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【ダイエー】サラリーマン時代のクレーマーのおばちゃんと対話 4

待ちに待った日が来て、いつもどおりに売り場の仕事をしていると、開店してすぐに「問題のおばちゃん」はやってきました。

・・・・・・・・・・・・・

珍しく男の子を連れていたので、どうしたのか聞くと・・・。

いやあ、出かけようかと思っていると、嫁になる女がさ・・・

「お母さん、今日は、お友達の子供を預かることになっていたんだけど、私、急用ができたので、3時間だけ子供を預かっていただけませんか?」

って聞くのさ。「断ればいいでしょ!」と言うと・・・

そのお友達は、最近、このマンションの近くに引っ越ししてきたけど、知り合いがいないので私を思い出して連絡した理由は、自分の体調がすぐれないので病院にも行けないと思っていたけど、朝からお腹が痛いので、急で申し訳ないけど、3時間だけお願いしたいと言うんです。

 

もし、私があなたの息子の子供を授かったら、同じようなことになるかもしれないので、どうか、お母さん、これから長い付き合いになると思って、3時間だけ子供を預かって頂けませんか?

と言って、無理矢理、私に子供を預けて出かけていったのさ。

私も確かに男の子は育てたけど、もう、20年も前のことなので、子供の接し方なんて忘れたので、ここに来るまで何度も泣かれて疲れちゃったのさ。

少しでいいから休みたいので、ちょっと、この男の子の面倒を見てもらえませんか?

と、男の子の手を私に渡しました。

すると、男の子はわざと大きな声で泣き出して、「こんな知らない人は嫌だ!」と言うので、仕方なく、おっぱいが大きい30代のパートさんに抱かせると、最初は「おっぱい」で遊んでいたけど、すぐに泣き出しました。

そうかあ、「おっぱい」が大きいだけじゃダメなのか?俺と、違うんだな・・・」と思い、パートさんの中で子育てが終わった人を選んでお願いしてみると、「私ももう、子供を育ててしばらく経つので、あやし方も忘れたので、ちょうどいい人がいるので電話してみます」、と言って、食品売り場の若いパートさんの名前を教えてくれました。

その若いパートさんは、子供を預けて仕事に来ていることを労働組合の仕事で店の中を巡回している時に知り合った女性で、真面目で一生懸命だけど、魚屋なので、開店前の無茶苦茶な忙しさを知っているので、あなたが電話しても無理だからと、私がまず、課長に電話をしました。

すると、課長はすぐに私がお願いしたい意味がわかって、自分が魚屋に出て、魚を切り始めながら、「早くこのパートさんを「問題のおばちゃん」のところへ連れて行け!」と指示を出してくれました。

素晴らしい連携プレーです。

あとから聞いたのですが、その課長は、昔は北海道で一番、魚を切る技術を持っている人で、専門店の人たちの中で有名な人だとわかり、良い上司を持ったと、私も嬉しかったほどです。

魚屋の若いパートさんを「問題のおばちゃん」の男の子に合わせた瞬間、数秒で男の子の手を取り、階段で遊ばせ始めました。

さすが、子育て真っ最中のお母さんと、感動した瞬間でした。

まだ、私の売り場の作業指示も出していなかったので、すぐに社員とパートさんを集めて、

いいか、今日は、あの「問題のおばちゃん」が男の子を連れてやってきている。

 

俺たちスーパーはデパートみたいに丁寧な接客はできないけど、正直にお客様に向き合う心は負けないつもりなので、俺は今日一日、全く仕事ができないくらいあの「問題のおばちゃん」に付き合うことになると思う。

 

だから申し訳ないが、みんなお互いにサポートし合って、俺の仕事の穴を埋めてくれ!頼む!

もう、わかってますよ!マネージャー!!

 

私たちができない対応をしてくれるだけでありがたいので、あなたがしなければいけない仕事は私たちでカバーするので、どうか、あの「問題のおばちゃん」を完全にサポートして、他の売り場のパートさんたちに迷惑がかからないようにお願いします。

 

昨日、従業員食堂で、「問題のおばちゃん」のことを話したら、食品も、衣料品も、家電家具の売り場のパートさんたちからも、「何とかあなたにお願いしたい」と言われたので、ここは私たち日用品売り場の意地もあるので、「問題のおばちゃん」を完璧に対応して下さい。

 

絶対に、クレームが出ても、問題が起きてもあなたのポケットベルは鳴らさないので、ほら、代行(マネージャー代行)!マネージャーのポケットベルも持ちなさいよ!

と、私のポケットベルを渡してくれました。

私が「ポケットベル」で呼ばれる時は、ほとんど店長か課長からだし、たいがいは売り場の問題ではなく、従業員のクレームや上司と部下の問題で揉めた時に連絡が来るので、今日は対応できないと言ってくれと、「代行」に頼みました。

店長も課長も、なぜか、私に絶大な信頼を置いてくれていて、就業規則に関わる問題や、給料に関わる時給の問題になると、すぐに私が呼ばれて、「労働組合の上層部に報告が行かないように穏便に収めてくれ」と、よく頼まれていました。

自分でやればいいのにと、店長と課長にも言いましたが、

「お前が対応したほうが、なぜか、問題が早く解決するし、社員同士の問題も、パートさんとのトラブルも、お前が一番、適任だと教育課長も言っていたほど、俺たちはお前を認めている。だから、頼む!」

