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【ダイエー】「物流輸送ツール」を開発した体験談 4 ロジスティクス・システムズ

「オリコンとカゴ台車」が北海道と本州にどんどん広まっていくなか、東京本社の「ロジスティクス統括本部長」が、また、お店にやってきました。

店長室で、店長と次長とその人の3人が待っていて、私にこれから計画している「新しいロジスティクスの物流システム」の概要図を見て欲しいと言うのです。

「忙しいから早くして下さい」と伝えて、配置図面と、人員配置と、それ以外の関係書類と効果予測の数字をパラパラ見て、すぐにわかったので、こう言いました。

 

天無神人:あのう、すいませんが、統括本部長!

これは、誰が作ったんですか?

あまりにも、現場に即していませんよ!

この配置図だと無駄が多いし、取引先も、納品業者も、製造メーカーも、全く喜びません。

まず、今、現場で問題になっていることは、「受け渡し課」のマネージャーから聞いたのですが、納品業者が持ってくる「納品伝票」のサイズも、記入方式もバラバラなので、納品金額と数量を計算するのに半日かかると言っていました。

これは、日本全国のお店の「受け渡し課」で起きている問題ですよね?

 

通常、本社に提出する書類には、「納品書は送らない」と業者たちに聞いたので、あなたたちは「現場の問題点」を全く理解していません。

これでよく数百億円もかけて、「物流システム」を作ろうとしましたね?

社長は、本当に、これでOKを出したんですか?

このままだと、今までより遠い場所に全国のメーカーと問屋が納品しなければいけないし、当然、時間もかかるし、ドライバーコストも上がるし、燃料代も上がります。

それに、このセンターを作れば、きっと、また取引先に「負担金」を請求するはずですので、これはやめて下さい。

もし、本気で全国へ品物を送れるセンターを作るなら、「ロジスティクスの基本」を守って作って下さい。

「ロジスティクス」の基本は、天候、交通トラブル、人員のトラブル、商品の部品のトラブル、機械のトラブルを全て予測して配置するものですが、これでは全く今までの物流センターと同じじゃないですか!

物流の「ロジスティックシステム」は、もともと、ロジカル(論理)とフィジカル(肉体)の融合しあう意味の言葉ですし、アメリカの長距離トラックドライバーのやる気を出した方法をご存知ですか?

毎日、1000km以上も、なぜ、彼らが走れるのかは、ドライバーのやる気を出す「仕組み」があるからなんですよ!

走る距離に応じて、500kmの時給と、1000kmの時給と、1500kmの時給が違うからこそ、ドライバーたちは家族の写真を運転席に貼り付けて、自分の子供の為に頑張っているんですよ!

これが本当の「ロジスティックシステム」です!

人間のやる気を出させることと、物流コストの削減を融合させた「新事業」だと、あなたは正しく理解していませんよね!

あなたが作ろうとしているこの「物流センター」は、全く、人を馬鹿にしているし、本当に、あなたはアメリカで勉強したのですか?

きっと、アメリカはあなたに「本当の授業」を教えなかったんだと思います。

日本に「本当のロジスティクスシステム」を作られると困るからです。

もともと、戦争で使うために開発された「ロジスティクス」は、どの産業でも使えるように再構築されたものが「ロジスティックシステム」ですが、今、アメリカは全ての都市でこのシステムを動かせる「コンピューター式の最新ロジスティクスシステム」を構築していると、アメリカの最新のCNNニュースで見ました。

 

あなたはそういう「現場の情報」を全く把握していないんじゃないですか!

どうなんですか!

物流統括本部長!!!!

 

物流統括本部長:あなたが言う通り、この図面は私の部下が作ったものだし、計算した資料も外部に発注したので、俺も詳しくはわからないんだ。

この資料を見て、どこがおかしいのか、詳しく教えてくれよ。

 

天無神人:あなたね、それが「統括本部長」の言い草ですか?

 

サラリーマンボケ、しすぎてませんか?

もう、後輩に譲って引退した方がいいんじゃないですか!

それは、俺も感じているんだが、社長が「まだいろ!」と言うので、やめられないのさ。

もっと、できるはずだと言われているので、俺も悩んでいるんだ。

 

天無神人:じゃあ、聞きますが、予算と期限を教えて下さい。

「250億円で1年以内」と言われているが、問題が多すぎて難しいんだよなあ?

