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ニワトリと喧嘩した幼稚園生

幼稚園時代は、家にいろんな動物がいたので、家族4人でそれぞれ担当を決めて養っていました。

私は「幼稚園児」だったので、冬に買ってきたニワトリの雛を家の中で育てて、春になると納屋の横に父が「ニワトリ小屋」を作り、そこに20羽のニワトリを放しました。

「もうすぐ、卵を産めると思うので、ニワトリの世話はお前がしなさい。エサと水だけやれば、卵を産むはずだから・・・。」

我が家のルールは、「働かざるもの食うべからず」ですので、私は「ニワトリの世話」、兄は「馬の世話」、母は「綿羊の世話」、父は「農業用の馬の調教」ですので、朝と夕方は家族全員が自分のご飯を食べる前に、動物の餌をあげに行きます。

猫と犬は、みんな好きなので、自然に誰かが世話をするので、特に担当は決まっていませんでした。

3歳の幼稚園児が、「ニワトリの世話」をしている家は無いので、一人で「ニワトリさん」にどうしたらいいかを聞いてみました。

20羽のニワトリは全て「メス」なのですが、会話しようとしても、後ろを向いたままで、意識を合わせてくれません。

「全く、世の中の女と同じだ!」と思って放っておきましたが、何日経っても卵を産まないので、父が私の世話のミスがないかを見にきました。

餌もある、水もある・・・・問題ないか・・・、じゃあちょっと、ニワトリを飼っている人に聞いてみるわ。

そう言って出ていった父は、「雄のトサカがついたニワトリ」を一羽、抱えて帰ってきました。

その「雄のニワトリ」をニワトリ小屋に入れた瞬間、「あっちむいてほい!」だった「メスニワトリ」は、一気にバタつき、羽根を広げ、「卵を産む場所」を確保し、必死に、卵を産もうと踏ん張っていました。

すると、1羽がポロリと産んだ瞬間、他のニワトリもポロリ、ポロリと産み始め、一気に8個の卵が生まれました。

やったあ!!今日は、卵焼きだ!!

翌日から朝飯前に、私が「卵を取りに行く役目」なので、毎日、朝のニワトリの状態をチェックするので、ニワトリも、私の顔は覚えているはずなのに、一向に、こちらの「意識」に合わせようとしません。

※メスは「自己主張」するくせに、相手に合わせない特徴は人間も同じですね。

さすがに頭に来たので、もう一度、テレパシーでコンタクトしようとすると、二段上の、木の上にいた「オスのニワトリ」が私の交信を邪魔しました。

どうして、人間が「ニワトリのメス」に通信するのか!?

お前は、このメスたちに、気があるのか?

「メスのニワトリ」は、オスがいると、自分達の命を守ってくれるとわかっているので、必死に卵を産んで、俺の為にくれるんだ。

だから、ほらみろ!

一番、でかい卵は俺が持っているんだぞ!

・・・・・・・・・・

ちょっと、頭に来ました。

「オスのニワトリ」の上から目線で話されるのも嫌だし、人間の為じゃなくて、「自分の為に卵を産んでいる」と主張するなら、何か対策をしないと、あの大きな卵を食べることはできないので、悩みながら家に戻りました。

あまりに真剣に悩んでいたのか、母に、「早くご飯を食べなさい!」と怒られるほど、じっと、卵を見つめて悩んでいました。

父に、「どうすれば動物の世界で、相手のオスに勝てるのか?」を聞くと、「どんな手を使っても相手に勝つしかない!」と一言だけ教えてくれました。

ニワトリと喧嘩しても意味ないし、武器を持って殺しても意味がない・・・じゃあ、どうすればいいんだろう・・・。

そういえば、冬の間、家の猫が「ニワトリの雛」を食べようと狙っていたのを守ったのは自分だったと思い出したので、そっと、猫を抱いて、ニワトリ小屋に入りました。

猫はニワトリが食べれるのかと興奮しましたが、私はじっと、「オスのニワトリ」を見つめて、

いいか、おい!お前!

もし、お前が俺を認めないのなら、今、この「猫」をここで放すぞ!

こいつは、凶暴なので、二、三匹のニワトリを食うと思うし、もし、お前がメスのニワトリのために戦うなら、一発でこいつはお前を仕留めるが、どうする?

その「大きな卵」を俺に分け与えるか?

それとも、お前はこの猫に食われて死ぬのか?

