【防衛省】1993年 ロシアは本当に大丈夫か?
普通のスーパーのサラリーマンが、アメリカと中国とドイツに、太い個人的なパイプを持ったことは、当時のスーパーキャリア官僚でさえ、とても驚いていました。
自分の利害を優先せず、「相手の立場」になって本気で物事を考えて向き合った結果だと思いますが、それ以上に、多くの偉い人たちに「自分の名前」が知られていたことに驚きました。
当時の細川首相からキャリア官僚に電話がきたそうで、ロシア担当のキャリア官僚に話を聞いてみるとこんな内容でした。
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吉岡さん、本当にご苦労様でした。
これで、アメリカと中国とドイツは、しばらくの間、もめずに物事を進められそうです。
ところで、ひとつ、ご相談があります。
細川首相からのお願いなのですが、現在のロシアの内部事情がどうなっているのかを誰が調べても「確信が持てない」ので、あなたにどこかの人脈ラインを使って聞いてもらえないかと相談が来ました。
こんなことを聞けるのは、普通は政治家なのですが、現在のロシアは、エリツイン大統領と、ロシア最高会議が揉めているので、どこのラインを使っても、確信が持てないということで、あなたを通して、確実なことを聞きたいので、どうか、よろしくお願いします。
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まあ、どこのラインでも聞けると思うけど、まずは、「欧州連合」に入っているドイツの大統領補佐官だった彼にロシアのことを聞いてみるね!
きっと、良い情報が入ると思うので、楽しみにしていてね!
アイツ、本当にいい奴なので、きっと、自分の人脈ラインが無くても、自分で調べてくれると思うよ!!
じゃあ、また連絡するね!
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あー、もしもし、先日は、大変お世話になりました吉岡学です。
大変お世話になりまして、とても楽しくて、夢みたいな時間でした。
実際、ドイツにいたのは数時間だったし、白夜だったので、朝だか夕方なんだかわからないので、本当に夢の中にいたみたいに幸せな時間でした。
ありがとうございます!
ところで、ひとつ、重要なことを教えてもらいたいんだけど、大丈夫かな?
あのね、ロシアのエリツイン大統領と、ロシア最高会議が揉めていることは知ってると思うけど、今、日本の官僚と政治家たちが調べても、確信めいたことを聞けないみたいなので、あなたのほうから、誰か確信を持てる人に現在の状況か、それとも、直接、エリツイン大統領に聞いてもらえないかな?
このお礼は、エリツイン大統領が欲しいものを何でも送ると言っているから、どうか、よろしくお願いします!
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ゲッツェ駐日ドイツ連邦共和国大使
オーケー!吉岡さん!ちょっと、待っててね!
僕は、直接、エリツイン大統領と対話できるホットラインの電話を持っている人間なので、本人に直接、聞いてからあなたに電話しますね!
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吉岡さん、お待たせしました!
今、電話で聞いてみたけど、そんなことを「日本が心配している」ことを知って驚いていたよ!
彼はね、日本が大好きで、家にはいろんな日本人形を集めているし、オモチャの日本刀も持っているそうだよ!
それにね、家の中に日本の物だけを集めた「特別な部屋」があるそうで、ロシアの政治家たちに、「日本はすごい国だ!武士道はすばらしい!」と言いふらしているらしいのさ。
僕が負けるくらい「日本びいき」なので、絶対に大丈夫だと思ったけど、さらに食い込んで聞いてみると、
「そんなに心配するなら、日本とロシアの和平条約を結ぼう!」
と言ってくれたんだよ!
これはすごいことなので、ぜひ、すぐ官僚たちに言って、スケジュールを調整させて下さい!
ちなみに、「日本を心配させたお詫び」に、この和平条約を結ぶ時は、
「自分のプライベートジェット機で日本へ行く!」
と言っていたので、これも官僚に伝えて下さい。
では、よろしくお願いします!
