<「組長」にご馳走されたサラリーマン 1>をお読みでない人は、まず、こちらを読んでからお読み下さい!
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居酒屋で会った「小柄な男性」は、どうみても「ヤクザ関係の人」だと分かりましたが、私がいた会社は「大阪本社の会社」で、全国津々浦々に店舗を構え、「売上1兆円」を目標に、全従業員が必死に働いていた会社でした。
北海道に進出した最初の店舗は、今は、「PIVOT」と呼ばれているビルに「20年賃貸」で入居し、地下2階、地上9階建てを全て「スーパーの商品」で豊富に溢れさせた都会のど真ん中にあるお店で、「北海道侵略の拠点店舗」でした。
現在の札幌市の商業地の中心は、「JR札幌駅前周辺」になりましたが、当時は、丸井今井、三越、専門店ビル4つ、高級ブランドショップもある最高の「商業中心地」でしたので、「そんな家賃が高い場所に、なぜ、スーパーが出店するのか?」とテレビでニュースになったほど有名な会社でした。
当時の流通業界は、戦国時代の「国とり合戦」に似ていて、百貨店、専門店、田舎の食品スーパーしかない時代に、全国チェーンの「巨大食品総合スーパー」が初めて北海道に進出した店舗だったのです。
当時のライバル会社は、イトーヨーカドー、ニチイ(現在のイオングループ)、西友、生協が、売上を取り合っている時期ですので、「流通業」という初めて業界に名前を残したのも、当時の「全国スーパー◯◯◯◯」が、「全国売上1兆円企業」となり、社長が「経団連会長」になったからです。
鳴り物入りで、北海道に入った我が社は、北海道に7店舗、出店しましたが、毎日のように「地元ヤクザ」や「同和」たちに「みかじめ料」を請求されたり、クレームをつけられて「迷惑料」を請求される店舗が増えたた為、北海道警察「捜査第4課」・「暴力団対策課」・「組織犯罪対策課」等の全てを取り仕切っていた課長さんに退職後、「経営指導員」として企業契約してもらい、暴力団関係や悪どいクレームの処理方法のアドバイスをしてもらっていました。
お店のマネージャー(課長)クラスが全員呼ばれた部屋には、おとなしそうな空気ですが、目が怖い「マル暴の課長」が現在のヤクザ事情を全て教えて下さり、北海道の全ての「指定暴力団」の名前、家紋、組長、組員人数のリストを渡され、「コピー絶対禁止」で、対応方法を教えてもらっていました。
なので、私が居酒屋で出会った人は、「その筋の人」ですので、最悪の場合、「マル暴」上がりの課長さんに「ダイレクト電話」をかけるだけで、一瞬で、上部団体から指示が出て、逆に、お詫びされるほど、「警察と強力なコネクション」を持っていた会社だったので安心して対応できました。
先日のブログで公開した、「闇市」から成り上がった大阪本社の社長の全国の展開場所が、同じように「全国組織の指定暴力団」と同じ地域に出店する理由も、不思議なことではないと、あとで裏情報を聞いて納得できました。
裏にも、表にも、名前が通っている有名な会社だったので、もし、何か問題があれば、「表の警察ルート」で処理するか、それとも労働組合のトップから本社の経営者に伝えて、「裏のヤクザルート」で処理してもらうかの、「二つの解決ルート」を持っている会社だということは、客も従業員も誰も知らない事実でした。
「労働組合中央執行委員」という肩書きは、世の中を動かしている経済、金融、権力、政治、裏金、女性問題、マスコミ情報の全ての「裏情報」が入るため、どんな問題が起きても、綺麗に抑え込む力がある会社でした。
「こういう実態」が表に出ることは決してありませんが、長期借入金が2兆6000億円になったため、メインバンクを潰して倒産させようとした国が、倒産後の影響を試算してみると、驚くほど影響が大きくてやめたほどの会社です。
この「1社」を潰すだけで、社員と関連企業の従業員6万人が解雇になり、取引先は100社以上が潰れ、20万人以上の関連企業の解雇者が出るうえに、銀行3行、保険会社2社、リース会社5社が潰れるとわかったので、国は、「行政指導」をしながら、長期信用銀行に不良債権を渡し、徹底的に資産の売却を続けながら「倒産」だけは回避できました。
たかが「スーパー1社」のことですが、当時の日本経済界のトップの「経団連会長」を勤めた社長ですので、松下(パナソニック)、スズキ、ホンダなど電気業界や自動車業界の売上を抜く結果となった勢いのある時代の会社ですので、従業員もみんな毎日、喧嘩しながら本気で仕事をしていました。
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「ヤクザの親分との対話」に話を戻しますね(^^)
「開きホッケ定食」をうまい!うまい!と食べていた組員さんたちの顔を見ると、本当に目から涙を流すほど喜んでくれたので、きっと、この「親分の組は貧乏なんだろうな」と思ったので、早めに話しをして帰ろうと思っていたのに・・・、
おい!お前、このあと、少し付き合え!