さあ、決めろ!!どうするんだ!!!

おい!!!オスのニワトリ!!!

・・・・・・・・・・・・・・・

もう、「オスのニワトリ」は緊張マックスで、オシッコはちびるし、体は震えているし、木の上から降りたくても動けないとテレパシーでわかったので、一旦、猫を小屋の外に出してから、自分のオシッコでベチャベチャになった「オスのニワトリ」を抱え上げて、一番、低いところに下ろしました。

震えて、オシッコとウンチを漏らした「オスのニワトリ」は、周りで見ていたメスニワトリから笑われていましたが、さらに頭に来たので、

おい!メスニワトリたちよ!!

お前たちは、一番最初に俺がヒナから世話をしたのに、その恩も返さず、餌を食べて水を飲んでいるし、毎日、適当な数しか産まないそのいい加減な生き方は、どういうことなんだ!!

そんないい加減なメス(女)は、どこに行っても通用しないから、外の猫に食わせてしまおうかな???

さあ、誰が一番、最初に卵を産むのかな?

一個も産まない奴は、今日は、あの猫の餌になるけど、いいのかな????

・・・・・・・・・・・・・・

こう思った瞬間、一斉にメスニワトリたちは、自分が卵を産む場所を確保して、必死に踏ん張りました。

産むは産むは、その数18個。

一気に、生まれた卵を見て、さあ、あとの卵を産まない二羽は、猫の餌になるのかな?

と思うと、1羽メスニワトリが近づいてきて、

私は今朝の卵を産んだニワトリです。

だから、今日はもう産めません。

それと、もう1羽産めないニワトリは、何かお腹の中で引っ掛かっているみたいで、卵を産みたくても産めないと言っています。

・・・・・・・・・・・

そんなことがあるのかと父に教えて、見てもらうと、お尻から「木の枝」みたいのが飛び出していたので、二人で引っ張って、「木の枝」を抜きました。

よっぽど、腹が減っていたのか、それとも腹の中の砂利の調子が悪いのかなあ?と言うと、父はお尻から指を突っ込んで、腹の中を探ってから、

「あー、貝殻が足りないんだな。」と言って、貰ってきた貝殻を金槌で割って、「これを餌に混ぜて、食わせておけば大丈夫だ!」と言って居なくなりました。

さすが、父!動物の対応の速さは、さすがです。

でも、もし、何かあったら世話をしている「お前の責任」だから、何か起きる前に、俺に言えよ!

それとな、猫をこの小屋に入れるなんて、絶対にダメだぞ!

あいつら猫は、どんなことがあっても、獲物を見つけたら食おうとするので、小さい隙間をこの板と金槌で打ち付けておけ!

そうしないと、あいつらは、絶対にニワトリを食べるぞ!

そんなことしないもん!!!みたいな顔して、猫はこちらを見ていましたが、テレパシーで心を読むと、自分がいなくなったら、ニワトリを食べようとしているのがわかったので、怒りました。

もし、ニワトリ1羽でも食べたら、お前の飯を1週間、食わせないからな!!

絶対に、手を出すなよ!!

普段はとても可愛い猫ですが、「本能」だけは自分でも制御できないようで、涙を流しながら、私の言うことを聞いてくれました。

・・・・・・・・・・・・・

さあ、問題は「ニワトリ」です。

オスは、プライドを失って、逃げ隠れしているし、メスは、私に卵を与えたくて、焦って餌を食べ、水をガブガブ飲んでいるので、こう言いました。

さあ、みんな、もうわかったでしょ!

僕は人間だけど、いろんな動物と話ができるの!

あなたたちを襲う猫も犬も、同じように僕は話せるので、みんな僕に逆らったら、「飯抜き」になるのを知っているんだよ。

だからね、そんなに焦らなくてもいいし、うちの家族は4人だから、毎日、4個か、8個生まれると嬉しいなあ。

もし、4個以上、産んでくれた分は、近所のおばちゃんたちが卵を買いに来るので、1個10円で売れるので、僕の小遣いにもなるのさ。

そうしたら、君たちにも美味しいものをあげたいんだけど、どうする?

・・・・・・・・・・・・・・

あのう、ご相談なんですけど・・・、と1羽のメスニワトリが近づいてきて、体を私に擦り付けたあと、

今の餌と水だけだと、今以上に美味しい卵はできないんです。

もう少し、野菜の屑や皮を混ぜてくれると美味しい卵が産めるので、お母さんに言って、もらってきてもらえますか?

