1. HOME
  2. ブログ
  3. ・1982年〜株式会社ダイエー・労働組合・ゼンセン同盟・民社党・政治家・首相専用裏番頭
  4. 【ダイエー】自主退職した同期の桜

【ダイエー】自主退職した同期の桜

33歳のサラリーマンの時、北海道の同期入社の中で、最も優秀な「山下君」という男と、本気で何度もぶつかりました。

でも、男と男の喧嘩は、本気でやった同士ほど、「一生の付き合い」になるので、最高に「本気のライバル同士」になりました。

 

新入社員研修の最後に「お互いに、頑張って出世しような!」と約束しあった山下君は、お店も売り場も違うのに、いつも、同期入社のトップチームの一人でした。

私とほぼ同じ時期に「売り場のマネジャー」になったので、二人で飲みに行くと、熱い男同士のバトルがとても楽しい会話でした。

私が「労働組合中央執行委員」になった時に、彼は本州の「店長」に抜擢されたと聞いて、嬉しくなり、電話しました。

おう!おめでとう!山下!!!

家族で「本州転勤」は大変だと思うけど、「店長」だから頑張れよ!

おう!任せておけ!

俺は絶対に、全国で一番、若い「支配人」になってやる!!

だから、お前も「組合」ばっかりやってないで、早くしろよ!!

ありがとうな!電話くれて!嬉しかったぞ!

・・・・・・・

3年後、私が組合を辞めて、本州のSV(スーパーナイザー)で転勤になって東京本社へ行くと、偶然、本社の1階で会ったので、お茶を飲みました。

おう!どうだ、店長職は?

お店の運営は、うまくいっているか?

気分いいだろう!

数百人の部下を従える親分は!

軍隊で言えば、「軍曹」かな?

 

おい、吉岡!ちょっと、聞いていいか?

この前、「社長面接」があった時に、「君の同期に、吉岡学君は、いるかね?」と聞かれたんだが、理由がわからんのさ。

お前、社長と知り合いなのか?

そんなわけないだろう!!

俺は、ただの「SV(スーパーバイザー)だし、一般のサラリーマンさ!

だって、お前ら店長は「特別加算金」があるので、店長になった瞬間に、1000万円を超える年収になるだろ!

その金は、どうした?もう、使ったのか?

 

俺も最初はビックリして人事課に聞いたけど、「これが普通です」と言われて驚いたのさ。

うちの妻も、「そんな金はすぐに無くなるから、いつまでもあると思うんじゃないよ!」と言うので、少しだけ家族でお祝いして、あとは、お店の従業員たちの飲み会の金に出してあげてるのさ。

さすがだな、俺たち「貧乏農家上がり」の息子たちは、「無駄遣いは悪」だと教わっているので、お金をもらっても、早々、使えないものな!

 

でも、あの「特別加算金」は、社長が自分一人で決めて出した金なんだってよ!

スーパーってよ、「ただの物売り」とバカにされた時代を生き抜いた人だからこそ、日本のスーパー業界全体のことを考えて、「現場で頑張るトップの人間には、一番、高い給料を払え!」と言って付けたのが店長の「特別加算金」なんだってよ!

さすがだよな!

自分の会社のことだけじゃなくて、本当に「業界全体」のことを考えている人だからこそ、「経団連の会長」にまでなれたんだと、組合幹部の人が教えてくれたぞ!

だから、お前も「店長」なんだから、どんどん頑張って、取締役くらいにはなれよ!

お前なら、絶対に、なれるさ!

 

ところでよお、さっきの話だけど、社長がよ、最後に、吉岡学さんによろしく言って下さい。」と言うんだけど、どういう意味なんだ?

お前、親族か何かなのか?

もしそうなら、お前との付き合いは、もう、やめるわ!

同期で一緒に入って、本気でお前とは「ライバル」だと思って頑張ってきたのに、そんな変な「コネ」を持っている奴は大嫌いなんだ。

もう、これで会うことはないと思うので、さよならだな。

おいおい、連れないことを言うなよ!

俺は、社長と親族でもないし、何も関係ないさ!

たまたま、お前の同期の人事カードを見て、口にしただけだと思うぞ!

また、飲みに行こうや!じゃあな!!!

