レイ・チャールズとの対話
ジャズの巨匠、レイ・チャールズが最後に日本へやってきた時、生まれて初めて札幌会場の一番前のS席を取って、汗が飛び散る最高の席でレイ・チャールズの歌声を聞いたことがあります。
その歌声と気迫は、全身から飛び散る汗と同じか、それ以上の感動をさせてもらいました。
耳と目がほとんど見えない聞こえないレイ・チャールズが、なぜ、ピアノを弾けて、歌が歌えたのか興味があったので、時間を遡って子供の頃の本人と対話した内容を初めて公開します。
6歳の頃、仲の良かった弟のジョージ・ロビンソンを亡くしたその9か月後、自分が失明し、親も貧乏で暴力的なお父さんは、お酒を飲むとすぐに殴るので、お母さんは弟が死んだ悲しみと暴力に毎日、脱力状態になって、いつも泣いていたと教えてくれました。
「自分が母を支えないといけない」と思ったのに、目が見えないので、手探りで街を徘徊し、ゴミ捨て場にあった壊れた小さな子供のおもちゃのピアノを見つけ、触って遊んでいると、周りの大人が「それは壊れているから欲しかったら持っていけ!そうじゃないと、また誰かが取りに来るかもしれないぞ」と言われたので、頭を下げて小さなピアノを手に抱え、家に帰ったそうです。
もし、このピアノで奏でる音が、お母さんを少しでも癒されるならと思ったレイ・チャールズは、毎日、隠れて練習していました。
いつもよりお母さんが戻る時間より早かった時、レイ・チャールズはいつものように大声で歌い、ピアノを叩くように弾いていました。
すると、お母さんは家の中からピアノの音が聞こえたので、私の家じゃないと思って、ドアのノブの手を離したそうです。
大きな道からもう一度、番地を確認しても、やっぱり自分の家なので、勇気を持ってそっと、ドアを開けました。
そこにはレイ・チャールズが大きな声で楽しそうにピアノを弾いていたので、驚いたそうです。
しばらく聞いていると、鍵盤の音が一つだけ壊れていたので、レイに聞いてみたそうです。
うん、わかっているよ。この鍵盤は音が変だけど直せないから、この鍵盤を使わない曲を自分で作って歌って弾いているだよと、申し訳なさそうに言いました。
どうしたの?その壊れたピアノは?
街のゴミ捨て場で見つけて弾いていたら、周りの大人たちが持っていっていいと言ってくれたので家に持ち帰りました。
弟が亡くなってからお母さんがいつも辛そうなので、少しでも元気になって欲しくて毎日、一人で練習していました。
でも、ごめんなさい。僕が勝手に他人の物を持ってきたので、お母さん、許さないでしょ。
やっぱり、もう一度、捨てなきゃダメ?とお母さんに聞いたそうです。
お母さんにいつピアノを持ってきたかを話すと、もう誰もそのピアノのことは覚えていないと思うので、今回だけはいいわ、許してあげる。
じゃあ、その代わり、今、練習している曲をお母さんに聞かせておくれ!と言われたそうです。
本当はもっと上手になってからと思っていたのに、今、勝手にピアノを持ってきたお詫びで曲を弾かないと意味がないとわかり、ゆっくり少しづつ、鍵盤を手で確かめて歌を歌い出しました。
自然に声が出て、大きな声になり、近所迷惑になるかと心配しましたが、この曲がひどかったらお母さんはピアノを捨てろと言うと思ったので、最後のチャンスだと思って一生懸命に歌ったそうです。
練習した曲を精一杯、歌いきり、静かにお母さんの言葉を待っていると、静かな泣き声が聞こえてきました。
お母さんは、泣いていたそうです。
なぜ、僕の歌を聞いて泣くのかわからなかったレイ・チャールズは、
「ごめんなさい、僕の歌とピアノが下手くそすぎて、お母さんを悲しませたの?ごめんなさい。」と言ったそうです。
そうじゃないのよ、レイ、謝るのは私のほうだわ。
あなたが一生懸命に弾いたピアノを誉めもせず、ただ泣いていたらそう思うわよね、謝るのは私のほうよ、ごめんなさいね。
あのね、私が泣いていたのは、あなたのピアノも歌も、心が引き裂かれそうなくらい感情が溢れてきて、悲しい思いやら苦しい思いがグルグルして、最後には天国に登っていけたの。
そしたら、あなたの弟のジョージに会えて会話できて、感動したのよ。
わかる?私はあなたのピアノと歌声に感動して泣いているのよ?
ほんと?お母さん?本当に?
