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小学校のほぼ3年間の授業がなかった理由 2

家に帰ると、明日からの「時間割」を作り始めました。

まず、国語、算数、理科、社会・・・音楽と体育も、あったほうがいいかなあ。

あ!「家庭科」の時間もあると、女子たちは、嬉しいかも!

中学もろくに行けずに、嫁に出される奴もいるから、料理やいろんな「女仕事」を小学生のうちから覚えておくと、いいと思うなあ。

これは、母に聞いてみよう!!!

・・・・・・・・・・・・・

そうかい、そういうことに決まったのかい。

 

いいねえ、あなたたちは自由な発想ができて・・・。

 

私の時代は、朝から晩まで「軍事教練」ばかりなので、ろくに授業もないし、あとは、家に戻って「農家の仕事」を手伝うだけだから、学校の勉強の面白さも嫌な部分もよくわからないわねえ。

 

「女仕事かい?」それは、得意だわ。

 

じいちゃんに、幼稚園の頃から徹底的に教えられているので、それを教えなさい。

 

まず、「裁縫」だね。

お裁縫は、女の大事な「針仕事」って言って、これができれば、洋服も着物もスカートもズボンも自分で作れるようになるよ。

 

その次は、「しつけ」だね。

女はいくつでも、子供を産めば母親でしょ。

 

だったら、まず、自分の子供の「しつけ」を先に覚えないと生きていけないでしょ。

 

お茶やお花の「道」ってつくのを教わると、生きていくのに、大切な心を学べるから、それが結局、「子供のしつけ」につながるのさ。

 

あとは、料理だけど、私は好きじゃないので、他のお母さんに聞きなさい。

 

もし、料理以外で教えて欲しかったら、私が教えにいくわ。

 

親が子供の学校へ行ってはいけないルールは無いので、私があんたたちの先生になってあげるよ!それで、どうだい?

アマミカムイ
アマミカムイ

ありがたく母の言葉を受け入れますので、どうぞ、吉岡栄子先生、よろしくお願い申し上げます。

よし、よし、それでこそ、人に物事を習う「人間の態度」だから、みんなにも言っておきなさいね。

 

子供ってね、親を「都合のいい人間」と思ってるバカな奴もいるけど、そんなことはないからね!

 

タダで飯を食わせて、学校へ行かせて、風呂にも入れてあげて、電気も水道代も取らない時期は、「義務教育の間」だけだからね。

 

あとは、大人になってから、「恩返し」できる人間になりなさい。

 

そういうことがわからない人間は、一生、結婚できないし、きちんと、子供を育てることもできないさ。

 

私は学校で勉強させてもらえなかったからこそ、お前たちは学校に行って欲しいのさ。

 

いろんな知識を知ってから物事を体験すると、同じ「起きたことの意味」をいろんな角度で考えられる人間になるでしょ!

 

バカな人間ほど、自分の思いを言い張るけど、賢い人は、必ず、「言い方」を変えてくれたり、相手が分かりやすく話せるので、私もそういう人にたくさん出会って成長できたのさ。

 

だからね、親は自分が思った通りにしか子供を育てられないからこそ、学校で同じことを勉強したら、どう思ったかを「全員」で話し合いなさい。

 

それが、「本当の学校教育」だと私は思うよ。

 

あとは、自分達で考えなさい。

 

わからない時は、いつでも聞いていいからね!

 

親はそのためにいるんだから、学校が教えることが一番じゃないし、どこかの親が言うことも一番じゃないから、賢い親たちは、自分の考えたことをお母さんたちと話し合いながら、「視点を広げる努力」をしているものだよ。

 

だから、お前たちも徹底的に話し合いなさい。

 

それで喧嘩になってもいいし、殴り合いになってもいいから、自分の意見を言い通して、そして、違う相手の意見が、なぜ、そう思うのかを考えられる人間になりなさい。

 

きっと、先生たちが教える授業より、面白くなりそうなので、私もこっそり、お前のクラスの授業に参加してみるね。

 

じゃあ、頑張りなさいね。

・・・・・・・・・・・・・・・・・

母は、偉大です。

たった一言、「女仕事」を聞いただけなのに、人生をどう生きるべきか、仲間とどう付き合うか、先を見据えたことを教えてくれました。

さあ、クラスのみんなのお母さんたちが見に来ても、「喜んでもらえる授業」にしないと、育ててもらった「恩返し」にならないから、明日から頑張るぞ!!!