文句は無いな!
と言われてしまいました。
「先輩からの誘いを断ることは許されない時代」ですので、相手がヤクザでも、人殺しでも、一歳でも年上なら「先輩は先輩、後輩は後輩」という筋が通った時代に育った私は、きっちり、こうお伝えしました。
すいません、先輩!
俺、今日、金が無いんです!
さっきの女の子の「ケーキセット」と、あなたたちの部下たちに食わせた「定食セット」で、もう財布の中身はスッカラカンなんですが、それでも飲みに連れて行ってくれますか?
お前なあ、まだ、お前を飲みに連れて行くかを決めていないのに、なぜ、お前は先に、俺が考えていることがわかるんだ?
お前は、何者だ???
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いやあ、俺もよく言われるんですが、俺は、「くせ者」です(^^)!
組長、いや、「社長」!!!
俺、なんでか、いつも、どこへ行っても、あなたの業界の人から声をかけられるし、中には、俺を自分の組織に入れようとする人もいるんですが、そんなに私は「そちらの世界」に近い匂いがしますか?
俺も今、それを考えているところなのよ・・・。
お前を「組事務所」に連れてってボコボコにするか、それとも飲み屋に連れてって仲良く飲むかを考えているのに、先に読んで言葉を話すな!!!
まあ、いいわ、こんな面白いサラリーマンに、会ったことがないから「面白いネタ」として、飲みに連れて行ってやるわ!
お前は、女は好きか?
はい、大好きです!
毎日でも、何人でも大丈夫です!!
お前は、種馬か???(^^)
まあ、いいわ、今、電話していい女たちを揃えるから、好きな女を連れて帰りなさい。
いいか、これは先輩からのアドバイスだが、「一番狙った女」を先に指名したら、ダメだぞ!
「年増の女」から指名して、次の「年増の女」を指名して、三人目の女の時に、「本命の女」を指名すると、女たちのカドが立たないのさ。
女はな、幾つになっても「女」な訳よ!
自分が歳を食ったことは横に置いて、好きな人には、いつでも一番大事にしてほしい動物だから、お前、大事に付き合えよ!女たちとは・・・。
いやあ、先輩、それは、俺、ダメですわ!
俺の基準ではどんな女でも、「一回、誘って断ったら、二度と誘ってやらないルール」に決めているので、そんなまどろっこしいことできませんよ!
お前なあ、そんなことばかりやっていたら、いつか、女に刺されるぞ!
女は怒らせたら、怖いんだからな!!
組長、いや、「社長」!
あなたは「業界人」だから、もう、きっと、何度も刺されたのでしょうね!?
男と女の世界は、刺して、刺されて、エロエロ、ウッフン、アッハーンの世界だから、「刺され慣れ」してる分だけ、「女の取り扱い」が、うまいんですね!!!
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そう言ったあと、笑ってくれるかと思っていると、上着を脱いで腹巻きをめくり、新聞紙が何枚も貼ってある紙を破いて、腹にあるたくさんの「刺し傷」を見せてくれました。
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これ、何度、刺されたんですか?
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深くは、2回だな・・・、浅い傷は腸に傷が入ったので、手術も入院も長くて辛かったぞ!
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どうして、その腹巻きの下に、新聞紙を何枚も重ねているんですか?
もしかして、今、「命を狙われている」のですか?
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おう、そうよ!
今な、本州の「〇〇組」が北海道を取りに来ているので、いつ誰が、俺を殺しにくるかわからんでので、こうやって新聞紙をいつも巻いているのさ。
お前、この意味、わかるのか?
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はい、我が家は「武士」だったので、祖父から、死ぬ覚悟で行く時は、「腹に濡らした新聞紙」を重ねて巻くだけで、刃物が刺さりづらいと教えてもらっています。
それに、私がいた大学は、岡山県だったので、あの「神戸〇〇組」と「大阪〇〇組」の抗争が、いつも岡山でありました。
学生時代のアパートの目の前には、三つの組事務所があったし、岡山駅で発泡事件も毎週のようにあったうえに、夏休みが終わって戻ると、アパートの近くの「組長宅」が機関銃で撃たれて殺されたニュースも、学生時代に見ていました。
しかし、大変ですね・・・。
こんな危険な時期に、僕なんかと飲みに行って、本当にいいんですか?
