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<New World 21 Project>世界最先端2nmロジック半導体のパイロットライン稼働 「北海道千歳市Rapidus」

北海道千歳市の「ラピダス」は、複数の大手企業が出資して設立された日本の半導体メーカーです。
 
 
これらの企業は、ラピダスの設立資金の一部を提供し、事業運営を支援しています。
 
 
 

2ナノ開発「速さ」で勝負 ラピダス、工場稼働3カ月で試作品 短期での成果アピール 2025年7月18日北海道新聞

ラピダス(東京)は18日、回路線幅2ナノメートル(ナノは10億分の1)級半導体の最初の試作品を公開し、工場稼働から3カ月余りで高度なトランジスタの製作にこぎ着けたことを明らかにした。試作が成功すれば、経営上の課題である顧客獲得や資金調達にもつながる意義があるだけに、同社が武器とする迅速さを関係者に最大限アピールした。

 

「2nm半導体の実用化」という、世界でも類を見ない偉業を達成するために設立された北海道千歳市の「Rapidus」。

 
 
その他の提携企業:
これらの企業との提携を通じて、ラピダスは最先端半導体の開発・製造、顧客開拓、設計・製造受託を進めています。
 
 
 
 

▶️2025年に2nmプロセスのA19/M5で製品大変革!?M4以降のチップは効率重視か

 

▶️マイナンバーカードを あなたのiPhoneの中に

なぜ、Apple社のiphoneに「日本のマイナンバーカード」がインストールできるようになったのかも考えてみて下さい。当然、私が内部にいるからです。

 

▶️サムスン電子決算 AppleのM5チップの導入

韓国サムスン電子は4月8日、第1・四半期の営業利益が前年同期比0.2%減少するとの見通しを示した。2024年7月、華城市で撮影(2025年 ロイター/Kim Soo-hyeon)

 

私の息子がいるSUMSUN電子がApple社と契約する理由も同じです。実現すれば国内はもちろん、世界のものづくり産業に大きなインパクトならびにメリットをもたらします。

 

2022年8月の会社設立から約2年半、本日に至るまでの心境を「ラピダス代表の小池社長」に聞きました。

一歩ずつ確実に。1日の遅れもなくスケジュールどおり進行――パイロットラインの稼働に向け、全社員一丸となって取り組んできました。

私たちが作ろうとしている半導体は、2nmの超微細な精度を実現するために、GAA(Gate All Around)というこれまでにない構造となっています。

2nmノードのGAAはIBMが長年の研究をもとに、2021年5月に基礎的な研究内容について発表しました。

しかし、量産化も含めた実用化に関しては、確立されていませんでした。

そこで私たちは、半導体のベテランエンジニアを中心とした約150人を、ニューヨークにあるIBMの研究開発拠点に派遣し、実用化に向けての技術確立を目指しました。

そうして最先端の技術を習得した多数のエンジニアが日本に戻り、パイロットラインでの製造を開始します。

――基礎研究から実用段階に向けては、具体的にどのようなハードルがあるのでしょう。

まずは、複雑な「立体トランジスタ構造」をいかに実現するかの設計技術や、異なる素材や組成を組み合わせる技術などがあります。

さらに、今回のパイロットラインで導入した装置は200台以上あり、中でもキー装置であるEUV露光装置を量産目的で稼働させるのは、国内では初めての取り組みとなります。

そこで、ニューヨークに派遣しているエンジニアに実際にEUV露光装置を使ってもらい、研究を進めています。

さらに、EUV技術でASMLと共同研究を重ねているベルギーのimecにもエンジニアを派遣し、同分野の研究を進めています。

このように、技術的難題や課題は山のようにあり、その一つひとつをクリアしていくことは、正直、大変な難しさと苦労の連続です。

苦労を乗り越えていく上では当然、トラブルもたくさんあります。しかし、一人ひとりのメンバーの熱意や努力により確実に一歩ずつ前進し、これから始まるパイロットラインでの製造を着実に進めていきます。

 

