ラピダスの小池淳義社長は2026年9月10日、米国での講演で、2040年ごろに月面に半導体工場を建設
月面に半導体工場を建設
構想の概要
- 時期: 2040年ごろ
- 場所: 月面
- 内容: 半導体製造工場(ファブ)の建設
- 本気度: 小池氏は「冗談ではなく、真剣な計画だ」と述べている。
理由と狙い
- 水資源の存在: 半導体の製造に必要な水資源が月面にある点を挙げている。
- 宇宙経済圏: アルテミス計画などによる月面経済圏の拡大を視野に入れている。
- 若手への期待: 高いハードルはあるものの、夢のある構想を語ることで若手技術者らの奮起を促す狙いもある。
月で行われている世界の計画
現在、世界各国や民間企業が協力・競合しながら、半世紀ぶりとなる有人月面着陸や月面基地の建設を目指す複数の大規模な月面探査計画を進めています。
主な国の月面計画
- アメリカ主導の「アルテミス計画」:NASAが中心となり、日本(JAXA)や欧州(ESA)、カナダなどが参加する国際有人月面探査計画です。持続的な月面滞在拠点の建設や、将来の火星探査を見据えた水資源(氷)の探査を進めており、日本人宇宙飛行士の月面着陸も予定されています。


- 中国の独自有人月面着陸計画:
2030年までの月面着陸を目指し、無人探査機「嫦娥(じょうが)」シリーズによる月の裏側からのサンプル採取などを着実に成功させており、米国との間で激しい開発競争が続いています。

- インドの探査計画:
無人月面探査機「チャンドラヤーン3号」が月の南極付近への軟着陸に世界で初めて成功するなど、独自の低コストかつ高い技術力で月面探査を主導しています。 
- 民間の月面着陸ミッション:
米国のインテュイティブ・マシーンズなどの民間企業がNASAと連携し、無人月着陸船による南極付近への着陸など商業ベースの輸送サービスを次々と成功させています。

世界はどうして月に行きたがるのか?
世界が今、猛烈に月を目指している(いわゆる「新・宇宙競争」)のには、「資源の確保」「科学の進歩」「経済と安全保障」という3つの決定的な理由があります。
かつての冷戦期(1960〜70年代)は国威発揚という「政治の道具」でしたが、現在の月面探査はもっと現実的で長期的な利益を見据えています。
1. 貴重な「資源」が眠っているから
月は単なる砂の塊ではなく、地球の未来や宇宙開発を支えるお宝が眠る場所だと分かってきました。
- 水(氷)の存在:
月の南極付近には膨大な量の氷(水)が存在することが判明しました。水は電気分解すれば「水素(燃料)」と「酸素(呼吸用・酸化剤)」になります。これを現地で調達できれば、地球から重い燃料を運ぶ必要がなくなります。 - 未来のエネルギー源「ヘリウム3」:
月面には、次世代のクリーンエネルギーである「核融合発電」の燃料となるヘリウム3が豊富に存在します。地球にはほとんどないため、次世代のエネルギー覇権を握る鍵とされています。 - レアメタルや鉱物:
電子機器の製造に欠かせない希少金属(レアメタル)やチタンなどが豊富に含まれている可能性が指摘されています。
2. 火星や深宇宙へ行くための「中継基地」になるから
人類の最終目標は月ではなく、さらに遠くの「火星」です。月はそのための最高の訓練場であり、ガソリンスタンドです。
- 重力が地球の6分の1:
地球から巨大なロケットを打ち上げるには膨大な燃料(コスト)がかかります。しかし、重力の小さい月面やその軌道上からなら、はるかに少ないエネルギーで火星行きのロケットを飛び立たせることができます。
3. 莫大な経済効果と「宇宙のルール作り」
現代の月面探査は、ビジネスや国のパワーバランスに直結しています。
- 宇宙ビジネスの拡大:
ロケットの打ち上げ、月への物資輸送、月面での通信インフラなど、民間企業が参入できる巨大な経済圏(月面経済圏)が生まれつつあります。 - 国際的な主導権(ルール作り)の確保:
最初に月面拠点を築いた国や地域が、月での資源開発や安全保障に関する「国際的なルール(国際法や協定)」を主導することになります。アメリカを中心とする「アルテミス協定」と、中国・ロシアを中心とする陣営が、勢力争いを繰り広げているのはこのためです。
帯広の宇宙ロケット計画の目的は?
