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母の教え:自覚と責任

小学生の頃から中学生まで、母は何度も同じことを私に言いました。

「うちは、他の家とは違うから、発言と行動には十分、気をつけなさい」と言われましたが、意味は全くわかりませんでした。

「もしかしたら、父の吉岡家のルーツが富山県で武士だからかな?」と思いましたが、今は、自給自足の貧乏農家だし、そのルーツが武士だと言っても周りの人には意味がないと思ったからです。

しかし、母が何度も言うには何か意味があると思い、幼稚園から一緒の同級生たちに、「先祖ルーツ」を聞いてみました。

「お前の家の先祖は、何をしていた人か知ってるか?」

と何人にも聞きましたが、誰も知らないと言うので、明日まで詳しく親に聞いて、みんなで報告しあおうと決めました。

それぞれ家に帰ると、母に聞いたり、父に聞いたようですが、中には親父に殴られたと怒っている同級生もいました。

お父さんに怒った理由を聞くと、大酒飲みで家を空け、たまに家に帰ると、母や兄を殴る蹴るのお父さんだったようで、思い出したくもないことを思いださせたと、殴られたそうです。

「その時、お前の父さんは、お酒を飲んでなかったかい?」と聞くと、「飲んでた」と言います。

そりゃ、お前が悪いわ、だって、考えてみろよ。一日中、仕事をして疲れて帰ってきたからこそ、お酒を飲んで気分を紛らわせている最中に、お前が邪魔した形になってるだろう。タイミング、悪すぎ!

俺も毎月、母に給食費もらうタイミングを図っているけど、農繁期の母の背中を見ていたら言い出せるチャンスは少しもないほど、毎日、イライラしているぞ!

「農家の農繁期だけは、相当、気をつけないと毎日、両親は寝ないで頑張っているから、僕ら子供が気をつけないといけないのさ」と、説明すると納得してくれました。

じゃあ、他の奴はどうだった?

俺の家の先祖は、農家だったそうだ。

私の家の先祖も、農家だったようだよ。

俺の家の先祖は、商売をしていたけど、失敗して北海道に逃げてきたそうだ・・・などなど、たくさん情報が集まりました。

俺たち小学生もあと何年かすると、中学生になるけど、昔は中学生は「元服」と言って、頭を剃ってちょんまげをゆう時期とじいちゃんが教えてくれたよ。

それは、吉岡さんの家の先祖が武士だからでしょ!

私たちの家には、そういうルールは無いよ!

と女の子に言われました。

ということは、武士の先祖の僕が、みんなに親の先祖を聞いたこと自体が失礼になっていることに気づいたので、同級生たちに今回のことを頭を下げて謝りました。

いや、あなたが謝らなくてもいいよ。

だって、あなたのおかげで私たちも勉強になったもの。

先祖の失敗を抱えている親の思いを知ったからこそ、絶対に、お金持ちになって、親を喜ばせると決めたもの。

俺も、そう思う、吉岡は悪くない。

俺も親父に殴られたけど、親の気持ちを考えないガキだと自分がよくわかったので、二度と親を怒らせるような話し方をしないと誓ったもの。

その気づきもお前のおかげだ、ありがとう!

みんな、良い奴ばかりでした。

幼稚園の頃から鼻水を垂らしていたり、汚れた同じ洋服しか着れない女の子や、学校でおもらしした子もいますが、みんなお互いの両親も家族も兄弟も知っている仲間なので、誰かを責めるような奴は一人もいません。

「相手の非を責めるということは、自分には非がない」という意味ですので、子供であっても大人でも、失礼なことだと私たちの世代は子供の頃から学んでいます。

全ては、「親の教育」のおかげです。

だから、大人になって「相手の気持ちを考えてない発言を人前でする大人」を私は許しません。

相手を思いやり、その上で言葉を選んで話すのが、大人の常識だからです。

先日、幼稚園を経営している50代の女性と話しましたが、アホなモンスターペアレンツは別にして、彼女が今、大事にしていることは「保母さんの人間教育」だと話してくれました。

子供が好きで保母さんになっても、諸先輩たちが大切にしてきた違う価値観にどう考えるべきかを学んでいない20代、30代、40代が多すぎるので、50代以上の経営者や教育担当の人間はとても苦労しています。

人に物事を教える立場の人は、自分の常識が非常識だと早く気づいて、他人に喜ばれる人間になって下さいませ。

毎月、新宿オアシスハウスのイベント後の交流会でこういう大切な話をしていますので、お子さんを連れてどうぞ、ご参加下さい。


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