にまたやってきました。

その間に、お金を下ろして、「喜びのご報告」だったので、私がアプローチした責任で「出会い、結婚、妊娠」の三つのお祝いの「おめでた3倍返し」だの、3万円のご祝儀を包んで渡しました。

そのあと、サッポロビールの課長と営業マンがお店にやってきて、「私とゆっくり話がしたい」と言うので、ススキノで飲む約束をして別れました。

店の裏にある事務所に行くと、「食品部門の課長と食品のマネージャー」が私を待ち受けていて、「なぜ、俺たちを素通りして、お前のところにいったのか!?」と問われたので、こう話してあげました。

今日は、サッポロビールの課長と営業マンは、お店の警備を通っていないので、「ただのお客さん」だし、私は仲のいいお客さんと話をしただけですと伝えておきました。

・・・・・・・・・・・・・

時間を「大通りのビール祭り」に巻き戻して話しを続けましょう。

サッポロビールの課長と営業マン、それにアルバイト3名と私ですので、6名で呑んでいましたが、そこに「キリンビール」と「アサヒビール」の営業マンがやってきました。

いくら待っても、あなたが来ないので、もしかと思ってきてみると、何ですか!

課長さんまで連れているなんて、聞いてないですよ!

 

ビール祭りの営業時間は短いので、うちのブースにすぐ来てください。課長さんも、どうぞ、ご一緒に!

もう十分、呑んだのに仕方なく、「キリンビール」のブースに行くと、営業マンは、ずらりとアルバイイトを並べて待っていました。

きっと、あの「名刺の件」は、もうサッポロビールさんでやったと思うので、今日は、私が務めるキリンビールを、たらふく飲んで帰って下さい。

 

今日、お出しするビールは、課長の許可をとっていますので、「いくらでも飲んでもらいなさい」と言われています。さあ、どうぞ!

お前なあ、気持ちは嬉しんだが、もう十分すぎるくらい、「サッポロビール」さんで呑んだので、この件は、また、後日にしないか!

いいえ、ダメです!僕は今日か、明日、あなたが来ると思って、アルバイト全員に朝昼晩、周知徹底して待っていたのに、今日は、サッポロビールさんとは知らず、失礼しました。

 

他社のビールを飲む機会もないと思うので、サッポロビールの課長さん、どうぞ、1杯、イヤ!駆けつけ3杯、飲んで下さいませ!

俺、飲んでいいのか?

 

実はな、俺、本当は「キリンビール」が大好きで昔から飲んでいたのよ。

 

でも今は、「サッポロビール」の第一営業課長だから、他のビールは飲めないのさ。

 

今日は、この人のご縁で「仕方なく呑んだ」と言えるので、飲ませてもらうわ!

そう言うと、この課長は、一気に、3倍を飲み干して、さらにもっと飲めそうな目をしていたので、男子アルバイト5名が持っていたビールジョッキを並べさせて、「一気に、5杯のみ、お願いします!」と飲ませてみました。

まあ、飲むわ飲むわ・・・止まらず、一気に5杯、飲んだ課長は、「やっと、飲んだ気がしたわ。やぱり、キリンビールはうまいなあ!」と言ったので、これには「サッポロビール」の営業マンも顔をしかめて・・・

アマミカムイ
サッポロビール

課長!それはないでしょ!

 

私も本当は、「キリンビール」は大好きですが、社運をかけた戦いと言われた日から、一切、他社のビールは買ってもないし、家でも一切、呑んでません!

 

でも、課長がそれだけ美味しいなら、私も飲みます!これ、就業規則違反にならないですよね?

お前、バカか!「就業規則」っていうのは、会社の中のルールで、お前たち「営業マン」は、この規則は適用できないので、労働組合でも問題になっているんだぞ!

 

つまりな、お前たちは社内にいてもいなくても、就業規則には引っかからない「特別な役職」なのさ。

 

その代わり、出勤時間に縛りはないし、いくら残業しても、休日出勤しても給料は変わらないだろ!

 

その代わり、お前たちの給料明細にある「営業手当」にドンと上げた成績の配分が入っているだろ!

それが、「残業代の代わり」なのよ。

 

だから、遠慮なく、飲め!

 

お前たち営業を管理できるのは上司ではなく、「社長」のみなのさ。

 

「雇っている人」だけが、その責任を問われるので、営業実態を調査する「組合員」もいるはずだろ!

 

そいつも、俺たち「労働組合」の仲間なので、全部、事情は聞いているぞ!

 

だから、飲め!思いっきり、飲め!

あれ?あなたそういう人だったんですか?

