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【ダイエー】ビール会社3社にタダ酒をご馳走頂いた話 1

天無神人(アマミカムイ)に「サラリーマン時代」があったことを信じられない人もいると思いますが、一部上場企業で売上2兆円超(1994年)の会社にいたので、面白いことをたくさん経験させてもらいました。

今日は、その一例をご紹介します。

「東京本社勤務」になる前の最後のお店は、札幌市の中心部にある古いお店で、売上もそこそこ、利益も出ない「赤字のお店」だったので、毎日、上司から怒られるし、楽しみなどなく、毎日、バックルームで殴り合いの喧嘩が起きるほど、気の荒い人たちが働いている職場でした。

その中で、「日用品売り場」という目立たない売り場でマネージャー(課長職)をしていた33歳の私は、毎日、経費をかけずに、売上を上げるため必死ですので、楽しみと言えば、たまに、ススキノで飲みに行くしかない日々でした。

「ゼンセン同盟 流通部会 全〇〇〇〇労組 労働組合中央執行委員」という肩書きは、お客さまには知られていませんが、ご主人が労働組合関係者の場合、業種に関わらず、売り場で挨拶されるほど、全国でも北海道では実力がある企業に勤めていました。

毎朝、開店後の店長と同じ時刻に、全てのフロアを巡回して周り、パートさんやアルバイトの処遇や、タイムカード管理の実態との差を調査しながら、直接、現場の人の声を聞き取ることも「労働組合中央執行委員の仕事」でした。

ですので、いつでも、どこの売り場の問題も「筒抜け」で聞こえてきますので、店長や課長は私を敵に回すと自分が飛ばされる危険があるため、「最も気を使う相手」だったと思います。

実際に、従業員にタイムカードを押させて「サービス残業」をさせていた生鮮3品のマネージャーたち全員が、「無理な利益を出したい店長指示」だと判明したとき、北海道から本州へ、もしくは関連会社にすぐに「転勤命令」が出たほど、「本社の人事課と労働組合」は深い信頼関係で保たれていました。

その理由は、会社のトップは少しでも安い人件費で従業員を使いたい思いとは別に、労働組合は少しでも従業員の給料を上げるために毎年、3月の賃金闘争で戦い、流通業トップの我が社の「妥結率」が、デパート、スーパー、専門店などあらゆる「流通業の賃金基準」となるので、最後の最後は正社員の給料を100円上げるための戦いを毎日していたからです。

「春闘(春季闘争)」と呼ばれる時期は、会社の経営陣がずらっと並んだ真迎えに、労働組合の役員7名が座り、賃金の値上げ交渉を戦う「労使会議」の席で、最も有効な手段が、「会社の言い分と現場の問題の差」であり、その実態を示すために、専従役員の委員長以外、私たち「労働組合中央執行委員6名」各お店に配置されていました。

「社員」の給与を決めるということは、同じ賃金計算なので、「管理職の年収」も同時に決まるため、春の賃金闘争の時期が近づくと、私たち中央執行委員はお店には出られず、店長課長たちが私の売り場を応援しに来て、「頑張って、俺たちの給与も上げてくれよ?な!」と頼まれるほど強い信頼がある立場の人間でした。

毎日、眠れないほど辛い戦いが4月半ばにやっと終わり、やっと会社と「賃金妥結」したそんなある日、札幌大通公園の「ビール祭り」が毎年ありますので、今年はどこの部下を連れて行くのかを悩むほど、若い部下たちは「お金がないけど、お酒は飲みたいです!」と、「ビール祭り」が近づくと、普段よりも真面目に仕事をこなしてお願いしにきます(^^)

ある日、自分の部下数名を連れてススキノで静かに飲んでいると、周りに三つの大きな団体が入り、やたらと上機嫌なので、どこの会社か聞いてみました。

キリンビール、アサヒビール、サッポロビールの3社が、大通公園の「ビール祭り」の初日のアルバイトたちのための「ご苦労さん会」を同じ居酒屋でやっていますと、教えてくれました。

あまりに上機嫌で、自分達の声が聞こえないくらいの大声を出すので、「声のトーンをもう少し抑えてくれませんか?」と何度も頼んだほど、盛り上がっていました。

「まあ、自分達も勢いがありすぎて、周りの人たちに迷惑をかける時もあるので、今日は諦めて静かに飲もう」と、部下とチビチビ、お酒を飲んでいました。

1時間ほどでうるさい集団がやっと帰ることになり、ビール会社3社の営業マンが揃って、「ご迷惑をかけてすいませんでした!」と名刺を出したので、私は会社の名刺を渡しました。

「株式会社北海道〇〇〇〇、札幌店 日用品売り場責任者」という名刺です。

「ああ、日用品ですか・・・」と言ったので、

「俺な、食品売り場の奴らはダチみたいに仲が良いし、いつも一緒に飲みに来る関係だから、あんまり、そつなくすると、損をすると思うよ!