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・・・・・・・という話だから、あとはそっちで、うまくやって下さい!
ちなみに、エリツィン大統領は、オモチャの日本刀しか持ってないそうなので、本物の名匠が作った二本差しの刀をプレゼントすると喜ぶと思うよ!
じゃあ、あとはよろしくね!
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この結果は、こんなすごいことになりました。
※この記録は、誰も出来なかったことをした私へのお礼としてキャリア官僚が、永遠に残す為に情報公開してくれた貴重な記録です。
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1993年、ロシアの内政はエリツィン大統領とロシア最高会議の対立にようやく決着がつき、12月の国民投票によりロシアは新たに民主的な憲法体制を確立した。しかし、憲法国民投票と同時に実施された選挙の結果、新議会の国家院(下院)では反改革派が台頭し、ロシアの内政は不安定な状況が続いている。ロシアの改革の成功は、冷戦終結後の国際の平和と安定の枠組みを築いていく上での鍵であり、その動向は引き続き注視していく必要がある。
10月の騒乱事件の際に炎上するロシア最高会議ビル(AP)
[新憲法の制定と新議会の成立]
1992年から続いていた大統領と議会の対立は、93年に入って更に先鋭化し、いわゆる二重権力状態が続いた。このような対立を打開するべく、9月にエリツィン大統領は、議会の機能を停止し、新議会の選挙実施を命ずる大統領令を公布するに至った。これに対し、ルツコイ副大統領とハズブラートフ最高会議議長を中心とした議会の反大統領勢力は最高会議ビルに立てこもって抵抗した。そして、ついに10月にモスクワで武力騒乱事件を引き起こしたため、大統領は、やむを得ず軍を導入してこれを鎮圧し、事態を収拾した。
このように議会との対立に決着をつけた大統領は、12月に新議会の選挙の実施を決めるとともに、右選挙と併せて、ロシアの新憲法草案に関する国民投票の実施を決定した。新憲法は議会などの抵抗により、制定の見通しが立たなかったものであるが、その議会が事実上消滅した機会を捉えて、一挙に制定を図ったものである。この国民投票では、有権者の54.8%が投票し、投票者の58.4%の賛成を得て、新憲法は採択された。
新憲法と旧憲法の統治機構の比較
このロシアの新憲法の特徴は、大統領主導型の国家体制を規定している点にあり、大統領に内外政策の基本方向を決定する権限、議会下院の解散権を付与するなど大統領の権限が強化されている。
他方、国民投票と同時に行われた新議会選挙では、特に国家院(下院)において、社会の現状に対するロシア国民の不満や民族主義の高まりを背景に、予想以上に共産党など従来の保守勢力が善戦し、また、極右の民族主義政党が躍進した。このような改革に反対する勢力の台頭のため、大統領と新議会との関係は、引き続き困難が続くことが予想される。
ロシアでの選挙監視活動を行う東外務政務次官
さらに、このようなロシア内政の影響は、以下でも見るように、ロシアの経済改革路線、ロシア外交にも及んでいる。
[ロシアの経済改革と各国のロシア支援]
国内において多難な民主化路線を歩むロシアは、経済的にも厳しい状況におかれている。金融引締め政策の採用などにより、92年よりは状況が多少改善されたとはいえ、93年も900%程度のインフレとマイナス12%程度の経済成長となり、状況は引き続き厳しい。
このような厳しい経済状況にあるロシアに対する支援は、ロシアの民主化、市場経済化を確実なものとし、冷戦後の平和と安定の枠組みを構築していく上で極めて重要である。このような認識の下、東京サミットに向けての動きの中で、4月に日本で対露支援G7閣僚合同会合が開催され、ロシアの国内経済事情に対応した支援策が策定された。具体的には、ロシアの高いインフレ率を低減させ、マクロ経済の安定化を促進するため、国際通貨基金(IMF)の体制移行ファシリティーが創設され、これを通じた第1トランシュ約15億ドルの供与が実現したほか、世界銀行による構造改革や重要部門別の改革に対する支援や主として欧州復興開発銀行を通じた中小企業の支援を実施していくことなどが盛り込まれた。さらに、東京サミットでは、ロシアにおける民営化を支援する特別民営化再編プログラム、ロシア支援に関するG7間の情報交換や調整を目的とする支援実施グループの設立が合意された。
