【解脱の真理】続編9 ドバイで全財産を使い果たした女性1

多分、2011年の滋賀県琵琶湖神事の時だったと思います。
知らない女性から突然、携帯に電話がありました。
琵琶湖の神事をしたあと、「1時間で良いので私に会って下さい」と電話が来ました。
札幌でもいろんな変な人たちからの電話や突然、訪れてくる人もよくありましたので、またそんな感じだろうと思って覚悟し、波動の高いホテルを見つけて、ロビーの喫茶店で待ち合わせしました。
やってきたのは40代の奥様で、普通に綺麗な洋服を着てお化粧もしていたのでひと安心でした。
コーヒーを注文してから、「さあ、話を聞きますので、どうぞ!」と言うと・・・。
吉岡さんは、解脱したんですよね?
ハイ、しましたよ。
なかなか理解してもらえませんが、確かに解脱してこの地球の過去の歴史のことも、宇宙のことも全てのことを知って、戻ってきました。
本当は解脱した最後の全ての思考が何も無くなった瞬間、やっと、死ねたと思って喜んでいたのに、意識が現実に戻ってくると、まだ生きていることがわかり、ガッカリしました。
それまで苦しい三年修行(1000日修行)をしたのに、また、この辛い裏表の現実を生きなければいけないのかと長い時間、悩みました。
5年間、無償でカウセリングやヒーリングを数千名に行いましたが、現実は妻に迷惑ばかりかけていたので、2003年にやっとお金を稼ぐ決心をして、お客様の相談に乗ってアドバイスすることを仕事にしました。
「2002年に21世紀の柱を立てなさい」と天から突然、言われ、自分が生まれた芦別のイルムケップ山で宇宙のおおもとから新しいエネルギーを繋ぐ神事を仲間たちと行い、そのあとは、北海道中の山を登って自然界にお詫びして回る自然界神事が終わると、「本州のカルマを外しなさい」と声が聞こえ、お金もないのに、こうやって本州の神事をするために毎月、関西、中部、関東を回って神事と勉強会を行っています。
それ以外には、2004年に伊良部島で白龍の神様が目の前に上がり、意味がわからないまま伊良部島や宮古島、そして、沖縄本島周辺の人や神の思いを昇華する神事を地元の人たちと行いました。
だからもう、ヘロヘロなんですよ(^^)
理解できないかもしれませんが、天の神の声が聞こえたら、「やります」と言うまで、寝れず、食べれず、お金も稼げず、徹底的に24時間、攻められますので、最後には「やります」と言うしかなくなる厳しい世界に今も生きています。
だから、生きる喜びなんて、全く感じる余裕はありません。
ところで、どうやって私を知って、今日、会いにきたのですか?
私も、神様に言われたのです。
「北海道の吉岡学さんに会いに行きなさい」と天の声が聞こえたんです。
聞いたことがない名前なので、インターネットを検索して、やっとあなたのブログを見つけましたが、今日、関西神事に来ていることを知ったので、すぐに電話をさせてもらいました。
あなたの神様は、私に会う理由を教えてくれましたか?
