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北海道苫小牧市が「大規模AI拠点」になります。

豊富な再生可能エネルギーや冷涼な気候、災害リスクの低さを背景に、苫小牧市は国内のデータセンター(DC)およびAI開発の一大拠点として急成長しています。
 
通信大手やIT企業による巨大プロジェクトが次々と進められています。 
 
 
 
主な苫小牧のAI・データセンター拠点
 
 
  • ソフトバンク「北海道苫小牧データセンター」 
    • 場所: 苫小牧東部地域(苫東)
    • 特徴: 敷地面積は将来的に国内最大級の約70万平方メートルまで拡張予定の「ブレインデータセンター」です。道内の再エネを100%利用し、AI特化型の超大規模計算基盤として稼働します。
    • 稼働: 2026年度(令和8年度)に一部稼働を開始し、段階的に拡張していく計画です。

ソフトバンクが国内最大級データセンター着工、将来1千メガワットに

 

  • AI Tech Tomakomai(ATT)
  •  
    • 場所: 苫小牧東部地域(苫東)
    • 特徴: 「米エヌビディア社の最先端GPU」と「モジュール型コンテナ」を活用したAI拠点「AIファクトリー」を整備します。総事業費は約3,500億円規模となる巨大プロジェクトで、AI人材の育成センターの併設も予定されています。

 

AI Tech Tomakomai株式会社(以下:ATT)は、北海道苫小牧市において、AIファクトリー事業(以下:本事業)を開始します。

本事業は、「aiチップロードマップ」に沿った最新鋭チップを採用するため、1年以内に企画から稼働までを目指します。また、ビルディングタイプではなくモジュール型コンテナをデータセンター構築に採用しました。

データセンターの品質基準を示すティアは最上級レベルの評価を得るものです。

また、次世代産業の誘致に積極的に取り組む苫小牧市と連携し、同施設内に、AIリテラシーの向上を目的とした「デジタル人材育成センター」の開発を検討しています。詳細は今後、自治体や地元の教育機関と協議の上、決定していく方針です。

施設は2025年11月に着工し、2026年春以降10MWの稼働、2027年春以降、50MWに増設いたします。


□AIファクトリーと、これまでのデータセンターとの違い

AIファクトリーとは、生成AI及び大規模モデルのトレーニングや推論の急速な普及により、計算インフラを汎用コンピューティングから高密度な並列コンピューティングへ移行させ、データから価値を創造することを目的として、専用に設計されたコンピューティングインフラです。

従来のCPU時代と比較し、AIアクセラレータを用いたクラスタは、電力供給能力、冷却能力、ネットワーク帯域幅および遅延制御に対する要求が著しく高まっています。

そのためデータセンターの立地選定と拡張における核心的な制約は、「入手可能かつ持続可能な電力容量」「制御可能な接続周期」「安定かつコンプライアンスに適合した施設と許可」「持続可能な建設・運営コスト」に集中しています。

グローバル市場において、日本市場は、「高品質な電力システム」、「成熟した産業・通信インフラ」、ならびに「データと技術セキュリティに関するコンプライアンス要求体系」を備えており、AIファクトリー事業には最適な環境です。


□苫小牧の優位性

苫小牧市は、データセンター開発の必須条件である「電力・水・土地」のすべてにおいて、国内最高水準のキャパシティと拡張性を有しています。

冷涼な気候でありながら、降雪が少なく、運用コスト削減効果が見込まれます。

また、ラピダス社の進出により、千歳・苫小牧エリアのハイテク産業クラスタ化が進み、デジタル人材の確保や教育によるAIリテラシーの向上も期待できます。

以上のような多様な要素を網羅的に分析した結果、苫小牧においてAI ファクトリー事業を展開することといたしました。

 


□本事業の事業パートナー

Freyr Technology AI

シンガポールに本拠を置くFreyr Technology AI社は、AIをはじめとする先進技術の開発と商業化に注力し、アジア太平洋地域全体でGPUクラスタの導入およびコロケーションサービスを提供しています。