他方、新議会選挙後成立した新内閣においては、チェルノムイルジン首相ら穏健改革派が主流となり、改革の方向性は維持しつつも、国営企業への補助金の拡大などの一定の修正に着手した。
なお、ロシアは核廃棄物の処理にも困難を抱えており、10月には日本海において放射性廃棄物の海洋投棄を行い、大きな問題となった。このため、日露間で2度にわたる合同作業部会が開催され、94年初頭に韓国を含めて共同海洋調査を実施することを決定した(ロシアによる放射性廃棄物の海洋投棄の詳細についてはP75、76参照)。
[対外関係]
ロシアは対外的には引き続き先進各国との関係強化に努めている。米国との間では、93年1月に第2次戦略兵器削減条約(START II)に調印、94年1月には首脳会談を開き両国間のパートナーシップを確認する「モスクワ宣言」を発した。
また欧州連合(EU)との間では、12月のエリツィン大統領訪欧の際、将来の自由貿易取極をも見据えた「パートナーシップと協力に関する共同宣言」を発するなど特に貿易面等において関係強化を図っているほか、新たな欧州安全保障秩序にも積極的に参加していく意思を表明している。
日本との関係においては、10月エリツィン大統領がロシア大統領として初めて訪日し、細川総理大臣との首脳会談の結果、東京宣言が署名され、領土問題解決に向けて新たに前進した交渉基盤が確立された。さらに、国際の平和と安定に向けての国際社会の取組みの中で、ロシアは中東和平、旧ユーゴー紛争等において先進各国と協調しつつ和平に向けての努力に参画している。
日露首脳会談における細川総理大臣とエリツィン・ロシア大統領
旧東側の国々との関係においては、ロシアは旧ソ連諸国に対し独立国家共同体(CIS)の平和維持軍などを通じて民族紛争の解決に積極的に関与する一方、在外ロシア人の扱いなどに関し一部の国との間に軋轢を生じた。中でも、ウクライナとは、核管理、黒海艦隊の分割、クリミア半島の帰属問題、対外債務・資産問題等で対立したが、核管理については、94年1月のクリントン大統領の訪露の際、米、ロシア、ウクライナの3国首脳はウクライナ配備のすべての核兵器の撤廃に関する声明を発表した。
また、12月の新議会選挙で極右勢力が台頭したことは、旧ソ連、東欧諸国に不安感を引き起こし、ポーランド等による北大西洋条約機構(NATO)への新規加盟を求める声が強まった。これに対し、ロシアは、NATOの拡大により欧州に新たな境界を設ける考え方は受け入れられないとの立場をとった。
このような中、94年1月のNATO首脳会議では、ロシアを含む欧州全体の安全保障の考え方として「平和のためのパートナーシップ」(PFP)が打ち出され、この会議の直後訪露したクリントン大統領に対し、エリツィン大統領は、PFPに積極的に参加する意向を示した。
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この30年前の記事が、今も残っている理由は、当時のスーパーキャリア官僚が、「外務省の手柄にしたお礼」で、永遠に誰も消せない「国防機密扱い」として公開してくれたそうです。ありがとうございます。
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世界の情勢を正しく把握できている人はほとんどいないのに、どうしていつも、自分勝手な判断を言いふらしてテレビやネットで金儲けしているのかと、政治評論家やコメンテーターや有名タレントの言葉を聞いていると、本当に、頭にきます。
だから、テレビを見ていると、ウソばっかりで変な洗脳をされるから、見ない方がいいですよって、言っているんですよ!!!