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戦争仕込みの往復ビンタ 1 母の葛藤

小学5年生になった年のお盆に、母の実家である祖父の家へ家族で行くことになったので、私は大好きなじいちゃんに会えると喜んでいました。

すると母が・・・突然、こんなことを言い出しました。

「お前、私との約束を破ったでしょ!」

え!なんのこと?

「おまえが小学3年生の時に、PTA懇談会のあと、アホな奥さんたちに私が頭を下げなきゃいけなくなったので、約束したよね?」

・・・・・なんだったけ???

「ほー、忘れるんだ・・・・武士の魂を持っていると思ったのに・・・お前、そんなに中途半端な人間なのかい!?」

僕は、中途半端な人間ではありません!

中途半端な生き方は、一度もしたことはありません!

どうして、母はそういうことを僕に言うんですか?

僕を侮辱して、どうするんですか?

あなたが男なら、私はあなたを斬り殺しますよ!

いくら親でも男に対して、言っていいことと、言ってはいけないことがあると思うんですが、どうですか?母!!!!

・・・・・・・・・・

「ふーん、そうやって言い張るのかい、まあ、いいわ、じいちゃんのところに言った時に、この話の決着をつけましょう!

だから、今日のこの喧嘩は「預かり」だよ!

だから、このことについて、グダグダ言うことも、人に言うことも禁止だからね!わかってるよね?

はい、わかっています。

じいちゃんの「武士のルール」がそうなのは、僕も聞いているので、僕も「預かり」となったことについては、一切、口にしません。

女たちは、「どうしてあの時、言い返さないの?」とか、「私ならこうするのに?」とか、バカなことを言うので、こう言って教えてやったことがあります。

「男対男の喧嘩の時でも、勝負の時でも、やるからには、相手の息の根を止めるまで力を抜くな!」と僕は戦争体験があるじいちゃんから教わっています。

だから、僕がもし喧嘩をする時は、相手が誰でも本気で殺しに行きますので、自分でもその「本気の自分」が怖いくらいです。

毎日、生きるのが辛すぎるので、僕はいつも「死に場所」を探しています。

戦争時代なら、いつでも先頭に立って、敵陣へ向かいますが、こんな平和ボケした時代に生まれたので、自分のやることがなくて、生きる価値を感じません。

だから、男同士の喧嘩が始まったら、女たちは思ったことを口にしてはいけないのです。

どちらが勝つのか、ただ、それを見守ればいいだけなんです。

結局、この世の中は、自然界も同じで「強い者」しか生き残れません。

男でも女でも関係なく、戦いになった時に泣き喚くのはガキだからこそ、お前たち女も覚悟して生きなさいと祖父が教えてくれた話を教えました。

もし自分が戦う男が「弱い!」とわかった瞬間、俺は、「この喧嘩、預かりとする!」と声を出します。

だから、預かりになった喧嘩は、誰も口を出しはいけないので、子供みたいな口を男に聞くもんじゃないと、女たちには教えました。

これは、幼稚園からの同級生の女たちに教えたことですが、母も当然、じいちゃんから教わっていると思うので、この喧嘩の仲裁は、じいちゃんに預けるんですよね?

そうだよ、私もお前と言い争って勝ちたいとは思わないけど、ただ、「私との約束」を忘れたことに対して、気持ちが収まらないので、お前に「預かり」を言ったのさ。

さあ、じいちゃんにこのことを話して判決をもらいましょう!

さあ、行くよ!!!

・・・・・・・・・・・・・・

母は自分の実家に行くのに、なぜか、戦闘モードだし、父は嫌々ながらもお盆だからと兄を連れて家族4人で車に乗りました。

車の運転は、「町内で一番最初に車の運転免許を取った女」と有名になった母ですが、隣に座った私は母の荒い運転に恐怖を感じたので、

「母、頼むからゆっくり、焦らず、行こう!

そうじゃないと、家族4人が一緒に死ぬことになるよ!

それは、じいちゃんも泣くし、ご先祖も泣くよ!

さあ、体の力を抜いてリラックス!!」

私を怒らせたお前に「リラックス」って言われても、力が抜けるはずないじゃないの!!!

父さん、私に何か言って!!!助けて!!

「お前は、本当に馬鹿だ!でも、可愛いぞ!!」

それ、父さん、私を褒めてんの?怒らせたいの???

どっち!!!父さんも、私に喧嘩、売ってんの???

ダメだ、今日の母は誰が何を言っても聞かないくらい頭にきているので、そっと、死ぬ覚悟だけはしておいて、母の実家のご先祖さまたち全員に、このことをご報告して、「母の怒りを収めて下さい」と心の中で呟きました。

・・・・・・・・・・・・・・・

すると、さっきまであれだけ怒っていた母が、口を摘むんで言葉が話せなくなるし、横や後ろを振り返って怒ってたいた首も、前をしっかり向いて、動けなくなりました。

自分で口を摘むんだわけじゃないのに言葉を話せないし、横も後ろも振り返られない母の目から涙が出たので、少しだけ言葉を話せるようにお願いしました。

すると・・・・

何すんじゃい!お前は!