いいえ、ただすぐに会いに行きなさいと言われました。
私も全財産を失ってしまったので、あなたに会うのにお金がいると思って、友人に頼み込んでやっと今日、ここにこれました。
そうですか、神様が理由を言わない場合は、自分で気づくしかないのですが、きっと私に会う必要があると言うのなら、私の解脱に関係しているか、もしくは、今の関西神事に関係していると思うので、今までのあなたの体験や経験の全てを話して下さい。
今日、このあと関西の仲間たちと懇親会なので手短にお願いします。
すると、彼女は堰を切ったようように喋り始めました。
私は最初は日本人の男性と結婚して、二人の女の子に恵まれ、何不自由なく、暮らしていました。
夫の事業も成功したので、家族でドバイに遊びに行くことが決まり、久しぶりに家族四人で贅沢をしようと、飛行機はファーストクラス、ホテルもドバイで最高の部屋にしようと楽しみに行きました。
ドバイに着いて一週間くらい経った時でしょうか、突然、神様から、
「今、ここで持っている全ての財産を使い切りなさい」
と声が聞こえたのです。
私の主人もある程度は私の感覚を理解してくれている人なのですが、さすがにこの言葉を言うと、怒りだして会話もできなくなりました。
娘二人にも聞いてみたのですが、彼女たちは二人とも私のサポーターのようで、
お母さん、神様の言葉に逆らってはいけないよ。
私たちはどんなに苦しくても我慢するから、お母さんは神様の言うことを聞いて下さい。
そうでなければ、お母さんの娘に生まれた意味がないですもの。
どうか、お父さんを説得して、全ての財産を使い果たして下さい。
もし、私たちがこのドバイで死ぬのなら、それも受け入れます。
だから、お母さん、どうか、お願いします。
神様の言う通りに、して下さい。
そうじゃないと、この地球が終わってしまいます。
お母さんも本当はわかっているはずです。
このまま人間が好き勝手に生きれば、人間は全て消滅するし、地球そのものも生きれなくなることを・・・。
だから、お願いします。
お母さんは、小学校4年生と2年生の二人の女の子の真剣な目を見ながら涙が止まらず、夫に土下座して頼んだそうです。
このドバイで全財産を使い切るなんて現実的にできるのか?と主人と話し合いました。
日本にある貯金や会社の証券やあらゆる資産もあるのに、どうやって全財産を使い切れと言うんだと彼は怒っていました。
お父さん、あなたの部下に電話して、全ての財産をすぐに売り払い、そのお金で全社員に退職金を渡して会社を倒産させることと、個人資産については全て売り払ってそのお金をドバイの銀行に振り込んで貰えば使い切れます。
お父さん、やるしかないでしょ。
子供たちは、どんなに辛くても、私が神様に逆らうことを許さないのですよ!
もし、お父さんがお母さんの言うことを聞かないなら、二人とも、この高層階のホテルの窓から飛び降りて死ぬと言っているんですよ!
まだ、迷っているんですか?
子供たちが死んでしまいますよ!
ご主人は、この言葉で決意したそうです。
主人は、自分の大切な娘たちの命がかかっているならと、すぐに日本にいる部下に電話をして全財産を売り払ってくれと連絡してくれました。
3日後、日本から数億円の振り込みがありましたが、さすがにドバイの銀行の人たちは慣れたもので、この金額は現金で持って歩けない額なので、制限なく使える特別なクレジットカードを発行しますので、このカードで遊んで下さい。
まあ、この額でしたら、二、三日で使い切れる額だと思うので楽しんで下さい、と言われました。
つまり、二、三日で、使い切れと言うのが、神様からのメッセージなのです。
資産として残るものは買ってはいけないので、ドバイの高級レストランに入り、そこにいる全てのお客様の支払いを全部払ったり、飛行機に乗る人たち全ての航空券を私たちが払って無料にしてあげたり、できることを全てやって、三日間で数億円のお金を使い切りました。
残った小銭は、私たちと子供の食事代として残しておいたのですが、その現金もダメだと子供たち=神様は言うのです。
最後の小銭で食べ物を買い、お腹一杯になるまで食べて、最後は一線も無くなりました。
この事情を話すと、すぐにホテルを追い出されて、行くところが無いので、空港のロビーの隅に荷物の裏に隠れて生活する日々が始まりました。
シャワーも使えないので、トイレの洗面所で体を濡らしたタオルで体を拭き、お腹が空いたらトイレのお水をお腹一杯に飲むことしかできません。
携帯電話も、私のブランドの鞄も全て食べ物と交換してもらって、ほとんどの持ち物が無くなるほど食べ物と交換しました。
最後はもう、下着や洋服しかないので、清掃員の人にお願いして、交換してもらおうと思いましたが、ドバイの清掃員は私たち日本の清掃員と違ってお金持ちなのです。
だから、そんなゴミのような洋服や下着はいらないと言われ、毎日、水ばかり飲んでいました。
ドバイ空港は、24時間、個人所有の飛行機が飛んでいますので、空港ロビーの隅に寝泊まりしていても、誰も文句は言われませんでした。
全ての食べ物が無くなってからドンドン子供たちが痩せていき、、フラフラしているのに、何もしてあげられないことが、とても辛かったです。
毎日、子供たちが眠っている時に、このまま眠ったまま死んだほうが幸せなのじゃないかとも思いました。
主人と私はもう死ぬ覚悟をしたので、遺書だけ書いて自分のバックに入れてあります。
結局、ドバイ空港のロビーに1カ月間いたのですが、ある日、毎日、私たち家族を遠くから見ていた売店の女性が近づいてきました。
出ていけ!と怒られるのかと思っていると、こう言われました。
あなたたちは1カ月間、この空港に寝泊まりしているでしょ。
私は毎日、見ているから知っていたのよ。
でもきっと、いつかはいなくなると思っていたのに、休みが明けて出てきても、まだいるし、子供たちはどんどん痩せていくのを見ていて切なかったのよ。
だからね、まずは、これを食べなさい。
今日は、私のアルバイトの給料日なの。
だから、やっとあなたたちに食べ物を渡してあげられると、この日を待っていたのよ、だから遠慮なく受け取りなさい。
このパンは、受け取れません。
あなたの生活も厳しいのはわかっていますし、私たちはもう十分、贅沢を楽しんだし、何も世の中に恩返しもしないまま死ぬのかもしれませんが、これも神様からの指示なので、諦めています。
あんたは、いいさ!
