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【解脱の真理】第十二話 封印した霊視力

「思考の無限ループ」から抜け出したいのですが、眠ろうとしても1時間も寝させてくれず、すぐに意識が戻って来るので、また「思考の無限ループ」の続きを考えてしまいます。

毎日、そんな日が続くと、現実世界と意識の世界の境界線が、あやふやになります。

せいぜい、1日の睡眠は1時間半。

どんなに体を使って労働しても、1時間半以上は寝させてくれないのです。

午前1時に寝て、夜中2時半に起こされる生活がしばらく続きました。

瞼(まぶた)を閉じていても意識が戻り、繊細な感覚になるので、じっと横になっていることも苦痛になります。

仕方がないので、妻を起こさないようにソッと起き、1階の事務所に降りて瞑想を始めるしかない日が続きました。

起きている時間が長いほど、体や意識を使うので普段ならお腹も空くはずですが、全く空腹感が無いのです。

朝食も取らず、午前中はただ瞑想だけを続けて、昼食時間になると少しは食べておいたほうが良いかと思い、近くのお蕎麦屋さんで月見蕎麦を頼んでみましたが、一口、食べると吐き気がして食べられません。

また、家に戻り、瞑想を始めました。

「時間の感覚が無い世界」にずっといると、どんどん現実世界から意識が遠のきます。

そして、世の中全体を見ている存在の意識のように、先に何が起きるかわかってしまうのです。

玄関に宅急便の人が近づくだけで気配を感じるので、チャイムを押す前に玄関に立ってドアを先にあけたりしていました。

家を出て、歩き出そうとすると、右手の家の影から女性が歩いてくることを予知したので、一歩も踏み出さず、通り過ぎるのを待っていました。

その女性は、家の影にボート立っている私を見て驚いていましたが、笑顔で会釈をすると、軽く会釈を返してくれました。

その瞬間、彼女の心の中にある思いがドンと体に感じて驚きました。

彼女は、家を出る前に、ご主人と言い争いの喧嘩をして、「頭に来たので、今日の晩御飯は作らないからね!」と言い放って会社へ向かう途中でした。

このまま彼女が仕事帰りまで怒っていると、ご主人とまた喧嘩になるので、彼女の心の中にメッセージを送り届けました。

ご主人の声で、「ごめんなあ。俺も言いすぎたから謝るわ。また、美味しいご飯を作ってくれな!」と・・・

石のように硬くなっていた彼女の心は、この言葉を聞いて溶けるように緩み、会社のお昼休憩の時にご主人に電話して、「今夜、何が食べたいの?」と電話していました。

突然の電話に驚いたご主人は、「おい、いったい何が起きたんだ!今朝は怒っていたのに・・・」

「あなたの本当の気持ちがわかったから、もういいの!気にしないで!」と彼女

夕方、会社が終わると彼女は、ルンルン気分でスーパーに行き、ご主人の好物をたくさん買い込んで料理をせっせと作り、ご主人の帰りを待っていました。

ご主人も、うしろめたかったのか、普段は買わないワインとグラスを2個買って、奥さんの料理に「ありがとう」を言おうと決断して家に帰りました。

そのあと、ニコニコで交わったのは当然です(^^)

この出来事は、朝の通勤時間に私がたったひとつの思いを奥さんの心に届けただけですが、「時間を超える霊視力」をいただいているので、ご夫婦の未来に起きることがわかるので、喜びになるために対応した結果です。

皆さんが、もし、私と同じように地球の未来がリアルに見えたのなら、きっと、今のままの生活は続けられないと思います。

子供の頃から家に来た人が、帰りみちで車にはねられる映像が見えたり、死ぬことを考えている人の気持ちがすぐにわかったりと、自分では見たくないものや、知りたくないこともわかってしまう時間はつらいものでした。

テレビを見ていても、キャスターやコメンテーターの心の中までわかるので、ニュースの内容よりも、人間の思いの情報がおおすぎてテレビも見れなくなりました。

いろんな人の思いが見えすぎたので、大学生になった時、「全ての力を封印する」と決めて、社会に適応する努力をしました。

サラリーマンをしている時でも、上司が何を望んでいるのかすぐにわかるため、先回りして準備するので、いつも会社の人事評価はトップでした。

クレームを言いたいお客様の対応も、心の中の本音がわかるので、素直に頭を下げながら、心の中に愛のメッセージを送り届けると、突然、怒っていた人が、「もういいわ」と笑顔で帰るので、会社の仲間たちも不思議な顔で私を見ていました。

いろんな女性たちと恋愛やsexをしましたが、私は相手が望んでいることの反対をすることが多いので、女性たちはいつも最後は怒って私から離れていきます。

なぜ、自分の思いを素直に出さないのかというと、今、目の前にいる女性の言葉や思いではなく、その女性の未来が見えてしまうので、今は楽しいけど、いづれ、あなたは自分がやりたい道へ進むし、その時、私が本気だとお互いに傷つくことを恐れたからこそ、誰にも、自分の本当の気持ちを打ち明けたことはありませんでした。

本気で私と付き合いたいと思っている女性からは、「あなたはいつも何を考えているのかわからない!私に何か問題があるなら言ってちょうだい!」と怒られますが、何も無いよ、と私は言い返します。

