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病院の事務局長とプロパーの対話 3

▶️「病院の事務局長とプロパーの対話 2」の続きです。

 

課長)同期の奴は、事務局長に頼まれた通り、まず夕方に、娘が通う学校へ行って校門で待ち伏せて、出てきた女の子たちに、誰がその子かを聞いたらしいんだ。

そして、学校の前でその子を見つけて近寄って聞いてみると、

「お母さんの知り合いなら、これから家に帰ってやることがあるので、私に聞きたいことがあるなら一緒について来て聞いて下さい。」

と言われて、家の前までついて行ったそうなんだ。

家まで行く間に、お母さんは、アルバイトを三つ掛け持ちしているけど、最近、体調が悪くて仕事に行けないらしく、ご飯も作れないので、自分が「お母さんのご飯を作る役目」だと話してくれたそうなんだ。

一旦、家に戻った娘はスーパーで晩ご飯の買い物に行くと言うので、俺の同期も一緒にスーパーについて行って買い物を手伝ってあげて、レジの支払いも自分で払ってあげたんだと。

その娘さんは、お金だけ頂いては悪いし、母さんに怒られるから、私が作るご飯を一緒に食べて行って!と言われたそうなんだ。

俺の同期は迷った末に、一緒に部屋に上がって、娘が晩御飯を作る間、寝たきりのお母さんといろんな話をしたそうなんだ。

自分が子供の父親の取引相手なんてことは一切、言わず、ただ、子供の学校帰りに仲良くなったサラリーマンのおじさんだと言い張ったそうだ。

珍しく美味しい素材を買ったせいか、料理が美味しくて、お母さんもたくさん食べたし、子供も笑顔で一緒にご飯を食べたそうだ。

夕暮れになったので帰ろうとすると、家を出て帰る前に、お母さんからこう言われたそうだ。

 

きっと、あの人(事務局長)から言われたのでしょ!

でも、嬉しかったと伝えてね。

もう、お金を工面もしなくてもいいからと、伝えておいてね。

この子も、もう、わかっているのさ。

私が働けないということは、行きたい高校へは行けないってことをね・・・。

だから、もうお金はいらないって、言っておいてね!

 

同期の奴は、涙が出て止まらなかったそうだ。

自分の悩みは、売上が上がらず、会社を辞めようとしているのに、この親子は必死で生きようとしている・・・。

自分の馬鹿さが恥ずかしくなって、涙が溢れたそうだ。

そのあと、このことをどう事務局長に言うかを、彼なりに考えたそうだ。

事務局長は、お金は持っている・・・。

50代半ばまで結婚も、夜遊びも、大酒も飲まない医療関係者なんているわけないと誰もが思うが、あの事務局長は、「本当に無駄使いをしない人だ」と、事務局の女性たちが言っていたのを聞いていたからこそ、どう伝えるかを悩んだそうだ。

「前の彼女」の思いをそのまま伝えるべきなのか?

それとも、上手にお母さんに、お金をそっと渡してあげるべきなのかを一人で考えたそうだ。

俺たちプロパーという仕事は、領収書はあってもないのと同じだし、後でどうとでもなることを知っているので、もし、事務局長がお金を出さないと言ったら、自分の接待費を誤魔化して渡そうかとも考えたそうだ。

でも、自分の浅はかな考えで、誰かを傷つけてはいけないと、奴は、三日三晩、悩み続けてから事務局長に電話して、前の公園で再会したそうだ。

 

でも、その時、奴が話したことは、娘さんとの会話しか、しなかったそうだ。

なぜかというと、翌日、もう一度、娘の中学校へ行って、校門で娘を待ってから、「本当はどうしたいのか?」を娘に直接、聞いたそうなんだ。

 

「もし、お母さんの体が良くなれば、私も行きたい高校へ行ってみたい!」と言ったんだとさ。

お母さんが何の病気かもわからないけど、俺の仕事は病院に通って、薬とか器材を売っているのに、こんな素敵な家族が困っているのを放ってはおけないと思ったので、正直に事務局長に、娘の言葉を伝えたんだとさ。