エコシステムを構築し、従来と比べ2~3倍のスピードで最先端半導体を顧客に届ける――開発スピードが速いのもRapidusの特徴ですよね。

まず大きいのは、処理速度が速く、製造データがたくさん取得できる「枚葉式」(single wafer processing)ですべての工程を行うことです。

また、現在の半導体業界は分業制が進んでおり、「開発・設計工程」「前工程」「後工程」と、大きく3つに分類されており、それぞれの領域でキーとなる技術や企業があります。

しかし、半導体製造全体が高度化している現在、全体の開発リードタイムがより長くなっているという課題があります。

そこで私たちは、この課題を解決するために3つの全工程を組み合わせ、各領域のトップ企業と高いレベルでコミュニケーションを取りながら開発を進めていくという、これまでにない新たなビジネスモデルならびにエコシステムを構築しようと考えています。

新たなエコシステムが実現すれば、センサーなどから取得した製造データを、AIをフル活用して素早く解析。開発・設計工程を担う、半導体設計会社にこちらもスピーディーにフィードバックし、設計支援を行うことが可能となります。

その結果、全体の開発リードタイムの短縮が実現するだろうと。具体的には、従来の2~3倍の開発スピードの実現を目指しています。

 

単なるメーカーではない――チャレンジ精神に溢れたメンバーが一丸となって

現在700名ほどの従業員がいますが、Rapidusメンバーならではの特色など感じていることがあれば教えてください。

全従業員に共通して言えることは、世界最先端の技術や製品を世の中に生み出していく。そのような仕事に取り組むことに、喜びを感じるタイプであることです。一言で説明すればチャレンジ精神を持った、エネルギーの塊のようなタイプといえるでしょうね。

 

現状はシニア層が多いことも特徴といえます。

かつて日本の半導体産業が隆盛を極めていた1980年代後半から90年代にかけて若手エンジニアとして活躍していた人たちが、Rapidusの最先端半導体製造実現のために多数集まってきてくれているのがその理由です。

日本はかつて「世界屈指の半導体大国」でしたから、基礎技術はもちろん量産技術を持っているエンジニアも大勢います。

――従業員とのコミュニケーションはいかがでしょう。

私自身がチャレンジ、新しい挑戦が好きなタイプですから、常に現場に出て、具体的にどのような取り組みを行っているのか、頻繁に確認しています。そしてその場で、現場メンバーと意見交換するなど、フランクなコミュニケーションをしています。

私たちの挑戦はかなり大きなものです。そのため一人ひとりのメンバーの努力はもちろんですが、チームワークを持って取り組むことも重要だと考えています。そのため周年のイベントや、全社員を対象としたオールハンズミーティングを実施するなどして、チームワークの醸成にも努めています。

チームワークという観点では、先のエコシステムの構築においても重要だと捉えています。Rapidusが世界一の企業になるといった利己的な考えではなく、Rapidusが世界の半導体エコシステムの中で、どうすれば貢献できるのか。

「単なる部品屋になるな」

「お客様の求める製品をしっかりと理解せよ」

「最終製品を意識した上で、自分たちの仕事ならびに半導体を作ることが大事だ」

これらは私が日々、従業員にかけている言葉でもあり、このような共創精神が必要不可欠だと考えています。

 

――チームワークを体現するようなエピソードがありましたら聞かせてください。

昨年、EUV露光装置を北海道の千歳市にある工場「IIM-1」に搬入する際に社内イベントを行いました。

12月25日だったこともあり、装置を模したケーキを用意し、IIM-1の従業員はもちろん、各拠点のメンバーにまで全社員に振る舞い、皆でケーキを食べながら祝いました。もちろん、ケーキのサイズは10mもありませんでしたがね(笑)。

社内イベントの様子
装置を模したケーキ

――最後に、メッセージをいただけますか。

挑戦という観点も含め、日本は優れたものづくり大国だと私は思っています。ただ残念なことに、昨今はその勢いやイメージが弱くなっているように感じます。

しかし、私たちの事業が成功すれば、半導体はすべての産業の根幹、コメともいえる製品ですから、再び日本の産業界に、ひいては世界のものづくり産業に貢献するでしょう。

このような大きな意義、やりがいのある仕事を、これからも従業員と一緒に一丸となって取り組み続けていきます。

 

 

