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【芦別市】農業株式会社

この「農業株式会社」の構想は14年間勤めていた流通業(大手スーパー)を辞めて、独立する時に検討した事業の構想です。

発想の根拠は子供の頃から日本の稲作農家の重要性を感じていましたし、稲作の専業農家として働く両親の姿を見て育ったからです。

 

当時の国の農業保護政策の現状をみると、このままでは日本の農業の将来性が無くなると感じた事が大きな理由です。

50年前(1960年頃)の農家の平均所得は、現在の金額で250万円を切っているのが普通でした。

ほとんどの農家は自給自足で生活しながら、出稼ぎや内職をしてやっと家族4人が生き伸びている様な状態でした。

15年前(1995年前)になると日本経済が成長して豊かになり食文化の多様化から、”米あまり”が続いた為に政府は「減反」と「補助金」をセットにして、農家に米を作らないよう強制しました。

その結果、苦労して生産するよりも補助金をもらって田畑を放置する農家が増えました。

借金を抱え生産する喜びを感じられない親たちを見て、その農業を継ごうとする子供たちも減りました。

この時から「米の自由化」は必ず起きると言い続けていましたが、今の自由経済の中に放り出された農家は、生産者というよりも流通業に立ち向う事業家としての能力を求められています。

流通業に14年間務めた経験から生産者の物が流れる流通システムの裏側や実態をたくさん学びました。

当時は物がどんどん売れた時代でしたが、その中で一番感じたことは、生産者と流通業と消費者の意識に大きな感覚のずれがあることでした。

「消費者第一主義」を流通業者が掲げながら消費者ニーズを実現するために農家にコストダウンを迫り、結果、農家の収入が減って高額な借金を抱えながら投資している事実を消費者は知りません。

 

常に、もっと価格を安く、もっと安全な食品を!と要求だけが続いています。

次の段階で流通業は、さらに多様化した消費者ニーズに答える為に、海外からたくさんの食品を輸入しました。

その結果が、現在の日本の農業の現状です。市場・問屋に加えて、多くの流通業者が中間マージンを取るようになったからです。

日本の流通業は世界でも珍しいほど、とても複雑な流通システムになっています。

理由は簡単で利益があるところに、中間業者が集まったからです。

農家は家族で営む個人事業で、生産する技術のプロではありますが、経営については「農協」という大きな地主のもとで働いていた為に、個人で物を売買した経験がありません。

弱小の中小企業である農家にコストダウンを迫るあまり、事業拡大のための借金で倒産する農家も増えています。

私がこの事業を起こさなかった理由は、当時の諸問題がクリアされても経営試算で投資額2千万円とその回収に10年かかるという結果が出たからですが現在、長野県で農業株式会社を成功しているトップリバー(株)の社長がTV番組カンブリア宮殿でが紹介されました。それを見て、15年前に考えていた問題点をみごとにクリアされている事には驚きました。

 

新しい農業株式会社のポイントは・・・

1、市場原理を理解した経営ができる個人事業主

(完全買い取り・完全納品・欠品ゼロによる利益確保)

2、古い農業経営の習慣がある人ほど新しい対応が難しい

3、理想の農業をしても、理想の生活は手に入らない

4、若手労働力を継続的に確保する魅力と方法

5、経験者の永年の生産技術を知恵として生かす

6、地域の農家と手を組み、お互いの不足を補う

7、就農者は独立して個人事業者になることを目指す

自分が生まれた北海道を心から愛し、日本の農業の重要性を感じている私はこの10年、北海道の農業を側面から接してきました。

 

北海道の有機農業協同組合のイベントに参加してその拡販に力を貸したり、アトピーや虚弱体質の改善を心がけている生産者、販売者の方たちにもたくさんお会いしました。

その中で出会った方の多くは、北海道で新しく農業を始める為に移り住んだ、本州の脱サラ組が多いのに驚きました。

現在、北海道の農業の離職はどんどん進み、他の土地から移り住む人にとって最高の条件である家付、土地付きで居住を誘致している市町村も増えています。

皆さんが今利用しているコンビニ・スーパー・チェーンストアなどの流通業の最大のメリットであり弱点は、生産地から遠い場所で販売している商品が多い為に、輸送するガソリンや電気などのエネルギーの枯渇や経済破たんや情報ネットワークの崩壊で輸送管理する機能が簡単に停止してしまいす。

私の経験から15年前に起きた関西淡路大地震(1/17)の時も、医療や食品を現地まで輸送する手段がなかったことが、救済活動の最大の遅れになりました。

日本という小さな島国の弱点は、自然災害が続くだけで陸の孤島になるということを再認識する必要があると思います。

だからこそ、自分の住む土地の自給率を高め、自分たちで「食を守る」ために、これから農業に携わろうとする人たち、農業の必要性を感じて地域の農家を支えようとする消費者たち、また自分で畑を耕やす人たちこそ「自分の食は自分で守る」行動の第一歩になるのです。

これだけ豊かな日本に突然、食糧不足が訪れるとは誰も思っていないでしょうけれど、世界で一番、食品を廃棄している量が多い先進国であるという実態を考えれば、その可能性はとても高くなっています。

あなたが変わらなければ、大切なひ孫たちに残せる未来は、この国に残っていません。

※参考資料としてお読みください

石狩平野の稲作り(玉川大学)

北海道稲作農業の現状(農林水産省)

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