井戸に落ちた女の子の実話
中学2年生の時、本気で自殺を考えていた苦しい時期の私の体験談をお話します。
あなたの子供や孫や、お友達の子供のことを考えてお読み下さい。
私は幼い頃から「見えない存在」が見え、どこからともなく近寄ってくる霊たちは、私が眠りにつくと、毎夜、毎夜、私の体を「金縛り」にして、私の布団の上に乗って来る苦しい日々が続いていました。
その辛さは、生きる上での体の痛みや苦しみなど、どうでもいいくらい、とても辛くて苦しいものです。
「金縛り」なので声も出せませんし、体も動きません。
目の前に顔があるのを感じ、ハアハアと男の吐息は聞こえますが、瞼を開けることもできません。そんなことが毎日、繰り返し起きた時期は、辛すぎて死にたいとしか思えませんでした。
こんな体験談を周りに誰一人、話せる人がいないうえに、もっとも信頼している人にも理解されない体験をすると、「もう、この世に自分を理解してくれる人はいない」と、子供は思うものなのです。
毎日、「死ぬ方法」を考えている中学2年生の時、国語の授業で先生が教室にやって来るなり、全員の顔をじっと見つめたあと、突然、自分の若い頃の体験談を話し始めました。
俺がまだ先生になって間もない頃、担任のクラスの一人の女の子が、突然、居なくなりました。
近所の人や先生たちと、山谷や川も探しましたが、どこにいません。
行方不明になってから1週間がすぎた頃、学校近くで遊んでいた子供が、大声で職員室にかけ込んできました。
「先生、校庭の端にある古い井戸にボールが落ちたので拾おうと思って長い棒でかき混ぜていると、人間みたいなのが浮かんできたので一緒に見て下さい!」
私は急いて、その古井戸へ行きました。
木枠もボロボロなので、子供たちは「ここには近づくなよ!」と言ってあったので、普通の子供たちは近づきません。
私が見た時には人間の姿が浮かんでいたので、急いで先生たちと近所の親に集まってもらって、ローブで子供の死体を引き上げました。
あまりにその姿が見にくかったし、誰の子供かわからないくらい、子供の遺体は水を含んでふくれ上がっていました。
行方不明のお母さんがやってきた時、大声をあげてお母さんは泣き崩れました。
子供の洋服を見て、すぐに自分の娘だとわかったからです。
大きな布で包んでから、私の車で火葬場に運びました。
先生たちとご両親、そして、どうしても見送りたいという子供たち数名を連れて、火葬場へ行きました。
当時の火葬場は石炭で遺体を焼きますが、女の子の体は水を含みすぎているので、なかなか遺体が焼き上がりません。
裏側で石炭を燃べている男性に呼ばれて棺の反対側から小窓を覗き込むと、遺体の半分は丸焦げで、半分は骨が出ている状態の遺体でした。
吐きそうになりながら「これは、誰にも見せてはいけない」と思ったので、ご両親にも私が火の番をしますと言って、石炭を焼べる人と焼き上がるのを待ちました。
遺体を焼くための時間は、通常の3倍は、かかったと思います。
遺骨をご両親に渡したあと、私は彼女が死ぬ前に相談にも乗ってあげられなかったことを悔やみ、一人で泣き続けました。
だから、お前たち、何があっても死ぬなよ!苦しい時は、俺のところに相談に来いよ!
俺はもう、自分の生徒が死ぬのは見たくないから、頼むぞ!
そう言うと、目にいっぱいの涙を溜めた先生が、「本日の授業は終了!日直、号令!」と叫んで教室を出て行きました。
この話を聞いたあと家に戻り、この亡くなった女の子に、「なぜ、井戸に落ちたのか?」を魂に聞いてみました。
すると、女の子はこう言いました。
「私が悪いの・・・私が悪いの・・誰も悪くないのよ・・・」
そう言っている言葉とは裏腹に、井戸に飛び込むまでの映像が私には見えました。
どこかの知らない男性が、突然、彼女を襲い、服を破って強姦したようです。
女の子は、何が起きたのかよくわからなかったけど、お母さんが自分で貯めたお金で買ってくれた大切な洋服を破ってしまったことばかりを悔やんで泣いていました。
(私)なぜ、井戸に飛び込もうと思ったの?
私が、きっと悪いから、その男の人は私を襲ったのだと思います。
綺麗な洋服を初めて着れたので、私、嬉しすぎて、はしゃいじゃったから・・・
だから、そのおじさんは悪くはないの・・・。
どうしたら良いかわからなくて、井戸の水に映った自分の姿を見ようとしたら、井戸の端の腐った木が崩れて落ちちゃっただけなの・・・。
だから、お母さんに、御免なさいって、謝っておいてね・・・。
彼女の魂の記憶から当時のお母さんを探して出して、彼女からのメッセージを昼寝ている間に、そっと、娘の思いを夢の中に送り届けました。
こんな体験があったので、当時の私は水に飛び込んで死ぬことだけはやめようと思いましたし、大きくなってからも、自殺を考えている子供や大人たちに、「死ぬくらい本気で生きろ!」と伝え続けています。
コロナ禍だからこそ、大人になったあなたも、どうか、自分の子や孫のお友達が苦しんでいるかもしれないと思って、言葉にできない体験をしている子供達に声をかけてあげて下さい。
中学生の時の国語の先生、貴重な話をして頂いて本当にありがとうございます。