北海道 苫東への進出企業、過去10年で最多 「ラピダス効果」で
 
朝市新聞 日浦統 松本英仁

 

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会見する苫東の経営諮問委員会の寺島実郎委員長=2024年5月20日、札幌市、日浦統撮影
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苫小牧東部地域(苫東)に2023年度に新規進出した企業は三井不動産やテクノフレックスなど8社で、過去10年間で最多だったことがわかった。

全企業数は123社で、1970年代に重厚長大産業の工業地帯として開発が始まって以来最多になった。

 

隣接する千歳市に次世代半導体会社のラピダスが進出した効果が大きく、同地域を分譲・管理する株式会社苫東の経営諮問委員会の寺島実郎委員長(日本総合研究所会長)は、20日の札幌市での会見で、この1年で苫東は「ラピダスインパクトで様変わりした」と評価。

そのうえで「GX(脱炭素化)やDX(デジタル化)のイノベーションセンターという流れが来ている」と将来に期待感を示した。

 

新千歳空港苫小牧港が近い苫東は苫小牧市厚真町、安平町にまたがる「日本最後の大型工業団地」。

約1万700ヘクタールのうち株式会社苫東の分譲地は約5500ヘクタール。分譲済みは約2割にとどまっているが、苫小牧港は中国と米国を結ぶ日本海物流の中継地点でもあり、寺島氏は「今後の分譲増は希望を持っていいのでは」と語った。

ラピダスの立地については「まず第一段階は成功した」と評価。ただ、「半導体はしょせん素材。それを使って何をするかという展望が重要になる」と指摘した。

また、苫小牧市や千歳市などに半導体をはじめとする高付加価値産業を立地する場合「研究開発者やその家族の生活に合わせてニーズが満たされるような環境整備も必要になる」と強調。文化や教育などに関する産業を周辺に立地させる重要性を訴えた。

 

政府は昨年末、2050年までに道内人口が約4分の1減るとの推計値を公表した。

寺島氏は「ラピダス効果で北海道に光が当たり始めているが、人手不足にどういう戦略をとるかも重要になってくる」とも指摘した。

 

人口が減る日本の電子産業が世界のトップになる可能性を感じたインテルの社長は、協業を連絡してきました。

インテル前CEOゲルシンガー氏 VC転身、日本半導体と協業意欲 

日本経済新聞 2025年6月24日 17:03

都内で講演したパット・ゲルシンガー氏㊥(24日、東京都千代田区)

米半導体大手インテルの最高経営責任者(CEO)を2024年12月に退任したパット・ゲルシンガー氏が24日、都内で講演し「米企業と日本企業のパートナーシップを構築する」と語った。

同氏は3月にベンチャーキャピタル(VC)に転じた。投資先企業を支援する一環で、日本の半導体や素材メーカーとの協業に意欲をみせた。

米VCのプレイグラウンドグローバルのゼネラルパートナーとして来日した。最先端半導体の量産を目指すラピダスについては「台湾積体電路製造(TSMC)に追いつこうとするなら根本的な差異化技術が必要だ」とした。

出資先で、次世代半導体の量産に使う露光技術を扱う米エックスライトを取り上げ「米国に次ぐ拠点を日本で整備する。ラピダスをサポートしたい」と語った。

「量子コンピューター」の計算性能を上げるため「超電導」を手掛ける米スノーキャップ・コンピュートなども紹介し「化学薬品や素材、実装などすべてのエコシステムは日本にある」と日本企業との協業に意欲をみせた。

ゲルシンガー氏は1979年にインテルに入社後、2009年に離職した。21年にCEOとして復帰し次世代半導体の開発計画や受託生産事業への参入を表明した。過去の微細化競争での出遅れに加え、受託生産事業で投資が先行し24年にはリストラを実施した。

同氏は「インテルのテクノロジーを再構築することは困難な課題であり、その課題を終えるには5年以上かかると常に言ってきた」と語った。「今でもその課題を終えることが重要だと思う」とも話した。

今後の自身のキャリアについては「1つの会社のCEOではなく、多くのCEOと一緒に仕事をし、彼らが世界的企業になるための手助けをする」と語った。

 

