【沖縄】「神さま」の意味と年長者
一般の皆様のように、神さまや霊を見えない・感じない方が、何をどう大切にして生きるかについてですが、一番大切なのは、まず、生き神さま=年長者=おじー・おばーを大切にすることです。
なぜ琉球地方だけが数千年もの間、一般の宗教が入り込まず、ウタキや先祖供養や先祖ごとを大切に守ってきたのかを調べていくと、実は、その先祖ごとの付き合い方に、神さまとの付き合い方の本質が隠されているのです。
おじーやおばーを大切にする心は、琉球地方に、本当に今もたくさん残っています。
日本にも昔あった心で、誰もがそう教えてこられたはずなのですが、ここ50年間ほどの”個人主義”を優先しすぎた結果、結局、自分たちの心がすさみ、昨今の事件を引き起こしているのです。
おじーやおばーを大切にするという意味は、生きている人間の年長者を大切にという意味もありますが、実は、先祖の代表だからなのです。
先祖の代表とは、過去、自分を生んでくれた親、親を産んでくれて祖父母、祖父母を生んでくれたそう祖父母・・・・・。
この亡くなった方たちをさかのぼっていくと、実は、みなさんの”魂のふるさと”まで、さかのぼります。
この”魂のふるさと”は、人間だけのものではなく、すべての生類(しょうるい)の御霊のふるさとでもあるのです。
動物も植物も、昆虫や微生物も、花も木も、山も川も、すべてに存在している”魂のふるさと”なのです。
この目に見えない”魂のふるさと”を守っている方たちのことを神さまといいます。
そして、その神さまは、ときには、人間の身体を借りてこの現実世界に現れるときもありますし、目に見えない形で、その声を聞こえる人たちへ大切なことを伝えにきてくれています。
神さまやご先祖の目に見えない世界のことを正しく聞き取り、皆さんへ伝える役目、つまり神の代弁者が、神人(カミンチュウ)なのです。
しかし普通の人間より霊的感覚があるからといって、すぐに、すばらしい神人になれるわけではありません。神人には、神さまと同じように、”霊格”があります。
その霊格をひとつあげるにも、人間としても、霊能者としても、とても辛い経験を乗り越えなければなれません。
ですから、昔から神人になることは、大変、苦しいこととして、その役目があっても逃げ惑う人たちもいたのも、仕方がないことなのです。
この見えない世界がなぜ厳しい世界かというと、実は、この神の世界には、人間が作った勝手な常識や倫理感は、一切、通用しないからです。だから、霊格のある神人ほど、神に向かうときの覚悟は、ものすごいものが必要になるのです。
人間の本質には、生きとし生けるものすべての本質に通じる大切なものが、魂の記憶にインプットされているのです。
それを思い出すのに長い年月を経て、人生を反省し、その学びを子供たちへ伝える知恵の伝承者が、おじーやおばーなのです。
理由がわからなくても、「あそこへは、夜は、行ってはダメだよ」とか、「この時期に、あの方角へ失礼なことを言ってはいけないよ」とか、不思議なことですが、実は、たくさん大切な過去からの知恵があるのです。
その過去からの大切な”いいつたえ”の伝承者が、おばー(女性)なのです。
だから琉球諸島の島々の神事は、おばーたちが取り仕切ることになっているのです。そして、その全体を見守るのも、神人(女性)なのです。
どうぞ、こういう大切な心を、一人でも多くの周りの方へお伝えください。私がこのブログを通して、皆さんに、本当に伝えたいことも実はそういうことなんです。
目に見えなくとも神さまは、いつも見ているからこそ、日々の一人一人の行動と意識がとても大切なのです。
お祭りのときだけや、自分が困っているときだけ、神様に手を合わせても、神さまは、決して喜びませんからね!
そして、神さまに向き合う時のルールも誰かが、きちんと伝えていくということも、そこに生まれた人や、そのことを知っている人たちの大切な役目だと感じています。
目に見えない世界のことを、宗教がどうの、誰かがどうのと言い訳する前に、自分たちのご先祖に感謝するという行為を自分はどうしているかを問いただしてみてください。
自分の親や年長者を大切にすることは最高の”しつけ”でもありますし、実は、自分の存在そのものがあることに感謝することにもつながっているのです。
だから、ご先祖や、おじーおばーや、神さまを大切にするということは、実は、自分が生きていることをありがたいと心から思うことの行動の表れでもあるのです。
大切なことを守り続けてくれている伊良部島・宮古島、そして、琉球諸島すべての皆様に、心から感謝を送りたいと思います。ありがとうございます。