こりゃ、やばいなあ、俺、「報告」されますかねえ?

大丈夫ですよ、俺は「通報」しませんよ。逆に、飲みっぷりが良い、「サッポロビールの営業課長」にあったとだけは言っておきますわ!

え!そんな通報もあるんですか?良い報告をあげることもあるんですか?

お前なあ、労働組合は、会社の人事課と同じだと言っただろ。だから、良い悪いじゃなくて、「実態」を報告する義務があるんだよ、俺たちは!

じゃあ、もうちょっと、待っていて下さい。

 

今、僕の会社の課長と部長がススキノで飲んでいるので、ポケベルで呼び出します!

 

ズルいです!サッポロビールさんだけ良い報告をされたとなったら、僕、「営業」を外されそうです!

わかった!わかった!もういいわ、付き合うからさ、もう、ビールはやめてくれ!

 

少し美味しいものも食べたいし、日本酒も飲みたいので、部長さんに良い店を探してもらって、決まったら行くから待ってもらってくれ!

 

それとよ、その後ろに隠れている「アサヒビールの営業マン!」

 

前へ出ろ!!!

 

お前、ずっと、さっきからアルバイトさんの後ろで俺たちの会話を聞いているけど、どういう了見で聞いていたのか、話せ!さあ、正直に話せ!!

 

ここには「三社の営業マン」が揃っているので、恥ずかしいことは言うなよ!

えっと、ですね、まずは、お詫びします。そして、お願いがあります。

 

今の流れを聞いていると、今日は、もう無理なのはわかったので、明日、こちらの大通りビール会場の「アサヒビール」のブースで3杯、我が社のビールを飲んで下さい。

 

もし、連れてきたい人がいれば、一緒に何人、連れてきても結構です。

 

そして、そのあと、我が社の課長と部長も来ますので、一緒に、ススキノの綺麗な女の子がいる店で飲みましょう!

 

お金は、無制限に使えます!

 

だっても、もう、あなたの労働組合の名刺を部長に見せたので、部長のほうから「絶対に、お連れしなさい」と言われたので、これは来て頂かないと、私が困ります!よろしいでしょうか!

お前なあ、俺の名刺をそういう使い方するな!って、教えただろ!

 

俺の名刺をどこかの「会社の幹部」が見たら、当然、そうしたくなるはずさ。

 

俺の会社じゃなくて、上の上部団体の「ゼンセン同盟」か、その上の「民社党」に関わっている人が、ビール会社にいることは知っているからこそ、「上司には見せるなよ!」って言ったはずだろ!

いやあ、それは知っていたんですけど、名刺を探していた時に、「ポロリ」と落ちたんですよ。

 

そこに課長が来て、すぐに部長に連絡したものですので、僕の不注意で申し訳ありませんでした。

おい!「サッポロビール」と、「キリンビール」の営業マン、よく聞いておけよ!

 

これが、「アサヒビール」のやり方さ!

 

つい、偶然、たまたま・・・という戦術を使って、今より原価を安く出したり、伝票の値段を二本線で消して書き直したり、コイツらの営業はものすごくずる賢いというか、日本人の弱みに漬け込むのがうまいから、日本一になったんだぞ!

 

「営業」っていうのはな、ここまで汚くないと勝てない世界なので、「嘘を言わないお友達同士」でも良いけどよ、仕事ではどんな手を使っても勝てよ!

 

こいつ相当、営業の腕があるので、課長になるのも早いはずだ!負けるなよ!!!

僕はそんなに悪者じゃないですよ!

きちんと仕事をしただけですよ!!!

出た出た、「賢い大学」を出た奴がよく使うセリフさ!「自分を正当化するプロ」だもんな!

お前たちは・・・!

有名大学出身の「おぼっちゃま」よ!!!

やめて下さい!その「おぼちゃま」と、子供の頃から言われているので、僕はそれが嫌で北海道まで来たのに、なぜ、僕が「おぼっちゃま」だとわかったんですか?

お前のスーツの色とハリ、どう見てもブランド物だし、それに、靴!それに、使っているボールペン!

 

どう見ても「おぼっちゃま」しか持てないだろ!

 

まあ、いいわ、明日は、お前の「アサヒビール」のブースに行くけど、俺一人だけにしておくわ。

 

そうじゃないと山ほど接待費を使われると、今度は、俺が困るのさ。

 

あとで、労働組合のお偉いさんたちからお叱りの言葉が出るので、頼むから、そこそこの店で良いと、部長に言っておいてな!

 

じゃあ、今日は、これで解散!!!

 

つづく

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