母の教え:お金は絶対に借りるんじゃない!貸すのもダメだよ!
中学生の頃、母と一緒にテレビを見ていると、厳しい顔をして私に教えてくれたことをご紹介します。
今のあのドラマの女は、いろんな男からお金を借りて返さない、とんでもない女だから、覚えておきなさい。
女はね、本当に困ると色仕掛けで、お金や食べ物や住むところをせがむもんなんだ。
これは、昔から変わらんね。
だから、男は「変な女」に捕まったらおしまいだよ。
いいかい、お金はどんなに苦しい状況になっても、他人から借りたらダメだよ。
貸すもの、同じくらいダメだと覚えておきなさい。
幼稚園から一緒の同級生のアイツらでもダメなの?
ダメさ、仲が良かったからとか、同級生とか、お世話になったとかいろんな関係の人がいると思うけど、絶対に、「お金の貸し借り」はしてはダメだよ。
人間として、最低に落ちるからね。
私も昔、10代の時にお金がない時に貯めたお金をどうしても貸して欲しいという同級生に貸したのさ。
そしたら、その子は「明日返すから」と言ったので貸したのに、翌日も、その次の日も、何も言わずに無邪気に遊んでいたのさ。
痺れが切れて、自分からいつ返してくれるのか聞いてみると、「今月のお父さんの給料日に返すから待って」と言われて、信じたのさ。
結局、その子は、給料日にも返さなかったよ。
どうしてって聞いてみると、「あんたたち貧乏人でも少しはお金があると聞いていたので、私たちみたいにお金がいつもある人間にとっては、稼がないバカな家を苦しめてやりたいと思ったのさ。
だって、あんたたち貧乏人は、貧乏になれているでしょ!」、と笑うんだよ。
もう悔しいから父さんに話すと、まず、一発、殴られたよ。
馬鹿者!と怒られて、また、一発、殴られて・・・。
ばあちゃんが止めてくれなかったら、永遠に殴られ続けそうなくらい怒ってたんだ。
私はつらかったから父さんに話を聞いてもらいたかったのに、こういうんだよ。
いいか、「お金は命と同じ」に大事なものなんだ。
お金を貸す貸さない、返す返さないというのは、商人の「貸し借りの世界」のことで、一番、最低の人間がすることだ。
「士農工商」って、お前も学校で習ったから知っているだろう。
人間は、お金が欲しいから仕事をするんじゃないぞ!
誰かに喜んでもらえる仕事や頼まれごとをした対価として、お金の時もあるし、食べ物の時もあるし、お礼の言葉の時もあるんだ。
お前は、お金の意味がわかっていないからお金で嫌な思いをしたんだろ。
お前が、バカだからだ。
お金を他人に貸すというのは、最低の人間がすることで、乞食に恵んでやるのと同じだから、絶対に他人からお金は借りるんじゃないぞ!
自分が困ってお金がない時は、誰かにお願いして喜んでもらえる仕事をもらいなさい。
お金はその対価として払われるものだけど、お金が目的になったら、人間として最低の守銭奴と同じだ。
貸したお前が悪いんだと思いなさい。
バカな奴は、たかがお金で人生で一番大事な信用さえ売ってしまうもんだ。
だから、そんな奴には絶対に、なるなよ!
悔しかったら、汗水流して、働きなさい!
親子でも親族でも、お金の貸し借りは絶対にするな!
これが我が家の家訓だと覚えておけ!
こう教わって育ったはずなのに、30代の頃に綺麗な女性に50万円、大学の同級生に100万円貸して、返ってこなかった嫌な思いをしましたが、その時に母の教えを思い出し、「貸したお前がバカだった」と、相手を悪者にした自分を反省しました。
「お金を貸す時は、差し上げる、返ってこないもんだと思って渡しなさい」と母に言われたことを思い出し、50代の時に20年間、関わった素敵な社長さんの末期ガンの治療費として150万円差し上げました。
最後は安らかに天へ召されましたが、お金を渡した全ての人たちが、俺たちのほうが彼からもらったものが多いと言っているほど、素敵な男性でした。
お金が良い悪いではなく、お金に対する学びをしていない人たちが多いからこそ、親はその基準を教えなければいけないと私は思います。
どんなに信頼している人でも、「お金を貸してくれ」と言われた時は、その人との関係を切って下さい。
それが相手のためになるからこそ、お金をあげるのか、関係を切るのか、決めて下さい。
どうぞ、よろしくお願いします。