【解脱の真理】第三話 白い大きなお城
白い霧が晴れて、長い道を歩いて行くと、大きな建物が見えました。
その建物は、「白い大きなお城」のように見えました。
お城に渡る長い橋を歩いて行くと、お城の入り口の前に怪獣のような大きな体の門番が二人いました。
「お前は誰だ!何をしに来た?」
私は、ただの人間です。
この「上の世界」が、どうなっているのかを正しく知りたくてやってきました。
「おい、ただの人間だとよ。おかしなことを言う奴だなあ。
ここに来れる人間は死んだあとに、選ばれたほんのひと握りの人間しか入ることは許されない場所だ。
お前のように生きた人間は、今まで一度もやって来たことはない。
だから、帰って人間の寿命を全うしてからここに来なさい。」
私は42年間、まっとうに人間をやってきました。
でも生きていることがくるしすぎたので、死のうと思っても死なせてもらえうず、途方にくれていた時に、自分に向き合う体験を3年間続け、最後に全宇宙の創造主「マスター」と対話した人間です。
それでも、ここは通れませんか?」
「お前は”創造主「マスター」”と、本当に対話したのか?
それはあり得ないだろう。
”創造主「マスター」”は、私たちを創造した創造主だぞ!!
どうして、お前ごとき人間と対話できるのか、俺には理解できない。
おい相棒、お前は理解できるか?」
「いや、俺もわからん。
そんなことはこれまで地球に人間が誕生してから一度もなかったと思うぞ。
親分に聞いてみるか?」
そう言うと、二人の門番はお城の中に入り、親分を探しに行きました。
やった!この時だ!と思ったので、私はそっと、お城の中に入り、いくつにも別れている通路をあちこち回って見ました。
迷うほど大きな広い通路が何本もありましたが、最終的にどれも同じ方向へ向いていたので、最後の場所へ向かって歩きました。
すると、目の前が突然、開けて大きな広い空間に出ました。
大きな石で作られたその神殿は、エジプト時代の神殿に似ています。
真ん中に大きな水が溜まっている場所があったので、飲もうとすると、「それは飲むな!」と、上から声が聞こえたのでやめました。
大きな水瓶のずっと奥に階段があり、その最後の場所には王座と思える椅子と、王女が座ると思える椅子が二つ並んでいました。
このお城には、王様とお妃様がいるんだ・・・
ふーん・・・
エジプトの仕組みに似ている理由は、もともとここにあるこのを思い出した人たちが、ローマやエジプトの神殿を造ったのだとわかりました。
お二人が並ぶ玉座の後ろには、「大きな丸いもの」が飾ってあります。
色は光によって変化するので、黒も白とも言えない不思議な色をしています。
ここなら少しくらい触ってもいいだろうと思って近づくと、また声が聞こえました。
「それを人間が触ると、お前たち人間がいる地球自体が無くなるぞ!
お前の家族も知り合いも、生物も全てが一瞬で崩壊して、細胞レベルに戻り、
もう一度、原初の時代から地球の最初の循環サイクルから始めることになるが、
それでもいいのか?」
「それは困ります。私が死ぬことはいいのですが、今、まさに生まれたばかりの子供達にとっては希望の星のはずですので、どうぞ、触りませんのでお許し下さい。」
「それなら良い。」
恐ろしい仕組みがあるものだと思って、その場所を離れましたが、まだ横にもいくつかの部屋があり、何かがある気がしますので、次回、また来ようと思い、今日は帰ることにしました。
門番がいないうちにと思っていたのに、門へ歩いて行くと、二人の門番が私を見て驚いていました。
「お前、どうやって中へ入った?」
「いえ、ちょっと探索とトイレを・・・」
「お前なあ、そんな嘘はつくなよ。
ここに来る人間がトイレに行きたくなるはずがないだろう。
お前が中に入って、誰かに合わなかったか?」
「いえ、誰にも会いませんでしたが、声が聞こえました。」
「その声の主は、なんと言っていた?」
「水は触るな!と壁のものは触るなと・・・」
「お前、まさか触ってないだろうな!」
「はい、言う通りに触りませんでした。」
「あー良かった、もし、お前が何かを触っていたら、俺たちはご主人様に責任を取らされるからな。
さあ、さっさと帰りなさい。
二度と、ここには来るなよ!」
お城を出て、長い道を歩いてもといた場所へ戻ると、そこは「黄泉の国」にも似た世界だとわかりました。
この世界を見た人たちが、それぞれの宗教では、「天国と地獄」と呼んだり、「浄土や極楽」と呼んだり、いろんな表現をするのだということもわかりました。
つまり、過去に意識の世界で、ここまで登ってきた人がいるということが、世界の宗教の概念を考えるとわかります。
ただ、どうやら”創造主「マスター」”と直接、話した人はいないようですが・・・
自分が生きて、”創造主「マスター」”と対話する意味は、これから先にきっとわかるのだと思います。
次に、ここへ来た時は、もっといろんなことを知りたいので、次回を楽しみにしてみなさんがいる「現実」へ戻りました。