健康保険・厚生年金保険・介護保険の平均保険料率を合計すると、2023年度で30.12%にもなります。

厚生年金保険料は、計算の基礎となる「標準報酬月額」の上限が2027年9月から段階的に引き上げられることが決定しており、高所得者層を中心に保険料の負担が増加します。

一般的な会社員の基本保険料率自体は18.3%(労使折半)で固定されていますが、収入が高い層の適用範囲が広がります。

 

折半後の従業員負担は15.06%。所得税や地方税のほかに、額面(標準報酬月額)の15%ほどが社会保険料として差し引かれていくわけです。

国税庁の民間給与実態統計調査(2023年)によると、給与所得者1人あたりの平均年収は460万円ですから、その金額にこれら3つの保険料率を乗じると、約69万円になります。

  

 

単純に言えば、平均的な日本人は税金のほかに「毎年約70万円」を社会保険のために拠出していることになるのです。

保険料の上昇によって健康保険組合が維持できなくなり、解散するケースも相次いでいます。

主に企業単位の健康保険組合が解散すると、従業員の健康保険は「協会けんぽ」に移行します。協会けんぽには現在も約1兆2000億円の公費が投入されており、「組合の解散」が増加すると、この公費負担も増大しかねません。

 

高齢者の増加はこれからも続きます。

医療費の増大をどう抑制するか、現役世代の負担をどう抑制するか。2000年代に入ってずっと議論されている社会の大課題は、今も根本的な解決策を見いだせないままです。

 

フロントラインプレス
「誰も知らない世界を 誰もが知る世界に」を掲げる取材記者グループ(代表=高田昌幸・東京都市大学メディア情報学部教授)。2019年に合同会社を設立し、正式に発足。

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