【富士山神事】第八回 忍野八海(東北・鬼門)
湧池(わくいけ)
八海中最大の湧水量を誇る。珪藻土層でなる水中洞窟は奥に続く。景観も良く、周辺住民の飲み水にも利用されている。
- 第5の霊場徳叉迦竜王(とくしゃかりゅうおう)
- 石碑に「いまもなほわく池水に守神のすへの世うけてかはれるぞしる」との和歌が刻まれている。
- 水温:13 ℃(年平均)
- 湧水量:2.2 m³/秒
- 面積:152 m²
- 水素イオン濃度:7.1
- 水深:池底 4 m 洞窟 7 m
濁池(にごりいけ)
池本荘にある池から大きな排水溝が空いており、湧水は池底から少しだけ湧き出ている。川に隣接。部分的に濁ってはいるが、水は綺麗な方。
- 第6の霊場:阿那婆達多竜王(あなばたつだりゅうおう)
- 今は池に埋もれてないが石碑に「ひれならす竜の都のありさまをくみてしれとやにごる池水」との和歌が刻まれていた。
- 水温:12 ℃
- 湧水量:0.041 m³/秒
- 面積:36 m²
- 水素イオン濃度:6.5
菖蒲池(しょうぶいけ)
現在は沼地と化している。その名の通り周囲に菖蒲が生えている。
- 第8の霊場:優鉢羅竜王(うはつらりゅうおう)
- 石碑に「あやめ草名におふ池はくもりなきさつきの鏡みるここちなり」との和歌が刻まれている。
- 水温:12 ℃
- 湧水量:月によって消長あり
- 面積:281 m²
- 水素イオン濃度:6.2
御釜池(おかまいけ)
池の中央に直径2m水深4mの穴があいている。水量が豊富。
- 第2の霊場:跋難陀竜王(ばつなんだりゅうおう)
- 今はない石碑に「ふじの根のふもとの原にわきいづる水は此の世のおかまなりけり」との和歌が刻まれていた。
- 水温:13.5 ℃
- 湧水量:0.18 m³/秒
- 面積:24 m²
- 水素イオン濃度:7.2
- 水深:4 m
底抜池(そこぬけいけ)
はんのき資料館の一番奥にある池。資料館(有料)に入場しなければ見る事ができない。
- 第3の霊場:釈迦羅竜王(しゃからりゅうおう)
- 石碑に「くむからにつみはきへなん御仏のちかひぞふかしそこぬけの池」との和歌が刻まれている。
- 水温:14 ℃
- 湧水量:0.155 m³/分
- 面積:208 m²
- 水素イオン濃度:7.1
- 水深:1.5 m
- はんのき資料館内
鏡池(かがみいけ)
水は濁り、湧水の綺麗なイメージとは異なる。名前の由来は逆さ富士が映る事から。
- 第7の霊場:麻那斯竜王(まなしりゅうおう)
- 今はない石碑に「そこすみてのどけき池はこれぞこのしろたへの雪のしづくなるらん」との和歌が刻まれていた。
- 水温:11.5 ℃
- 湧水量:月によって消長あり
- 面積:144 m²
- 水素イオン濃度:5.8
この鏡池に着くとすぐに、私の身体に「ご先祖掛かり」が始まりました。ご先祖掛かりとは、最近、親族で亡くなった方がいると、神祈りの時に、身体にご先祖たちの霊界エネルギーが掛かり、身体が重くなる事をいいます。
まず17名に聞きました。「ここ5年間で家族、親族が亡くなった方は手をあげて下さい。」すると驚く事に、半数近くの方のご親族が亡くなっていました。神に相談すると、この池からご先祖の御霊洗いをして全て上げるというので、一列に並んで御霊上げの祈り言葉を唱えながら祈りを始めました。
すばらく祈っていると、池に居た鳥が一羽、急に池から飛び立ちました。これが合図で、ご先祖御霊が上がった事を神は教えてくれました。この池は、先祖の御霊洗いができる池だということもこれでわかりました。
最後の出口池は離れた場所にあるので一旦、駐車場へ戻ろうとするとある場所が私を呼んでいます。道の外れにある小さな神社は、富士五胡稲荷神社でした。地元の方が大切にしているので、この場所で祈りをさせて頂いた御礼をしました。
出口池(でぐちいけ)
忍野八海中最大の池。出口池の高台に出口稲荷社が建つ。
- 第1の霊場:難陀竜王(なんだりゅうおう)
- 石碑に「あめつちの ひらける時にうこきなき おやまのみつの 出口たうとき」との和歌が刻まれている。
- 水温:12.5 ℃
- 湧水量:0.265 m³/秒
- 面積:1,467 m²
- 水素イオン濃度:7.2
- 水深:約0.5 m
この出口池には出口神社がありますが、もともとの名前は精進池と呼ばれていて、修験者たちが山に入る前に体を清める大切な池でした。池の神様と神社の神様に祈りを捧げてみると、神様はこう言います。
「昔は、とても大切にしてくれてたくさんの人たちが手を合わせてくれた。でも最近は、祈りをしてくれる人も少なくて、とても悲しい。そしてここの池の水をも汚れてしまって、エネルギーが足りないので、新しい水を入れて欲しい」と言います。
皆さんが運んできてくれた水をたくさんこの池に入れました。あとで地元の方に教えてもらいましたが、実際に、数年前、この池に自衛隊のオイルが流れ込んで池が汚れた話をあったという事です。
水の神様が悲しんでいるの事は、とても心苦しい場所でしたが、祈りを捧げる事ができてうれしく思いました。神の願いを聞いてあげると、神はその力を発揮してよく働いてくれます。大切な鬼門を守る神の場所、忍野八海は、観光化しすぎて問題もありますが、水が湧いている間は守りをしてくれることでしょう。