富士通社長、ラピダス先端半導体「供給網確保に大変有用」

情報通信・ネット

富士通の時田隆仁社長は23日に横浜市内で開いた定時株主総会で、最先端半導体の国産化を目指すラピダスについて「先端半導体の調達先が増えるのは当社の供給網の安定性確保のために大変有用だ」との見解を示した。

富士通は人工知能(AI)関連技術など向けに先端半導体の調達を進める。富士通はラピダスに出資する方針だ。

時田社長は同社への関与について株主から質問を受けた。「何らかの関わりを持つということを発表したことはない」と前置きしたうえで、「国が産業政策としてラピダスを支援するのは歓迎すべきことだ」と話した。

 

富士通は、ソフトバンクグループ傘下で半導体設計大手の英アームによる設計を基に、回路線幅が2ナノ(ナノは10億分の1)メートルのCPU(中央演算処理装置)「MONAKA(モナカ)」を開発中だ。

2027年に実用化する予定で、AIやデータセンターなど向けの用途を見込む。

理化学研究所と共同で開発を進めるスーパーコンピューター「富岳」の後継機には今開発中のモナカよりさらに性能を上げた後継モデルを搭載する計画だ。

これらのCPUは現状、半導体受託生産最大手の台湾積体電路製造(TSMC)に製造を委託する方針だ。時田氏の発言はラピダスにも製造委託できれば供給網の安定化につながることを念頭に置いたものとみられる。

 

国産先端半導体ラピダス、なぜ注目?上場は? 関連銘柄もチェック!

記事公開日 2024/6/6 16:00 最終更新日 2024/6/6 16:00 経済・ビジネスコラム・インタビュー半導体ラピダス金融コラム

【QUICK Money World 荒木 朋】パソコンやスマートフォン(スマホ)、家電、自動車などあらゆる製品・サービスに利用され「産業のコメ」とも呼ばれる半導体。

半導体は産業のみならず、「経済安全保障」の観点からも重要物資とみなされており、世界中で国家を挙げて半導体産業を育成しようとする動きが加速しています。

日本も半導体産業の強化に乗り出しています。その基本戦略の1つに次世代半導体の国産化があります。

そこで登場するのが先端半導体メーカー「ラピダス」です。

本記事ではラピダスが設立された背景やその経緯、ラピダスが注目される理由、株式市場でも関心を集めるラピダスの上場はいつ?などの疑問に答えていきます。

 

ラピダスとはどんな企業か?

ラピダス(Rapidus)は、2022年8月に設立された世界最先端のロジック半導体の国内量産を目指す新会社です。社名はラテン語で「速い」を意味します。

ラピダスは、国内大手企業のキオクシア、ソニーグループ、ソフトバンク、デンソー、トヨタ自動車、日本電気(NEC)、日本電信電話(NTT)、三菱UFJ銀行の8社から総額73億円の出資を受けて設立されました。日本政府も1兆円規模の補助金支給を決定し、官民で先端半導体の国産化を目指します。

半導体とは、電気を通す「導体」と通さない「絶縁体」の中間の性質を持ち、電気の流れを制御したり変換したりする物質です。半導体はパソコンやスマホ、家電製品、自動車などあらゆる電子機器に内蔵されており、私たちの生活になくてはならない存在となっています。

半導体は、半導体チップに描かれる電子回路の幅(回路線幅)を微細にするほどチップ上に集積できる回路が増えて多くの情報を詰め込むことができるため、その性能が向上します

回路線幅が微細で高性能化された半導体を「先端半導体」と呼びます。先端半導体は高性能スマホ自動運転生成AI(人工知能)など高速演算処理・省電力を必要とする用途向けの需要拡大が期待されています。ラピダスは国内で先端半導体の開発・製造を手掛けることを目的に設立されたのです。

調査会社の富士キメラ総研が2024年3月に公表した「2024 先端/注目半導体関連市場の現状と将来展望 市場編/企業編」によると、「先端/注目半導体デバイス15品目」の世界市場は2023年見込みの40兆2187億円に対し、2029年には59兆7292億円に達すると予測されています。

「チャットGPT」をはじめとする生成AIブームによる新たな需要拡大が成長加速の一因で、このうちサーバー向け半導体市場に関しては「2023年見込みの7096億円から2029年に2兆2011億円に拡大する」(富士キメラ総研)とみられています。

