健康保険・厚生年金保険・介護保険の平均保険料率を合計すると、2023年度で30.12%にもなります。

 

折半後の従業員負担は15.06%。所得税や地方税のほかに、額面(標準報酬月額)の15%ほどが社会保険料として差し引かれていくわけです。

国税庁の民間給与実態統計調査(2023年)によると、給与所得者1人あたりの平均年収は460万円ですから、その金額にこれら3つの保険料率を乗じると、約69万円になります。

  

 

単純に言えば、平均的な日本人は税金のほかに毎年約70万円を社会保険のために拠出していることになるのです。

保険料の上昇によって健康保険組合が維持できなくなり、解散するケースも相次いでいます。主に企業単位の健康保険組合が解散すると、従業員の健康保険は「協会けんぽ」に移行します。協会けんぽには現在も約1兆2000億円の公費が投入されており、組合の解散が増加すると、この公費負担も増大しかねません。

高齢者の増加はこれからも続きます。

医療費の増大をどう抑制するか、現役世代の負担をどう抑制するか。2000年代に入ってずっと議論されている社会の大課題は、今も根本的な解決策を見いだせないままです。

 

フロントラインプレス
「誰も知らない世界を 誰もが知る世界に」を掲げる取材記者グループ(代表=高田昌幸・東京都市大学メディア情報学部教授)。2019年に合同会社を設立し、正式に発足。調査報道や手触り感のあるルポを軸に、新しいかたちでニュースを世に送り出す。取材記者や写真家、研究者ら約30人が参加。調査報道については主に「スローニュース」で、ルポや深掘り記事は主に「Yahoo!ニュース オリジナル特集」で発表。その他、東洋経済オンラインなど国内主要メディアでも記事を発表している。