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【労働組合】仕事と売り場の仕事の共通項

30歳で札幌店の日用品売り場に転勤になった理由は、「労働組合中央執行委員」の仕事が、急に忙しくなってきたからです。

12月に「日本一の売上」を作り、1月の後半に苫小牧店のおもちゃ売り場から転勤した時は、2月から始まる賃金闘争の「春闘の時期」に入っていたので、毎週、苫小牧から札幌へ打ち合わせのために、仕事が終わってから車で1時間移動して参加していました。

当然、苫小牧の家に帰るのは、夜中の2時か3時になるので、翌日の仕事もヘロヘロですが、必死に努力して頑張っていました。

会社の役員と組合幹部が本気で戦う「第一回団体交渉」が終わり、「お互いに妥結するまで一切、話をしない」と決まった数日後、労働組合の委員長から次々と指示の電話が入ってきました。

現場の問題点を10個見つけて、改善提案を今日中に出せ!

どこの売り場に問題があるのか、その問題に対して管理職はどう対応しようとしているのか?

また、その成果は出ているのか?

問題点は、どこなのかを今日中にFAXしろ!

こんな質問が一気に来るほど、人事課と労働組合の「事務局折衝」が始まっていることがわかりました。

 

ひとつの問題点を挙げると、会社はありきたりの答えを言うので、それに対応できるだけの「現場の切り返し文句」を言えないなら「労働組合中央執行委員」になっている意味がないので、ボロクソに言われます。

だからこそ、店長指示のズレと、課長指示のズレや、現場のマネージャー単位の部下への指示のズレを見つけて、現場の問題を写真に撮って残し、会社との交渉材料を集める時期でもあるのです。

転勤してすぐに、そんな動きをすると、仲間のマネージャーたちから・・・

また、「組合の活動」だろう?

俺たちの仕事の文句を会社に言うと、あとからバイヤーにいじめられるので、現場は見せないし、部下もお前とは話をさせないからな!

と言われたこともありました。

そうなると、私は売り場のお客さんに質問します。

いつも、この店をご利用頂いてありがとうございます。

この売り場の商品でご不満とか、ちょっと嫌だなあと思ったことがあれば教えて下さい。

私は売り場の問題を解決する担当なので、どんなことでも解決しますので、お願いします。

こう言われるとお客様は、言いたくないことでも、言ってはいけないことでも話し始めます。

この前ね、見切りで「3割引の商品」を買ったんだけど、レジに持っていく途中で、「今から半額にします!」と声が聞こえたの。

だから、さっき買ったお刺身を持って行って「半額して下さい」と言うと、それはダメだと言うです。

まだ、レジを通過してないのに、そういうのはダメなんですか?

 

これは、生鮮売り場でよくあることですが、問題は、こういう作業に人手が取られるのが嫌なマネージャーが、「断れ!」と指示を出しているのが原因です。

魚売り場と、肉売り場と、野菜売り場にいるお客様にもたくさん問題点をお聞きして、その情報をすぐ組合事務所へFAXしました。

次に、衣料品売り場や一般食品売り場に行っても、同様の問題が出てくるので、問題の原因が「人員削減」なのか、「業務指導者」の問題なのか?、それともお客様の個人的な問題なのかを精査して、全ての問題点をFAXで組合事務所へ送りました。

そして、話ができるパートさんやアルバイトたち全員の休憩時間に、上司や同僚との問題を全て聞き出して、また、組合事務所へFAXしていました。

あまりに私が送った FAXの内容が「現場のリアルな問題」なので、人事課の担当者が売り場にやって来て、私が送った問題点をひとつひとつ確認していたほど、私が見つける問題は、「全社共通の問題」とわかっていたので、あえて報告していました。

人事課の担当者に「お手上げです」と言わせるほど、いくらでも問題点を見つけられるし、「業務改善の方法」も提案できる私ですので、もう、人事課の担当者はパニックになり、「人事課長」に相談しに行きました。

入社した当時の人事課長は栄転されて、私の入社担当をした人が出世して「人事課長」になっていたので、さらに問題はこじれました。

あなたが仕事ができることは誰もが知っていますが、そんな視点で現場を見られたら、どんな人でもボロが出ますよ!

もっと、ザクっと、適当に見て、大まかに報告してくれれば、私も上司たちに言い訳できるので、どうか、お願いします!

ほほう、あなた、「人事課長」になったら偉くなりましたね!

僕に、意見するんですか!!!

いいですよ、やりましょう!

もっと、深く厳しく、徹底的にデータを集めて、「労使交渉」の時に、その爆弾をいくつも会社の役員たちにぶつけてやりますわ!

いいですか!

今、あなたが言った言葉で、私は頭に来たんですよ!

もう、ダメです!

誰が何と言おうと、私は言い張ります!

そう、常務と専務に言っておいて下さい。

今年の賃金闘争は、揉めますよ!!!

やめて下さいよ!

また、「俺のせい」にするんですか!

前にいくつも、あなたのやったことをゴマかしてうまく処理したのに・・・。

僕をいじめるのは辞めて下さい!お願いします!

労働組合と会社の人事課の目的は同じだけど、「視る視点」が違うし、結果として、「現場の問題」を見つけて改善するのは、我々、「労働組合中央執行委員」じゃないですか!

あなたたちは、上からトップダウンで「指示」を出すだけで、その結果がどうなっているかなんて見てもいないし、問題点を把握していないので、私たちが頑張っているのですよ!

もう、あなたとは、「労使交渉」まで口を聞かないので、話は終わりです!