僕の下手くそなピアノと歌で良いの?本当に、誉められたと思って良いの?
良いわよ、あなたの歌声は誰が聞いてもきっとわかるはず。
だって、私も子供の頃は教会で歌っていたので、音感はわかるし、歌は心で歌いなさいと神父さんに言われたので、言葉を聞くのではなく、心であなたの歌を聞いていたら、感動で涙が出たのよ。
今度、私が勤めている奥さんたちに話して家に連れてくるから、もう一度、聞かせてね?
良いの?本当に?
レイ・チャールズは、お母さんが本気で喜んでいる声が聞こえて、自分も涙が止まらなかったと言いました。
数日後、お母さんのスーパーの店員さんたちが集まってきて、家で壊れたピアノで歌を披露すると、全員が、涙を流しながら「もう一度、聞かせて?」と何度も、せがまれたそうです。
何回か同じようにお母さんに頼まれて、歌とピアノで歌っていると、ある奥さんが、私の家にも似たようなピアノがあるけど、そのピアノより、少しだけ良い音がするので持ってくるねと言って、数日後、壊れたピアノが新しいピアノになったそうです。
実は、最初の壊れたピアノの鍵盤は3箇所、音のキーが狂っていたので、その鍵盤を押す時には大きな声で歌い、音がずれていることがわからないように歌っていたそうです。
少し、新しいピアノの音は、どれも正しいドレファソラシドが出たので、レイ・チャールズは感動したと話してくれました。
これで違う曲が作れる!もう一曲、レパートリーを増やそう!と、必死に練習したそうです。
レイ・チャールズが練習している時の歌音は、近所にも聞こえていたので、白人家族の女の子が家の窓からレイ・チャールズが歌う姿をそっと見ていたそうです。
白人家族の女の子は両親にレイ・チャールズのことを話し、「ねえ、もっと大きなピアノをあの子に買ってあげて!」とお願いしたそうです。
両親は、レイ・チャールズの歌を聞いたことがないので、早めに仕事を終わらせて、お母さんたちに演奏している時に、そっと、窓を開けてレイ・チャールズの歌を聞いてみたそうです。
すると、白人家族のお父さんが、突然、レイ・チャールズの家にやってきたので、レイ・チャールズのお母さんは「大きな声でご近所迷惑でしたか?すいません、すぐにやめさせます」と言ったあと、白人家族のお父さんは、こう言いました。
こちらこそ、すいません、勝手に息子さんの歌を聞いていたのですが、感動したので、ここに来てしまいました。ご迷惑でなければ、もう少し、息子さんの歌を聞かせて下さい。
お母さんは、びっくりしたそうです。
いつも高級そうなスーツを着て、高級車に乗っている白人家族のお父さんが、私たちと一緒にいるなんてあり得ないし、他の人が見たらきっと怒られるので、必死に、遠慮したそうですが、白人家族のお父さんの目が、感動で泣いていたので受け入れたそうです。
道を歩いている近所の人たちも、レイ・チャールズの歌は聞こえていたけど、黒人家族に関わることは絶対にしない暗黙のルールが白人同士にあったので、聴きたくても聞けない人たちがたくさんいました。
一人の白人が、黒人の奥さんたちに混じっている姿を見て、怒ってやろうとやってきたのに、隣の白人男性に「いいから、あの子の歌を聞いてみなさい」と言われ、すぐに涙が溢れてしまったそうです。
そこへレイ・チャールズのお父さんも帰ってきたので、また、お母さんは殴られると思い、「もう、今日は終わりにしましょ。」と言ったそうです。
でも、お父さんは実は、前からレイ・チャールズが歌っていたのを知っていましたが、妻の手前、遠回りしていつもの時間に戻ってきたとお母さんに話しました。
お父さんは、仕事の時間を減らされて、給料も減り、好きなお酒も我慢していた時期だったそうです。
黒人家族と白人数名が一緒に窓の外でレイ・チャールズの歌を聞いていると、近所の白人が、今度の日曜日、この大きな木の前でレイ・チャールズの歌をみんなに聞いてもらおう!と決まりました。
すると、隣の家の白人家族のお父さんが、だったら、もう少し大きなピアノがあったほうがいいので、僕が手配します。いいですか?お父さん、お母さん?と聞かれました。
お金がないお父さんとお母さんは、白人家族に言われたので、はい、よろしくお願いしますとしか言えなかったそうです。
次の日曜日がやってきたので、教会へ行った帰り、近所のみんながレイ・チャールズの歌を大きな木の前で白人と黒人が一緒に聴きました。