誰に話しても、こんな短い期間ではできないと言うし、無駄が多いと言うのさ。

 

天無神人:わかりました。じゃあ、私がもし、あなたの立場でできることを言いますので、メモして下さい。

 

まず、今までの各地にある「物流センター」との大きな違いは、ある地域の「物流センター」に納品していた荷物を、メーカーと問屋さんに、まずは、全国で「1箇所」に納品してもらうことが大きな違いです。

最初は、売上と店舗数が多い「関東」でいいと思いますが、次に、離れた山口や山陰山陽地区にも早く届けるために「九州」に2箇所目を作って下さい。

3箇所目は、「関西」に作れば、西日本と東日本と九州を全て抑え込めるので、一気に物流コストが下がります。

 

納品するメーカーも問屋さんも、トラックを各自で手配して運んでいるので、その全てのコストが「1箇所に納品するだけ」で済みますので、契約トラックもいらないし、店舗別の小分け作業もしなくて済むのです。

その分、輸送経費や人件費や借りている倉庫代のお金を「原価」に還元できるからので、お互いに大きな収益の改善になります。

だからこそ、(株)ダイエーが作る「ロジスティクス物流センター」は、自社の契約トラックで日本中に商品を運ぶために大小250台以上トラックが必要になりますので、新しいトラック業者数社と契約して下さい。

たくさんのトラックを常時、置くためには150台以上のロングトラックが駐車できる場所が必要なので、今の候補地では値段が高すぎます。

 

1、安い土地を購入すること

候補地の土地代が高すぎるので、関東の湾岸地区の埋立地を利用すればタダみたいに安く買えますので、今の予定面積の6倍を買って、一番近い高速道路のインターを降りたすぐの場所に建物を建てて下さい。

そうすれば、青森から山口県までの(株)ダイエーの輸送範囲を高速道路を使って一気に運べますし、途中にある関連会社の荷物も、帰りに乗せてくることも可能です。

トラックは、帰りに荷物が空になるので、どんな荷物でもいいので取引先に頼んで運べば、全て収益につながりますのでやって下さい。

 

2、次に、全ての取引先に、統一した「伝票」を統一して下さい。

名称は、「チェーンストア統一伝票」でいいと思います。

この前に話した「オリコンとカゴ台車」とセットで、「チェーンストア統一伝票」を全ての取引先とメーカーに強制的に送りつけて、その情報をヨーカドー、西友、ニチイ、生協にも、「無償」で情報を教えてあげて下さい。

売上NO1の企業が頭を下げて、競合スーパーに最新式の「物流システム」を教えることは、業界にとっても大きなプラスが生まれると思います。

きっと、最初は悩むと思いますが、「我が社の成果の数字」をそのまま見せれば、きっと、導入を決めると思いますよ!

スーパーの問題は、どこも同じなので、コストが多少かかっても、効果が出れば喜ぶはずです。

 

3、この「チェーンストア統一伝票」になれば、これからコンピュータの時代になるので、読み取りも瞬時にできるし、伝票の計算も自動的に出るので、高速で納品、販売、クレーム対応ができるはずです。

伝票に、8桁か11桁の数字を「バーコード化」したものを付ければ、読み込むだけで自動計算されるし、課別、商品別の納入金額もすぐに計算して出ますので、管理業務も大幅に改善できます。

 

私は一応、岡山理科大学の数学科でしたので、専門は応用数学や代数学の「数学過程」ですが、「情報処理課程」の勉強も一緒にしたので、最新式のコンピューターの情報は、すべて聞いて知っています。

だって、うちの大学は「西日本最大のホストコンピューター」が入っているので、日本全国のコンピューターと繋がっているし、毎日、コンピューター業界の最新情報が入ってきたので勉強していました。

「東の東京理科大の情報処理課」とも繋がっていたので、日本のコンピューターの最新情報や今後の世界のコンピューター情報は、全て聞いて知っています。

多分、20年もしないうちに、一気に全ての業界にコンピューターは入るので、どこよりも先に、「流通業」に入れるように社長にも言っておいて下さい。

 

4、それともし、この「オリコン・カゴ台車・チェーンストア伝票」の3点セットを受け入れた企業には、伝票を打ち出す「機械」を「無料」で付けてあげて下さい。

この前、「レジの専門家」と話したのですが、実は、我が社が採用しているレジのコンピューターは、本社に自動的にデータが送られるようになっていて、もし、機械にトラブルがあれば、すぐに修理に行く体制ができていると教えてくれました。

この装置が付いているのは、〇〇〇〇というメーカーだけの「特許」なので、先に、我が社が独占契約して、「無料」で他のスーパーに機械を渡して下さい。

そうすれば、全てのレジで通ったお金、つまり、売上が把握できるし、何がいくら売れたかも、我が社にデータが送られてきます。

この情報があれば、無駄な安売り競争をしなくてもいいし、強豪に無い商品を販売すればいいだけになります。

 

つまり、この「4点セット」を強力に推し進めれば、一気に、売上と利益ともに流通業のトップに躍り出るし、無駄な安売りをしなくても、本部から売れ筋情報や競合店情報も集められるので、物流センターに在庫する商品の「回転率」も上がるはずです。

 

5、それと、取引先の全ての商品に「JANコード」を付けさせて下さい。

最初は、シールと商品で納品してもいいですが、必ず、必要になるので、大手メーカーから印刷して納品するようになるはずです。

「JANコード」の末尾は「チェックデジットシステム」になっている特許なので、特許を持っているメーカーと国に言って「法律」を作らせて、8桁、11桁、13桁の特許を買って、全ての商品に「JANコード」が付くように国から指導させて下さい。

 

これらの「特許」はお金に換算すれば、莫大な金額になりますが、会社に全てあげますので、あなたの「手柄」にして下さい。

必ず、日本も全ての商品にJANコードが付かないと販売できない時代が来るので、我が社から先にやりましょうよ!