Freyr Technology AI社は、アジア有数のコンピューティング・インフラストラクチャ・プロバイダーへと急成長を遂げ、現在では9,000PFlopsを超える処理能力を有しています。事業はタイ、マレーシア、インドネシア、日本、韓国、オーストラリアに広がっています。

 

エコロミ株式会社

エコロミは、再生可能エネルギー事業の総合コーディネーターとして、全国で多数の「エネルギー地産地消事業」の実績を有しており、本事業においては、GX対応に関するコンサルティングおよび電気設備の設計・施工を担っております。

北海道では、釧路市において、マイクログリッドを構成する設備である蓄電池設備、太陽光発電設備、EMS(エネルギーマネージメントシステム)を導入しています。


□データセンターの概要

名称: (仮)苫小牧AIファクトリー

所在地: 北海道苫小牧市字柏原32-17

敷地面積: 約10ha

建物構成: モジュール型コンテナタイプ

受電容量: 50MW

着工: 2025年11月

稼働開始: 2026年春以降


□AI Tech Tomakomai株式会社について

aiチップのスピードと規格に合わせて、最適化されたモジュール型コンテナを開発し、日本全国に事業を展開しています。

今後2年以内に、数百MW規模のAIファクトリーを開業予定です。


代表取締役: 福岡武彦

所在地 東京都大手町1-5-1大手町ファーストスクエアビル4階

 

AIファクトリー事業を苫小牧市で本格始動いたします。デジタル人材育成センターの開発も視野に入れています。

  • ゲットワークス「美沢の杜AIコンテナパーク」
    • 場所: 苫小牧市美沢
    • 特徴: コンテナ型のデータセンターを整備し、最先端のAI学習環境を企業などに提供します。 [1]
 
なぜ苫小牧が選ばれているのか
 
  1. 豊富な再生可能エネルギー: 太陽光や風力など、データセンター稼働に欠かせないクリーンな電力を地産地消できるポテンシャルがあります。
  2. 冷涼な気候と災害リスクの低さ: サーバーを冷却するエネルギーを抑えやすく、地震などの自然災害リスクが比較的低い立地です。
  3. 優れたインフラと広大な土地: 新千歳空港に近く、大型開発が可能な広大な工業用地(苫東エリアなど)が確保できる点も強みです。

 

 

人工知能(AI)産業基地への一歩となるか――。通信大手ソフトバンクが15日、苫小牧市で国内最大級のデータセンター(DC)の建設を始めた。

太平洋側の苫小牧市から日本海側の石狩市を結ぶ一帯を先端産業の拠点にする「北海道バレー構想」の中核の一つだ。最先端半導体を試作するラピダスとともに、関連企業を呼び込むきっかけにと期待される。

「ここで最先端のAIを開発する。新しい北海道ができたんだと思ってもらえるよう努力する」。苫小牧市で開いた起工式で、ソフトバンクの宮川潤一社長はこう話した。

DCの規模は2026年度中にまず50メガワット、将来的には増設して国内最大級の1千メガワットをめざす。これまで300メガワットまでとしていたが、宮川社長がこの日、将来規模を一気に引き上げた。

1千メガワットは原発1基の発電能力に匹敵する。欧米並みの巨大DCで、宮川社長は「北海道しかつくれる場所はない」と話した。

 

データセンター地方分散の波が苫小牧へ AI需要が追い風 コンテナ型は着工からわずか半年ほどで開業

   

石狩市のさくらインターネット石狩データセンター

 

北海道バレー構想

北海道バレー構想とは、千歳市を中心に苫小牧市から石狩市にかけての道央エリアを、米国のシリコンバレーに匹敵する次世代半導体やデジタル産業の一大集積地とする開発計画です。ラピダス社の進出を起点に、2050年までに3兆円規模の経済効果創出を目指しています。

