「魂の封印」を完全に解き放つ!!

気持ちを込めてお茶をいれなさい!

◯母の教え・学校教育

小学生になって、まず最初に母に教えてもらったことは「お茶の入れ方」でした。

いつも母のお友達がやってくると、まず、台所へ行ってお湯を沸かし、お茶の葉をサラサラと茶筒から急須に入れて、お湯が沸くのを待ちます。

ガス台の炎がなぜか小さいので、もっと火を大きくしたら早く沸くのにと言うと、

「いいかい、お茶にはお茶が喜ぶ温度ってあるのさ。

お茶の葉の種類によっては熱くても不味くなるし、低すぎても旨味がでないものなんだよ。

今、入れるお茶はちょっとお値段がする「ほうじ茶」なので、お湯をグツグツさせないでお湯を沸かさないといけないのさ。

目一杯、炎を大きくすると、確かに早く沸くけど、ヤカンの中は「お水さん」たちが喧嘩してるんだよ。

フタを取って覗いてご覧よ、泡を立てながらお水さん同士が喧嘩してるから・・・。

そう言われたので、そっと、ヤカンの蓋を取って覗いて見ると、確かに、母の言うとおり、「お水さん」同士があぶくを立てて喧嘩してました。

「お水さん」が喧嘩していて美味しいお茶にならないなんて初めて知りましたが、いつも僕らが飲む一番安い麦茶の時は、目一杯、火を大きくしてる意味もわかりました。

僕らが飲むお茶と、お客さまが飲むお茶とでは、お湯の沸かし方も違うんだねと言うと、

母はまあ、そうだけど、他人には言うんじゃないよと笑って言いました。

家に来てくれたお客様のためには、無理してでも美味しいお茶を出すけど、お前たちみたいにガボガボ飲むお茶は安くていいのさ。

「お茶を頂くって意味」を考えたことあるかい?

そんなことは、学校でも習ったことないよ。

まあ、そうだろうね。

私もPTAの会合に学校へ行った時、女の先生がお茶を人数分入れて持ってきたんだけど、まあ、あまりにひどくてびっくりしたよ。

お茶の色が薄い人もいれば濃い人もいるし、お茶の葉が全く浮いてない人もいれば、ドバッとお茶の葉が浮いてる人もいたので、みんなで笑ったのさ。

その女の先生は、自分はちゃんとお茶を出したのに、私たちに笑われた意味がわからず怒って帰っていったよ。

だから、教頭先生にお願いして、ポットにお湯と、お茶の葉と、急須と湯飲みを人数分持ってきていただけますか?とお願いしたのさ。

きっと、気づかないと思ったので、先生にね、

お茶っ葉は、急須に入れず、袋のままでお願いします。

それと、使ったお茶の葉を捨てる「茶がら入れ」もお願いしますと頼んだのさ。

教頭先生は、そこまでいるのかと迷っていたので、

先生、私が先ほど言ったものを持ってきて下さいと言った理由は、あなたはさっきの女性の先生に指示を出すだけだと思います。

だから、先ほどの優しい先生に気を使わせたくないので、私たちで勝手にお茶を入れて飲みますので、申し訳ありませんが、お茶のセットを一揃えをお願いしますと、女性の先生にお伝え下さい。

そう言わないと、あの女の先生は気を使わないバカなPTAのおばさんたちだと思われますので、どうぞ、優しく女の先生にお伝え下さいと言ったのさ。

教頭先生がから言われた女の先生がお茶のセットを運んでくれたので、こう言ったのさ。

先ほどのお茶は、大変美味しく頂きました。

みんなお茶が好きなので、何度も運んで頂くと先生にご迷惑がかかるので、無理を言ってお茶のセットを教頭先生にお願いしたのです。

本当にお忙しいのに、お手間を取らせて申し訳ありませんと、言ったのさ。

ニコニコして女の先生は帰って行ったあと、みんなでさっきのお茶を捨てて入れ直したよ。

いいかい、大切にしたい人にお茶を入れる時は、手間を惜しまず、時間をかけて美味しいお茶を入れるんだよ。

お茶はね、ただお茶っ葉に、お湯をかけて色を出せば良いってもんじゃないのさ。

お湯の温度とお茶の葉の広がり方で、お茶の味はずいぶん違うんだよ。

それと、急須に残ったお茶をそのままにしてると、美味しい部分が出てしまうので、急須に残ったお湯はすぐ捨てるんだよ。

二杯目にお湯を継ぎ足して飲むお茶のことを「二番茶」というのさ。

一番茶は、家長とお客様が飲むものだからこそ、私たち女は残った二番茶か三番茶を飲むもののさ。

そういうこともわからん馬鹿な女たちは、亭主に「二番茶」を飲ませるから大した出世もせずに、ウロウロしてるのさ。

お茶はね、心を込めて相手の気を上げるものだからこそ、自分の心を穏やかにして気持ちを添えて入れなさいね。

男でも先輩にお茶を入れる時があるはずだから、次男坊のお前はしっかり覚えておきなさい。

下の者が目上の人にお茶を出すのは当然だし、そのお茶の出し方ひとつで、相手を大事にしているかどうかが伝わるものなんだ。

私も小学3年生の頃から父さんに、「花嫁修行じゃなくて、人間修行に行ってこい!」と言われて、裏千家の茶道を週に一度、習いに行ったよ。

私はおてんばだったから、きっと、父さんが先を見越して行かせてくれたんだと、あとでわかったよ。

だからもし、あんたたちのお嫁さんになる人を家に連れて来たら、「最初にお茶を入れてもらえますか?」と私は聞くからね!

お茶ひとつ、きちんと入れられない女なんて、いくら綺麗でも世の中では通用しないのさ。

お茶を入れるってことは、自分の気持ちの「気」を入れて出すってことなんだよ。

覚えておきなさい。

母にいつか女性を紹介することがあったら大変だと思ったので、まずは自分で徹底的にお茶の温度とお茶っ葉の広がり方を見ながら入れてみました。

ただお湯を沸かして、急須に入れたお茶の葉にお湯を入れても美味しいお茶にはなりません。

「お水さん」を喧嘩させないようにお湯を沸かし、沸騰させずに熱くして、そおっと、そおっと、お湯を急須に少しづつ、注ぐんです。

その時に、「美味しくなあれ!」って心の中で手を合わせてお湯を注ぐんです。

急須に入ったお茶の葉の広がり具合で味は全く違うので、美味しくなるタイミングを何度も試して、やっと、母のOKが出るお茶を入れることができました。

小学1年生が全員が同じようにできるかどうかはわかりませんが、これは社会へ出て、恥ずかしくない人間の一歩なのだと、母に教わったことは貴重でした。

それからは、父親のお茶担当が私になり、父親もうまいと言ってくれたことが良い思い出です。

大切なことを教えて頂き、本当にありがとうございます、お母さん。


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