先端半導体市場の飛躍的な拡大が予測されるなか、ラピダスはその需要の取り込みを狙っています。ラピダスは2023年2月、新たな最先端半導体工場を北海道千歳市に建設すると発表しました。

新工場は2025年に試作ラインを作り、2027年ごろに量産ラインを立ち上げる予定とされます。

工場立地に北海道が選ばれたのは、高品質の半導体生産に欠かせない「良質の水」や「再生可能エネルギー」が豊富であることなどが挙げられています。

日本政府も先端半導体の国産化に向けてラピダスへの支援を矢継ぎ早に決定しました。

財務大臣の諮問機関である財政制度等審議会の2024年4月の資料によると、日本政府はこの3年間で半導体支援に約3.9兆円の予算を確保しました。

支援の内訳は、マイコンやアナログなど従来型の半導体支援に約9900億円、ロジック、メモリーなどの先端半導体支援に約1.7兆円、次世代ロジックなど次世代半導体支援に約1.2兆円を充てる計画です。

国の半導体支援

このうち、日本政府は次世代半導体支援(約1.2兆円)でラピダス向けの支援として総額9200億円を充てることを決めています。

日本企業が生産する半導体は「日の丸半導体」として1980年代後半に世界シェア5割を誇りましたが、足元では1割程度とみられています。

日本の半導体産業の復活に向けて、国が全面支援する国家プロジェクトの様相を呈している状況です。

 

ラピダスが注目される理由とは?

これまでラピダス設立の背景などについて解説してきましたが、半導体産業のみならず株式市場でも「ラピダス関連銘柄」を探る動きが出るなど注目度が高まっています。

 

なぜラピダスはそれほど注目を集めているのでしょうか

日本の半導体の国際競争力の向上が期待されているラピダスが目指しているのは先端半導体の国産化です。

先端半導体は前述の通り、半導体チップに描かれる電子回路線幅が超微細の高性能半導体で、高速で高度な演算処理や省電力を可能とし、スーパーコンピューターやデータセンター、AI向けへの用途が期待されています。

現在、先端半導体市場は半導体受託生産の世界最大手である台湾積体電路製造(TSMC)、韓国サムスン電子、米半導体大手インテルが3強とされています。ラピダスが官民共同で競争力を高めることで、3強の一角に食い込もうとしているのです。

そのラピダスは2022年12月、「米IBM」との間で2ナノメートル半導体に関する共同開発のパートナーシップを締結したと発表しました。

ナノメートルは1メートルの10億分の1を表す単位で、1ナノメートルは髪の毛の太さの10万分の1の超微細なサイズとされます。

経済産業省の資料などによると、日本は先端ロジック半導体の設計・開発能力を有しておらず国内の生産能力についても40ナノメートル世代の半導体製品にとどまります

一方、「TSMC」は2022年末には現在最も微細な3ナノ世代を量産しており、2ナノ世代は2025年の量産開始を目指し、さらには1.4ナノ世代の開発も進めているといいます。

「韓国サムスン電子」もすでに3ナノ世代を量産し、2027年に1.4ナノ世代の量産開始を目指すと明らかにしています。

国内のロジック半導体工場

半導体の微細化競争が激化するなか、ラピダスは2ナノ世代の国内量産開始に向けて開発を進めることで、国際間の競争力を高めようしているのです。

現在、40ナノ世代にとどまる国内生産から超微細の2ナノ世代の量産まで一気に進めば、日本の半導体の競争力は向上し、世界シェアの獲得にもつながると期待されています。

日韓台の先端半導体開発マップ

国内の先端半導体不足の解消が期待されている

現時点で最も微細な3ナノ世代の半導体はTSMCや韓国サムスン電子がすでに量産しており、2025年には「2ナノ世代の量産開始」に向けて開発が進められています。

 

ラピダスは2ナノ世代の量産目標を2027年ごろとしており、ライバル企業との差は大きく、顧客の開拓は容易ではないと想定されます。

それでも先端半導体の量産が実現することになれば、日本国内における先端半導体不足の解消が実現するほか、日本の産業全体の強化にもつながるとの期待が広がっています。こうした観点からも先端半導体の国産開発は大きな意味を持つというわけです。