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

翌日、母が教えてくれたことを頭のいい女子に伝えて、「女授業」の時間割を1年間、計画立てるよう指示を出しました。

さて、問題は、「国語、算数、理科、社会、音楽・体育」の先生役を誰にやらせるかなので、全員を集めて聞いてみました。

アマミカムイ
アマミカムイ

国語の先生をやりたい人!!

はい!、私、文字を読むことが好きなのでやります!!!

アマミカムイ
アマミカムイ

はい!決定!

 

社会の授業をやりたい人!!!

はい、私、歴史が大好きなので、自分で予習して教えます!!

アマミカムイ
アマミカムイ

はい!決定!

体育の先生をやりたい人!!!

お!!体育なら俺、自信あるな!俺、やるわ!

アマミカムイ
アマミカムイ

おい、お前が動くんじゃなくて、「体育の授業」をするんだから、ちゃんと先生の教科書通りに教えろよ!

そんな「先生の教科書」なんて、俺、持ってないもん!!

アマミカムイ
アマミカムイ

それは、任せておけ!俺が校長先生から手に入れるから!はい、決定!

 

音楽の先生は、誰がやる?

 

私は、歌うのが好きだけど、教えられるかなあ???

アマミカムイ
アマミカムイ

音楽の授業は、歌だけじゃないだろう!

 

楽器を持って演奏したりするので、音楽室からそっと楽器を持ってきて、一緒にみんなで演奏の練習をしようぜ!はい、決定!

アマミカムイ
アマミカムイ

「理科」は、実験とかあるから難しいことはやらないで、実験を全部、自分たちでやってみようぜ!

 

兄貴や従兄弟たちに聞くと、ほとんど実験をしなかったと言っていたので、小学生でもできるはずなので、やってみようぜ!

 

何か、難しい「薬品」を使う時は、こっそり校長先生に聞いてみるので、俺が交渉するわ!

 

実験の道具の手配や綺麗に片付けるのは、誰がやる?

 

私にやらせて下さい。いつも、家の中のお片付けの担当なので、綺麗にするのは大好きなので、私がやります!

 

アマミカムイ
アマミカムイ

じゃあ、決定だね!

 

えっと、俺が苦手な「社会」は誰がやってくれるのかな?

 

あのう、私もあんまり得意じゃないけど、みんなのために勉強したいから、やらせてもらえるかな?何をやるのかも、よくわかってないけど、それでもできるかな?

 

アマミカムイ
アマミカムイ

大丈夫!絶対に、僕よりできるに決まっているさ!

 

僕は「嘘の歴史」を聞いた瞬間に、体が反応して、何か間違いか、何が正しいかがすぐにわかるから、教科書が間違っているところは、自分たちで塗り替えようぜ!

それ、面白いねえ。私はいつも、中学生のお姉ちゃんの教科書も見てるけど、「歴史」だけは本当に正しいのかどうか話からないので、わかると嬉しいなあ!

 

アマミカムイ
アマミカムイ

じゃあ、歴史は「君」にお願いします。

 

さあ、最後は、算数だ・・・。

 

女子は算数が嫌いな奴が多いけど、賢い女子よ、やるか?

 

頭のいい女子たちの誰か、やるかい?

 

いいえ、遠慮します。それは男子から選んで下さい!

 

私たち「賢い女子」は教えられるけど、きっと、女子が算数を教えると、男子たちが怒ると思うので・・・。

アマミカムイ
アマミカムイ

いや、待て待て!

 

俺は、怒らないけど、俺たち男子の誰かが教えたら、きっと、今度は、お前たち、賢い女子が怒るだろ!教え方が下手だって!!!

 

そんなこと、見えてるぞ!