昔の彼女が、「お金はいらない!」って言ったことは、一切、言わずに、ただ、子供の言葉だけを伝えたそうだ・・・。

 

そうしたら、事務局長が初めて、泣き出したんだとさ。

自分が若い頃は、自分のことしか考えられず、好き勝手して遊んでいたのに、彼女は一人でアルバイトをたくさんして体を壊してまで子供を育てている・・・。

俺は、何をしてたんだ・・・。

何ひとつ、人間としての責任を果たしてないじゃないか!と自分に頭がきて、泣きつづけていたそうだ。

同期の奴は、事務局長が何て言うのかだけを、じっと、待ったそうだ。

もし、事務局長が「そんな勝手な娘は放っておけ!」と言ったら、他の病院の仲の良いお医者さんにお願いしようと覚悟していたそうだ。

全ての医療費は、自分が出す覚悟をしてな・・・。

しばらくしてから、事務局長が口を開いて、こう言ったそうだ。

 

事務局長:俺、結婚するの、やめるわ!

今の彼女には申し訳ないけど、俺、今回、娘を見捨てたら生きている意味が無くなるし、俺の人生は全て自分勝手に生きただけの人間になってしまう。

だから、俺、自分ができることは、全てやるわ!

もう、お前に頼むことは何もない!

明日になったら、病院に来い!

いろんな契約をするので、契約書をたくさん持ってこい!

それと課長も一緒に連れてこい!

さあ、帰れ!

ありがとうな、こんな俺の惨めな人生の片棒を担がせて、すまなかったなあ。

 

翌日、例の総合病院の事務局長に会うために、課長と一緒に病院の事務局に伺うと、開口一番、こう言われたそうだ。

これから、この病院の全ての薬と医療器材を、お前の会社にだけ契約する!

それと、今後、発売するお前の会社の「新薬」も、全て買う!

他の病院に下ろす前に、必ず、俺のところに、まずもってこい!

お前が持ってきた薬は、全て買う!

それとこの契約は、俺が現役で事務局長をしている限り、一生、続くから・・・、

課長!、うちの病院の薬と機材の年間予算を教えるので、お前のほうで上手に、こいつの成績にしてやってくれ!

 

事務室で大量の契約書を書き上げたあと、事務局長は課長だけを帰らせて、俺の同期にこう話してくれたそうだ。

お前が話してくれたあのあとなあ、俺は元彼女の家に行って、直接、話したのさ。

「お前の病気が何かわからんが、うちは、総合病院なので、どんな医療でも提供できる!

そして、その医療にかかる金は、全て俺個人のお金を使って、お前の病気を治す!

そして、俺の娘は行きたい高校へ行かせてやる!

高校を出て、結婚するまでのアパート代と生活費も、全て俺が出す!

だから、このバカな俺を許してくれ!!!頼む!」

と言ったんだと・・・。

 

そう話してくれた事務局長の隣に、年配の看護師がやってきて、

「コイツが、結婚しようと思った女だ。」

と紹介してくれたんだとさ。

「昔の彼女」と娘には、自分が貯めたお金を全部使うつもりでいたそうだが、「結婚を諦めてくれ」と言われた看護師の彼女は、実は、その総合病院の「総婦長」だったそうだ。

独身なので、たっぷりお金も貯めているし、病院の全ての医者たちの信頼も厚いので、自分が全ての医療責任者の医者たちを集めて、事務局長の元彼女の病気を治すように指示を出したそうだ。

医者たちは全員、総婦長には逆らえない立場なので、すぐに緊急入院させて、病気が治ったそうだ。

娘さんからも、結婚するまで「お父さん」と呼べる人がいないことは覚悟していたけど、お前のおかげで、あの時、初めて、「お父さん」と呼ばれたんだぞ!と、事務局長が自慢していたそうだ。

だから、我が社のトップの売上を毎月、毎年、維持できたのは、事務局長のおかげなんだ。

俺はその話を聞いた時、初めて自分がやってきたことの馬鹿さに気づいて反省したのさ。

会社の業績だけを考えれば、汚い手を使ってでも売上を上げたいけれど、あの同期の真っ直ぐな人に対する正直さにはかなわないからこそ、「俺は俺で正直な商売をする!」と、その時、誓ったのさ。

だから、俺は今も、万年、平課長さ。

俺のその同期は、もうすぐ部長になるそうだ。

だから、俺はものすごく嬉しいんだ!

