人の心は全ては所作に現れます
昔、徳のある大先輩に教えてもらいましたが、常々、「人は言葉ではなく、所作に心が宿る」と言っておられました。
その身姿は、言葉や頭で教えるのではなく、「体現して教える」ことが重要だと言っていました。
親が他人の前で手本を示すのは当然ですが、子供達が世の中へ出て、恥ずかしい思いをしないために、頭の良い悪いに関係なく、学校でも、家庭教育でも、親や祖父母が見本を見せて教えるのが、常識でした。
親に正しい所作や言葉遣いを習えなかった人たちは、社会へ出て恥をかいて先輩に笑われてから覚えても良いでしょう。
「恥は、若いうちにかけ!」と昔の人は言いました。
さらに、私の母は常々、こう教えてくれました。
「聞くは一時(いっとき)の恥、聞かぬは一生の恥」
この言葉は、武士の家系の父親から教わったとすぐに分かりましたが、体が大人になる中学生にとっては、とても大事な学びになりました。
最初は、「わからないのなら、聞きなさい!」と叱られましたが、何を聞いて良いかもわからない時もありますよね?
そういう時は、「すいません。全くわからないので、一から教えて下さい」と言えることが重要だと母はそっと教えてくれました。
いくつになっても、自分より素敵な所作をする人を見つけたら、ぜひ、質問して教わって下さい。
ゴールは、他人に教えれれる人になった時に、本当の意味をわかっているという段階になります。
だから、「日々、どこに気をつけて、生きていらっしゃるのですか?」と聞いて下さい。
私は、おかげさまで40代の頃に、北海道然別湖温泉ホテル 風水の女将に出逢えましたので、多くの所作を学ばせてもらいました。
また、宮古島の石庭(いしにわ)の持ち主である故・新城定吉さんからも、体全体で表現されている「威厳」から学ばせてもらいました。
お二人とも1921年の大正生まれですので、日本人の貴重な財産である「所作」を体現してくれた人たちです。
私もそういう大人になりたいと思って、日々、研鑽しています。
教えてくれた大先輩たち、本当にありがとうございます。