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母の教え:見て、すぐできないのは、人間じゃないよ!

初めて家族4人で田んぼ仕事のお手伝いをした時、私はまだ小学校3年生でした。

その時、母は、私にこう言いました。

「小学校3年生までは子供」として扱うけど、小学校4年生になればワガママも言うし、自分勝手に物事を決めてしまうからこそ、小学校4年生になったらお兄ちゃんと一緒に、学校が終わったらまっすぐ田んぼに来て、私たちの手伝いをしなさい!

えー、だって近所の4年生以上の子供たちは毎日、遊んでいるよ!

近所のことなんて関係ない!

いいかい、隣の家は、商売をしている家なので、私も子供の頃からお前と同じように可愛い子供として育ててあげたけど、あそこの家の長女は、小学校4年生になった時から親の言うことに反抗するし、自分勝手にうちの家の野菜を盗んで食べていたのさ。

見つけた時に、「泥棒みたいな真似をするんじゃない!」と怒ると、「おばさん、ここに落ちている野菜や果物を私が勝手に食べちゃいけないって、どこにも書いてないので、私は食べました」と言うので、もう腹が立って親に言いに行ったんだ。

そしたら、婆さんも嘆いていて、あの子は3年生まで優しい子だったのに、4年生になった時から急に自分勝手なことを言い出すし、時々、私にも時々、暴力を振るうんだよ!

母の怒りは頂点にきたようで、翌日、その子が野菜を盗みにきた時を捕まえて、思いっきり、ほっぺをビンタしました。

当然、大泣きした隣の娘に、母は、こう教えました。

あんたね、大人と同じように言い訳を言ったり、口答えするなら、「大人と同じ責任」を取りなさい!

親に育ててもらっているくせに、他人の物をかっぱらって、ごめんなさいも言えない人間は、刑務所行きだよ。

他人のものを盗むのは、泥棒だからさ!

さあ、警察へ連れて行くから一緒においで!

そう言うと、隣の娘は大声で泣いて、「お母さん、お婆ちゃん、助けて!」と叫びました。

驚いた隣の家のお母さんに母は事情を話し、この子をどう育てるのか厳しく教えましたが、結局、お婆ちゃんの家を出て、隣の街へ引っ越すことにしたそうです。

あの娘は、きっと、変われないわ。

親が自分の子供を可愛いのは分かるけど、10歳にもなった娘に、「社会の道理」も教えられない母親は、親として失格さ。

きっと、ご主人もあの嫁が丸め込んでいるので、娘の教育に誰も意見を言えない家だと思うよ。

私なんか、もし、お前たちが社会に迷惑をかけることをしたら、まず、あんたの父さんは、私を殴るよ。

前に、兄ちゃんが、隣のお店の物をくすねてきたのを見つけた時、私がすぐに怒らなかったので、父さんが何度も何度も私の顔を殴り、頭も殴り、体も蹴られたのさ。

隣で見ていた兄ちゃんが、「ごめんなさい、ごめんなさい、もうしません。もう二度としないから母さんを許してあげて下さい。」と言うまで、父さんは私を殴り続けたのさ。

「じゃあ、自分で隣のお店に行って、事情を話してお詫びしておいで!」

と母に言われた兄は家を飛び出していきましたが、あとで父さんは母さんに「殴って、すまん。」と言ったそうです。

「少しは加減して殴ったんだけど、痛かったか?」と聞くので、「あんたね、男の力と女の力は違うので、あんたが加減したと言っても痛かったよ。

でもね、私は子供の頃から自分の父親に殴られ続けているので、どう顔を傾けたら痛くないのかわかったので、実は、たいして痛くなかったよ。」

と二人で大笑いしているところへ兄が戻ってきたそうです。

兄は、さっきまで殴っていた父が母と仲良くしていたので驚きましたが、吉岡家のルールは、ただ、お詫びしても許されない厳しい「武士のルール」があります。

他人に迷惑をかけたら、腹を切るか、身を投げるか、どちらか選べ!

と子供の頃から教育されているからです。

武士は庶民のために刀を持ち、敵が攻めてきたら真っ先に敵を切り殺すために、日々、精進しているからこそ、農民も商人もお偉いさんも、武士にはいつも頭を下げて感謝していた時代の価値観です。

武士制度が終わった昭和になっても、吉岡家も母の実家も武士の家系なので、家の中のルールは、厳しい「武士のルール」ですので、他の庶民の家のルールには従いません。

兄は、「やっぱり、腹を切らなきゃダメ?」と聞いたそうですが、両親が大笑いして、「腹が空いていたんだろう、ごめんね、今からご飯を作るから待ってなさい。」と言った母の覚悟が凄すぎて、隣で見ていた私は何も言えませんでした。

他人がやっていることを見て、学べない人間は最低だよ!

