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老後4000万円の世界 「あり得ない!」とは笑い飛ばせない

老後に4000万円って本当ですか?

日経BOOKプラス
 
物価上昇の余波は私たちの「老後××万円」に今後どのような影響をもたらすのでしょうか? FPの山崎俊輔さんの新刊『老後に4000万円って本当ですか? 物価が上がる時代の退職後資産の考え方』より抜粋します。
 

 

日常生活費は15〜20%の負担増

最後の真実は、物価上昇の余波が私たちの「老後××万円」に影響し始めている、ということです。

近年の高齢者の家計を、家計調査年報のデータから読み解いてみると、日常生活費の物価が明らかに上昇していることが分かります。

試しに食費と光熱・水道費の出費額を抜き出してみると、

食費 水道光熱費
2019年 66.458年 19,983円
2021年 65,789円 19,496円
2022年 72,930円 22,422円
2023年 78,964円 23,540円

となります。ざっくり15〜20%は負担増となっているイメージです。

 

物価上昇の影響が日常生活に影響を及ぼしていることは誰でも感じていることと思いますが、こうしてデータをみると、じわりと物価の影響が現れていることが分かります。

食パンやお米は、数年で数十%あるいはそれ以上の割合で価格上昇しています。みなさんの肌感覚では物価上昇率は20%どころではないはずです。

物価上昇に影響を及ぼす要素として一般には「人件費」「輸送費」「原材料費」があげられますが、いずれも近年の上昇幅は20%どころではありません。「円安」の影響も輸送費、原材料費に影響を与えています。

そしてこれは、今後も続くと見込まれます。

 

娯楽費高騰は生活費の上昇を上回る?

物価上昇の影響、どうやら日常生活費だけでなく、教養・娯楽費や交際費の上昇の影響も大きく出てくるようです。もしかすると、日常生活費より、娯楽費のほうが物価上昇の影響は大きくなるかもしれません。

ホテル代の値上がりなどがニュースで取り上げられるようになりました。インバウンド需要の影響がよく指摘されますが、なにも外国人のホテル利用だけが値上がり要因ではありません。

人件費、流通コスト、原材料費の高騰、これらは観光業にもそのまま影響しており、値上げを避けることはできないからです。

 

国内ではなく、海外に出かける娯楽はさらに出費が増します。

ハワイに出かけると2000円相当でもたいしたご飯が食べられない、とよくSNS投稿されますが、これは諸外国での物価上昇に加えて、円安の影響も含まれるからです。ある調査ではコロナ禍前と比べて、海外旅行費用は40%以上上昇しているとしています。

旅行だけではありません。

美術展の入館料、映画館のチケット代金、休憩がてら座ったお茶代なども値上がりしていますから、「ちょっとしたお出かけ予算」も出費額は増えています。習い事の月謝が上がった、という人も多いはずです。

可能性としていえば、教養・娯楽費と交際費については、物価上昇を上回る値上がりを十分に考えておく必要がありそうです。

 

物価上昇率に見合うほど年金は上がり続けるか

私が今注目しているのは、物価上昇と年金額引き上げのバランスです。今後そのバランスがどう変わっていくかが気になっています。

今まで、統計的にはおおむね「日常生活費=公的年金収入」となっていました。世帯によって年金額の違いがあっても、多くの世帯は年金額に生活水準を合わせておけば家計の破綻を回避できています。

このとき、物価上昇率に見合う年金額改定があれば、物価上昇はそれほど怖いものではありません。しかし物価上昇のほうが激しく、年金額はゼロ改定のようなことが続くと、途端に老後は苦しいやりくりとなります。

 

現在、日本の年金制度は給付水準の調整を行っている最中で(マクロ経済スライド)

かなり前からスタートしていたのだがデフレ期にマイナス改定を行わなかったため、未だに続いている)。

実際の物価上昇率(3.2%)を反映しません。

厳密には賃金上昇率(2.1%)が物価上昇より低い場合は、賃金上昇率を見合いにして若干のマイナス補正を行うので、実質マイナス幅も大きくなります。

 

マイナスの調整幅は大きくありませんが、2026年度の年金額改定の際にはマイナス0.2%相当の調整をしています(厚生年金は0.1%)。

引き上げられた年金水準は基礎年金額で1.9%、厚生年金額で2.0%と、引き上げているものの物価上昇率(3.2%)との差は開いているのです。

現在が「日常生活費=公的年金収入」でバランスしていたとしても、将来的に「(日常生活費の物価上昇分)>(公的年金の増額改定分)」となっていく恐れがあります。日常生活費も若干、年金収入で不足し、取り崩す額が必要になります。

なかなか物価上昇率を賃金上昇率は上回らず、またマクロ経済スライドについてはまだ続く予定です(現行法のままだと厚生年金のほうが先行して終了、国民年金分が長期に及ぶ見込み)。物価上昇とのズレはまだ続くでしょう。

 

物価上昇は「老後××万円」に影響を及ぼし始めている

物価上昇により「老後2000万円」では老後の余裕が足りなくなっていくことは間違いありません。

これまで20年以上にわたって低インフレ〜デフレ基調の世界にいた私たちは、物価上昇を実感することができませんでした。ところが、この数年で動き出した物価上昇ははっきりとトレンドとなりつつあります。

過去とまったく同じ計算方法で「老後××万円」を計算し続けると、じわじわと増え続けている負担増に対応できません。

旅行のコストも、日常生活のコストも上昇し始めてきた影響が現れ始めています。公的年金も増額されるものの、完全に物価上昇をカバーしきれないものですし、教養・娯楽費と交際費については公的年金がカバーする範囲外です。

このような物価上昇トレンドが、10年あるいは20年継続したとしたら、「老後××万円」は今よりも多い金額になるのが当然のことです。

「老後4000万円」を「ありえない!」と笑い飛ばせない時代が、もう、そこまで来ているのです。

 

物価は上がり続けるのに、旦那の給料もパートの給料も上がらない。

でも、子供は成長するので、大学か専門学校に行きたいと言う。

年金額は少ないし、今以上に年金が上がる可能はない。

 

日本の人口減少問題

日本の総人口が持続的な減少局面に入ったのは、2011年(平成23年)からです。2008年の1億2,808万人をピークに総人口の減少が始まり、2011年以降は毎年継続して人口が減り続けています。

日本の総人口は、過去最大となるペースで記録的な減少を続けています。総務省の国勢調査(直近の速報値)によると、日本の総人口は1億2,305万人となり、前回調査から約310万人減少しました。この人口減少は全国的な現象であり、9割以上の市町村で人口が減少し、深刻な人手不足や地域社会の維持が課題となっています。 
 
人口減少の現状と推移
日本の人口は2006年(約1億2,774万人)をピークに減少局面に突入しており、特に少子高齢化がその主な要因となっています。国立社会保障・人口問題研究所などの将来推計によると、このままでは2050年頃には約1億人を切り、さらなる減少が見込まれています。
 
 
 

 

今の日本の現状を考えて、あなたならどう対策しますか?

この人生に起きることは、「全てが自己責任」なので、自分で将来を考えた人生設計を持って子供達に希望を与えて下さい。

それが、大人の役目です。

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