帯広市を含む北海道・十勝地方(大樹町)で進められている宇宙ロケット計画の主な目的は、「世界中の民間企業や研究者が自由に使える商業宇宙港(北海道スペースポート:HOSPO)を整備し、この地域を“宇宙版シリコンバレー”にすること」です。
帯広市も「とかち航空宇宙産業基地誘致期成会」の事務局を務め、ロケット開発企業であるインターステラテクノロジズ(大樹町)が帯広市内に主要な製造・エンジン開発拠点(帯広支社)を構えるなど、地域一体でプロジェクトを推進しています。
この計画が掲げる具体的な目的は以下の3つに集約されます。
1. 急増する「小型人工衛星」の打ち上げ需要を掴む(経済目的)
現在、通信、気象観測、地図データなどのために世界中で小型人工衛星の需要が爆発的に増えています。
しかし、それらを宇宙へ運ぶためのロケットや発射場(宇宙港)が世界的に全く足りていません。
十勝の計画は、民間に開かれた「東アジアのハブ宇宙港」として、国内外の衛星やロケットを次々と宇宙へ送り届けるビジネスインフラになることを目指しています。
2. 「宇宙版シリコンバレー」の形成と地方創生(産業・地域目的)
ただロケットを打ち上げるだけでなく、ロケットや人工衛星の製造、データの利活用、メンテナンスを行う関連企業や研究機関を十勝圏に集積させることを目的としています。
これにより、地元の新たな雇用創出や、農業・観光といった北海道の既存産業の競争力強化(衛星データの活用など)を図っています。
3. 次世代の宇宙輸送(宇宙旅行・高速移動)の実験場(未来への投資)
将来的には、垂直に打ち上げるロケットだけでなく、滑走路から離着陸する「スペースプレーン(有人宇宙船)」の運用も想定しています。

これによって宇宙旅行ビジネスを創出したり、大樹町からニューヨークまで約1時間で結ぶような「地球規模の次世代超高速輸送(PtoP)」の実現に向けた技術開発・実証の拠点にすることも視野に入れています。
地球規模の次世代超高速輸送(PtoP)の特徴
- 移動時間の劇的な短縮: 従来は12時間以上かかっていた長距離の国際フライトなどを、約1時間に短縮することを目指しています。
- 飛行の仕組み: カーマン・ライン(宇宙の境界)付近や大気が希薄な高高度を飛行し、空気抵抗を極限まで減らして高速移動します。
- 期待される効果: ビジネスや観光における移動の概念を大きく変える、新たなサブオービタル超高速旅客輸送(Suborbital P2P Travel)サービスとして注目されています。国内でも、株式会社PassionPlanetsなどが次世代P2P輸送で12時間のフライトを1時間に短縮!を掲げて開発・研究を進めています。
北海道の十勝・帯広エリア(大樹町および帯広市)を拠点にインターステラテクノロジズ(IST)が開発を進める新型ロケット「ZERO」は、2027年度末までの初号機打ち上げに向け、エンジン開発の成功や専用発射場の完成など、実用化に向けた最大の山場を迎えています。
帯広支社が担う基幹部品の開発を含め、最新の進捗状況を以下の4つのポイントに分けて解説します。
1. エンジン(COSMOS)開発:60秒の燃焼試験に成功
ZEROの心臓部である「COSMOS(コスモス)エンジン」の開発は順調です。
- 燃焼試験の成果: 2026年4月に60秒間の連続燃焼試験に成功し、実用化に向けた高い性能(推力13トン)が実証されました。
- 最難関パーツの自社開発: ロケット燃料を送り込むための「ターボポンプ」の自社開発に成功しており、これは国内の民間企業で唯一の技術です。
- 環境配慮型の燃料: 家畜のふん尿から製造された液化バイオメタン(LBM)を燃料として採用しており、十勝の地域特性を活かした世界初の試みとして注目されています。
- 帯広支社の役割: 帯広支社はこのCOSMOSエンジンをはじめとする大型部品の「製造拠点」として機能しており、現在はZERO1段目の機体開発・製造が精力的に行われています。 [1]
