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【ダイエー】札幌店最後の出勤日の出来事

最後のお店となったダ○エー札幌店は、全ての従業員が「自分の親族家族」に会うような気持ちで、毎日、出勤していました。

「従業員出入り口」から入ると、八百屋のパートさんが、

「私の子供が今年小学1年生になれたので、今度、会わせますね!」と言えば、

そのうしろにいた肉屋のパートさんは、

「あの喧嘩っ早いダンナが、今度、お礼にお店に来たいと言ってました!」

と話をしてくれたり、大学生のアルバイトは、

「やっと、女もできたし、就職の内定も決まりました!」

と言うので、お店全部のアルバイトで、「就職活動をしている男女」を全て集めて、会社訪問のアドバイスや、入社後のアドバイスの時間を作りました。

入りたい会社に落ちたあとの対応や、新しい会社の見つけ方、恋愛と仕事のバランスや、お金を貯めるコツも教え、「最初のボーナス」は、親と祖父母に何かを買って、「社会人になれたお礼の報告を必ず、しなさい!」と教えました。

何を買っていいかわからない奴や、「親はお金持ちだから何もいらないと思う。」と言った奴ほど、「相手の気持ちを考える時間」を与えました。

自分が欲しいものを我慢して、親と祖父母の為に物を買ったことがない奴は、1週間、考えた末に、「孫の手を買いました」と言いました。

「じゃあ、お爺ちゃんに渡す前に、こういう手紙を手書きで書いて添えなさい!」と、アドバイスした文面は、

アマミカムイ
アマミカムイ

おじいちゃん、本当に、いつもありがとうございます。

 

僕もやっと社会人になれたのですが、まだ、「片手分の孫の手」しかボーナスが出ないので、「片手用の孫の手」をお渡しますが、もっと仕事を頑張って、次は、もう「ひとつの手の孫の手」を買えるように頑張りますから、体調が悪いと母から聞いていますので、また、会いに行くまで、必ず、生きてて下さいね!

そう書いた文面を見た学生は、木箱に入った「3万円の木彫り職人の孫の手」を見せてくれたので、

これは送るより、お前が自分で持って行きなさい!

と教えて、電車賃と食事代を渡して、上司の許可を取って、持って行かせました。

「余命宣告」を受けていたおじいちゃんは、冬のボーナスが出て、孫に会えるのを楽しみに待っていましたが、1月になってもなかなかやってこない孫に電話で催促するほど元気になったので、「春に行きます!」と伝えさせ、春には「夏のボーナスが出たら行きます!」と教え、秋になると「冬のボーナスが出たら行きます!」と言わせたので、結果的に、「余命3ヶ月」を乗り越えて、2年半、生き延びました。

「最後に本当に危ないから、すぐ来て!」と母親から知らせが来た時は、会社の上司と店長に許可をとり、「1週間の休み」を与えて、祖父の家にすぐ行かせました。

このアルバイトは、ダ○エーに、アルバイトのまま「社員」にすることが決まっていたからこそ、店内研修の意味で、人事課に交渉して、社員に最初に与えられる有給休暇の1週間を先に使うという、私が作らせた「特別運用制度」でした。

・・・・・・・・・・・・・・

1週間の休みを超えても出社してこないアルバイトに電話すると、おじいちゃんが亡くなったと言ったので、

「昨日、祖父が亡くなったなら、そのままじいちゃんのそばにいて、公休と週休を付けて、あと三日だけ休みを伸ばしてやるから、通夜と葬式と納骨まで終わらせから帰ってこい!」と伝えました。

その食品売り場の「アルバイト」が出社すると、開店10時を過ぎた時、店内電話で私が呼び出されて、売り場に来ていたご両親二人から「お礼の挨拶」をされました。

全ての休みを「有給休暇扱い」に無理やりさせて、お金を人事課に出させた理由も、「会社からの香典代わりです!」と、伝えておきました。

自分の会社が倒産したので、借金もあるし、夫婦共働きで朝から晩まで働きづくめのお二人は、目が真っ赤でした。

「仕事のしすぎですか?目が真っ赤なのは?」とご両親に質問すると、

私は、あなたみたいな人に会ったことはないです。

 

本当に辛い時に、どうして、私の息子を「社員」にしてくれたのか不思議だし、祖父の危篤の時にも、すぐ行かせてくれて、電車賃と小遣いもくれたそうで、葬儀の席で親戚たちと一緒に聞いて驚いたのです。

 

でも、あなたに会って、わかりました。

 

あなたは本当に、まっすぐなお方なので、余計なことは考えない人なのですね。

 

でも、それだけまっすぐに生きるということは、きっと、お辛いこともあると思いますが、どうされているんですか?

