【解脱の真理】続編3 死んだ人の行き先
西暦2000年に解脱して、全ての欲望が無くなった自分は、生きる気力も喜びも無くなったので、今までの自分を変えるために毎日、葛藤していました。
「解脱、それ自体は最後ではなく、始まりなのだ」
という言葉は聞こえたのですが、何のために生きるのか、生きる目標も、喜びの設定もできないまま、ただ時間だけが過ぎていきました。
そばにいる妻が作る料理も、申し訳ない程度しか口にできず、食べたあとに何度も吐いたので、怖くて物が食べられないほどです。
妻には申し訳ないけど、お蕎麦か、うどんくらいしか食べられないので、あとは自分の好きな物を食べてと言うしかできませんでした。
「地球を救う」と宣言してからの3年間、妻は何も言わず、ただ、時々、私が瞑想している部屋を覗き込むだけで、何も言いません。
私が生きているかどうか、心配だったそうです。
夜になると、妻は明日の仕事があるので布団に入りますが、私はまた、自分の部屋に戻り、瞑想と自己対話を続けていました。
解脱したのに、なぜ、まだ生きているのだろうか?
本当は死んでもいいはずなのに、なぜ、私なんかを生かしているのか、わけがわからない・・・。
何度も創造主マスターに質問しても、「私には何もできません」としか答えくれません。
それはそうでしょう、マスター意識になったとしても、肉体を持って悩んでいるのは私だけなのですから・・・・。
意識だけの世界を「魂だけの世界」と言い換えてみると、「輪廻転生」のそのあとが気になり始めました。
なぜ、肉体を終わらせても「魂の意識」は残っているのか?
魂の記憶が、なぜ全て残っているのかが気になり始めました。
ガッチリ瞑想体制に足を組んで、この世の浮遊霊たちにも聞いてみましたが、彼らは上がっていないので、死んだあとの上のことはわからないと言います。
じゃあ、今、どこかで死んだ人の魂を霊視で探して、どうなるのかを見てみることにしました。
80代のおじいちゃんが今、関東のどこかの家で亡くなって葬儀が終わり、焼き場の上で自分の肉体を焼かれているのを見つけたので、近づいてみました。
亡くなった人は、自分の魂が抜けた遺体が焼かれるのを見て、悲しむのかと思うと、そのおじいちゃんはこう教えてくれました。
「あのなあ、俺もいいだけ好き勝手に生きてきたので、人生に悔いはないけど、今、こうして亡くってみると遺体ことよりも、葬儀に来なかったヤツのことが気になってよ。どうしたもんかなあ?
知らないおじいちゃんは、初めての体験だからわからないと思うけど、自分で
「どこの誰のところへ行く!」と決めると、瞬間的にそこへ移動できるんですよ!
僕は中学生の時に幽体離脱を何度もして体得したことなので、やって教えられる人が出てきたので嬉しいんです!
そうか、ただ、思えばいいのか?
「◯◯のヤツのところにいく!」
そう思った瞬間、おじいちゃんは親しい友人のところへ行き、様子を空から見ていました。
戻ってきてから教えてくれましたが、どうやらその友人は、葬儀に行きたくても行けない理由があったようで、おじいちゃんは納得していました。
「弱り目に、祟り目」って、言葉を知ってるか?
はい、私の母はいつも例え話や先輩たちが使った知恵のことわざで話すので、色々勉強したのでわかります。
俺の一番仲が良かったヤツがなあ、俺が死ぬ前に何度も病室に来てくれたんだけど、やつは実は、妻と離婚の話しで揉めていたんだ。
俺が急に死んだ日は、その調停の日で裁判所で話し合う約束があったけど、葬儀に行こうとすると、妻が、死んだ人のことなんてどうでもいい!私はこれから一人で生きていかないといけないので、やっと、この日が来るのを待っていたから絶対に、葬儀にはいかせないよ!と言われたそうなんだ。
かわいそうなヤツなんだ、あいつは・・・。
まあ、その気の弱さがヤツの優しさだったので、俺みたいに気ままには生きていないからこそ、たまに会うと、お互いの生き方の違いを面白がって飲んでいたのさ。
良いお友達ですね、ところでおじいちゃん、ちょっとお願いしていいですか?
なんだ、いいぞ、何でも言え!
どうせ、俺は死んでるし、お前も死んだんだろう?
それがおじいちゃん、僕はまだ生きているんですよ。
瞑想して、意識が肉体から抜けて、あちこち行き来できるようになったので、今、亡くなった人を探しておじいちゃんを見つけたんです。
何!お前、まだ生きているのに、この俺と話しているのか?
わけがわからん!お前、幽霊みたいだなあ。
おじいちゃんも、幽霊なんですよ!(^^)
まあいいさ、お願いってなんだい?
あのう、俺はまだ生きているので、死んだあとの世界にはいけないので、これからおじいちゃんが上の世界にいく過程を時々、教えて欲しいんですが、いいですか?
お!任せておけ!
死んでから他人のためにできることがあるなんて初めて聞いたが、いいぞ、毎週、少しづつ上の世界に上がっていって、四十九日を迎えると、もっと高くて戻れない世界に行くと、坊さんが言ってたから本当か、どうなるかを見て教えてあげるぞ。
連絡方法はどうすればいいんだ?
大丈夫です、俺は霊能者なので、テレパシーを使って、いつでもどこでも無限にどの世界にも行き来できる能力が生まれつきあるので、私が時々、聞きに行きますね!
お前、すごい能力を持っているなあ?
俺だったら、その力を使ってひと儲けしたのに・・・。
おじいちゃん、ありがとうございます。
でも、俺はこの力が強過ぎて、子供の頃から死ぬことばかりを考えて生きてきました。
自分で死のうとしても死ねないし、仕方なくサリーマンもやったし、自営業もやりましたが、いくらお金を稼いでも全く生きる喜びを感じないんです。
だから、残りの人生をどう生きるか気づくためにも、おじいちゃんから「死後の世界」を教えて欲しいんです。
そりゃあ、大変な人生だったなあ。
わかった、俺にできる最後の仕事だから、キッチリやらせてもらうよ!
じゃあ、またな!
こう言うと、おじいちゃんは、葬儀場の煙に乗って上に上がっていきました。
また、来週、おじいちゃんから「上の世界」の話を聞けることを楽しみに、瞑想が楽しい通信の時間になりました。
つづく