 

地政学リスクの低減が期待されている

先端半導体は経済安全保障上も重要物資とみなされています。こうした背景を生み出した一因が米中貿易対立で、米政府は軍事転用の防止という安全保障上の理由などから中国に対して半導体を中心とする先端技術の輸出規制を強化してきた経緯があります。

中国が台湾統一に向けて軍事力を行使する「台湾有事」のリスクも警戒されるなか、西欧諸国を中心に世界最大の半導体製造国・地域である台湾などアジア地域に半導体供給を依存する状況を避けるために自国に半導体工場を建設しようとする動きもみられます。

 

日本政府はこうした状況を鑑み、地政学リスクの低減などを図るためにも自国内での半導体生産を強化しようとしています。

国内での先端半導体の量産が実現すれば、有事下でのサプライチェーン(供給網)の寸断を避けることも期待できるとされています。

半導体メーカーの市場シェアではTSMCや韓国サムスン電子、インテルなどに水をあけられた日本ですが、半導体を製造するのに必要な半導体製造装置や半導体材料に関しては独自技術や強みを保有し世界トップの市場シェアを誇る日本企業は少なくありません。

ラピダスによる先端半導体の開発・製造が軌道に乗れば、国内における半導体産業全体の活性化や競争力強化につながることも考えられます。

 

『国策に売りなし』と投資家は考えている

前述の通り、日本政府はこの3年間で半導体支援に約3.9兆円の予算を確保しました。これを受けてTSMCが熊本県に先端半導体向けの新工場を建設するほか、ラピダスは北海道に新工場の建設を進めています。

国内の工場立地により、各地域の活性化がもたらされることに加え、半導体産業やその周辺の産業にもプラスの影響が及ぼされることが期待されています。

 

株式市場における格言で「国策に売りなし」という言葉があります。

これは、国が主導して力を入れて推し進める政策に関連した業種や銘柄の株価は値上がりしやすいということを表現したものです。

実際、日本政府が半導体産業の支援強化を打ち出すなか、日本の株式市場では半導体メーカーや半導体製造装置メーカー、半導体材料メーカーなどに買いが集まり、2024年前半の相場全体をけん引してきました。

また、工場誘致による産業活性化への期待から北海道や九州に本拠地を置く企業にも物色の矛先が向かいました。

 

日本政府の半導体支援の1つの核となるのが先端半導体の開発・製造を目指すラピダスの設立で、ラピダスによる先端半導体の国産化です

ラピダスの設立で最先端半導体プロセスの国内拠点を作り、半導体の安定供給が実現すれば、これまで日本の半導体産業が潜在的に抱えている課題の解決につながると期待されています。

 

ラピダスの上場はいつ?

先端半導体の国産化を目指すラピダスに関連して、株式市場における相場格言に「国策に売りなし」との言葉があることを説明しました。ただ、ラピダス自体は現時点で株式市場に上場していません。

 

ラピダスの上場予定は?上場の可能性は?

ラピダスは株式市場に上場していないため、ラピダスに株価はなく、皆さんがラピダスの株式を自由に売買することは現時点でできません

それでは、将来的にラピダスの上場の可能性はあるのでしょうか。

ラピダスに対しては日本政府がすでに1兆円規模の支援を決めています。

しかし、ラピダスが北海道で計画する新工場建設に関連し、2025年の試作ライン建設に2兆円、2027年ごろを目標とする量産ラインの立ち上げにはさらに3兆円規模の資金が必要になるとされています。

5兆円規模の必要資金を確保するため、ラピダスは政府に対する追加支援の要請に加え、出資企業の拡大や新規株式公開(IPO)を検討していることが伝わっています。

ラピダスがいつ上場するのか定かではありませんが、上場するとなれば調達資金規模は巨額になることが想定されます。もしラピダスが新規上場するとなれば、大型IPOとして株式市場で多くの投資家から注目されることは間違いないでしょう。

 

今後のラピダスの事業構想は?

