妹が売られた同級生の実話
中学2年生のある日、幼稚園時代から一緒の同級生の女の子が、朝から机にうつぶして泣いていました。
誰が聞いても理由を言わないという同級生の女の子の頭を押し上げて、「俺にも本当のことは言えないのか?」と問い詰めました。
こんなことを言える理由は、幼稚園時代に周りの同級生からイジメられていた時、何度も助けていたし、彼女の妹もイジメられていたので、いつも私が守っていたからです。
女の子が二人しかいない家なので、自分勝手なお父さんは仕事のお金を全部、お酒で飲んでしまううえに、子供を毎日のように殴るけるだったからです。
当時、母に相談した時に・・・。
あそこの家は、昔からひどい兄弟で、この田舎でも問題児のお父さんだったし、あの父さんの弟も警察に捕まるほど乱暴者だったから、やっぱり、直らないんだね。
子供の時からの暴力癖は・・・。
わかったよ、あなたが何かすると、きっと、同級生の女の子が、また殴られるので、私がそっと、お父さんがいない時間を見計らって、食べ物を作って持っていってあげるから、あんたは一切、何も知らないことにしておきなさいね。
それが「思いやり」ってもんだよ、わかるね!
母は、いつもそうですが、自分が他人にしたことを褒められるのが嫌なようで、一度、理由を聞いたことがあります。
なぜ、そんなに一生懸命に他人の世話をしているのに、褒められると嫌な顔をするの?
いいかい、私は褒められたくて、やってるんじゃ無いのさ。
それを何もしないヤツらの、噂話で遊ばれたら頭に来るのさ。
人のことを口にするなら、自分もやればいいのに、ああいう立ち話ばっかりしているお母さんたちは、口は達者だけど、何もしない人なのさ。
よく、覚えておきなさいね。
「人の口は信用しないこと、信用するのは、その人の行動だけだよ!」
またひとつ、大事なことを教わったことに感謝したほどです。
学校の先生も教えてくれない大事なことを母はいつも、たくさん教えてくれるので、私は絶対に、母を信用しています。
翌日、母がそっと野菜をたっぷり入れたお粥を持って行き、寝たままで良いからと、自分でお母さんにスプーンで食べさせたことを聞きました。
「お父さんの分の食事も作っておいたからね。
だって、あれじゃあ、家族の食事も作れないはずだよ。
きっと、食事は、あんたの同級生が、毎日毎食、作ってあげていると思うよ。
いい子だねえ。」
その翌日、いつもお父さんから殴られていた女の子が、顔を腫らしていないので聞いてみると・・・。
「ねえ、あんた、昨日、私の家に来た?」
行くわけないだろ、一緒に夕方まで遊んでいただろう。
「そうだよね、でも誰かがご飯をお母さんに作ったみたいだし、お父さんの分も台所にあったのさ。おかしいなあ・・。」
そんな関係の同級生が、俺に何も言えないなんてことはないはずだから、「小声で理由を言え!」と言いました。すると・・・。
「妹が、売られたの・・・。」
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何?もう一度、言え!
「だから、妹が親戚の家に連れて行かれて、あとで聞いたら、あの家には子供がいないので欲しいと前から言われていたので、今日、連れて行ったと、父さんから言われたの。
どうやら、お父さんは自分が飲みたいお酒のお金がないみたいで、妹を売ったの。
でも、私には何もできないの・・・。
何か言ったら、また殴られるか、私を・・・・・・・・・。」
そのあとの無言の意味はわかりませんでしたが、この問題は自分では無理なので、家に帰って母に相談しました。
「そうかい、そんなとこまで、いっているのかい。
かわいそうだねえ、お母さんも・・・お姉ちゃんも・・・。」
夕方、母が田んぼの仕事から戻ると、そっと、教えてくれました。
「さっき、父さんに聞いたらね、売られた家はあんたの同級生のお父さんの弟の家だってさ。
あの家の親父は、本当にバカな奴で、他人の子供でも本気で殴るから、周りの家からも敬遠されている家だから、あんたも近づくんじゃないよ!」
夜になって、父と母が、その家の話をしていると、母が急に、怒りだしました。
「そんなこと、あるわけない!