構想の核となる地域とビジョン
  • 対象エリア: 千歳市(製造拠点)、苫小牧市(物流・環境対応)、石狩市(データセンター整備など)を結ぶ縦のライン。
  • 目指す姿: 工場単体の誘致にとどまらず、素材・部品・製造装置メーカーから関連サービス企業までを呼び込み、強固なサプライチェーンとエコシステム(産業クラスター)を地域全体に構築する。

 

千歳市のラピダスを起点に、苫小牧から石狩にかけて最先端デジタル産業の集積を目指す「北海道バレー構想」。

これに伴い、陸・海・空の結節点である「苫小牧工業地帯(苫東)」は製造業や物流拠点の進出が急増し、開発可能な用地が埋まりつつある「ラピダス特需」に沸いています。

 

「日本最後の大型工業団地」と称された苫小牧東部地域(苫東)ですが、昨今の情勢は以下のようになっています。
 
 
  • 用地需要の急増: ラピダス関連の進出企業(半導体関連、医療機器、物流倉庫など)が増加しており、既存の分譲・賃貸用地はかなりの勢いで埋まっています。 [1, 2]
  • 物流拠点の建設ラッシュ: 「2024年問題」の対策として港湾近くに物流拠点を置きたい企業が増え、大型倉庫の建設や危険物ロジパークなどの稼働が進んでいます。 [1]
  • 北海道バレービジョン協議会: 北海道経済連合会や道内企業、自治体などが参加する協議会が発足し、民間主導で企業誘致やインフラ(新駅や空港滑走路の拡充など)の整備計画を推進しています

 

 
北海道バレー構想において、苫小牧を中心とする道央圏(千歳・石狩・札幌・苫小牧)の物流拠点や関連企業の動向は「半導体」「危険物」「GX(グリーン・トランスフォーメーション)」を軸に激変しています。 
 
ラピダスの試作・量産フェーズの進展に伴い、これまでの単なる「土地の分譲」から、高度な専門物流や巨大なインフラ投資へとフェーズが移行しています。主な動向を以下の3つに整理しました。 
 
1. 「危険物・化学品」に特化した倉庫の建設ラッシュ
最先端半導体の製造には、特殊な高圧ガスや化学品原材料(ハズマット)が不可欠であり、これらを専門的に管理・保管する拠点が苫小牧港周辺に急速に集まっています。 
 
  • 苫小牧埠頭のハズマット拠点:苫小牧埠頭は、半導体製造用の化学品を保管する定温危険物倉庫「北海道ハズマット・ゲートウェイ」を竣工し、稼働させています。
  • CBREによる賃貸型危険物倉庫: 不動産大手のCBREが苫小牧市内に敷地面積約12,000㎡の賃貸型危険物倉庫(4棟)の開発を推進しています。2027年1月の完成を目指し、ラピダス向け資材や蓄電池の保管を想定しています。
  • 日本通運などの大手物流進出: 苫小牧港から新千歳空港への「ダブルポート」の利便性を活かし、日本通運をはじめとする大手物流企業が、半導体製品や部材の国内外輸送を見据えた大型倉庫を続々と新設しています。
 
2. 超大手ディベロッパーの参入と長期開発
地元の物流会社だけでなく、本州発の大手ディベロッパーが長期的な産業拠点を形成するために動き出しています。
 
  • 東急不動産の大型産業拠点: 東急不動産が苫小牧東部地域(苫東)内に、物流倉庫を軸にした産業拠点を整備することが判明しました。製造業の国内回帰を見据えた「産業まちづくり事業」の一環で、2030年代前半の稼働を目指し、ラピダス周辺のサプライチェーンを長期的に支える狙いがあります。
 
3. データセンター(GX)と物流の相乗効果
北海道バレー構想は、半導体だけでなく「再生可能エネルギー」と「デジタルインフラ」がセットになっています。 
 
  • ソフトバンクのAIデータセンター: 苫小牧市ではソフトバンクが大規模なAIデータセンターの本体工事に着工しており、2026年度の稼働を予定しています。 [1]
  • 産業のデジタル化(DX): このデータセンターや石狩エリアのデータセンター群と連携し、将来的には「自動配送ロボット」や「AIを活用した一次産業・物流の最適化」の実証実験・社会実装が進む見込みです。