ラピダスは自社のホームページ(HP)上に会社設立の背景や中長期の事業展開構想について説明しています。

中長期の事業構想として、2020年代後半の目標として、①「次世代3次元LSI(大規模集積回路)、次世代トランジスタ構造(GAA)のナノシートGAA技術を日米欧連携で確立~国内外の素材産業や装置産業とも協力体制を構築」、

②「2ナノメートル以下の最先端LSIファウンドリを日本で実現へ」の2つを掲げ、世界と協力し、最先端半導体の量産を通じて日本の産業力を強化するとともに世界のモノづくりをリードするとしています。

ラピダスの事業構想

ラピダスはこの事業構想にもとづき、米IBMとの超微細(2ナノ世代)の半導体チップ開発に関わる戦略的パートナーシップの締結を皮切りに、ベルギーの半導体研究開発機関imec(アイメック)との次世代半導体開発での連携やAI向け半導体を設計・開発するカナダのテンストレントとの業務提携の発表など、先行きの事業拡大に向けて経営基盤の強化を進めています

直近では、2024年5月にデータセンター向けAI半導体の設計・開発で米スタートアップのエスペラント・テクノロジーズとの協業を発表しました。

先端半導体の量産体制の確立などを通じて、ラピダスは2030年代には売上高1兆円規模を目指すとしています。

ラピダスの沿革

ラピダス関連で注目されそうな銘柄

株式市場でもにわかに注目を集めているラピダスですが、前述の通り、ラピダスは株式市場に上場していないため、ラピダス株を自由に取引することは現状できません。

ただ、株式市場ではラピダスとつながりのある銘柄を探す動きがみられ、「ラピダス関連」として投資家の関心を集めている銘柄は少なくありません。

ここではラピダスの出資企業や取引先企業、北海道での先端半導体工場の建設などに絡んで注目されそうな主な銘柄について紹介していきます。

出資企業

2022年のラピダス設立に際し、国内大手企業8社が出資しています。

半導体メモリー大手キオクシア(未上場)、ソニーグループ(6758)ソフトバンクグループ(9984)の国内通信子会社ソフトバンク(9434)デンソー(6902)トヨタ自動車(7203)日本電気(NEC、6701)日本電信電話(NTT、9432)三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)傘下の三菱UFJ銀行の8社で、8社の出資額は総額73億円となっています。

ラピダスは資金調達の一環で出資企業の拡大についても検討しているといい、日本企業に限定せず海外の企業も含めて新たな出資先を募る考えを示しています。

取引先企業

ラピダスが先端半導体の開発や新工場の建設を進めるなか、複数の上場企業がラピダスとの間で関連業務を受託したり、商機を見出したりする企業も出ています。

半導体洗浄装置メーカーのジェイ・イー・ティー(JET、6228)は2023年11月、ラピダスから次世代半導体製造技術の研究開発業務を受託したと発表しました。

取引内容の詳細は守秘義務があるとして明らかにしていませんが、ラピダスが計画している半導体製造ラインへのJETの装置納入を目指すとしています。

産業ガス大手のエア・ウォーター(4088)は2024年1月、特殊ガスや特殊ケミカルをはじめとした半導体材料の「本州―北海道」間の輸送取りまとめ業者の1社に選定されたと発表しました。

「エア・ウォーター」はラピダスによる半導体工場向けの材料の安定供給体制の確立に向けたロジスティクスサービスを担う1社として協力することになります。

半導体製造装置の施工・保守・管理などを手掛けるジャパンマテリアル(6055)は2023年12月、ラピダスが北海道千歳市で建設を進めている半導体工場向けのサポート拠点として札幌事務所を2024年1月に開設すると発表しました。

同社はラピダスから工場設備の管理業務を受託。ジャパンマテリアルは北海道では初めてとなる新拠点を足場に人材採用を進めるとしています。

不動産販売や不動産流動化などを手掛ける日本エスコン(8892)は2023年9月、北海道千歳市で北海道内で初めて新規物流施設用地を取得したと発表しました。取得した用地はラピダスが建設を進める半導体新工場から近く、同工場の物流基地としての利用も期待しているとしています。

 