おかしいでしょ、自分の娘を・・・・・・!!!!!」
私の顔が見えたようで、言葉を飲み込んだ母は、口を手で押さえて泣いていました。
「私だったら、相手を殺して、死んでやる・・・」とだけ呟きました。
霊視して時間を巻き戻して、さっき、二人が話していた内容を読み取ると、私の同級生の女の子は自分のお父さんから性虐待を受け続けていたようで、「自分だけは我慢するから妹には手を出さないで!」と言っていたようです。
そして、その妹を自分の弟にお金で売ってしまい、どうやらその弟は、自分の「性虐待の道具」として兄貴からお金で妹を買ったと、直接、酔っ払った本人から父は聞いたようです。
確かに、同級生は中学2年生になると、おっぱいも出てきたし、腰回りも女らしくなっていたけど、一つ下の妹は、まだ、子供体型なのに、それでも「性虐待の道具」にするのかと、頭にきました。
でも、よく聞くと、他の家の女の子たちも、お父さんから性虐待を受けている家があるようで、誰もそのことは言わないのが、「男の約束」だったようです。
問題は、全てが「貧乏」だからですが、母は、自分が作ったご飯が、娘を犯し続けている男が食べたんだと知って、「殺してやる!」と包丁を持って出て行こうとしました。
さすがに普段、優しい父も、正気を失った母の顔を殴り、正気に戻していました。
「もし、こういうことが噂になれば、俺たちはここで農家をし続けることもできなくなるんだぞ!
お前の良い悪いの判断だけで、勝手な行動はするな!
俺たち男は、お前たちに言わない、いろんな問題を酒を酌み交わしながら聞き合って、支え合うからこそ、一緒に農家ができるんだぞ!
二度と、このことは口にするな!
口にしたら離縁して、お前を実家に返してやる!!!」
本気で怒った父を初めて見ましたし、母の気持ちもわかりますが、男は家を守るために、妻や子供に言えないことをしなければいけないことは、戦争にいったおじさんやおじいちゃんたちを見ているだけでわかります。
男が何も言わない意味には、「女の理屈」では解決できないほど、理不尽なことがたくさん世の中にあることを学びました。
私も大人になって、たくさんの人の相談を聞きましたが、父親から性虐待を受けた人たち数名に、本気で希望を与えるアドバイスをしてきましたが、時代がいくら良くなってお金を稼いでいる家であっても、同じことが起きていたことを知り、驚きました。
常に、世の中に出る情報は、裏にある実態の100分の1だということを実感していますが、自分が信じたいことだけを主張するバカな大人も多いからこそ、真実を知らない「平和ボケ」が原因だと思います。
人に言えないたくさんの想いを20年間、聞き続けてきた私だからこそ、どんな体験をした人でも「過去は過去」、今からどうやって生きていくのかを一緒に考えていきましょうと、教え続けています。
あなたが知っている事実さえ、真実のほんのチョットだとわかった人は、大人として「人に言えない体験」をしている人たちに希望を与える行動をして下さい。
そうしないと、経済的に豊かで良い家庭で育った子供たちも、同じ経験をした時に、親にも言えず、誰にも言えない想いをしたまま、一人で死んでいくことになります。
実際に、親戚に売られた同級生の妹は、翌月、「首を吊って自殺した」ことを父から聞かされましたが、「母さんには黙っておけよ」と言われました。
私は、自分の同級生が早く親から自立して、自分でお金を稼いで家を出て行く日が来ることを影から支えるしかできませんでした。
心ある大人は、自分の良い悪いの価値観だけで判断するのではなく、他人の経験から一緒に学び、自分に何ができるかを考えて行動して下さい。
どうぞ、よろしくお願いいたします。