今な、うちの組は抗争に勝つための「武器」を買う金を貯めているので、贅沢はできんから、組員たちにも毎日、「握り飯1個」だけでがんばらせているのさ。
だから、お前が食わせてくれた、さっきの「開きホッケ定食」が、どれだけ美味かったことか・・・。
俺も久しぶりに美味しい開きホッケを食えたので、美味しかったし、嬉しかったぞ!
じゃあ、お金が無いのに、飲みには行けないでしょ!
どうするんですか?飲み代は???
いいか、よく考えてみろよ。
もし、俺が「射殺」されたら、生命保険が降りるので、カミさんが、きっと、飲み屋の女たちに支払いをしてくれるはずさ。
うちのカミさんも、もとはスナックのママだから、商売の厳しさは知っているので、俺が死んで泣くより、きちんと、世話になった女たちに「義理」を果たしてくれる女な訳よ。
だから、女房にしたんだけどな・・・。
もし、生き残ったら???
俺がもし生き残ったら、このシマ(ナワバリ)を守り切ったということで、北海道中のヤクザが「一致団結」するさ。
今な、北海道の「地方ヤクザ」はシノギ(仕事)の収入源が無いので、ご法度にされている「シャブ(麻薬)」を売るか、「〇〇組」に入るかで、意見が割れてるのさ。
俺は、この北海道の中心のススキノで、一番最初にヤクザの商売を始めた人間なので、通称「ハジメ組」と呼ばれているが、あとからやってきた組の奴らにシノギ(仕事)の「ナワバリ(管理エリア)」を分けてやったので、誰もススキノで俺に逆らう奴は、おらんぞ!
まあ、裏切られたら、死ぬだけだけどな!
だからよお、今日は、腹一杯、飲もうぜ!
俺も今、チャカ(拳銃)持っているので、そのままスナックに持って行けば、十分、戦えるので、大丈夫さ!
お前、組の「出入り(抗争)」って、どうやって戦うかわかるか?
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「ヤクザの抗争」のやり方は知りませんが、俺は、子供の頃から「人を殺す訓練」を一人でしているので、刃物1本あれば、数名は、殺せる自信はあります。
ただ、組長を守る側につくのか、相手側につくかは悩みますけどね・・・(^^)
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お前のその目、ヤバいわ・・・。
その目はな、俺たちが相手を殺すかどうかを決める時の「最後の目」だぞ!
どうして、そんな若さで、「そんな目」になったのよ・・・。
話せよ、俺も自分のことを全部、話しただろう?
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俺は、今まで誰一人にも、「本当のこと」を言ったことは無いんです。
この話を聞いても、誰も喜ばないし、夢も希望も、全て無くなってしまう話だから、組長も聞かない方がいいと思いますよ!
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おい!お前!
ここまで俺が本気で話しているのに、話をせんのか!!!
おい!殺すぞ!!!
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だ、か、ら、組長!!
俺を殺したら、「俺の話」を聞くこともできないじゃ無いですか(^^)
俺を殺すのか、話を聞くのか、綺麗な女のところに連れていうのか、早く決めて下さいよ!
俺、早く、酒が飲みたいなあ・・・(^^)
おう、スマン、スマン!
お前と話していると、つい「同業者」みたいな口調になってしまうので、本気でタンカを切ってしまいそうになるのさ。
さあ、じゃあ、立ち上がるか・・・
そう言って、立ちあがろうとすると、足がふらつき、倒れそうになったので、すぐに両手で体を支えると、「腰のポケットに拳銃」があるのがわかりました。
この拳銃、重いですね、今の拳銃は、こんなに重く無いのはずなのに・・・、これ「古い拳銃」ですよね?
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お前、拳銃にも詳しいのか?
いえ、新婚旅行でハワイに行った理由は、自分が「本物の鉄砲」を撃ってみたかったので、ハワイに行ったんです。
短い6発拳銃と、20連発の連射拳銃と、ライフルを実際に撃ったので、体で撃つ感触は覚えています。
それに、子供の頃、祖父が隠し持っていた戦争当時の「九四式拳銃」を手にしたこともあるので、大体の重さで、年式はわかります。
だから、組長!
もし、俺がいる時なら、組長の代わりに俺が「鉄砲」を打ちますよ!
視力も2.0だし、射撃姿勢も練習したので、数名なら殺せますよ!
お前、人を殺したことはあるのか???
いえいえ、いつも、女たちに殺されてばっかりですわ(^^;
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二人は顔を見合わせながら、大笑いしてしました。
さ、最後の夜になるかもしれない「ススキノの夜」を思いっきり、今日は、楽しもうじゃないか!!!さあ、行くぞ!!!!
つづく
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