誰もが何度も泣いてしまうほど、レイ・チャールズの声は魂を震わせるので、大人たちは「どうして何度、聞いても泣いてしまうのかわからない」と口々に言っていました。
「次の日曜日もやろうと言われたレイ・チャールズは、1週間しかないけど、もう一曲、練習して増やしますので、ぜひ、聞いて下さい。」と言ったそうです。
レイ・チャールズの曲を聞いた白人たちは、歌を聞いた帰りにそっと、レイ・チャールズのお父さんにお金を渡し、「レイのために美味しいものでも食べさせて下さい」と言ったそうです。
そのお金がどれほどありがたかったか、レイ・チャールズのご両親は、初めて自分の息子に感謝を伝えたと教えてくれました。
レイ・チャールズはとても喜び、「今度は、絶対にもっと上手く歌うから聞いてね、お父さん、お母さん!」と言い、自分の曲を聞いた日は、お父さんがお母さんを殴らない日になり、それが増えたことを喜んでいました。
「今度は、教会でレイ・チャールズに歌ってもらおう!」と言い出した白人が神父さんにお願いして、その夢は実現しました。
レイ・チャールズは生まれて初めて本物のピアノを触らせてもらい、たくさんある鍵盤を手に覚えさせ、少しづつ少しづつ、両手を広げてたくさんの音を体に覚えさせたそうです。
実は、目が見えなくなったあと、耳も少しづつ聞こえなくなってきたので、最後に絶対、目も耳も使えない時がくる覚悟があったので、必死に、体に音を覚えさせたそうです。
大きなピアノの鍵盤を最初は優しく、そして、普通に、最後は最大の力を込めて叩くと、すごい反響音が体を突き抜けたので、その感覚を必死に覚えたと話してくれました。
そのあとは、ご存知の通り、あるプロデューサーがレイ・チャールズをジャズの世界に引っ張りだしましたが、誰もが最初から涙が止まらず、困ったと言ってくれたんだと、レイ・チャールズ本人が教えてくれました。
僕には泣いてる大人たちの顔はわからないけど、泣いてる時の心の振動が体と魂に来るんだ。
だから、僕はその涙を喜びにしようと必死に声を出し、鍵盤を叩いているんだ。
僕にはこんな話しかできないけど、こんな話でいいのかい?
と最後は、私の意識に話しかけてくれました。
僕は日本にいるただのレイ・チャールズファンですが、今、時間を超えて、あなたの意識に入っています。
勝手に入って申し訳ありませんと言うと、レイ・チャールズはこう言いました。
何を言っているんだい、君がいくつか誰か知らないけど、僕も目が見えなくなり、耳も聞こえづらくなった時、神様にこう言われたんだ。
レイよ、お前に与えたものが、わかったかい?
お前には、普通の子供よりたくさんのものを与えたんだよ。
その代わり、目と耳と、弟を失ったけど、それも神様たちの愛なんだ。
お前はその苦しみを愛にするために生まれてきた子供だから、お前にだけ、神の声と手を与えたんだよ。
わかるかい、この世の中で苦しいと思ったこと全てが、神様たちの愛だと思っておくれ。
と頭の中でこう聞こえたそうです。
だから、君の声が僕の頭の中で聞こえたとき、最初はまた神様がきたのかと思ったので、ぜんぜん、怖くはなかったよ。
僕が他人に言えない話もしたので、この話をいつか、多くの人が知る機会があったら、教えてあげてね。
僕は神様から、神様の声と手をもらったんだと・・・。
こんな僕の思いを聞いてくれてありがとう、日本の男の子よ、と言ってくれました。
レイ・チャールズが歌う「エリー・マイラブ」は、レイ・チャールズが日本へやってきた時、たまたま聞こえた歌なのに、「これは誰が歌っているんだい?この歌手に合わせておくれ!」とスタッフに頼み、サザンオールスターズの桑田佳祐さんに、カバーで自分が歌う許可をもらったそうです。
そして、「僕は祈りはしないんだ。だって、僕は神様に歌と手をもらったんだから、僕の祈りは歌を歌うことなんだ。だから、祈りはしないんのさ。」と教えてくれました。
私は霊視で対話しながら、泣いてしまいました。
レイ・チャールズの言葉が大きな神様の声にも聞こえるし、近所の人たちに歌っていたレイ・チャールズの歌声も聞こえたので、涙が止まらなかったのです。
世界にいる多くの障害を持った人たちへ、このことが伝わることを願ってレイ・チャールズの言葉をお伝えしています。
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2022年3月14日、世界の人たちへバレンタインデーのお返しでレイ.チャールズの言葉を送ります。