1. HOME
  2. ブログ
  3. 1960年〜幼稚園小学校
  4. 母の教え:賢い人は、見て覚えるものだよ!

母の教え:賢い人は、見て覚えるものだよ!

我が家は、子供の頃から「言葉で物事を教えること」はいたしません。

全て、「見て覚えなさい」と繰り返し、言われて育ちました。

 

子供なので、わかりやすく教えてよ!と言うと、バカ言うんじゃない!と怒られます。

 

大人や先輩から物事を教わる時は、その人が苦労して覚えたことを教わるのだから、それを簡単に口で教えろなんて、バカも休み休み、言いなさい!

 

世の中の職人と呼ばれる人たち・・・そうだね、例えば、床屋さん、パーマ屋さん、料理人、お菓子やケーキを作る職人さん、大工さん、左官屋さん、家を建てる大工さん、材木を切り出す人たち・・・。

 

たくさんいるけど、そういう人たちは長い年月をかけて、職人の親分に殴られたり蹴られたりしながら、耐えて耐えて、それでも必死にしがみついて覚えた人たちが、一人前になっているんだよ。

 

私や父さんは職人ではないけれど、私が嫁に来た時は、お客さんに出す料理のひとつひとつを本家の婆さんに怒られながら覚えたものさ。

 

父さんも同じさ、結婚して一家の主人(あるじ)になったからといって良い人間になったわけじゃないんだよ。

自分の足りないところを周りの先輩たちに素直に教えて下さいと聞きながら、自分の仕事の質を上げるもんさ。

 

私の実家ではお母さんが優しく教えてくれたけど、一歩外へ出たら、簡単に「教えて!」なんて言っちゃいけないんだよ!

だって、教えるほうにしたら、商売にしていないのだから、「教える義務」はないもの。

 

お前も、料理ひとつ、包丁の使い方ひとつ、どこで何を食べても職人さんの動きをよく見て覚えなさい!

 

お前は、学校へ行っているでしょ!

学校へ行くと、「教えてもらって当然!」と思っている子供が多いけど、私たちの時代は、行きたくても学校に行かせてもらえない人たちがたくさんいたんだよ!

 

だって、みんな貧乏だから親の仕事が忙しかったり、病気になると、子供は家のことをやるのは当然でしょ。

 

フラフラ遊び歩いているバカ者たちは、将来、何もできない、「何も知らないバカ者」になってしまうので、嫁に行ってもすぐ離婚して帰ってくるのさ。

 

そんなバカな女に、捕まるんじゃないよ!

 

仕事も遊びも同じで、上手に人の所作を見て覚えるように努力しなさい!

ボーとテレビばかり見ている奴が、急に、「教えて!」って言っても、誰が教えるもんかい!!!

 

人に教わりたかったら、誰よりも早く仕事場に行って、親分さんが仕事しやすいように、掃除したり、道具を磨いて待っているものさ。

 

私が知ってる職人の同級生たちは、仕事を覚えようと中学卒業で料理人の世界に就職したのに、泊まる場所だけは与えてくれたけど、朝一番に仕事場に行っても食事は一番最後だし、みんなが帰ったあとは、夜中まで掃除だってさ。

 

それでも絶対にこの仕事を覚えて、家庭を持ってやる!と頑張っていたのさ。

 

私たちの時代の職人さんは、みんな「丁稚奉公(でっちぼうこう)」と言って、給料はゼロなんだよ。

 

給料ゼロ!!?

一切、好きなものも買えないの?

 

そうさ、一丁前になるまでは我慢・我慢だからこそ、そこを頑張り抜いた人は、必ず、一丁前の職人さんになっているよ!

 

お前は、職人になる気はないかい?

何でもいいから「技術」を身に付けると、一生、食いっぷちに困らない生き方ができるよ!

 

いえ、結構です。

自分の性格だと、どんな良い上司でも、理不尽なことを言えば、きっと、上司を殴ってでも周りの人の為の壁になる人間なので、職人は無理だと思います。

その代わり、自分なりに勉強して自分が入れる会社を選んで、絶対に一流になって他人に喜ばれる人間になります。

 

そうかい、じゃあ、良い会社に入れて、良い上司に出会えるといいね。

私の家は貧乏だけど、人様に絶対に恥ずかしくない教育をしてきたつもりだから、ちゃんと言うことを聞いて頑張りなさい。

 

どんな仕事でも、お手伝いでも、絶対、先輩の動きから目を離さないで見て覚えなさい!

 

私も裁縫やお花や華道に行かせてもらったけど、バカ者がたくさんいて驚いたよ。

先生が教えている話しをちゃんと聞かずに、自分勝手にやるか、わからないから教えて下さいって、言うのさ。

もう、呆れたよ、私は・・・。

 

いくらお金を払ったとしても、歳上の人から物事を学ぶ時に、子供みたいな言葉使いで話す人がいるかい!

もう、殴ってやろうかと思ったけど、先生の手前、我慢したよ。

 

あとから先生に聞いたんだけど、私たちの時代とは違って、何も言わないで気を使える生徒が少なくなったので、もう、人に物事を教えることをやめようかと思っていると相談されたのさ。

 

素晴らしい人なんだよ、先生は!!!

 

生徒が来る前に、どれくらい気持ちよく教える時間が過ごせるかを考えて準備しているのに、そんなこと、まる無視で、自分勝手にお菓子を持ってきて休憩時間に食べているのさ。

 

私が習った華道は「裏千家」だけど、表千家とは違って、物ごとをコマコマ言わず、目配せと、気配りをたくさん見て教わったよ。

 

いつもじいちゃんが厳しいから聞けなかったことを質問すると、その意味をわかりやすく教えてくれたもんさ。

 

だから、私がこうやってあんたに説明できるのは、その先生のおかげなのさ。

ちゃんと聞いて理解してなかったら、人様に教えることなんでできないからね!

 

でも、あんたが行ってる学校の先生も、最近は、バカばっかりだね。

 

私たちがPTA会で質問しても、わかりやすく物事を教えるどころか、自分達の保身にためにベラベラ喋るだけの先生ばっかりさ。

だから私はもう二度と、PTA会には行かないと決めたんだ。

 

自分が学べる人間を見つけたら、しがみついてでも、教えてもらいなさいよ。

自分が学べる人って、そんなに多くはいないもんだよ。

あとは、お前次第だから、頑張りなさい!

 

※小学校4年生の時に母が教えてくれたことでした

アーカイブ

Translate »