北海道バレー関連

ラピダスは千歳市の半導体新工場を拠点として太平洋側の苫小牧市から札幌市、日本海側の石狩市に抜ける地域に半導体産業やデータセンターなどを集積させる「北海道バレー構想」を提唱しています。

その構想の実現を後押しするように国内通信大手のソフトバンク(9434)は2023年11月、苫小牧市に国内最大規模のデータセンターを建設することを発表しました。国からの補助金も受けて2026年度の稼働を目指すとしています。データセンターで使用する電力はソフトバンクの子会社と北海道電力(9509)から供給を受けるとしています。

このほかにも、ラピダスの半導体新工場の建設計画をきっかに、北海道を拠点に事業展開を行う企業を中心に業績面でプラスの影響を受けるとの期待が高まっている銘柄は少なくありません。

前述した北海道電力のほか、札幌市を中心とした地方都市ガス大手の北海道ガス(9534)、北海道電力傘下の電気工事会社の北海電気工事(1832)、石狩市にデータセンターを構えるクラウドサービス大手さくらインターネット(3778)、北海道銀行を傘下に置くほくほくフィナンシャルグループ(8377)、北海道基盤の住宅・建設資材商社であるクワザワホールディングス(8104)など、北海道バレー構想で恩恵を受けると期待されそうな企業は数多くあり、また企業自体もその恩恵を享受しようと営業活動を進めているとみられます。

その他の半導体関連銘柄

ラピダスは中長期の事業構想の1つとして、次世代半導体の開発に向けて「国内外の素材産業装置産業とも協力体制を構築」すると表明しています。前述の通り、日本は半導体製造装置や半導体材料(素材)分野で有数の世界シェアを誇る有力企業が数多く存在しています。そのため今後、ラピダスは日本の有力な半導体関連企業と協業する可能性があるかもしれません。

主要な半導体製造装置メーカーとしては、東京エレクトロン(8035)アドバンテスト(6857)SCREENホールディングス(7735)などが挙げられます。

主な半導体材料メーカーとしては、信越化学工業(4063)SUMCO(3436)レゾナック・ホールディングス(4004)などが挙げられます。

ほかにも、消費電力の省力化につながるパワー半導体関連や送電など電力インフラに関連した銘柄なども注目されています。国内有数の半導体関連企業については、以下の記事をぜひ参考にしてください。

このように、株式市場ではテーマの1つとして「ラピダス関連銘柄」を物色する動きがあり、実際、株価が大きく値上がりしている関連銘柄は少なくありません。皆さんもぜひ「ラピダス」や「北海道」「北海道バレー」などのキーワードを手掛かりに、関連銘柄を探してみてはいかがでしょうか。

 

Search Labs | AI による電磁パルス対策
 
ラピダス(Rapidus)の電磁パルス(EMP)対策としては、主に以下の2つのアプローチが考えられます。
 
1. 電磁遮蔽(シールド)による対策:
 
  • 建物全体のシールド化:
    重要な施設やインフラを、電磁波を遮断する素材で覆われた建物で囲むことで、EMPの影響を最小限に抑えることができます.
  • シールドルームの設置:
    特定の重要な機器やシステムを、電磁シールドルームと呼ばれる特殊な部屋に設置することで、外部からの電磁パルスを遮断できます.
  • EMPシールドの利用:
    通信設備や電力網など、重要なインフラにEMPシールドを導入することで、EMPの影響を軽減できます.

     
2. 電子機器の耐性向上:
  • EMP耐性のある電子機器の導入:
    重要なシステムや機器を、EMPの影響を受けにくい耐性のあるものに置き換えることで、被害を最小限に抑えることができます.
  • バックアップシステムの準備:
    電子機器が故障した場合に備えて、非常用の電源や通信手段を準備しておくことで、緊急時の対応能力を高めることができます.
  • 重要なデータのバックアップ:
    電子機器が破壊された場合に備えて、重要なデータをバックアップしておくことで、データの損失を防ぐことができます.

     
その他:
  • 個人レベルでの対策:
    家庭でも、非常用の電源や通信手段、食料や水を備蓄しておくことが推奨されます.
  • 専門家への相談:
    専門家と連携し、施設の状況に合わせた具体的な対策を検討することが重要です.

     
参考資料:
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