私が傷つける前に、離れた方が良いと、心の底で思っているからです。

私みたいな人間が、人を愛することなんてできるわけないと、本気で思って生きていました。

自分以上に、私の苦しみをわかる人間に出会ったことがなかったので、心を打ち明ける勇気もなかったのです。

「地球を救う」と1998年に宣言したので、素敵な天使さんに導かれましたが、この嘘ばかりの現実世界で生きるのは「自分の思いを隠して生きるしかない」と思っていた時間が長すぎたため、どんな素敵な人に出会っても、思っていることと反対の厳しい言葉を吐いてしまうのが癖になっていました。

この癖は直せないものかと、上の存在に聞いたこともありますが、上はただ、無言で見守っています。

この経験さえも、自分の設定なのだとわかってはいますが、42年間、誰一人、信じたことが無い人間にとって、急に、他人を救うために生きろと言われても、心はYESを出しません。

そんな時、札幌にいる天使さんから久しぶりに電話が来ました。

「吉岡さん、今、苦しいんでしょ。

家に、来てください。

少し、お話ししましょうよ。」

 

毎日、自分の思いに葛藤して押しつぶされそうになっていたので、素直に彼女の家を訪れました。

「今の状態を素直に全て話してみて!」と言われたので、誰にも言えない思いを全て話しました。

すると彼女は一冊の分厚い本を出してきて、「この本のページを一枚づつめくってみて!」と言います。

言うとおりに、1枚づつページをめくっていくと、世界中の賢者や救世主たちの写真と説明文が英語で書いてある本でした。

そして、あるページで手が止まりました。

写真は、「イエス・キリスト」でした。

もう、ページをめくる手も動かせないし、目も離せません。

見ているだけでドンドン写真に引き込まれて、顔が本につきそうになりました。

「わかったわ、イエス・キリストね。

えーと、確か写真があったはず・・・。」と彼女は本棚を探しに行きました。

僕は、本に目が離せないまま、じっとしていることしかできず、体を起こすこともできません。

何が起きているんだ・・・。

彼女がやってきて、「もう、良いわよ。顔をあげて!」と言うと、不思議に体は起こせました。

彼女は天使じゃなくて、本当は悪魔か魔女じゃないのか?と思いましたが、彼女が怒った顔で「私が魔女なわけないでしょ!」と怒られました。

彼女も私と同じ、相手の思いを読み取ってしまう体質だったのです。

「今のはね、あなたの守護存在が誰かを確認したくて、本を見てもらったの。

イエス・キリストがあなたの守護天使だから、この写真を家に持って帰って、毎日、見てください。

ただ、それだけであなたの迷いは無くなるはずですよ。」

 

まだ、少し怒った顔をしていますが、心の中では私を信じているのがわかりました。

「あなたはきっと、この苦しみを乗り越えられると信じていますからね!」と心の中の声が聞こえました。

「もう、勝手に私の心を読まないで!恥ずかしいでしょ!」

そういう自分だって、私の心を読んでる癖に!と思いながら、また、この思いも読み取られるので、お互いに言葉にすることをやめて、素直に帰ることにしました。

毎日、考えるつもりがなくても「思考の無限ループの時間」が苦し過ぎたので、つい、イエス・キリストの写真を見つめてしまいました。

そうすると、イエス・キリストの目が、私に何かを訴えてくるのです。

言葉ではなく、ただ、目線だけで思いが心に入ってくるのです。

怖くなって目線を外すと、また「意識の無限ループ」に入りそうになるので、イエス・キリストの写真を見つめることにしました。

確か、天使さんの家から戻ったのは午後3時くらいのはずなのに、もう家の外は真っくらになってるのに、目が離せないままなのです。

だって、ずっと心の中にイエス・キリストから「問いかけ」が続くからです。

「どうして、苦しいのですか?

何が、苦しいのですか?

私に何かして欲しいことはありますか?」

全ての思いをわかっているのに、この言葉が繰り返されるように心の中に聞こえてきます。

つらくて、つらくて、逃げ出したいけど逃げられない・・・

死にたくても死ねない・・・

なんで、こんな役目を自分がしなきゃいけないのか、理由がわからない・・・

大粒の涙がドンドン溢れてきて、涙が止まりません。

嗚咽しながら、過去、自分が人を信じてこなかった思いが繰り返し思い出すので、「ごめんなさい、ごめんなさい」を言い続けることしかできませんでした。

妻が帰ってきて、「晩御飯は?」と聞かれても、「いらない」と言うのが精一杯なほど、言葉を吐くのもつらい感情が溢れ続けました。

妻が、「先に寝るからね」と言っても返事もできず、もうそんな時間になったかと思っても、ずっとイエス・キリストの写真の前で手を合わせて祈っていました。

ごめんなさい、ごめんなさい。

この人生で、人を信じることをしなくてごめんなさい。

過去に出会った全ての人たち、自分を愛してくれた全ての女性たち・・・ごめんなさい。

 

頭の中で「ごめんなさい」の無限ループが回っていました。

気が付くと、夜明け前の時間になっていました。

太陽が登ると、硬直した体の力が抜けて、やっと普段の自分の意識に戻りました。

なんなんだ、この時間は・・・。

この時間を毎日、続けなければいけないほど、自分は罪人なのかと思いました。

でも、生きないと・・・。

生きて、他人を救う活動をしないと魂の約束を果たせない・・・。

ゆっくり眠ることも出来ないまま、毎日、イエス・キリストの写真と向き合う日々が続きました。

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