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警察官か?ヤクザか?

小学生時代と中学生時代のクラスに、警察の子供が同級生にいたおかげで、警察官の家族のいろんな複雑な思いを聞いていましたが、田舎の子供たちは、小学生でオートバイは乗り回すし、中学生になると車の運転ができるのは、当然でした。

私の中学時代は、第一次オイルショックの時期なので、お米の値段が急に上がり、大量にお米が作れる農薬や化学肥料が一気に入ってお米がたくさん取れたおかげで、親の収入も増えました。

同時に、馬が耕運機に変わり、トラクターも購入し、大きなトラックを買ったため、人間が運転する機械も増えました。

 

家族4人が全員、車やトラクターを運転できないと、6ヘクタールもある町内一の田んぼの収穫はできないので、中学1年生になるとオヤジが急に、「トラックを運転してみろ!」と言いました。

「どう動かすの?」と聞くと、「さっき、助手席に乗って見ていたろ!やってみろ!」と言うのです。

 

ウチの家のルールは、言葉で教えてくれる人は誰もいません。

「見て覚えろ!」が基本ですので、せいぜい、二度しか見せてはもらえません。

どれくらい周りの大人たちの動きを意識して生きるかが、大事なのかを子供の頃から教わっています。

 

母も、「説明されないとできないヤツは、社会へ出ても同じさ。

そんな子供に、育てた親がバカなのさ。

子供を育てるってことはね、社会へ出て、誰にも迷惑をかけないように、どうやって子供を育てるかを考えるのが、母親の役目なのさ。

父さんは、働く背中だけ見せればいいのさ。

そんなことも教えられない母親は、母親失格さ!

勝手に子供を作って、社会の大人たちに迷惑をかけるような子供に育ったら、それは全て「母親の責任」さ。

働けない、働きたくないっていうバカな子供もいるけど、親の顔がみたいわ!

私だったら、自分の親に迷惑をかけるようなことをしたら自分で死ぬか、自分の子供でも殺して、自分も自殺するわ。

泣き言を言って喚いている女たちは、バカなのさ。

よく人を見て、付き合いなさいね!」

と子供の頃から言われて育ちました。

 

「でも、さすがに車の運転でしょ!!!もう一回だけ見せて!」と父にお願いしました。

2回見たあとは、「さあ、やれ!」と家の前の広い庭で練習し、家のカドにぶつけても父は何も言いません。

社会に迷惑をかけない限り、私の親たちは、簡単には怒らないのです。

 

「喧嘩をする時はね、相手の目を見てしっかりやりなさいね。

キョロキョロして、目が泳いでいたら、殴られるからね!

私も父さんにたくさん殴られたけど、何も悪いことをしていない時になぜ、殴るのかを聞いたら、「お前の目が泳いでいたからだ!」と殴られたのさ。

理不尽でしょ。でもね、そのおかげで男でも、どんな相手でも、しっかり目を見て話ができるようになったのさ。

だから、お前もキョロキョロするんじゃないよ!殴るからね!」

と母に脅されながら教育されました。

 

車をぶつけて親父がカナヅチで直したあと、「稲刈りをした田んぼで練習しろ!」とオヤジに言われたので、必死に運転を覚えました。

すると、6km先に住んでいる私の同級生が、隣におばあちゃんを乗せて家の前を運転していきます。

あれ?あいつ、運転できるんだ・・・。

 

翌日、聞いてみると、「両親は忙しいから、お前がおばあちゃんをお寺に連れて行ってあげなさい。終わったら迎えにいきなさいね。」と言われたそうです。

だって、お前の家からここまでの間に、警察があるだろう?大丈夫だった?

一度、警察のお父さんに止められたけど、息子の同級生だと事情を話すと、

「お前は背が低いので前が見えづらいから、この座布団を敷いて、気をつけて運転しろよ!」

と言われたよ。

いやあ、同級生に警察の子がいて本当に良かったと思いました。

 

警察の同級生のオヤジさんのおかげで、社会に迷惑さえかけなければ、大人は誰も子供達を怒ったりはしない素晴らしい時代だったのです。

それくらい、「自己責任」が厳しい時代だったので、誰も「他人のせい」にすることをよしとはしない時代だったのです。

 

テレビを見ていると、高倉健さんの任侠ドラマがカッコいいと思いましたが、「警察とヤクザの違い」を考えてみました。

どちらも、社会を守るために必要だと思うけど、「ヤクザは薬を売ったり、人身売買をするので、いけない人だ」と母は言いますが、戦後の日本の治安を守ったのは、警察から頼まれた「ヤクザ」だったことを知っているので、簡単には決められません。

そこで、同級生の警察のお父さんに質問したことがあります。

 

「警察もヤクザも、どちらも人や家族を守るためにいると思うのですが、どちらが悪いとか簡単に言えない気がするので、お父さんの意見を聞かせて下さい。」と聞きました。

すると、警察のお父さんは、

「いやあ、まいったなあ。

息子の同級生にこんな話をすることになるとは・・・。

いいか、息子たちには言うなよ。

俺も、子供の頃はガキ大将で、よく喧嘩したり、人を殴っていた街の厄介ものだったのさ。

そしたらな、警察に捕まった時に、偉い人が来て、俺と話したあとに、「お前、警察官になれ!」と言われたのさ。

びっくりしたけど、言い方がすごいのさ。

 

いいか、一回、警察をやってからヤクザになるのはできるけど、ヤクザになってから警察にはなれないんだぞ!

どうせ、お前は自分の正義感だけでいつも戦っているはずだから、俺の言うことを聞け!

さっき、親にも言っておいたので、警察学校で勉強して警察官になれ!

もし、逃げたらヤクザの組長にお願いして、一生、影の生き方しかできないようにしてやるから、覚悟しろよ!」

 

どっちが警察なのか、ヤクザなのか、わからないほど、怖い顔で、本気で教えてくれた人がいたおかげで、私の同級生のお父さんは警察官になれたのです。

この体験は、私の人生にも影響を与えました。

 

大学卒業後に、警察官に合格しましたが、自分の強い正義感を一歩間違えると殉職するか、ヤクザになるしかないと思っていたので、当時、急成長していた日本一のスーパーに勤めることにしました。

もしダメだったら、スーパーの店員から、警察官になってもいいし、そのあと、ヤクザになってもいいなと思ったからです。

母親からも、「どんな仕事をしてもいいけど、親を泣かせるようなことだけはしないでおくれ!」と言われていました。

日本がもし、他の国の人間に攻撃されたとき、最初に戦うのは自衛隊ですが、その次は警察官で、その次はヤクザなのです。

ヤクザも警察官も、どちらも社会には必要な存在だということを正しく学んでから、生き方を悩んでいる子供達にあなたがアドバイスしてあげて下さい。

私は、組長や刑務所から出てきた人間に生き方のアドバイスをした経験もありますが、平和ボケした日本が、今後、どうなるのか考えて、子供達に「何が起きても強く生きるための教育」をできるお母さんが増えることを願ってお伝えしています。

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