 

北海道バレー構想の本格化に伴い、海の玄関口である「苫小牧港」と空の玄関口である「新千歳空港」では、半導体資材・製品の輸出入や2024年問題に対応するための「貨物輸送能力の大幅な増強計画」が急速に進められています
 
2024年4月からのトラックドライバーの時間外労働の上限規制(年960時間)等により生じた諸問題
 
 
両拠点はわずか30分ほどの距離にあり、これらを一体運用する「ダブルポート」の機能強化が産学官の連携で推進されています。それぞれの具体的な増強計画と動向は以下の通りです。
 
苫小牧港:国内最大のフェリー・RORO網と港湾機能の強化
苫小牧港は内貿取扱貨物量が日本一であり、本州へのサプライチェーンを維持するためのインフラ投資が活発化しています。 
  • RORO船・フェリーの大型化と岸壁整備: 貨物取扱量の増加に対応するため、定期航路(週100便以上)を担うフェリーやRORO船の大型化が進行しています。それに合わせて岸壁の延伸や水深の確保といった港湾設備の改修が計画されています。
  • 国際コンテナ航路の利便性向上: 外貿コンテナに加え、主要港を結ぶ国際フィーダーコンテナの取扱個数が増大しています。リードタイムを短縮するための港湾手続きのデジタル化が進められています。
  • 半導体物流「北海道ルール」の策定: 北海道経済産業局が主導し、日本通運苫小牧埠頭などが参加する新たな会議体が発足しました。ラピダスの量産化(2027年目標)を見据え、特殊なガスや薬剤などの危険物を安全かつ迅速に港湾から陸送するための地域・民間共通ルールづくりが進んでいます。
 
新千歳空港:国際貨物インフラの拡張と地上支援の強化
 
国際航空貨物の拠点として、半導体関連の緊密な国際輸送や道産食品の輸出拡大に耐えうる設備投資が始まっています。 
 
  • 貨物取扱機能の強化(5カ年計画): 空港を運営する北海道エアポートが策定した2025〜2029年度の中期事業計画において、隣接地の大型産業集積(ラピダス等)に対応した貨物需要の取り込みを明記しました。貨物搭降載用の専用資機材(グラハン機材)の整備・強化が進められています。 
  • 国際貨物ターミナル(SIACT)の上屋拡張: 国際貨物を扱う札幌国際エアカーゴターミナル(SIACT)において、輸出上屋前面の荷捌きスペースを拡張する工事が行われ、生鮮品や工業製品の取り扱い品質・容量が向上しています。 [1]
  • 深夜・24時間運航の拡大と出入国体制強化: 半導体物流は24時間体制での緊急輸送が求められるため、深夜・早朝枠のさらなる活用が議論されています。同時に「新千歳空港 出入国体制強化WG」に千歳市や苫小牧市も正式参画し、物流のボトルネックとなる給油不足やグランドハンドリング(地上支援)の人手不足対策に官民で取り組んでいます。 [1]
 
陸上アクセス:JR千歳線の輸送力強化
国交省は、札幌〜新千歳空港・苫小牧方面を結ぶJR千歳線の抜本的な改修(単線区間の複線化や、空港駅の構造変更による行き止まりの解消案など)を検討しており、陸上アクセスも含めたトータルの輸送力増強が動き出しています。
 
 
 
北海道バレー構想の中核であるラピダス(Rapidus)を中心とした世界のIT・半導体関連企業や機関との提携は、「技術開発」から、2027年の量産化を見据えた「欧米での販路・顧客開拓(エコシステム構築)」へとフェーズが移行しています。
 
直近では政府の外交とも連動し、欧州の国家機関との戦略的提携が相次いで発表されています。主な動向は以下の通りです。 [1]
 