と、母はいつも怒りますが、その理由は、

「見て、すぐできない人間は、本能的に、生き残れないんだよ!」

と説明してくれました。

どんな動物だって、生まれた時から親のすることを見て育ち、親から離れたら、すぐに自分で獲物を捕まえて、自分の子供を育てなきゃけないのに、今の若い人たちは、親や他人から「見て学ぶ心」っていうもんが、ないのかね?

そういう本能があるのが動物なのに、

「見て物事の良し悪しを学べない人間」は、動物以下だわ!

そんな子供に育てた母親を見てると、私は悲しくなるのさ。

それぞれの家族には「家族の価値観」が違うのはいいんだけど、世の中に出たら自分でお金を稼いで、子供を育てなきゃいけないのに、「稼いだお金を貯金もせずに、自分のためだけに使う女は最低の女」だね。

そんなことも母親に教わっていないからこそ、大人になってもロクな人間にはなれないのさ。

私は小学校1年生から「小遣い帳をつけなさい」と言われて、小さい手帳とチビた鉛筆をもらったけど、「お小遣いはもらってないのに、何で小遣い帳をつけるの?」と父親に聞くと、

今はまだ、お前に小遣いはやらん!

いづれ、お前が俺たちが喜ぶような仕事やお手伝いをしたら、小遣いをあげるから、その時の為に、こうやって、日付と目次と金額の線を縦に引いて、お金の出入りと残高を書いて覚えなさい。

100円でも、10円でも、1円でも、お金はお金だから、どんなお金でも感謝して使いなさい。

お前が貯めたお金をどう使おうが、俺は文句は言わん。

だけど、「本当に必要な時にだけ使いなさい」と言われたのさ。

「本当に必要な時って、どういう時?」

例えば、お前の友達がお金を落として困ったとするだろう?

きっと、その子の親は思いっきり子供を殴るけど、お金は戻って来ないだろう。

その時に、お前がお金を貯めていれば、足りないお金を渡してあげられるだろう。

いいか、決して、貸すんじゃないぞ!あげるんだぞ!

他人でも家族でも、「貸し借り」は必ず、大きな問題になるので、揉め事に巻き込まれたくなかったら、お金は黙ってあげなさい。

それが「人の徳」って、もんだ!と教わったんのさ。

誰だって、「自分で稼いだお金を自分で使う権利」はあるさ。

でも、使いたいのを我慢して、貯金をしておいて、自分の夫の稼ぎがない時に、そっと、生活の足しにするために、女は「へそくり」を持っていないとダメなのさ。

男はバカだから、ちょっと稼いだり、ちょっと出世したり、偉くなったと勘違いした男は、ジャブジャブお金を使って遊んでいるけど、そういう男を支えているのは女なんだよ!

女はね、一度、決めた男がバカでもチョンでも、子供を産んだら諦めるしかないのさ。

「社会性を守るのが男の仕事」なら、家庭の中を守るのは女の仕事さ!

だから、私も結婚して子供ができた時に父さんに、「あんたが外でいくらお酒を飲んで遊んでもいいけど、私は家の中を守り、子育てもしないといけないので、生活費だけは必ず、下さい。

それと、「子供の育て方」はいろいろあると思うけど、子供を育てるのは女の仕事なので、私が教える細かいことにイチイチ口を出さないで下さい。

もし、子供が社会に迷惑をかけることがあった時は、子供ではなく、私を殴って下さい。それが、母親の責任ですから、と言ったのさ。

他人がやっていることを自分の良し悪し、好き嫌いで判断するんじゃなくて、他人の失敗から学んだり、上手くいっている人から学ぶ心がない人間は、最低の人間だよ、と母が教えてくれました。

これは我が家の「武士の最低限のルール」ですので、今の時代には合わないと思いますが、こんなことさえ大人になっても知らない大人たちが多すぎるので、私は最も人間として生きるうえで大事なことをセミナーや勉強会や日本酒の会でお話ししています。

いくつになっても「他人の所作」から学べない人は変われないし、いくつであっても「まなぶ心」さえあれば、人間は努力して、他人に喜ばれる人間になることができます。

今日の「母の教え」を読んで一緒に学びたいと思った人たちは、新宿オアシスハウスのイベント日本酒の会に参加して、私の母の教えを学びに来て下さい。

美味しい日本酒と体が喜ぶ日本料理を食べながら、仲間たちと一緒に心と体に良いお勉強ができる場を私は毎月、提供しています。

生きてるうちは、一生勉強!精進!精進ですものね!

 

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