アマミカムイ

私は、この世に生まれた時から、全てが辛くて悲しくて、いつも一人で泣いていました。

でも、幼稚園に行くようになった時、自分より、困っている人をたくさん見たので、「自分ができることをする!」と決めたのです。

私がやることを嫌いな人は、陰口を言ったり、親をいじめましたので、私は、「弱いものイジメ」が大嫌いなんです!

だから、この会社に入っても、いろんな問題を解決しても、誰にも一切、教えていません。

だって、人はいつも他人をコケ落としたり、陰口を言う人が多いので、大嫌いなんです。

だから、私は大事なことを決める時、誰にも相談しません。

自分一人で決めて、もし、問題が起きれば、「全て自分の責任」と思っているので、いつでも会社を辞めてやる覚悟で働いています。

でも、もうあと何年、この会社にいれるかわかりませんが、息子さんをこの会社に入れた理由は、スーパーでは一番、ダ◯エーの給料が高いからです。

彼は、とても真面目にバイトをしていたし、どこの課のバイトよりも優秀だったので、私が人事課に連絡して、「社員」にするように言いました。

彼は最初、「倍率がものすごいので、僕なんか入れるわけはありません!」と言ったので、裏から手を回して、入社テストを採用試験にさせて、合格させました。

 

でも、これだけはわかって下さい。

この会社はきっと、いつか、必ず、倒産します。

 

私は労働組合の幹部なので、「会社の裏の借金」も、全て知っています。

だからこそ、彼には今後の為に少しでもお金を貯めて、あなたたちご両親を支えなさいと教えました。

そんな時、お爺ちゃんの危篤を聞いたので、すぐに行けと言ったのに、「金がない」と言ったので、少しだけお小遣いをあげました。

アルバイトに社員がお小遣いをあげるのは、当然の会社なのです。

だから、お二人は、全く気にしなくていいのですよ!

そういうことだったんですね、納得しました。

あんな頭の悪い息子が、こんなに有名なダ○エーさんの社員になるとは、何かおかしいと思っていたのです。

あなたのお力だったのですね、ありがとうござます。

アマミカムイ

力を貸すついでに、もうひとつ、「私の力」を借りて下さい。

この力を借りても、一切、私に返さなくてもいい「力」です。

お父さん、あなたは最近、事業を失敗されて、借金もたくさんあると息子から聞いています。

でも、本当はいくらあるんですか?

見知らぬあなたに、うちの借金を教える義務はないので、言えません。

お父さん!

なんで、正直に言わないの!

こんな正直な人が聞いてくれているのに、失礼よ!

どうして男って、すぐこういう時に見栄をはるのか・・・、

本当にごめんなさいね!

実は、3億円あります。

どうやっても返せないけど、毎月、幾らかは返さないと、僕ら二人は、死んで生命保険で払うしかないので、今、三つの仕事を朝から晩まで妻と働いています。

絶対に、無理でしょ!

いくらあんたでも・・・・。

アマミカムイ

わかりました、3億円ですよね?

ちょっと、待ってて下さい。

1本、電話をさせて下さいね!

労働組合幹部だけの「専用携帯電話」から、ある男に電話しました。

アマミカムイ

おう!俺だ!わかるか!

あのよう、あの「屋根裏部屋」に隠したお金は、きっと、3億円以上あるはずだから、今すぐお店に持ってこい!

兄貴、それがですね・・・

実は、組長がほとんど使い込みをしたみたいで、今、紙袋が三つしかないんです。

アマミカムイ

紙袋3つということは、一袋2000万円だから、6000万円はあるだろう?

すぐ、持ってこいよ!

すいません、兄貴!

俺も、ちょっと、最近、シノギ(仕事)がなくて、半分くらい使ちまったんですが、ダメですよね?

アマミカムイ

お前、殺すぞ!!!

いつ返ってくるんだよお!

その金は!!!

俺が使った金は、競馬と、サイコロのチンチロリンと、他の女と遊んだ金なので、全く、戻ってくる可能性はありません。

でももし、俺に金を貸してくれるなら、3倍、いや、5倍にしますから、お金を貸して下さい!

アマミカムイ

ほんと、お前って、そういうことにかけては、バカだよな?!

博打で、勝てるわけないだろう!

お前の組も賭博場を開いて、イカサマをやって客から金を巻き上げているのに、どうして、博打なんかに手を出すんだよ!

博打はな、絶対に、胴元(主催者側)しか勝たない仕組みなのは、わかっているはずだろう!

(大声で)

バカヤロウー〜ーー!!!!

じゃあ、いいわ、残った金を全て集めて、それと、お前の配下の組の金を全てすぐに持ってこい!

1時間以内だぞ!

お店で待っているから、きたら、パートさんに言って俺を呼べよ!

俺がお店に行っていいんですか?本当に???