あんたたち両親が死んでも私には関係ないよ!
でもね、あんたの子供たちを見ていると、私の子供たちがもしひもじい思いをしていると考えてしまうし、私があんたの子供を見捨てたら、私は自分の子供に言う言葉がないのさ。
お母さんは、僕らより貧しい人を見捨てるの?と言われたら、言い返す言葉がないでしょ。
だから、このパンは、あんたたちの分じゃなくて、子供たちの分なの。
もし、子供たちが食べ終わって余ったらあんたち夫婦も食べるといいよ!
と、山盛りのパンを手に抱えて話してくれました。
それでも自分達が今まで本当に自分勝手な生き方をしてきた結果だと思っていたので、気持ちはありがたいのですが・・・と言い返そうとすると・・・。
今日、私は食べるものがある!
あんたたち家族は、今日、食べるものがない!
だから、私があんたたちに食べ物を渡すのは、私の役目なのさ。
もし、あんたたちがたくさん食べ物を持っていて、目の前に食べられない人がいたら助けてあげてちょうだいね。
それで、私は自分の神様に言い訳しなくて済むもの。
私は、今、自分ができることをしているだけなの。
だから、何があっても、受け取りなさい。
これは私の神様からの命令だよ!
と笑顔で話してくれました。
あー、私たちは許されたと思いました。
子供たちに確認しても、「お母さん、もう大丈夫みたい。神様たちの誰も怒ってないよ。もう、大丈夫だからおばさんから頂いたパンを食べましょう。」
私はやっと神様の赦しを得たことがわかり、涙が止まらず、最後まで一緒に付き合ってくれた主人にも感謝して、子供たちを抱きしめて今までの生き方をお詫びしました。
子供たちに贅沢をさせることが良い経験だと思っていたけど、売店のオバサンのように一番大切なことを子供たちに教えられない母親だったということに気づきました。
だから、子供たちの言葉を聞いて、本当に自分の愚かさを知り、神様の思いもわかったので許されたのだと思います。
売店のオバサンが、パンを私たちに分けてくれたことを知った空港職員の人たちが、次々に、食べ物や着るものを分けて下さり、日本へ帰るための旅費もお土産も恵んでくれました。
なぜ、こんなに優しくしてくれるのかを尋ねると、あの売店のオバサンはこの空港で一番古くからいる人で、絶対に、あの日本人家族を助けてはいけないよ!と命令が出ていたので、誰もあなたたちを助けることができなかったのです。
ちょうど、あなたたちのいる場所の目の前に売店があるので、私たちは手も足も出せなかったのです。
自分が言い出したくせに、売店のオバサンがあなたたちにパンを手渡す様子を見たので、私たちも助けることができたのです。
あの売店のオバサンは、悪魔だと思っていましたが、本当は神様なのかもしれませんね。
みなさんの言葉ひとつひとつに神様がいるのを感じるし、私がいかに愚かな人間だとわかったからこそ、優しい主人と子供たちに出会ったのだとわかり、本当に今までの生き方が恥ずかしくなりました。
まだ日本に戻ってきて数ヶ月ですが、主人もそのあと、私とは一緒に居れないと離婚され、今は、子供たちと知人の家に寝泊まりさせてもらって今日を迎えています。
私たちはこのあと、どうしたら、良いのでしょうか?
どうか、私たち家族を助けると思って教えて下さい。
この続きは、次週に続きます。