と、牽制球を投げておきました。

実際に、食品売り場の責任者も担当者も、「労働時間の問題」でいいだけ言い争った相手だし、そのまま飲みに行って本気で本音を言い合った仲間なので、お互いにお互いの立場を尊重しながら付き合う深い関係の相手でした。

「あのう、ちょっとお話しさせてもらっていいですか?」

と当時、キリンビールの若い営業担当が言ったので、他の2社も帰るに帰れなくなり、三人が私の前に座りました。

これは時間がかかると思ったので、部下を先に帰らせて、何を聞きたいのか、徹底的に話しを聞くために、三人に、ビールを3杯ご馳走しました。

自分が連れてきたアルバイトたちに気遣っていたのがわかったので、

お前たち、飯をまともに食ってないだろ!

 

さっき見てたけど、お前たちの気の使い方には感心した。

 

今日は、俺がご馳走してやるから腹一杯、飯を食って帰れ!

 

それが、「我が社にお付き合い頂いているお取引先様だ」と、私はいつも社長メッセージで聞いている。

 

だから、今日は、俺の奢りだから腹一杯、飯を食って帰れ!

と言って、それぞれの会社のビールを呑ませて、飯を食わせました。

「札幌ビール祭り」は、各ビールメーカー営業の「新人登竜門」だそうで、この最初のメーカー同士の戦いが、1年間の売上に比例するほど、お客様の反応がわかるので、「最も優秀な新入社員」が選ばれると教えてくれました。

2時間くらい色んな話を聞いている間に、ビール5杯づつ、飯もたらふく食った若い営業マンたちは、満足げな顔をして、私の名刺をもう一度、眺めていました。

あのう、冷静に考えると、どうして、日用品売り場の人が、私たち食品売り場の取引先にご馳走してくれるのかわかりません。

 

どうか、その気持ちを教えて下さい。

 

私たちは、まだ、半人前の営業マンなので、お互いに足を引っ張るのではなく、「真剣勝負で戦う誓い」を立てているので、この三人だけには嘘がありません。

 

先ほどからあなたに質問した返事を聞いていても、どんな質問にも答えてくれるし、その内容も的確なので、もしかすると、この会社のお仕事以外に、何かの仕事をされている人なのかと話していたところなのです。

 

どうか、よろしければ、教えて下さい。

じゃあ、話すわ。

俺なあ、もう一枚、名刺があるわけよ、ほらこれ!

 

「労働組合中央執行委員???」・・・て、何をしている仕事ですか?

お前たちの会社の従業員の給与を決めるために、戦っていると言ってもいいかな?

 

つまりな、「労働三法」っていう国の法律で守られているので、「労働組合」は会社と対等な立場なのさ。

 

従業員は、会社の上司に言われたら理不尽なことでも、ノーは言えないだろ!?

 

つまり、個人では会社と戦えないから、労働組合という団体で戦って良いという法律が、昭和22年にできたわけよ。

 

労働組合がなければ、一生、安い給与で働かされて、会社の利益は経営陣と株主に配られるので、その前に、「従業員に少しでも多く払え!」と戦うのが、俺たち労働組合の役員の仕事さ。

 

普段は日用品売り場にいるけれど、今いるお店の全ての従業員の問題を把握しているし、それぞれの売り場の責任者や課長・店長と、対等に話ができる立場にいるので、偉くはないが、人はたくさん知っているぞ!

そうなんですか!じゃあ、あの「食品売り場」のマネージャーとも仲が良いんですか?

「仲が良いとかじゃなくて、アイツの部下にサービス残業をさせていたのをやめさせて、その責任を店長と課長に取らせたので、アイツはもう、誰にも気を使わず、部下に残業代を払えるのさ。

 

そこにこの「労働組合中央執行委員」の名刺が、効いてくるわけよ。

 

俺は、ことあるごとに、現場の問題を店長と課長に報告して、どう対処するかを追求するので、店長は、会社のトップダウンより、俺のボトムアップの方が怖いと言っているほどさ。

 

 

そういうことをするには、上司・部下の関係なら無理だろ!

 

だってな、俺、一度、言い出したら、絶対に引かない性格なので、物事の善悪よりも、人の気持ちを一番大事にして生きてきたから、いつ辞めても良いくらいの気迫で店長に迫るのさ。

 

本当は、刃物で差し違えても良いくらいの気迫なので、大概は「交渉」で決まるけどな。

食品部門の「サービス残業」は、どこのお店も一緒で、計上している時間の軽く2倍は残業しているし、年末の繁忙期になると、「残業の基準時間」も増えるけど、さらにその3倍のサービス残業をするほど、奴らは真面目に頑張って働いているのさ。

 

だったらよ、俺が奴らを支えてやらないと、一生、部下たちに残業代は払われないから、俺、一人の課長の責任を追求して、すぐに本州へ飛ばした実績もあるので、店長はヒヤヒヤ、マネージャーはニコニコさ。

 

ま、そういう関係なので、「日用品担当」だと思って、馬鹿にするなよ!!