だって、以前、挨拶に行っただけで、ボコボコにしたじゃないですか?

俺、やだなあ、また、殴られるのは・・・。

アマミカムイ

つべこべ言わずに、すぐ持ってこい!

持ってこなけりゃ、殺すぞ!!!

・・・・・・・・・・・・・

ちょうど1時間後、紙袋にクシャクシャの札束をたくさん持ってきたので、バックルームで数えると、「650万円」ありました。

その紙袋をアルバイトのお父さんに渡してこう言いました。

アマミカムイ

あのう、お父さん、大変失礼ですが、これ、受け取って下さい。

しばらくの間の「利子」にしかならないと思いますが、私の気持ちです。

でも、この金は、返そうなんて思わないで下さいね!

これからあなたの息子を我が社でコキ使うので、その代償だと思って収めて下さい。

それと、すぐそこに、都銀の「北海道拓殖銀行」がありますので、私のこの組合の名刺を見せて、「借金の利子分」だと言って下さい。

北海道の全ての銀行の借金は、最終的に、「北海道拓殖銀行」が管理しているので、受け取ってくれるはずです。

・・・・・・・・・・・・・

お父さんは、「北海道拓殖銀行」に利子分のお金を持って行ったのに、そのまま紙袋を持ってお店に戻ってきたので、理由を聞いて驚きました。

あのう、なぜかわかりませんが、あなたの名刺を見せて、支店長を呼ぶと、すぐに「本店の支店長」がやってきて、こう言うんです。

あの天無神人さんのお知り合いなら、あなたの借金は、こちらで全て肩代わりしますので、今後、一切、利子も支払わなくていいです。

それと、事業を失敗されてお仕事が無いと聞いたので、こちらの会社に行ってみてもらえますか?

この会社は天無神人さんが昔、お世話した建設関係の会社で、そこの社長が経理に詳しい人を探していたので、あなたのように、社長経験者はピッタリなので、すぐに雇ってくれるはずです。

もう、お子さんのことも、奥様のことも、借金のことも一切、心配せずに、新しいお仕事を頑張って下さい、と言われ、「このお金はお返しします」と言われました。

アマミカムイ

あー、思い出しました!

私が助けたあの素敵な特許を取らせた社長なら、とても気が合うと思いますよ!

あなたも経営者だったからこそ、北海道拓殖銀行の支店長もあなたを推薦したのだと思います。

でも、やっぱり、このお金は差し上げます。

私が個人的に頂いたお金ですし、今、自分は困っていないので、差し上げます。

息子さんから聞いたのですが、「家にお風呂もない家」だと聞いたので、このお金で、お風呂がある家に引っ越しをして下さい。

そのほうが、息子さんも安心してお仕事を頑張れると思うので、「就職祝い」だと思って受け取って下さい。

 

お父さん、声を出して、泣き出す・・・・

本当に、本当に、何から何まで、ありがとうございます。

このご恩は絶対に返しますので、それまでこのお金はお借りします。

ありがとうございます。

アマミカムイ

僕は母親から、

「絶対に、金を借りるな、貸すな!」

と教わっています。

それは、もっとも大事な「人間関係」を、必ず、壊すからです。

今まで2度、母親の教えを無視してお金を貸した人たちは返さなかったので、嫌な思い出になっていますので、このお金はあなたたちに差し上げるので、「2度と借りた」と言わないで下さい。

「恩を借金で返す」ようなことをすると、我が家は武士の家系なので、男がスタります。

どうぞ、もう、お引き取り下さい。

・・・・・・・・・・・・・

なぜ、都銀の北海道拓殖銀行の支店長が、こういう対応をしたのかは、以前、東京の都銀3行の頭取たちと一緒にいた会合の席で暴言を吐いたので、「発言禁止にして、正座して話を聞くことだけを許した」という過去があるので、何があっても、私には逆らえない弱みを握っているのです。

 

総会屋を動かしたり、カブトデコムという建設会社を使って「地上げ」をしたり、ヤクザ者に金を渡して裏から動かしたりと、当時の「北海道拓殖銀行」の動きは最悪で、ヤクザ以上に酷い銀行だと、北海道の人は誰もが知っている銀行でした。

そんな「裏の実情」を知りながら、都銀3行の頭取たちとの話し合いの場にいられるだけでも、すごい情報が入るので、黙って聞くことだけを許しました。

政治家に渡す金の闇ルートも「北海道拓殖銀行」だったし、逆に、建設業から抜くお金を政治家に渡す仕事も「北海道拓殖銀行」がやっていたからこそ、国の指導によって、倒産廃業になりました。

北海道拓殖銀行の倒産に文句を言う株主もいましたが、莫大な株主配当を配った理由は、大株主の中に「裏社会」と繋がりがあったからですので、誰も文句は言わせません。

・・・・・・・・・・・

今も、どこかの銀行は、昔と同じ動きをしていますので、いずれ、一掃、させますので、どうぞ、早めに「一銀行の預金は、1000万円以下」にして下さい。

※ペイオフ制度で守られる限界が、利子を合わせて1000万円以下なのです。

2023年2月、もう、地方銀行の倒産劇は、始まっています!

