【解脱の真理】続編8 入れ墨を入れた女の子
2001年、解脱したあと欲望が一切、無くなった自分を奮い立たせるために、石垣島へ一人旅しました。
北海道の一月は、マイナス20度前後になりますので、貧乏でお金も稼いでいない自分にとっては身に沁みる寒さでしたが、石垣島に着いた時は、楽園に来たみたいだと感じました。
地元の人に聞いて、この島で一番大切にされている神様の場所にご挨拶したいと言うと、ひとつの御嶽(うたき)を教えてくれました。
「私がご挨拶してもいいですか?」と聞くと、
お前のような素直な奴が挨拶するならきっと大丈夫さ。
不安だったら神様に聞いてごらん。
お前、わかるんだろう?
神様の気持ちが・・・・。
この人は霊能者かと思いましたが、神様が言わせていることがわかったので、お礼の言葉を伝えて御嶽にご挨拶しました。
この土地の神様、ありがとうございます。
私は北海道から来た〇〇と申します。住所は〇〇です。
妻がいて、子供がいない夫婦ですので、命を育んでくれた人たちと神様にお礼を言いたくてやってきました。
ご挨拶させて頂いてよろしいでしょうか?
あなたのことは、上から聞いていましたよ。
私たちの声や思いを聞き取り、その思いを大切にしてくれる人がやってくると言われていたので、首を長くして待っていました。
この島は昔はたくさんの人が住んでいましたが、ヤマトの人たちが土地を買い、お金がたくさん入ったため、年寄りだけ残して、みんな島を出て行ってしまったんです。
だから、毎年行っていたお祭りもできなくなってしまったし、この御嶽に感謝の祈りをしてくれる人も今ではわずかになってしまいました。
時々、ヤマトの観光客が来ますが、ここでお酒を飲んだり、セックスしたり、大声を出したり、やりたい放題放題なので、もう諦めていました。
でもあなたの真心の祈りで、私も元気が出てきました。
島に残っている年寄りたちだけでも、できることをして欲しいので、もし、出会ったら伝えて下さい。
神様からお願いされたので、島のオバーたちがいる場所を探し、きっと、町営公民館にはいるだろうと思い、行ってみました。
数名のオバーたちが苧麻(チョマ)を編んでいたので、話しかけて、神様の思いを伝えました。
そうかい、神様はそう言っていたのかい。ありがとうね、伝えてくれて。
私たちも島には年寄りしかいないけど、何かできることはないかといつも話していたのさ。
やるよ、今年は!
規模は小さくても、私たちの心を神様に示す機会だから頑張るわ!ありがとうね!
島のオバーたちの顔が元気になり、とてもうれしくなりました。
誰も私が霊能者だとか、ユタかい?と聞く人もおらず、神様の声を素直に聞ける心の素直な人たちでした。
お金が無いので50ccのバイクを借りて、1月なのに、北海道の真夏みたいな炎天下の中、石垣島を一周しました。
観光ガイドブックに載っているほとんどの場所に行ってみると、洞窟の先に海へ繋がる写真を見ていて、そこに神様がいることがわかったので、行ってみました。
洞窟には、必ず、霊たちがいますので、心を引き締めて入ると、海にでた瞬間、洞窟の両側を守る神様を見つけたのでご挨拶しました。
一人でボーと海を見ていると、若い女性が二人やってきましたが、こんな時期に来る人は、北海道か東北の人だろうと思って話しかけると、案の定、北海道幕別市出身の姉妹でした。
妹が宮古島に住んでダイビングの免許を取るために長期滞在しているので、久しぶりに一緒に石垣島に来て、冬はカフェの仕事を休んでいるとお姉さんが教えてくれました。
北海道に戻って、帯広で個展をした時、そのお姉さんがやってきてくれて、いろんな話をたくさんしました。
私は生きるのが辛くて、いろんな人や見えない存在の思いを感じてしまうので、辛くて何度も死のうと思ったと言います。
でも母親がいるので、泣かせたく無くて、死ぬのは諦めて、パンクの世界でファッションと音楽に没頭したそうです。
でも世の中は資格の世界だから、好きだった調理学校に行き、今は、母と地元でオーガニック喫茶店を経営しています。
心はいつも何か足りない気がしてるので、あなたを見ていて同じだと思ってお話しましたと言ってくれました。
私は背中の肩甲骨に、「天使の羽根の刺青」を入れています。
それは自分への戒めとして、二度と死ぬなんて思わないように、いつも天使さんたちが見守っていることを忘れないために入れました。
そんなまっすぐな彼女とは、3年以上、いろいろな活動を通して支援しましが、2020年にガンで亡くなったことを、つい最近、出会った女性から教えてもらいました。
帯広・北見・釧路方面では飲食関係の人たちで知らない人がいないくらい、地域のために、地球のために活動していた女性です。
最後は札幌に一人でいたそうですが、一切、私も彼女も連絡を取りあわないタイプなので、結婚して、子供を産んで幸せになっていると思っていたのに、とても、悔しい思いで一杯になりました。
将来、私のあとを引き継いで日本を希望に導ける唯一の女性だと思っていたのに・・・・。
本気で地球を愛し、周りの人たちのために全力で生きていた女性が、天に召されました。
旧姓・安達美沙子、通称サミー、心からあなたの出逢いに感謝いたします。(ガンで46歳死亡)