私の口をしゃべれなくしてもいいけど、首が横に向けないと、交差点で「左右確認」の首振りをしないとお巡りさんに捕まっちゃうんだよ!

だから、首だけ動くようにしておくれ!!!

面倒臭いけど、「もう少しだけ首を動かせるようにして下さい」と、先祖たちにお願いしました。

何とか、首を横にできた母は、怒った目を私に向けましたが、私は窓の外を見て目を合わせないようにしていました。

でも、背中に突き刺さる視点で、首の向きがわかるので・・・

母、ちゃんと前を向いてないと、意味がないでしょ!

言うことを聞かないなら、また首を動かせないようにしますよ!

・・・・・・・・・・・・

諦めたように、母は前を向き、

「じいちゃんに会えれば・・・じいちゃんにさえ会えれば・・・」

と言葉を吐きながら、自分の怒りを必死に抑えていました。

祖父の家の玄関前で、父が「家長の挨拶」をしてから、「入りなさい」と祖父の声が聞こえたら入ってもいいルールなので、父、母、兄、私の順で礼をして、靴を脱いで一人一人が挨拶の口上を述べて居間に座りました。

座った早々、父が家長のご挨拶をしていますが、母が父の膝を突っついて、「早く終わらせて!」と言っています。

父の挨拶が終わると、母が、

「今日は、お父さんに大事な話があります。私とマナブの問題なので、3人だけで話をさせてもらえませんか?」

と切り出しました。

父と兄は、台所に下がろうしましたが、

「それはいかん!

仏間にテーブルを置いて、そこで待ってもらいなさい!

吉岡家の家長と次の家長を台所に入れるなんてことをしたら、ワシは死んでも死にきれん!」

と大声で言い、私と母と祖父の3人だけの話が始まりました。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

まず母が、こう切り出しました。

「お父さん、私、本当に疲れました。

このマナブだけはどうやっても、私には育てられないので、どうか、お父さんのところで育てて下さい。

うちには兄がいますので、次の「家長」として家を守れますので、この子(私)だけは、私は教育できないので、どうか、この子を引き取って下さい。お願いします!」

と言って、土下座しました。

え!!え、え〜!!!!

俺、もらわれるの?

この家に!?

俺はそれでもいいけど、同級生の女と姉と妹がいるので、一緒に生活したら、面倒くさいんじゃないかと思ったので、すぐに未来を見てみました。

未来を見ると、どうやら、私が3人娘の誰かに手を出したみたいで、私はおじさんとおばさんに怒られていますが、最後の最後には、結婚すればいいとわかっていました。

従兄弟同士までは結婚できることを、もう、知っていたからです。

そんな未来を霊視している間に、さあ、「じいちゃんの返答は?」と思っていると、まず、パチーン!と平手で、母のほっぺを殴りました。

気持ちいいくらい良い音だったので、痛いだろうなと思って母を見ると、母は、まだ何か言いたそうだったので、

「お前!立て!立って、歯を食いしばれ!」

と言って、母を本気の「軍隊仕込みの往復ビンタ」で殴り続けました。

1往復、2往復、3往復・・・・・・

まだ、母はしっかり立っているし、目は祖父を睨んでいるので、祖父も手を抜けないとばかりに、4往復、5往復の往復ビンタを母にしました。

ここで祖父が一言、言いました。

「お前の覚悟は、よくわかった。

でもな、この子はお前が腹を痛めて産んだ子だぞ!

この子が誰かを殺したとしても、お前がこの子を見捨てたとしても、世の中は「お前が産んだ子」として、一生、お前を責めるぞ!

そんなことも、母親になってわからんのか!馬鹿もん!

もし、このマナブが社会に迷惑をかけるように犯罪人になったら、俺がコイツを殺して死んでやる!

だから、それまでは必死に、「母」を頑張りなさい!

いま、言ったことをわからんなら、あと5連発の往復ビンタをするが、どうだ??さあ、答えろ!!!

母は、自分の父を信頼しているからこそ、自分が産んだ子供を自分の父親に育ててほしいとお願いしているだけだと思っていますが、祖父が教えていることは「社会性」なので、「女の覚悟」でわかるかどうかを見守っていました。

間髪入れずに、返答できない時は、「ノー」という意味になるので、祖父も目に涙を溜めながら、自分の娘に残りの往復ビンタをしていました。

もう、最後は、疲れたー、と言って椅子に腰掛けましたが、母は真っ赤に腫れた頬に流れる涙の多さで前が見えず、倒れそうなったので、私が足を支えました。

「母、まず、謝って!!何でもいいから、謝りなさい!!」

と私が言うと、正気に戻って、正座してから土下座し、

「失礼しました」と一言だけ言って、台所に下がりました。

こうなると、残された私は祖父と「一体一」なので、自分を問われるだろうし、母を悩ませたことを叱られると覚悟して目をつむって歯を食いしばりました。

・・・・・・・・・・・

おい、マナブ、目を開けろ!

まだ、私は殴らんぞ!

まず、お前の言い分を聞こうじゃないか?

それからどうするか、考えてから答えを出すわ。

だから、これから俺が質問することに、正直に答えなさい。

いいな!?

はい、わかりました・・・・。

この続きは、明日です。

 

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