自分の価値観を疑うことが重要

自分で事業を成功させた人や、あるスポーツで有名になった人や、子供をたくさん育てた人ほど、注意することがあります。
それは、「自分の価値観を疑ってみること」です。
何かひとつのことを成し遂げるには、他人の言葉に振り回されない頑固な一面が必要ですし、「自分軸」と呼ばれる自分が大切にすることを確立する必要もありますが、ひとつの結果が出た時ほど、自分の価値観を疑って下さい。
人間は動物ですので、「習性」があります。
うまく獲物が捕まえられた時ほど、何度も同じ方法を使って生きようとします。
でも、こういう時ほど、大きなワナにかかって、自滅します。
賢い人は、常に自分を疑ってみることを心がけていますので、いろんな人に意見やアドバイスを求めます。
相手の言葉通りにするかどうかではなく、相手の考え方の良い点を自分に組み入れようとする「素直な心」があるからです。
こういう「素直さ」がない人は、必ず、壁にぶつかって、トコトン落ち込んで、周りにいる人さえ傷つけていても気がつきません。
賢い人たちから無言で「愚かな奴だ」と思われて、人は離れていきます。
私もたくさん同じ経験をしたのでよく分かりますが、人が離れていくには、必ず、原因があります。
それは正解があるのではなく、自分の価値観を相手におしつけた結果だと思って、ひとつ、素直に学びましょう。
「教えて下さい」と、大人になって言ったことはありますか?
先輩でも後輩でも関係なく、自分の価値観ではないものを持っていて、ちゃんと生きている人に出会ったら、ぜひ、教えてもらって下さい。
「あなたは、何を大切にしてここまで生きてきたのですか?」
「あなたにとって、今、大切なことは、何ですか?」
「あなたが一番、大切にしている人や尊敬している人は誰ですか?」
この三つの質問をすると、必ず、自分とは違う価値観を学べます。
私もサラリーマンを辞めて自営業を始めた時に、つくづく、会社という甘い世界で生きていた自分を反省しました。
昔から親に、「物売りは最低の人間だ」と教わってきましたし、「士農工商」と学校でも教わってきましたが、結果的に、人間は誰もが何かを売って生きているはずです。
「公務員は何も売っていない」と言い張る人もいましたが、公務員は行政サービスを売って給料を頂いています。
「専業主婦は何も売っていない」という人には、専業主婦も子供達の教育や炊事洗濯というサービスをして、ご主人から生活費を頂いています。
つまり、どの人間も、必ず、何かを売っているし、買っているので、対人に向き合う自分の価値観の押し付けだけは、してはいけないのです。
子育てや教育は、ある程度、押し付けも必要ですが、最後は、「自分で考える力」をつけさせることがゴールなのです。
大人になって母親が言っていた「商人は最低の人間だ」の意味は、自分だけ金持ちになって周りの人のことを考えない人間のことを言っているのだと分かりました。
昔は、農家は食べ物だけ作れば良かったのですが、今の時代は自分で売る力がない人は、納得がいかなくても農協の言いなりで生きるしかない時代になりました。
工場の流れ作業で、同じ仕事を繰り返しているのと同じですが、仕事の良い悪いではなく、自分の価値観を見直すことで人生の喜びも大きくなることを今日は気づいて実践して下さい。
どうぞ、よろしくお願いいたします。