と言われていましたが、高い給料をもらっている課長がタダで私に頼む時は、ほとんど問題がこじれた時なので、大きな問題が起きた時は、本部の人事課長に直接、電話して、社員の処遇と、パートさんたちの待遇の改善を電話できるホットラインを持っているのが労働組合中央執行委員の力なのでいつも対応していますが、「今日だけは無理だから」と伝えておきました。

今日の最優先事項は、「問題のおばちゃん」の対応をきちんとすることだし、店長、課長と、お店の全てのパートさんからもお願いされたので、真剣に「問題のおばちゃん」に向き合いました。

子供も居なくなったので、「問題のおばちゃん」と二人で嫁になる女の話を聞くと、「問題のおばちゃん」の問題は、さらに複雑になっていました。

実はね、「一日500円」しかくれない女がね、昨日、私に相談したいことがあると言われたの。

どうしたのか聞いてみると・・・、

今、生理が来てないので、もしかすると妊娠したかもしれないんだけど、自分は若い頃に子供を堕した経験があるので、今回の妊娠が順調でない場合、奇形児になるか、それとも流産する確率が高いと昨日、言われたので、自分で、もし、万が一のことがあれば、子供をおろそうかと思っているので、子供を堕ろすための費用として50万円、貸して下さい。

と言うのさ!この女、本当の「詐欺師」なんじゃないかと思うほど、手口がうまいので、ドラマで見たシーンにも似ていたので、どうしようか困っているの。

ねえ、あなたならどうしたらいいと思う?

まだ、息子には話してないらしいので、私も母として息子には言えないことなので、「男の立場」でどう言われたら納得するものなの?

もし、この対応を間違うと、私は息子に一生、文句を言われるので、立場がない生活をしいられるから、できる限りの対応はしてあげたいの。

あの女がもし詐欺師でもいいので、お金で済むなら300万円でも500万円でもいいから問題なく綺麗に解決したいので、何か方法があったら教えてちょうだい!

これは最悪と最高の二つの対応を考えなければいけないので、こう教えました。

お母さん、まず、こう「嫁になる女」にこう言って下さい。

 

まずひとつ、今日、あなたに男の子を預けた理由は「自分が婦人科へ行くためだ」とわかったので、もし、結果が「妊娠」していて順調だったら、仕事中でもいいので、結婚予定の息子に最初に電話して下さい、と伝えて下さい。

 

息子より、お母さんに最初に電話したり、もし、その女が自分の実家のお母さんに先に電話するような女なら、もしかすると「ヤバい女」かもしれないので、その時は、私に電話下さい。

 

しかるべき、対応を教えます。

 

なぜ、「息子さんに先に電話しろ」と言ったのかと言うと、どんなに忙しくても、どんなに重要な会議の最中でも、「おめでた」の話だけは、上司も部下も手をあげて祝ってくれるので、「人生の最優先事項」なんです。

 

だって、男たちは自分の妻や子供たちのために一生懸命働いているのですから、お母さん、息子に遠慮なんてしなくていいので、本当に「妊娠」していたら、嫁になる女も本当にあなたの娘になるので、彼女が一番、喜ぶことをしてあげて下さい。

 

次に、これは「最悪のケース」ですが、婦人科で子供の奇形や流産の可能性が高い場合は、すぐにあなたに電話しなさいと言って下さい。

 

子供の命を堕ろす決断だけは自分一人でさせると、一生、それを抱えて苦しむので、人生で一人でいいので、「自分が一番辛い時を支えてくれる人」が、お母さんだったら、きっとその女も喜びますよ!

 

もし、その女が「詐欺師」なら、すぐに追加で「いくらいくら下さい!』と言うはずなので、その時は、私に連絡下さい。

 

警察関係にも知り合いがいるので、すぐにその女を捕まえて、事情聴取してもらいます。

 

これは最悪の対応なので、まず、無いと思いますが、どちらにしても、お母さん一人じゃ無理なことなので、いつでもいいので、私に電話して下さい。

 

これ、私の自宅の電話番号ですが、もし、お店に電話しても退社後でいない場合は、こちらのポケットベルの番号に電話して下さい。(労働組合のポケベル)

 

どこかに飲みに行っていても、すぐ、折り返し電話しますので、決して一人で判断しないで連絡下さいね!と伝えました。

※当時はまだ「携帯電話」がない時代なので、お店の中は「お店用のポケットベル」を持ち、お店を出ると、「労働組合中央執行委員専用のポケットベル」を持たされていました。

これは会社のトップクラスの人たちが持つ「ポケットベル」なので、日本全国どこにいても繋がる最高級品でした。

預かった男の子の3時間が近づいたので、お母さんにお弁当とお茶を持たせて家に返し、その後の対応を待ちました。

産婦人科に行った女の出方次第で、全ての対応は変わるので、警察、ヤクザ、息子の会社の上司と部下、そして、最悪の場合の「お母さんのメンタルケア」をどうするかをずっと考えていました。

最悪と最高の差があまりにあるので、この問題を自分の部下や上司には言えないからこそ、自分一人で抱えながら家に帰りました。

夜8時か9時に、息子が仕事を終えて帰ってきて良い話になっているのか、それとも、「最悪の話」になる前にお母さんがポケットベルを鳴らすのかによって、夜中でも対応するために枕元にポケベルを置いて嫁にも事情を話しておきました。

目が覚めると朝だったので、昨日の問題は良いほうに解決したのか?最悪のケースの対応をしなければいけないのかを悩みながら、お店に出勤しました。

この続きは明日です。

 

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