こんな汚い世界で、バカな医者たちにいくらお金を使っても、意味がないとわかってはいるけど、仕事だと諦めて、いつも一緒に酒を飲んで、女を抱かせて、医者たちをいい気分にさせていたが、もうそういう営業はしないことにしたのさ。

賄賂も現金で、いくら渡したかわからないくらいたくさん渡したのに、医者たちは人の思いを踏みにじって、他の会社と契約しても何とも思わない奴らだし、当然、もっと高い賄賂を競合相手のプロパーからも、もらって遊んでいる奴らなのさ。

だから、俺は、真面目なお前(部下)には、売上を上げろ!とは言わないだろう!

俺もいつも上司から怒られているから、怒られて辛い気持ちは、俺はよくわかる。

でもよ、人間として、一番、大事なことを忘れた医者たちと仕事で付き合っていてもよ、俺たちは「人間としての最低のマナー」だけは絶対に守ろうぜ!

だから、今日は、割り勘な!(^^)

 

私を含めて、この話しをしてくれた課長も部下も、隣の席で静かに飲んでいた私の男の部下3名も、全員がこの話を聞いて泣いていました。

最後に、全員が大声で乾杯をしてから、私の一番、若い18歳の部下が立ち上がって、こう課長に言ってくれました。

「ありがとうございます。今日は、貴重な時間をご一緒させていただきました。

私たちも、こんな素晴らしい体験談を聞けることは一生、無いので、課長さんに一人一人、お礼として握手させて下さい!」と言ってくれたんです。

課長さんは、こう最後に言ってくれました。

俺が最も汚い仕事をしている奴らだと思っていた「医者」たちを支えている陰の人間が、医療、医薬品のプロと呼ばれる「プロパー」の俺たちなのさ。

今日は、偶然の偶然で、こんなサラリーマン霊能者に会ったせいで、俺は誰にも話してないことをペラペラ話してしまったぜ!(^^)

 

(私に向かって)おい、お前!

本当に、とんでもない霊能者だなあ。

俺が頑固に心に鍵をかけていたことを話させるなんで、どんな技を使ったんだ?

 

私:霊能力に「技」はないと思います。あるのは、「正直さ」だけだと思います。

課長:じゃあ、俺の最後の言葉だと思って、よく聞けよ!

お前、必ず、出世しろ!

そして、俺よりたくさん稼いで偉くなって、こういうバカ素直な部下達が、会社を辞めなくて済むようにしてくれ!頼むぞ!」

私:先輩、ありがとうございます。私の仕事は、たかがスーパーですが、今の私の会社は日本一の売上の会社なので、年商一兆円あります。

グループ売上合計で四兆円はあると思いますが、私は上司達に嫌われますが、こんな正直な人間を認めてくれる上司もいるので、うまく出世街道を走って一応、同期のトップグループに入っています。

そして、まもなく、もっと上の課長職以上になることも決まっています。

先輩がおっしゃるとおり、サラリーマンは売上が命ですが、人情や愛情を売り買いしてはいかんと思うんです!

だから、私は出世して、たくさんの部下達を、あなたのような素晴らしい課長にして増やしてみせますね!

本日は、本当に、貴重なお時間をご迷惑をかけてしまい、失礼いたしました。

うちの部下達も、俺が話すより、ものすごく大事なことを今日は学んだと思います。

人生には、偶然の出会いなんて、あるわけないと思っていますので、今日のこの出会いも、神様達の采配だと思って感謝しています!

先輩!本当に、ありがとうございます。

 

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