・・・・・・・・・・・

そんなこんなの最後の出勤日は、閉店後に従業員出入り口から帰ろうとすると、「店長」が、全館放送のマイクを使って、私を呼び出しました。

今日を最後に、お店を出ていく天無神人くん!!!

今日は、もう閉店時間を過ぎたので、従業員としてではなく、お客様として、正面入り口から出て下さい。

私も1階の正面入り口で、あなたを待っています!

それと、エスカレーターの横に、今日、お店にいる全ての従業員があなたをお送り出したいと並んでいるので、手を振ってあげて下さい。

じゃあ、音楽スタート!

一度だけ店長に、普段、どんな曲を聴くのか聞かれたので、「若い頃は僕らの世代ディスコだったので、元気になりたい時は、ディスコを聴きます」と答えたのを覚えていたのか、大ボリュウムで全館にディスコの「ソウルトレイン」のダンス音楽が流れました。

お客様はいないのでいいかと思いましたが、エスカレーターを駆け上がるおばさんたちは、毎日のように売り場にくる奥様たち5名が抽選で選ばれて来たと言って、花束を渡してくれました。

さすが、元営業企画部だと思いましたが、エスカレーターの横に並んでいる従業員を見ていると涙が止まりませんでした。

みんな泣きながら、手を振って、「ありがとう!ありがとう!ありがとう、天無神人さん!」と叫んでくれています。

もう、涙で前が見えなくなるし、お客様のおばさんたちは私の体を両手で抱えて支えるし、6階から5階、5階から4階、4階から3階と毎回、お礼の挨拶をしてから、エスカレーターを降りると、2階のエスカレーター横には、自分の課の社員、パート、アルバイトたちが全員いたので、休みでも出て来たのがわかりました。

7階と8階の売り場の人たちも、その後ろに並んでいて、もう、先が見えません。

全員に一礼して、「ありがとう!!!」と大声で言うと、全員が泣き出しました。

辛いので早く外へ出ようとすると、1階の売り場に、地下の従業員と、全ての従業員が集まっていて、正面入り口には、花束を持った「お客様代表と店長」がいました。

次長と、課長たちは後ろのほうで、頭を下げてくれていました。

ざっと見えると、150名はいたと思いますが、もう、言葉が出ません。

一礼して、外へ出ると、いつも来られているお客様たちと、仕事を終えて私服に着替えた全館のパートさんとテナントの従業員たちが、手を振って待っていてくれました。

50名以上の列の最後には、真っ黒いスーツを着た「黒服軍団」が30名以上いたので、よく見ると、あのススキノを牛耳っていたヤクザの組員たちが泣いて立っていました。

「ほんとに、天無神人さんは、サラリーマンだったんだなあ・・」

と口にする奴がいたので、ビンタすると、ヤクザ者全員が顔を出して、

「愛情ビンタをお願いします!」

と言うので、全員にビンタをしてあげました。

最後の最後まで組員全員をビンタした最後に、制服の警官が数名立っていて、同じように

「愛情ビンタをお願いします!」

と言いました。

「おいおい、大丈夫か?」と聞くと、

「大丈夫です!

こっち側の道路は全て封鎖したので、あなたがこの道を抜けるまで閉鎖中です!」と言います。

5名の警察官をビンタすると、その後ろにお客様の奥様たちも顔をつき出して、

「私にも愛情ビンタ下さい!」と叫んだので、奥様たち全員のほっぺに、チュウをしました。

中には、唇を出して、「口にして!」と言う奥様もいたので、全員の唇も奪ってしまいましたが・・・。

もう、こういう涙って、いくら出ても、止まらないものだと、初めての経験でわかりました。

魂も、人間としても、本当に、真剣に、売り場の人たちと付き合って良かったと、本当に思いました。

そのまま、「いつものススキノのスナック」へ行くと、店長もいるし、課長もいるし、まあ、いろんな人たちが待っていたので、最後の大パーティーになりました。

本気で、生きて良かったんだ!

本気で、人に向き合って良かったんだ!

生きてて、初めての喜びを感じて、また、泣きました。

 

私はダ○エーという会社の社長に惚れて入社しましたが、最後は、出会った従業員の人たちに救われたと思っています。

お店でお世話になった皆様、お元気でしたら、嬉しく思います。

本当に、本当に、お世話になり、ありがとうございます。

 

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