・・・・・・・・・・・・・

それから半年後、彼から「どうしても会いたい❗️」と電話が来たので、会うことにしました。

俺なあ、今、迷ってるのさ。

俺、長男だろう?

実家にいる父親が弱ったので、「農家を継げ!家に戻ってこい!」と電話が来たのよ。

今、「出世街道をまっしぐらだ!」って言っても、全然、聞いてくれないし、「お前は、長男だから家に戻るのが当然だ!」と一点張りさ。

どうしたらいいと思う?

うちの4つ上の兄貴も同じことを言われて苦しんでいたので、俺はこう教えたぞ!

いつまでサラリーマンをやるのか、「期限」を決めて言えば、絶対に、親は理解してくれるから、あと、3年とか、あと5年とか、ハッキリ期限を言えよ!

親も、体と気持ちが弱ることがあると思うけど、その「期限」を目標に頑張るものだぞ!

 

そうか、ありがとう!

やっぱり、持つものは、親友だなあ!!

ところでよ、また、「社長面接」があってよ、

「労働組合の吉岡君は、今、どうしてる?」

って聞かれたのよ。

「会社の経費削減にも協力してくれたし、借金も大きく改善してくれたので、お礼を伝えておいて欲しい。」

と言われけど、どういう意味よ!!

労働組合は、「人件費の削減」ならわかるけど、おかしいだろ!

なんで、会社の経費削減をしたり、借金を大幅に改善したのか、正直に言えよ!

正直に言わないなら、俺、もう、二度と、お前に会わないからな!

・・・・・・・・・・・・・

さすがに、唯一無二のダチに、ここまで言われると嘘はつけないので、全てを正直に話しました。

 

23歳でロジスティクスの業務改善で6000億円の経費を浮かし、30歳で会社の借金を300億円消した実績、それと、筆頭取締役と役員全てが知り合いで、社長から特別な「社員章」をもらった話を全て話しました。

・・・・・・・・・・・・

おい!わかったわ!

俺、もう、会社は辞めるわ!

お前を目標にここまで頑張ってきたのに、そんな人間だったと聞いて、俺がこの会社で頑張れると思うか?

お前は俺の「最高のライバル」で、親友なんだぞ!

そんな男が、「手が届かないところにいる」と知ったら、俺、死ぬしかないだろう!

勝手に死んだら親父に怒られるので、俺、実家に帰って、農家をやるわ!

もう、二度と、お前とは連絡をしないので、俺のことは忘れてくれな!

本当に、ここまでありがとうな!!!

お前って、本当に「短気」だなあ。

俺も「短気」だけど、よく長男が、その「短気」で務まったな!?

 

いやあ、自分でもわかっているんだけど、いつも、喧嘩を始めるのは俺で、弟たちがいつも、俺の代わりに殴られてくれるんだ。

あいつら、ほんとに、いい奴らなのよ・・・。

まあ、お前みたいに「熱い長男」が居てもいいと思うけど、会社を辞めるのは、まだ早いだろう!
店長になって1年くらいで辞めたら、社長も泣くぞ!

 

俺一人、居なくなっても、あの社長が泣くわけないだろ!!!

どんどん人は切るし、人件費も大幅にカットされて、現場は大変なんだぞ!

お前、労働組合として、何か対策はないのか?

他の店の店長たちも、泣いているんだぞ!

まあ、そこまで言うなら話すが、これは絶対に、秘密だぞ!

いいか、この会社の借金は、最大800億円もあるので、どうやっても、消すことができないのさ。

 

俺が知恵を絞って、ハワイのアラモアナショッピングセンターの売買で300億円飛ばしたし、さらに、過去の累計損失も消してやったのに、あの「バカ副社長」が、あちこちの店を自分勝手に改装するし、しまいには、あのバカでかい「ハイパーマーケット」とかいう、アメリカ方式の1台1000万円以上の高級自動レジを数百台以上、導入したろ!

それを全国にバカバカ導入しやがって、アメリカの言いなりの価格で買うので、会社はまた、莫大な借金漬けよ!

あの「ハイパーマーケット」の投資額は、合計2000億円以上なんだぞ!

いくら投資しても、回収できなきゃ会社は潰れるだろ!

