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母の教え:腹に、イチモツ。

通常は、「腹にイチモツ」と言うと、「心の中に悪いたくらみがあるので気をつけろよ!」という意味で使われますが、実際の意味は全然、違うことを母の体験から学びました。

母が10代の頃、もともと武士の家系である父親にこう言われたそうです。

「お前はもう2年も池坊を学んだのだから、ボツボツ、床の間に花を飾っておくれ。」と父に頼まれたので、庭にある花を選んで床の間の前に正座し準備していた時、後ろからこう言われたそうです。

「床の間に花を生ける時は、二本差し(刀)には絶対に触れるんじゃないぞ。着物の袖も触れてはいかんぞ!」と言われたそうです。

「刀」は命を取る力と、命を生かす力があるから「男のイチモツ」と同じで、大事に扱わないといけないんだ、わかっているよな!

子供を残すか残さないかは、男の腹次第だから、男のイチモツも大事に扱いなさい。

珍しく自分の父が異性の話をしたと思ったので驚いたそうですが、冗談なのか、本気なのかがわからず、おボコ(処女)の母は悩んだと言っていました。

実際に、床の間の前に正座して花を生ける準備をしていた時なので、振り返ることもできず、悩みながら花を生けたそうです。

床の間にデン!と飾られている二本差しは、「我が家は武士の家計である」いう先祖代々の証だからこそ、女性たちは触れることも、刀を抜くこともしてはいけない時代でした。

実際に、床の間に花を生ける時に床の間に足を上げて生けてはいけませんし、花器を回転せたり、完成したものを置くことも許されません。

つまり、精一杯背伸びして、刀の後ろに花器と剣山を置き、一本一本、花を生けなければいけないので、とても辛かったと話してくれました。

あくまで花は床の間の「添え花」なので、主役になってはいけない女性としての心を学ばせるために池坊の通わせた父は、何を学んだのかを見せてみろという教育だったことが、池坊を習ってわかったそうです。

「池坊」は仏教の先祖を祀る仏壇の横にある床の間に飾る花ですので、先祖に対する感謝の「添え花」の意味があり、もともとは武士である男の家長が生けたものですので、結婚前の武士の男の修行の一つに池坊も入っていました。

どうして池坊が仏教なのかというと、もともと武士であった池坊家が、ある理由で武士を捨てて坊主になったことが始まりだからです。

だから、「間違っても、男の二本差しには勝手に触れるなよ!」という意味は、正しい教えなのです。

嫁に出て子供産んでから自分の父に当時の意味を聞いたそうですが、「俺が言える精一杯の性教育だったが、わかりづらかったか?」と笑ったそうです。

「まあ、男の子を2名も産んでくれたので、俺が教えることはないと思うけどな。」とも言われ、珍しく母が父と笑った時間が懐かしかったと、実家へ行ったあとに教えてくれました。

武士が使う「腹にイチモツ」の本当の意味は、二本差しで戦っている時に、懐に小刀を隠し持っている輩(やから)もいるので、戦う時は十分、注意しろよという意味が本当の意味なのです。

日本にある諺(ことわざ)にはとても深い意味があり、全ては体験談から後世に伝える学びとして昔の人は誰もが学んでいましたし、学校教育でも「ことわざ」の授業があったそうです。

良き知恵を先人から学ぶ心がある人は、「ことわざの意味と理由」を自分で調べるだけで深い深い日本人の心に行き着きますので、おすすめします。

私も中学生の時に必死に「ことわざ」を覚えて意味を習い、大人たちに負けない知恵を身につける努力をした時期があります。それはお爺ちゃんの教えを実践して身につけるためにも、必要な時間でした。

どうぞ、子供たちに伝え残せる日本独自の文化の「ことわざ」を子供たちにも伝承して下さいませ。日本人の心を受け継ぐ子供たちを増やさないと、日本人の精神性は壊れてしまいます。

どうか、よろしくお願いいたします。

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