【伊豆諸島神事】 神津島 天上山の祈り
神津島の天上山は、もともと伊豆諸島全ての神々が集まって神の水を分ける儀式が行われていた場所ですが、祈りの準備を始めると、あたりは一気に霧に包まれて先ほどまで見えていた景色も全て霧の中に入ってしまいました。
見えるのは、頂上部分と私たち3人の姿だけ。男神と女神の役目になった二人に座ってもらい、反対側で私が天地の神々を繋ぐ祈りを始めました。
目をつむると私たち3人の周りを、霧に姿を変えた伊豆諸島の神々が集まり円陣で囲んでいるのがわかりました。
その数、30~50神ほどは居たでしょう。全ての神々が膝を抱えて座り込みながら、私たちの祈りを見守っています。
山の周りには、さらに300~500神ほどの神々が集まっています。
身体には、その神々の思いが乗ってきます。空咳が続いたあと、全ての神々の意思が私の体の中に入り繋がりました。
右回り、そして左回りで周りに円を描くように歩いて中心で祈りを始めると、天地の大神たちが舞い降りてきてひとつのエネルギーラインに繋がりました。
手に持っていた木の棒を剣に見立てて、剣の先を天へ向けて大地に刺しました。
地球の内部のエネルギーを天へ繋ぐ祈りと、天のエネルギーを地球の核へ繋ぐ祈りをしていると、大和言葉の神言葉が降りてきました。全ては覚えていませんが、意味はこんな感じの言葉でした。
大神
この地を守る全ての神々に告げる
この地球を守る全ての御魂を導き
新たな命を産み育てるよう手を取り
心を繋ぐ祈りを捧げる者たちを見守り導くこと
この地 産みだしの神働きの地とする
さらに、男女が手をつなぎ男女和合・陰陽和合の神言葉も降りました。
妻をめとらば 産み育ての母と祀り賜えて 使えし者の恵みあれ
そのミコトの神となれば わが身命腹わくば
使えし恵みのありがたさ 命与えし神の子と
神巫女 産み育ての父母として
その子と大いなる神の巫女
母巫女守りし父としての働きなせと 大神申す
全ての祈りが終わると、周りに座っていた神々は深々と頭を下げて「大神の意思、確かに受け取りました」と言い残し、霧と共に各島々へ戻っていきました。
霧が開いた景色は、過去の思いを横一線に並べたような龍雲が現れました。
神の心と、人間の心がひとつになった瞬間です。
天上山祈りが終わると、「不動池」と呼ばれる聖地へ向かいました。
見てすぐに、沖縄の方が作ったとわかる祀り方なのには驚きました。
沖縄の亀甲墓と呼ばれる形は女性の子宮をイメージして作られていますが、子宮から生まれた命がまた母の子宮へ戻る事を考えて作られています。
写真にある祀り方は、沖縄の「大和番」の聖地で見た形と同じですが、もともとは亀甲墓と同じような母の子宮をイメージした拝所だと思われます。
いつ誰が作ったのかわかりませんが、自然神と人格神を一緒に祈る知恵としては素晴らしい形だと思います。
中央のこんもりした小さな島には「弁天様」がいらっしゃいますし、祠の中には「龍王」を祀ってあると書いてあります。
私の龍格は2008年から「龍王」を頂いていますので、鏡に向き合うような変な感覚でしたが、守って下さる弁天様へ感謝の祈りを捧げました。
祈りの中で弁天様は、こうおしゃいました。
「この池は、龍の子供たちを産み育てる池として古くから私が守っています。どうぞ連れていって下さい」
持参した水をこの池へ継いだあと、ここのお水をこの後の神事の神水として使う為に頂きました。
時間を忘れていくらでも居られるほど気持ちのいいこの空間には、あまり人が入って欲しくないと思えるほど素晴らしいバランスの聖地でした。弁天様、ありがとうございます。
天上山を歩き回って海が見える場所へ出ると、対岸の島々が神がかり的に美しく輝いていました。
宮古諸島の大神島のような三角の形をした利島(としま)は、人間を近寄らせない力が働いているようで実際に島に渡れる確率は10%だそうです。
これで神々の集まる神津島(こうじじま)の一日目の祈りは終わりますが、明日はこの島の神と直接、対話しに歩きます。神の願いを聞き届け、神の願いを叶える為に私たち生まれてきたのです。
つづく