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【労働組合】誰があなたの給与を決めているか知っていますか?

私は昔から、いろんな世代の先輩たちと話をするよう努力してきました。

理由は、先輩たちがなぜ、「今の日本」を作ったのかを知りたかったからです。

敗戦後、どんな思いで、どんな方法を使って、日本をここまで大きな経済大国にしたのか実態を知りたかったのと、実は、このまま永遠に経済が発展し続けると思っていないからです。

戦後、日本経済は急速に大きくなり、世界のトップレベルに上り詰めましたが、その背景に起きている問題を誰も見ようとしないことが、いづれ大きな社会問題になるという確信があったからです。

核家族、個人主義、家族崩壊、うつ・引きこもり、結婚しない、出産しない子供たちが増える、子供が生まれない国、日本経済の縮小、インフレ、資産価値の下落、中国に追い抜かれる日本・・・。

アジアの夢だった日本は、希望の未来を描けないまま世界に追い抜かれ低迷・・・。

こうなると予測していたので、どんな対策を考えているのか、いろんな分野の先輩たちに答えを求めましたが、全員、「今、やってることに精一杯だ」というだけでした。

明治政府が「世界基準」を目指したことは間違っていませんが、今は、逆に「新しい日本基準」を確立して、世界へ発信するべきだと思っています。

14年間、一部上場企業にいても学べるのは社内のことばかりだからこそ、労働組合に入って自社以外の人と話したくて、休みを返上して労働組合のイベントや合宿に積極的に参加して多くの人たちと意見交換をしました。

唯一、会社のトップと直接、交渉できるのは、労働三法に守られた労働組合だけですので、自社の労働組合のトップである中央執行委員に選ばれてからは、自分の意見を会社に直接、ぶつける役目を頂きました。

ちょうど、今頃の時期から労働組合の中央執行委員の新人4名は、三日間の合宿をして労働賃金法を徹底的に勉強し、「楠木式賃金理論」を構造の組み立てから理解し、定昇とベアの違いが生涯年収にどう影響するかを理解したうえで、会社の業績を分析し、団体交渉に挑みました。

団体交渉が始まると、「妥結に至るまでには3日から1週間はかかる」と委員長に言われ、全員、同じ場所で寝泊まりし、いつでも会社と交渉できるようにお前たちのお店のトップには人事課から連絡がいっているので安心しなさいと言われました。

ここまで缶詰にする理由は、会社側も、労働組合側も、一切、事務局同士で話す内容は、世の中には公開できない実態の数字や現状ばかりなので、完全な守秘義務と責任があるからで家族にも言えません。

団体交渉で決まる賃金は、一般社員だけでなく、重役などの役員報酬や退職金に関して決めますので、社長と個人契約している専務以外は、実は、労働組合の妥結率をとても気にしているのです。

妥結後、労働組合から給与が出ている「専従」と呼ばれる人以外は、全員、普段の出勤日はお店の売り場で働いていますので、専務や常務が巡回にやってくると、お店の全ての従業員は緊張しますが、私は笑顔で「こんにちわ!」と気軽に挨拶していました。

その理由は、団体交渉で思いっきり従業員の不満を役員全員に訴えましたので、役員全員、私の顔をハッキリ覚えているからです。

お店の課長たちは、私が専務に近づくことをやめさせようとしましたが、私はあえて、一歩、前へ出て、直接、挨拶をしました。

それが、労働組合中央執行委員の立場と責任だからです。

店長や課長たちと違って、直接、会社の役員に交渉できる権利を持っている人間だからこそ、店長や課長の口裏合わせの報告ではなく、私はお店の実態をはっきり専務に伝えることができる立場でした。

労働基準法に守られているはずの組合員(従業員)に、サービス残業をさせ続け、タイムカードを押してから仕事をしろという上司の名前を報告し、実態を調べて改善するようお願いもしました。

専務との約束は、会社と労働組合の約束なので、人事課も店長も、誰も文句は言えません。

「ゼンセン同盟流通部会」という組織に所属している人たちは、カネボウやユニチカなどの全繊維同盟を母体とし、デパート、スーパー、専門店など全ての流通業が加盟しています。

その中でももっとも組合員数が多く、業界1番の売上の会社の労働組合員は、労働三法という国の法律に守られながら、流通業で働く全ての人たちの賃金を引き上げるための交渉をしていました。

あなたのご主人や友人で労働組合に関わる仕事をしている人がいるなら、安心して会社に勤められている人たちの陰には、そういう人たちがいることを正しく理解して欲しいと思います。

私は仕事の出勤日以外は、全て労働組合の活動に費やした3年間だったのですが、その経験は人生において、とても大きな経験になりました。

家族でもお父さんが何をしているかわからない人も多いので、少しでも家族に苦労をわかってあげて欲しいという思いでお話ししています。

※労働三法とは、労働組合法(労組法)、労働関係調整法(労調法)、労働基準法(労基法)のことです。

公務員の労働組合と、民間企業の労働組合は、根本的に考え方が全く違いますので、どうぞ、歴史の事実を自分で調べてから会社やマスコミに文句を言って下さい。

常に、誰からも日の当たらない仕事をしている人たちがいることで、皆さんの給与は決まっていますし、過去に社会党が過半数を取った時期に「労働三法」ができたおかげで、従業員にも「権利」が生まれたことに感謝もお願いいたします。

物事は、裏も表もよく知ったうえで発言しないと、ただの愚か者と思われますので、まずは、知識と経験がある大人達の体験を聞いてから、自分の意見を伝えて下さい。

好き嫌い、良い悪いだけで物事を主張する人は、子供の駄々っ子と同じです。

大人は、批判したなら、代わりに代案を出すか、討議する覚悟を持って挑むのが、サラリーマンの仕事なのです。

毎日、大仕事、子育て、ご苦労様です。

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