だから、この前、うちの株主の都銀の頭取たちに電話すると、

「あと5年は持たないです」とハッキリ言われたのさ。

俺も残念だが、これも「宿命」だろうなあ。

親が子供に「情」をかけすぎると、必ず、会社は潰れるからな。

だから、俺ももう少ししたら、会社を辞めるつもりなんだ。

 

俺は次男だから、実家の農家の跡を継げないので、退職金を全て使って、自営業をやってみるさ。

全部、金を使い切ったら、土方でも何でもして、必ず、生き残ってやるから、安心しろよ!

だから、もう、お前が会社を辞めると言っても、止めないぞ!

自分の人生だもの、お互いに悔いがない人生を生きような!

 

・・・・同期の桜は、泣いてました。・・・

 

理由を聞くと、「いろんな思いの涙だ!」と教えてくれました。

俺・・・、最初に、お前に会った時よお、喧嘩をふっかけたろ!

でも、お前は俺の手を掴んで、

やめろ!

と言っただけで、俺、体が固まったのさ。

あんなこと始めてだったから、お前は「特別」だと思ったが・・・、そんなに会社で、すごいことをしていたのか・・・・。

俺が勝手に、お前を「ライバル」だと思って、すまなかったな・・・。

今までお前に言った失言をお詫びするわ。

 

でもよ、お前は何か、「変な力」を持っているのか?

だってよ、高校まで喧嘩に負けたことがないこの俺が、お前のたった一言で、体が固まったんだぞ!

何か、霊的な力を持っているのか?

 

・・・・仕方がないので、子供の頃からの体験を全て話しました。

 

ナイフで体を刺されても、真冬に裸で放置されても、雪の中で裸で寝ていても、「死なない人間」の体験談を・・・・・・・。

そして、両親があまりに育てるのが辛いくて、毎日、俺を殺そうとしていたことも・・・。

そんな体験談を話すと、山下君は、大声で泣いてくれました・・・。

 

お前、よくここまで生きてきたな???

辛かったろ!!!

辛いって、言っていいんだぞ!!!!

俺も、聞いてるだけで、辛くて涙が止まらんわ!!!

ダメだ、もう、俺、何もお前に言えることはないわ!

死ぬなよって言っても、死ねない奴だから意味ないよな(^^)

だったらよ、死ぬほど、本気で、この人生を生きてみろよ!

最後がどうなるかは、俺も、神様も、ご先祖も、わからんと思うけど、お前、きっと、何か大きなことをやらなきゃいけない人間だと思うぞ!

だからよ、周りの言葉なんて気にせず、自分が信じたことを思いっきりやれよ!

俺、応援するわ!

実家に帰ったら、仏壇と神棚から毎日、お前のことを祈るわ!

だからよ・・・本当に、この人生を生きて良かったと思える体験をしてくれよな!!!

 

俺、自分が情けないわ・・・。

自分のことばかり考えて生きてきたことが、よくわかったわ・・・。

ありがとうな!

俺、絶対、農家で頑張って、「最高の農家」になってやるわ!

だから、お前は、世界を変えてくれ!

俺は、日本の農業を変えるからな!

 

本当に、体に良くて、美味しい無農薬の野菜を作るから、いつか、食べてくれよな!!

さあ、最後の握手だ!

両手で握手しようぜ!!!

 

山下君とは、これが最後の出会いになりました。

一切、連絡もしないし、年賀状も送らないと誓いあったので、きっと、今も頑張っていると思います。

・・・・・・・・・・

人間には、きっと、「その人しかできない役目」があると、本当に、この時、思いました。

誰かに言われた役目でもなく、自分が生まれた「意味と価値」をこの世に刻むために、一人一人が生まれていると思っています。

だから、皆さんもどんな体験をしても、どうか、自分を卑下せずに、真剣に生きて下さい。

 

私はサラリーマンを14年間しかしませんでしたが、この山下君に出会えたことと、最後に言ってくれた言葉で、それまでの人生の「苦しみの紐」が解けました。

真面目に生きて苦しんでいるあなたも、必ず、そういう人に出会うと思います。

真剣に、正直に、生きてさえいれば、絶対に、あなたも、そういう人に出逢います!

これが、私があなたに送る最後の本気のメッセージです。

 

アーカイブ