本当に、スーパーの従業員も取引先も、なぜだか、派手な「食品部部門」にいる奴らだけが目立ってしまい、真面目に働いている人間に光が当たらないのは、イトーヨーカ堂も、ニチイも、西友も同じさ。

 

みんな同じ組合の「流通部会」の仲間なので、よくそういう話をしているんだぞ!

 

まあ、花形の食品関係の、特に「ビール部門」が花形なのはわかっているので、あまり派手にやるなよ!

 

今、海外の安いビールは売れているし、これからもっと世界のビールが入ってくるから、日本国内の問題だけでなく、世界のビール会社と戦う知恵がないと、お前たちの将来も無くなるので、もっと世の中の流れを勉強しておけよ!」

・・・・・・・・・・・・・

あのう、最後に、もう一枚づつ、さっきのあなたの名刺をいただけませんか?

どうした?さっき、渡した名刺は、捨てたのか?

いいえ、あなたの話を聞いていたら、ぜひ、うちの課長たちにも話を聞かせてあげたいと思ったので、今、三人で話して、自分の課長に「こんな面白い人に会った」と報告したいので、もう一枚づつ、名刺をください!!!

まあ、良いけど・・・お前たちは素直で良い奴だから、きっと、お前たちの課長もいい奴だと思うので、機会があったら、ぜひ、飲みに誘ってくれな!

 

ただしな、俺の会社は、お取引先にご馳走されるのも、お中元お歳暮をもらうことも「ワイロ」と判断されてクビになるので、「割り勘」で飲みたいと課長たちには言っておいてくれな!

それとな、さっきお前たちが俺にくれた名刺に、「札幌ビール祭り」で俺にご馳走するビールの杯数を書いてくれ!

 

だってよ、お前たちは「知らない人」にご飯をご馳走になったわけだよな?

 

もしかすると、このまま一生、会わないかもしれないだろう。

 

だったら、「ビールの1杯」くらい、お前たちの気持ちで俺に飲ませろよ!

 

それが、「男のお返し」ってもんだろ!

あのう、ビール券とかじゃ、ダメですか?

ビール券なら営業用で使えるのをいくらでも持っているので・・・。

お前なあ、その「ビール券」は、お前たちのお取引先に渡す会社の経費だろ?

 

そんなもん、欲しくないわ!

 

俺が言っているのは、今日、この俺と出会って色々な話をして、もし感動したのなら、「ビール一杯」くらいおごれ!と言ってるだけだろ!

 

それとな、一応、優秀な新人社員と聞いたので教えてやるが、各メーカーブースに10名以上いるアルバイトさんたちに、「お前たちの指示」がどれくらい徹底できるかを見るためにも、この名刺にお前たちが「数字を書く意味」は、大事なんだぞ!

普通の会社の営業ってのはなあ、事務机の上で「取引」が決まるんじゃなくて、クラブやスナックまで接待して、気持ち良くなった時に、「おい!明日、お前の会社のビールを100ケース持ってこい!値段は、まかすからな!」と言われた営業マンは、急いでトイレに行ってメモする暇もないから、名刺にちょこっとメモするのが精一杯だと、プロの先輩営業マンが話してくれたぞ!

 

だから、お前たちの思いと実力を、この名刺のメモで試すので、さあ、書け!早く書け!

キリンビール営業マン

「じゃあ、あなたが来たら大ジョッキビール1杯タダで飲ませて下さい。営業部◯◯◯◯」と書きますね!

アサヒビール営業マン

「じゃあ、俺は2杯にしようかな?でも、やっぱりやめよ!1杯にします!」

サッポロビール営業マン

「俺も、1杯はご馳走します!もし、それ以上、飲みたければ私に電話して下さい。このポケベルの番号も書いておきますね!」

キリンビール営業マン

「おい!勝手に抜け駆けするなよ!じゃあ、俺も個人のポケベル番号を書いておきます!!」

アサヒビール営業マン

「俺まだ、ポケベル持たせてもらってないので、課長のポケベル番号を書いておきます。最後にこの数字を入れておけば、私からとわかるのでお願いします!」

じゃあ、俺も「労働組合のポケベル番号」を教えておくわ。

 

ただし、この番号はお店の店長や課長にも教えてないので、「他の人間」には絶対に教えるなよ!

 

このポケベルにかかってきた場合、必ず「緊急の案件」だから、会社の仕事を全て放り出して良いという許可があるほど、強力なので、お前たちが電話で話したい時は、最後に「110」と入れろ!

 

これは俺の誕生日だから、覚えやすいだろ!

いやあ、それより、問題が起きて警察に電話するか、あなたに電話するか迷うくらいの番号ですね!(^^)ありがとうございます!

おう!また、明日か明後日、「札幌ビール祭り」に飲みに行くので、よろしくな!

つづく

 

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