 

これを機会に、男たちに「文句を言いたい女たち」が大勢いると思うな・・・。

(これには女子たちはムッとして、返答しませんでした)

・・・・・・・・・・・・・・・・・

アマミカムイ
アマミカムイ

じゃあ、いいわ、俺がやるわ!その代わり、アシスタントに、女子で一番、「算数が苦手な奴」が、なってくれ!

 

俺の教え方が悪けりゃ、その女は一生、数字が苦手になるし、もし、うまく理解してくれたら、俺、嬉しいもん!

 

たった、一人でも算数が嫌いじゃない女子がいたら、俺、大好きになりそうだわ。

そういうこと!!!?吉岡くんの好みの女をアシスタントにするってこと??

 

本当に、男って、自分勝手だよね〜・・・・。

アマミカムイ
アマミカムイ

おい!お前!殴るぞ!!!

 

俺は、女子の中で一番、「頭が悪い女」をアシスタントにすると言っただけで、誰がそうなのかは、俺は知らんもん!

 

だから、お前たち女子で話し合って、一人、決めてくれ!!

 

本当に、お前は早とちりだし、自分勝手に物事を判断する女だなあ。

 

きっと、そのまま年を食って、「うるさいババア」になるんだろうな・・・。

 

まあ、いいわ、あとは、女子が決めた「家庭科」の授業表が決まったら、1年間の授業をやり直そうぜ!

 

どうせ、4年生になってからの授業が何だったのかも、よく覚えてないと思うから、「4年生の一学期」からやり直そうぜ!

あのう、ごめんなさい。

私、掛け算と割り算の二桁以上ができないので、そこからお願いします。

あ!俺は、足し算の二桁からチンプンカンプンなので、そこからやってくれ!

 

もし、やってくれたら、絶対に、算数以外も頑張るわ!!

アマミカムイ
アマミカムイ

おお、おうか、そこからわからんかったか・・・、そりゃあ、辛いなあ。

 

先生たちは、自分が決めた授業時間を一人で話してしまうので、どんどん置いてきぼりになる人間が多いのは知っていたが、いかんわ・・・、足し算と引き算だけは一生、どんな仕事でも使うので、みんなで教えるから一緒に覚えような!

 

それとよ!!教える先生役の人は、必ず、「期末にテスト」をやろうぜ!

 

点数がどうこうじゃなくて、どこがわからないかをテストすると何回でも教え合えるだろう!!

 

ここにいる全員がお互いを教え合って、全員ができるようなったら、次の学年に進級だ!!!

 

どうだ!おい!、「小学校1年生」からやり直さないか!!!

 

「漢字の読み書き」も、わからないとこあるだろう!!!???

 

みんなで教え合えば、絶対に、早いからどんどん進級すると思うけど、これは「全員一致」じゃないとできないので、意見を聞かせてくれ!

 

それとな、うちの母親が俺たちの授業を見にきたいって言っているので、来ていいか?

 

きっと、お前たちの親たちも、見にくると思うぞ!

 

それでもいいかどうかを意見してくれ!!

私たちの授業を見られるのは恥ずかしいけど、仕事が忙しいのに給食を作って持たせてくれるし、学校に来ていく洋服も買ってくれたり縫ってくれるので「恩返し」の意味でいいと思います!

俺も、母ちゃんにバカにされているから、みんなで真剣に勉強している姿を見てほしいなあ・・・。

アマミカムイ
アマミカムイ

じゃあ、ぜひ、親たちが見にきて感動するくらい、本気で楽しい授業にしようぜ!!!

 

それと、うちの母親は、裁縫とお花とお茶の先生だから、教えに来てくれると言っていたぞ!

 

苦手なのは「料理」だから、お前たち女子の中で料理が得意なお母さんにお願いしてくれ!

 

鍋やらガスコンロやらは、校長先生に許可を取れば、用務員のおじさんが用意してくれるはずだ。

 

さあ、みんな、小学校1年生からやり直すぞ!!!

 

いいかい!!おい!!!

おーーー!!!おーーー!!!!

つづく

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