1. 欧州(英・伊)の国家機関との相次ぐ覚書締結
欧州との技術協力および将来的な現地顧客の開拓を狙い、重要な提携が相次いでいます。 [1, 2]
  • 英国半導体センター(UKSC)との連携: 英国政府が設立した半導体産業の推進機関と連携に向けた基本合意を締結しました。英国市場における顧客開拓やサプライチェーン強化、情報共有を進めます。 [1, 2]
  • イタリア「Chips-IT財団」との協力: イタリア政府が支援する半導体設計・研究のハブ機関と研究開発協力の覚書を締結しました。欧州内の研究ネットワークや企業との接続を強化します。 [1, 2]
 
2. 米国シリコンバレーでの顧客開拓と技術連携
最先端の2ナノメートル(nm)半導体の最大の買い手となる米国のメガテック・AI企業をターゲットにした動きです。 
 
  • IBMとの共同開発: 2nm技術の基礎を持つ米国IBMとは、ニューヨーク州の「アルバニー・ナノテック・コンプレックス」へ100人規模の技術者を派遣し、量産化に向けた密接な共同開発を継続しています。[1]
  • シリコンバレー拠点の活用: AI半導体の需要を直接取り込むため、米国シリコンバレーに営業・ビジネス拠点を設置し、大手IT企業を対象に60社以上と具体的な商談・交渉を重ねています。
 
3. 国際研究機関「imec」との先端プロセス連携
ベルギーに本部を置く世界最高峰の国際半導体研究機関「imec」とも強固な協力関係にあります。最先端の露光装置である「EUV(極端紫外線)リソグラフィー」の導入や、高度な製造プロセスに関する技術支援を直接受ける体制を構築しています。 
 
4. 国内大手IT・インフラ企業による出資とデータセンター連携
国内では、ソフトバンクやNTT、ソニー、キオクシア、トヨタといった日本のトップIT・製造企業8社が資本参加しています。
 
  • ソフトバンクのAIデータセンター: 苫小牧市で着工したソフトバンクの巨大データセンターなどで、将来的にラピダス製の次世代半導体が社会実装される「地産地消型」のデジタルエコシステム形成も視野に入っています。

 

千歳市には防衛省・防衛装備庁、および自衛隊に関連する非常に強固な基盤があり、これが北海道バレー構想やラピダス社の進出を支えるインフラ・安全保障の両面で重要な意味を持っています。
 
 
 
千歳市と防衛装備庁・防衛分野との関連性は、以下の3つの側面から整理できます。
 
1. 安全保障(経済安全保障)とラピダス半導体
防衛装備庁が開発を主導する最新の防衛装備品(レーダー、ミサイル誘導装置、自動操縦ドローン、AIを活用した通信システムなど)には、高度な演算処理を行う最先端半導体が不可欠です。
 
  • サプライチェーンの国内回帰: これまで最先端半導体は台湾(TSMCなど)への依存度が極めて高く、地政学的リスクが課題でした。千歳市にラピダスが立地したことで、有事の際にも防衛・安全保障に直結する次世代半導体を国内で安定調達できる基盤(経済安全保障)が確立されつつあります。
  • 次世代防衛技術への応用: 防衛装備庁が研究を進めるレールガンや電磁波兵器、自律型無人機(UAV)の制御には2ナノメートル級の処理速度が必要とされており、千歳市で製造される半導体が日本の将来の防衛技術を根底から支えることになります。
 
2. 「自衛隊の街・千歳」としての強固なインフラ基盤
 
航空自衛隊のF-2戦闘機は、米国のF-16をベースに日米共同で開発された戦闘機です。日本の地理的特性に合わせて対艦攻撃能力が極めて高く、最大4発の空対艦ミサイルを搭載できることから「対艦番長」の異名を持ちます。
 
 
 
千歳市は、陸上自衛隊(第7師団・東千歳駐屯地、北千歳駐屯地)と航空自衛隊(千歳基地)が所在する国内有数の「自衛隊の街」です。この防衛基盤が、産業誘致の大きなアドバンテージとなっています。
 