そうなんだ!知らなかった・・・。

母にこの話をすると、「あら、そうなの、じゃあ、この捨てる予定の大根皮と葉っぱ、それに人参の皮を持っていきなさい。」とクズの野菜をくれました。

「クズの野菜」を両手で抱えてニワトリ小屋に行くと、ものすごい勢いで20羽のメスニワトリが集まってきたので、

全員、整列!

列を壊したり、横入りした奴は、一番最後まで食べられないぞ!

さあ、真っ直ぐここに並びなさい!!!

パタバタしていたメスニワトリが、スッと一列になったので、面白くて吹き出してしまいました。

持ってきた野菜を少しづつ、食べさせると、目を丸くして喜んでくれました。

今日はこれしかないけど、明日はもっと持ってくるから待っててね!と言って、毎日、畑に落ちている葉っぱの屑や、ブドウやリンゴや梨の木の葉っぱも拾って持っていきました。

でも、ネギや玉ねぎは苦いらしく、食べてくれませんでした。

それから、我が家で売る卵が「やたら美味しい」と近所で評判になったので、おばさんたちに頼んで、家で捨てる予定の野菜を持ってきてくれれば、1個、卵をおまけしますと幼稚園児の私が言いました。

ニワトリ小屋の「担当」は私なので、これには母も文句を言えません。

動物の世話をすると言うことは、「命の責任」を学ぶためですが、良いことも悪いことも、全部、「自分の責任」として考えさせる教育を私はされてきたおかげです。

だから、何が起きても、「ニワトリの命」は守ろうと思って、毎日、必死に野菜を持って行ってあげました。

・・・・・・・・・・・・・・

冬は毎日、マイナス25度以上になるので、飲む水が凍れば鉄瓶にお湯を入れて運んで行きます。

ニワトリは「水」を飲まないと、卵を産めないからです。

普通、ニワトリは5年から10年の寿命と言われて居ますが、我が家のニワトリは産む卵の数も多いし、小学校3年生の頃には、もう、十分、すぎるくらい大きな卵を産むニワトリがたくさん居ました。

でも、体が小さいニワトリや、もともと体が細いニワトリは、毎日、卵を産めないことを私にお詫びしてくれました。

「いいんだよ、誰かが産んでくれれば十分!、あまり落ち込まないでね」と励ましながら、夏を迎えました。

ある日、学校から帰ると、家と納屋の間の広い場所一面に、ニワトリが楽しそうに歩いていました。

きちんと、朝、「カンヌキ」をかけたはずなのに・・・と思っていると母が田んぼから戻ってきたので、追求すると原因は「母」でした。

仕方がないので、1羽づつ、後ろから抱き抱えて、ニワトリ小屋に戻しましたが、最後は面倒なので、3羽一気に運ぶコツを掴みました。

・・・・・・・・・・・・・・・

4歳の頃から毎日、朝食の前に卵を取りに行く生活をしていると、1匹づつの性格や体調も見ていてわかるようになり、家族と同じになりました。

小学6年生になった時、卵を産まないニワトリが増えたので、父が判断してニワトリの首をはねるオジサンを呼んだので、「納屋の裏でやって!」とお願いして、家の中に入りました。

キューーーン!!キューーーン!と「最後の叫び声」が聞こえたので、必死に耳を押さえましたが、静かになったので、外に出てみると、ニワトリオジサンがカゴに入れたニワトリを持っていきました。

夕方、父が一羽の毛を抜いたニワトリを持ってきて、調理して食べていましたが、「僕は絶対に食べない!」と言い張ると、

「食べてやって、天国へ送ってやれ!

それが、飼い主の役目だ!」

と言われたので、一口だけ食べて、祈って魂を天国に上げました。

それから一生、私はニワトリは口にしないと決めました。

10年以上、一緒に生活した動物を食べるくらいなら、僕は餓死してもいいと本気で思う人間ですので、皆さんが食べる動物が、もし、「人間」だったら食べるのかを問いたい気持ちでいっぱいです。

・・・・・・・・・・・・・・

人間は、あまりに勝手すぎます。

自分が食べるためなら、どんな動物でも食べてしまう恐ろしい動物が「人間」です・・・。

いつか、動物たちが反乱を起こして、人間を食い殺しても、動物を責めないで下さいね。

いずれ、人間は、「淘汰される運命」なのですから・・・。

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