神守り会議

台風14号の影響で伊良部島のホテルに缶詰めになった35名は、声をかけた主催者が違う為に三つのグループに分かれていましたが、運命共同体の状況だからこそ、次第に互いを知る努力や助け合いの心を学ぶ時間になりました。

奄美大島にだけ大雨が降り「世界のグランドマザー会議」が開催できなかった件や、伊良部島の伝統行事ユークイ(豊年祭)の翌日に足止めされる理由を考えると、まだこの沖縄の土地の為にするべきことがあるのではないかと思う様になりました。

そんな時、依頼されたことは、ユークイで入った御嶽(うたき)のお礼参りと長年、御霊が集まる場所なのに手を付けられなかった「帯岩」の御霊鎮魂の依頼でした。

百トン近い大きな岩が「明和の大津波」によって数十メートルも風に飛ばされ下地島の端にのっかった明和の大津波は、八重山諸島で1万人以上、宮古諸島でも数千人の犠牲者が出て、下地島の木泊部落43名が全員亡くなるという悲惨な事件が起きていましたので、全国の御霊浄化を専門に回っている九州の真言密教のお坊さんたちが中心となって宿泊者全員が協力して御霊あげの祈りを行いました。私は個人的に伊良部島の全祭事を仕切る最高責任者 皿主(サラシュ)から島の伝統を守る難しさと問題点を聞いていましたので、足止めされた時間を活かして宿泊者全員が皿主(サラシュ)と司オバーから直接、神守りの難しさや島の問題の話しを聞く機会が実現しました。

この神守りの人たちとの話し合いは、5年間伊良部島のユークイに通いながら島の人たちに直接、本音の言葉を聞く中で大切な物を残す為にはどうしたらいいのかを考えていたので、いつかは実現したいと思っていた夢でした。

伊良部島や沖縄の皆さんは、初めての「お客さん」に対してはとてもやさしく接してくれますが、何度も足を運ぶ人にこそ「島の家族」として受け入れるべきかどうかを問う時があります。

一人一人が命を支えあってきた小さな島だからこそ、心の底から相手を信頼しあい命の食べ物を分け合う習慣が、ユークイという祭事の中にも残っているのが、その証です。

私たちは今、その心を問われているのだと思いました。

三日間の缶詰め状態の中、島の為にできることをはしたつもりですが、その評価が問われるのはこれから沖縄を訪れる一人一人の行い次第だと思っています。

29日の朝、伊良部島発の船はカーフェリーだけが運航したので宮古島に渡ることはできましたが、レンタカー屋さんに近況を聞くと、今年の夏は昨年の二倍のお客さんが車を借りたと言っていました。

テレビ番組の影響も大きいと思いますが、人が来てほしいと願う地元の人たちは宮古島を他の島のように悲しい島にならないように大切な物を残す知恵を考えなければいけない時期に来ていると思います。

外部からの経済を優先して観光化した結果、土地を売り、聖地を壊し、内地の人が住み始め、それまでの人の繋がりが薄れた結果、祭りごとが消えてしまった他の島の実情は誰もが知っているはずです。

日本人のルーツのひとつでもある大切な伝統文化が700年前のまま残っているのが宮古島や伊良部島だからこそ、最後の聖地 伊良部島・宮古島に訪れる人は、土地の人にルールを教わる心を持ち、自分たちの概念を一方的に相手に押しつけるような失礼なことをしてはいけないと思います。私たちの常識を島の人たちに押しつけた結果が、今の沖縄の各島々が抱えている「神守りの問題」になっているからです。

祭りごとを支える若者の減少や神役目の厳しいルールに囚われて祭司を引き継ぐ人が減っている問題に加えて、古来から守り続けてきた祭事の意味を正しく伝承する方法など島の人たちが抱えている問題はたくさんあります。

29日の夜は沖縄本島へ移動して一緒に祈りをしてきた仲間たちと話し合いの場を持ち、土地に住むそれぞれの人たちが今後の次の世代へ引き継ぐべき精神性をどう守っていくかについて話し合いました。私は偶然、知り合いの札幌在住の社長が沖縄本島にお店を出すというので翌日は「屋敷祈り」を依頼されていましたが、地元の人や神人(カミンチュ)全員が口を揃えて、その土地は一筋縄ではいかないとても問題が多い場所だと教えてくれました。

地元の人たちがそういう問題のある土地に手を付けない理由は、自分や家族に「神がかりや霊がかり」が起きない限り、他人の土地には手を付けないのが沖縄の神人(カミンチュ)たちの常識になっていることも教えてくれました。

これは地元の方たちからのお願いなのですが、

縄生まれではない人が、沖縄の聖地で祈りをする方が増えていますが、沖縄はあなたたちの考えるようなルールや概念では土地の御霊鎮魂や整いはできないことをまず理解して下さい。

確かに愛を持って行う祈りは人の心や魂を繋ぎますが、過去、この土地で行われた様々な土地の歴史を学び、傷ついた全ての人たちの気持ちを受け止める大きな心が無い限り、自己満足の祈りをしている事に気づいてほしいと思います。

本当に沖縄の聖地を守っている人たちにとって、ルールを知らずに聖地に入る全ての人たちの行動が今、大きな問題になっているからこそ、土地の神守りの人に道筋を立てて学ぶ心を持ってほしいと思います。

沖縄の人たちと、沖縄以外の人たちが一緒に日本人の大切な精神性を守る母の土地沖縄をどう守りぬくかを考える時期にきているのです。

沖縄を愛し、日本を愛し、地球を愛する全ての人たちにお願いがあります。

何事においても、全ての始まりは「相手から学ぶ心」が最初だと思って下さい。

そして、自分の住む土地にどういう歴史があって、どういう思いをした人たちが生活していたのかをすぐに調べて下さい。

大切な精神性や日本を守る心は、過去の歴史を学びながらひとつひとつの戦いの歴史を自らの心の中で愛に変えるところから始まるからです。

どんな時にも自分が正しいと主張するだけではなく、常に自分の心に「真鏡」のような清い心を持つ大切さを沖縄の神守りの方に教えて頂きました。

自分の住む土地を愛する心が無い人たちや土地の歴史を知らない人たちは、「何ひとつ守ることができない」という事にも早く気付いて欲しいと思います。

このような新しいテーマの時代になったのですから、あなたが大人なら相手から自分が知らない大切な事を学び、未来の子供たちに残すために意見を交換しあいながら、自分の責任でできる範囲で事を成し得る責任性を学んで下さい。
地球全体の為に今、日本人すべての人が心のあり方が問われていることは、今回の台風や雨の災害が教えてくれていますので皆様、どうぞ宜しくお願いします。

 

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