2. 専用発射場「LC1」:2026年秋に完成、10月にお披露目
ZEROを打ち上げるための専用射場「Launch Complex 1(LC1)」の建設が最終局面を迎えています。
- 発射台や火炎処理道、推進剤プラントなどのコア構造はほぼ完了しており、2026年10月14日に関係者向けのお披露目式が開催される予定です。
- 周辺のロケット組立棟(VAB)なども並行して建設が進んでおり、2027年第1四半期(1〜3月)には射場全体のすべての工事が完了する見通しです。
3. 機体製造・量産体制の強化
- 推進剤タンクの試作完了: 2026年3月に、初号機に使用する実物大の「推進剤タンク」の試作品が公開されました。現在は打ち上げに向けた各種検証試験のフェーズに移行しています。
- 量産に向けた体制拡大: 打ち上げの高頻度化(ビジネス化)を見据え、設備投資や福島県、東北地方への支社開設など、部品の量産・試験体制の構築にも着手しています。
4. 初号機の打ち上げ予定と顧客獲得
- 打ち上げ目標: 射場の完成(2026年度末)と機体開発の進捗を合わせ、2027年度末(2028年3月まで)の初号機打ち上げをターゲットにしています。
- 異例の顧客獲得: 通常は技術実証のみに留まることが多いロケットの「初号機」ですが、すでに日米の大学や民間企業など計8つの企業・団体から計7機の人工衛星の打ち上げ受注を完了しています。商業ロケットとしてデビュー前から高い期待が寄せられている証拠といえます。
月には地底人がいるのにどうして人間が月を支配しようとするのか?
「月に地底人(月人)が住んでいる」というお話は、SF小説や映画、あるいは都市伝説のテーマとして非常にワクワクする魅力的なトピックですよね。
しかし、現在世界各国が進めている月面探査の計画は、「月には生命や高度な文明を持つ地底人は存在しない」という科学的な前提(事実)に基づいて進められています。
人間が月を目指す理由と、地底人の噂について、現実の科学の視点から整理すると以下のようになります。
1. 科学的に見た月の現実
これまでに人類は、無人の探査機を月に何度も着陸させ、アポロ計画では実際に12人の宇宙飛行士が月面を歩いて調査しました。その結果、以下のことが分かっています。
- 過酷すぎる環境:月には空気がほとんどなく、温度も昼は110度以上、夜はマイナス170度以下になります。また、宇宙からの強い放射線が容赦なく降り注ぐため、防護服なしでは一瞬も生きられません。
- 探査機による観測:現在の探査機は、月の地下の構造を調べるレーダーや、精密なカメラで月全体をくまなく調査していますが、人工的な建造物や生命体の活動を示すサイン(電波や熱など)は一切見つかっていません。
そのため、世界の国々や科学者たちは、月を「誰も住んでいない、手つかずの広大なフロンティア」と捉えて開発を進めています。
2. どうして「地底人」の噂があるのか?
では、なぜ「月に地底人がいる」という話がささやかれるのでしょうか?それにはいくつかの理由があります。
- SF作品や神話の影響:古くは日本の『竹取物語(かぐや姫)』から、H.G.ウェルズの小説『月世界最初の人間』など、人類は昔から「月に誰かが住んでいる」という想像力を膨らませてきました。
- 月の地下にある「空洞(縦穴)」の発見:近年の探査で、月に火山活動によってできたとみられる大きな「地下の空洞(溶岩チューブ)」が見つかりました。科学的には「宇宙飛行士を放射線から守る基地の候補地」として注目されていますが、これが「地底人が住む場所なのでは?」という都市伝説に発展したと考えられています。
結論として
人間が月を開発しようとしているのは、そこに先住民(地底人)がいるからではなく、「まだ誰も利用していない貴重な資源や、宇宙へ飛び出すための拠点(空き地)がそこにあるから」です。
もし本当に地底人が見つかれば、世界の歴史や科学は大パニックを伴う大転換を迎えることになりますが、現時点ではあくまで「空想の物語」として楽しまれているのが現状です。