理論的には、すぐにできることなので、あとは、専門家たちに裏付けの数値を作らせて、社長に直訴して下さい。

きっと、コンピューター投資も含めて、600億円はかかると思いますが、1年半でやれば、必ず、結果が出ると思います。

もし、売り上げが下がっても、「物流コスト」が下がれば、一個あたりの原価は引き下がるし、取引先から利益をむしり取らなくても良くなります。

こういう仕組みのことを「ロジスティクス」と言うのですが、もし、わからないなら、もう一度、アメリカへ行って、軍事的な仕事をして退職者に聞いて下さい。

アメリカは、お金さえ渡せば、ペラペラ話す人がたくさんいるので、よろしくお願いします。

 

「ロジスティクス統括本部長」は、録音機械とメモを使って、一生懸命にノートに書いていたので、こう付け加えました。

天無神人:統括本部長!

 

この仕事は、あなたが「最も信頼する部下」と一緒にやって、全ての提案書ができたら、部下から「社長」に提案させて下さい!

こんな素晴らしい企画を出せる部下を社長に合わせれば、あなたも退職することができるし、後釜の部下も大喜びのはずです。

きっと、「社長賞」ものだと思いますよ!

それと、絶対に、私の名前は言わないで下さいね!

店長と次長も、このことは口外禁止です。

私は、「普通のサラリーマン」で満足なので、どうぞ、よろしくお願いします。

・・・・・・・・・・・・・

この話をした2年後に、日本初の巨大な「ロジスティクス物流センター」が関東にできたとテレビで騒がれ、アメリカからも視察に来ていましたが、アメリカ人が驚きの声を隠せなかったと、統括本部長が電話で教えてくれました。

1年間、稼働し「ロジスティクス物流センター」が出した利益は、それまでの物流センターと比べて「6000億円の削減」だと報告され、会社の収益を大幅に改善できたし、今後、永遠にこの物流コストは下がるので、他の業種にも、能動的に働きかけて導入させて下さいとお願いしました。

 

国の官僚たちと政治家たちにもコネクションがある(株)ダイエーの社長は、まず、経団連でこの事実を報告し、すぐに手を上げたのが「ヤマト運輸」だとあとで教えてくれました。

自動車産業は、海外に輸出量が増えていたので、国内輸送のレベルでは間に合わないと、後から参入しましたし、電気通信関連の企業もアジア諸国から来る部品と、輸出する製品に活用したいと経団連のほとんどの会社が手を上げて「ロジスティクスシステム」を自社に導入しました。

 

政治家と官僚たちから、個別に、講師として全国の産業別に講演をしてくれないか?と依頼もありましが、現場の仕事を離れたくないので断りました。(報酬は1回1000万円以上)

でも、あちこちの人から電話で問い合わせが来るので、「自分で私のお店に来て質問してくれ」と、交換手の女性にお願いしておきました。

やってくる政治家と官僚、そして、いろんな業種のトップたちが私にどう運営していくのか、従業員教育をどうしたらいいのかを聞きに来たので、全て無償で教えました。

「困った時は現場に戻って、一緒に部下たちと話し合って下さい」とお願いし、ひとつだけ官僚にお願いしました。

きっと、アメリカでもやっていない「細かい日本のロジスティクスシステム」を必ず、奪いにくると思うので、その時、我が社の物流センターの「パソコンCDロム」は、別なものを入れ替えておいて、「アメリカの視察」が終わったら元に戻して下さい、と伝えました。

日米条約で、日本はアメリカの言いなりにしかできないことを知っているので、こうアドバイスしておいた結果、アメリカが「日本のロジスティックシステム」に気づくまでには、3年ほど時間がかかりました。

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「社長賞」は、物流統括本部長と部下が表彰されて、全国でも話題になりましたが、あとから、ススキノにやってきて、私を呼び出して一緒に飲ませてくれたことが、彼の最大のお礼でした。

ススキノの指定されたお店に行くと、北海道の全ての取締役と専務と常務、そして、東京の物流本部の関係者が10名以上、そこにいたので驚きましたが、まあ、どんなことがあっても、「お金は受け取らないタチ」なので、これでよしとしておきました。

入社して、最初のお店に「3年半」いた、1986年 27歳の時の体験談でした。

▶️株式会社ダイエー・ロジスティクス・システムズ(株式会社ロジワン)

以上

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