最後は、あの「労使交渉のテーブル」で決着をつけましょう!

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

この年の賃金交渉は大荒れで、どこの企業も収益が出ているのに、賃金を上げたくない風潮が出ていたし、経団連か、どこからか「他の指示」が出ていると思ったので、色々、自分で調べてみました。

知り合いの本州の他の会社の労働組合中央執行委員たちにヒヤリングしたり、知り合いの政治家さんに電話してみると、ある時、一人の政治家が答えてくれました。

・・・・・・・・・・・・・・・・・

これは、内緒の話なんだがな、「上からの指示」で、今年の賃金闘争は「最低で妥結しろ」と言われているんだよ。

誰ですか?そんな指示を出せる人間は???

上よ!上!

俺たち「地方議員」では手が届かない人の命令さ!

と言うことは、国会議員!?

それも、衆議院議員!?

それも派閥が強い、自民党のあの系列の人ですか?

おい!お前!

どこからそんな情報を得たんだよ!

俺は何も言ってないからな!

じゃあ、電話を切るわ!

 

「政治家ライン」がこうなると、あとは、「裏付け」で、上部団体に聞いてみようっと!

あのう、ゼンセン同盟の本部ですか?

私は、北海道ダ◯エー労組の吉岡と言います

ひとつだけ答えて下さい。

今年、「春闘の妥結率を低く抑えろ」という命令は、そちらに聞こえていますか?

今、ある政治家を通してその情報が聞こえたので、「裏付け」が欲しいんです。

我が社は、今年は、目一杯、給料を上げないと、ここ3年間、妥結率が「定昇のみ」なので、ベースアップ分が全くないんです!

これじゃあ、「労働組合の存在意味」がないでしょ!

上部団体のそちらも事情は知っていると思うので、どこの誰かが指示を出しているのか、教えて下さい!

・・・・・・・・・・・・・

あなたの話はよくわかったよ。

でもな、これは、決まったことなんだ。

もう、昨年のうちに、「経団連」と話し合いをして、今年は企業の「内部留保金」を増やしたい企業が多いので、そう決まったのさ。

でもその「内部留保金」は、今年の秋には、海外に出ていくための資金なので、絶対に必要なのさ。

だから、すまんけど、今年は諦めてくれ!

 

もう、ブチギレました!

政治家の指導なら、まだ、国家予算の問題とか、「裏金の問題」と思えますが、それより前の「企業の内部留保金」を貯めたいなんて、許せるわけがありません。

誰のおかげで、その「内部留保金」が溜まったと思っているんだ!

みんな労働者が、汗水流して働いた結果の収益じゃないか!!

俺は、絶対に納得しないぞ!!

そう決めた私は、「全ダ◯エー労働組合」の委員長に、直接、電話して、こう言いました。

委員長、お久しぶりです!

今年の賃金闘争の妥結率を「低く抑える指示」が、「経団連」から出ているのは聞いていますが、北海道の組合だけは本気で戦うので、「妥結率」が、ダ◯エー本体を超えても許して下さい!

おいおい、それはマズイだろう!

毎年、関連会社は、「本体の妥結率」を超えてはいけない「ルール」があるのは知っているだろ?

どうして、そんなことを俺に言うんだ?

このことは、お前の上司である「北海道ダ◯エーの委員長」は知っているのか?

いいえ、まだ、話していません。

ただ、私が今期、「労働組合中央執行委員」になったからには、その結果を出せないなら、やる意味がないでしょ!

私はそういう意味で、「今までの慣習」で物事を決められるのは嫌なんです。

あなたも、私のこれまでの「仕事の成果」は聞いていますよね?

「最先端のロジスティックシステム」も作ったし、「会社の人件費分配率」も変えたし、「日本の物流システムの基本」を全て一から作り直した「実績」に加え、前にいたお店のおもちゃ売り場を「日本一」にした男なのに、どうして、私の好きにやらせてくれないのですか?

もし、あなた以上に「決定権」がある人がいるなら聞いてみて下さい。

「取締役以上」の人たちなら、全員、私のことは知っていると思うので、最終的な判断を教えて下さい。

もし、その結果が納得いかない場合は、私は「労働組合中央執行委員」を降ります。

では、よろしくお願いします。

 

全ダ◯エー労働組合の委員長は、あちこちの取締役に電話で聞いたそうですが、最終的に「筆頭取締役」の人が、社長に直談判してくれたそうです。

数日後、北海道ダ◯エー労働組合の委員長と、人事課に社長から「FAX」が届きました。

 

今年度の労使交渉は、関連会社が(株)ダ◯エーの妥結率を抜いても良しとする! 中◯功

 

やったー!

委員長二人から電話が入り事情を説明しましたが、このFAXは、ダ◯エーだけに終わらず、全てのスーパー、デパート、専門店、DIYの会社や繊維業界に組合の幹部たちから「通達」が流れて、全産業にこの情報が流れて、一気に、その年の春闘を「最高妥結率」で終わりました。

当時、ダ◯エーの社長は「経団連の会長」だったので、結局、他の企業の社長たちと決めた内容を覆した結果になりましたが、あとで、委員長から社長に聞いてもらうと、

これでいいんだ!これでいいんだ!

やっぱり、頑張った奴には金は払わないといかんのさ!

社長は、そういう役目なんじゃ!ハハハ!

 

さすが、時代を牽引した風雲児!

ちなみに、ダ◯エーの社長に賛同してくれたのは、「松◯幸之助さん」だけでした!(^^)

さすが、時代を作った本気の人たちだと感心しました!

 

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