  • 新千歳空港の24時間運用と防衛: 隣接する航空自衛隊千歳基地と新千歳空港は滑走路を共有(または隣接)しており、国直轄の重要な防衛・航空拠点です。この強力な航空インフラがあるからこそ、国際物流や緊急の貨物輸送に対応でき、ラピダス誘致の決め手となりました。
  • 強靭な電力・災害リスクの低さ: 防衛上の最重要拠点として周辺のインフラ(送電網や通信網)が極めて強靭に整備されており、地震などの災害リスクが低い点も、IT・半導体企業にとって最適な環境となっています。
 
3. 先端技術の官民共同研究(安全保障技術研究推進制度)
防衛装備庁は、防衛技術にも応用可能な先進的な基礎研究を支援する「安全保障技術研究推進制度(競争的資金制度)」を運用しています。
  • 産学官連携の土壌: 北海道バレー構想に伴い、千歳市内には経済産業省と産業技術総合研究所(産総研)が主導する「最先端半導体の研究開発拠点」が2029年度の稼働を目指して整備されることが決定しています。 
  • デュアルユース(軍民両用)技術: この研究拠点や北海道大学などが連携する枠組みの中で、「民間向けのAI技術」だけでなく、将来的には「防衛装備庁のニーズ」にも合致する「デュアルユース(軍民両用)」の次世代半導体・量子技術の研究開発が進む環境が整いつつあります。

 

 

北海道バレー構想における「デュアルユース(軍民両用)」の次世代半導体・量子技術の研究開発は、防衛省・防衛装備庁が推進する「安全保障技術研究推進制度」や、経済産業省主導の「経済安全保障重要技術育成プログラム(K Program)」と連動し、国策として急速に具体化しています。
 
 
 
民間向けの商業的イノベーション(自動運転や生成AI)と、国防に必要な先端装備(自律ドローン、高性能レーダー、暗号通信)の双方を支える技術開発の動向は以下の通りです。
 
 
1. 経済安全保障重要技術育成プログラム(K Program)の連動
内閣府や文部科学省、経済産業省が主導する「K Program」では、数千億円規模の予算を投じてデュアルユース可能な先端技術の開発を支援しています。
  • 超高性能半導体の設計・製造: ラピダスが千歳市で目指す2ナノメートル以下の製造プロセスは、防衛装備品(ミサイルの自律誘導システムや次世代戦闘機の戦闘管理システム)に不可欠な超低消費電力・超高速演算半導体の基盤となります。
  • 道内研究機関の参画: 北海道大学などが持つ材料工学や電子工学の知見が、この国家プログラムの採択テーマ(先端半導体・新材料開発)と結びつき、千歳・札幌エリアでの研究投資を呼び込んでいます。
 
2. 「量子技術」のデュアルユースと産業応用
量子技術は、民間の「量子コンピューティングによる創薬・物流最適化」だけでなく、軍事的な「暗号解読」や「絶対に傍受されない通信」に直結する究極のデュアルユース技術です。
  • 耐量子計算機暗号(PQC)の組み込み: 将来的に量子コンピュータが普及した際にも破られない次世代の暗号技術を、ラピダスが製造する半導体チップの設計段階から組み込む研究が進められています。
  • 量子センシング技術: 電波が届かない水中(潜水艦)や、GPSが妨害された環境(電子戦下)でも正確に位置を測定できる「量子ジャイロセンサー」などの基礎研究において、道内の学術ネットワークと防衛装備庁のニーズの連携が期待されています。
 
3. 千歳市に整備される「産総研」新拠点の役割
経済産業省と産業技術総合研究所(産総研)が千歳市に整備を決定した「最先端半導体の研究開発拠点(2029年度稼働予定)」は、このデュアルユース研究の結節点となります。
  • 試作・検証の迅速化: ラピダスの工場(IIM)に隣接するメリットを活かし、設計した先端チップをすぐに試作・実証できる環境が整います。
  • 安全保障情報管理の徹底: 防衛技術にも応用可能な研究を扱うため、最高レベルのセキュリティ(サイバー対策・情報漏洩防止体制)を備えた官民共同のラボラトリとしての機能が想定されています。

 

 

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